1.バイナンスコインとは?
「バイナンスコイン」とは、同名の仮想通貨取引所である「Binance(バイナンス)」が発行している仮想通貨です。
ティッカーシンボルは「BNB」で、2021年9月時点では仮想通貨全体の時価総額ランキングにおいて堂々の4位となっており、かなり人気の高い仮想通貨であることがわかります。
ちなみに、仮想通貨の時価総額ランキングの1位はビットコイン、2位はイーサリアムといったおなじみの主要通貨が並びますが、5位のテザー、6位のリップルといった知名度の高い仮想通貨を上回る時価総額となっているバイナンスコインがいかに高い人気を保っているかが実感できます。
1.1.バイナンスコインが誕生した経緯
バイナンスコインを開発したのは、仮想通貨取引所を運営するバイナンスです。
取引所を運営する中で理想的な仮想通貨を設計したことが大きな特徴で、実際にバイナンスコインの仕様を見ると多くの仮想通貨を参照して「いいとこ取り」をしたうえで、さらに取引所 Binanceで利用する価値を高めていることがわかります。
つまり、バイナンスコインは取引所のBinanceをもっと便利に利用できる手段のひとつであり、これまでの仮想通貨が抱えていた問題を総合的に解決することを目指している仮想通貨というわけです。
1.2.バイナンスコインの基本情報
バイナンスコインの発行主体は、仮想通貨取引所を運営しているバイナンス社です。本拠地はマルタ島にありますが、日本語に対応もしているので、日本人投資家が手軽に投資をすることができます。
ただし、2021年の時点で日本の金融当局への事業者登録はしていないため、日本の各種法令の適用外にあります。さらに、バイナンスコインは日本国内にあるbitFlyer(ビットフライヤー)やコインチェックといった国内資本の取引所でも取り扱われていません。
2.バイナンスコインの主な特徴
バイナンスコインは時価総額においてかなり上位にある人気の仮想通貨です。なぜこんなに人気があるのか、その理由を読み解くためにバイナンスコインの主な特徴を3つの項目で解説しましょう。
2.1.バイナンス取引所で使用可能
バイナンスコインの最大の特徴は、世界最大の取引所であるBinanceとの相性がとても良いことです。そもそもバイナンスコインは「Binanceで使うこと」を想定した独自の仮想通貨だからです。
まず、Binanceでの支払いに使用すると手数料が割引される特典があります。この特典を生かして、Binance内では事実上バイナンスコインを基軸通貨のように利用することでメリットが最大化されます。
2.2.コンバートが可能
これともうひとつ注目したいメリットが、少額両替(コンバート)です。実際に仮想通貨取引をしている方であれば心当たりがあるかもしれませんが、取引所で仮想通貨取引をするとわずかな額が両替しきれずに残ってしまうことがあります。そのままだと放置しておくしかありませんが、バイナンス内ではこうした少額の仮想通貨をバイナンスコインに両替することができます。
もし複数の仮想通貨で少額が残ってしまっていたとしても、それらをバイナンスコインに両替すれば集約することができ、利用価値が高まります。これもバイナンスコインを基軸通貨として活用できるメリットです。
2.3.定期的にバーン(焼却)を実施
仮想通貨には上限枚数が決められています。発行しすぎることによって価値が希薄化されてしまうのを防ぐためですが、バイナンスコインではさらにバーン(焼却)を定期的に行っています。
すでにバイナンスコインは2億枚の発行上限に達しており、新規に発行されることはありません。逆に最終的に上限枚数を1億枚に減らすためにバーンを行うことで希少性を高め、バイナンスコインの価値が維持もしくは上昇するように設計されています。
ここで「自分が持っているバイナンスコインがバーンされる?」と思われた方もおられるかもしれません。
もちろんその心配はなく、バーンの対象になるのは運営元が保有しているバイナンスコインのみです。
いわば中央銀行が国庫にあるお金を焼却するようなもので、投資家や保有者が持っているお金を奪って焼却するわけではありません。
運営元が保有しているバイナンスコインがバーンによって消滅すると、全体の流通量が減少し、希少性が高まるので、バーンはむしろ保有者にとって利益の大きな措置です。
3.バイナンスコインのチャートと価格推移
バイナンスコインがこれまでどんな価格推移をたどってきたのかを見てみましょう。取引所が満を持して送り出した仮想通貨ということもあって非常に興味深い点もあるので、それも含めて解説します。
3.1.2017年12月~仮想通貨バブル
バイナンスコインが上場してから2017年終わりに起きた仮想通貨バブルまでの日足チャートを見てみましょう。
ビットコインをはじめ主要な仮想通貨が一気に急騰した2017年後半には、バイナンスコインも大きく上昇しています。
当初は1ドル未満から上昇できなかったバイナンスコインが26ドル台の高値をつけたのですから、他の仮想通貨と同様に20倍以上の成長を遂げました。
3.2.2019年「Binance Launchpad」のトークンセールで需要拡大
次にバイナンスコインが大きな転機を迎えたのは、2019年の「Binance Launchpad」トークンセールです。この「Binance Launchpad」とはバイナンスが提供するIEO(新規プロジェクトのトークン販売代行)のプラットフォームです。
このIEOでは一部の限られた仮想通貨でしか投資ができなかったのですが、そこには当然ながらバイナンスコインが含まれていました。
このIEOに参加するにはバイナンスコインが必要であると見なした投資家や、その思惑を察知した投資家からの買いが集中し、価格が 大きく上昇しました。
チャートの波形を見ても、前年の2018年から生まれ変わったかのように右肩上がりになっているのがわかります。前回高値をあっさりと上抜けて43ドル台の高値をつけました。
3.3.2020年 DeFi市場の拡大によってバイナンスコインが高騰
次に注目なのは、2020年のバイナンスコイン相場です。2020年は分散型金融のDeFiが大きく注目を集めた年です。
バイナンスは分散型取引所のバイナンスDEXを運営しており、その基軸通貨となっているバイナンスコインへの需要と、その思惑が価格を押し上げました。
2020年の2月に一度高値をつけ、その後はコロナショックの影響もあって値を落としますがすぐに上昇を再開、9月には再び高値をつける堅調ぶりを見せました。
このように何度も値を落としながらも上昇トレンドが崩れないのは、バイナンスコインの相場がとても底堅く、堅調さを維持している証拠です。
4.バイナンスコインの今後の見通しは?
バイナンスコインへの投資をお考えの方にとって、重要なのはバイナンスコインの今後です。
国内取引所で直接バイナンスコインを購入することができないこともあって先行きに不安を感じている方も多いと思いますが、バイナンスコイン自体の今後は明るいと見るのが大勢です。
その理由として、やはりバーンによって希少性が今後も増していくことが大きいでしょう。2億枚発行されたバイナンスコインが最終的に1億枚になるのですから、同じ需要が維持されるとすると単純に価格は2倍になります。
しかし仮想通貨の世界は思惑で大きく相場が動くので、バーンによる希少性の増大は実需以上の価格高騰を招きやすくなります。
さらに、バイナンスコインはバイナンス内の基軸通貨の役割も持っているため、Binance の企業としての展開やその成否も、バイナンスコインの価値に影響を及ぼします。
バイナンス社は世界最大の取引所というだけでなく、仮想通貨専用のショッピングモールと業務提携したり、DeFi(分散型金融)のプラットフォームである「バイナンスDEX」を運営するなど、積極的な事業展開が目を引きます。
これらの企業活動が投資家からプラスに受け止められると間接的にバイナンスコインへの買い圧力となるため、こちらも価格上昇の要因となります。
5.バイナンスコインの買い方
最後に、投資家の方々が安全かつ簡単にバイナンスコインを購入する方法を解説したいと思います。ここでは国内取引所であるCoincheck(コインチェック)でビットコインを購入し、そのビットコインをバイナンスコインに両替する方法を解説します。
5.1.コインチェックで口座を開設
バイナンスコインの購入資金をビットコインで用意するため、コインチェックで口座を開設します。口座開設の手続きは公式サイトから簡単にできます。
5.2.Binanceの口座を開設
次に、バイナンスにも口座を解説します。このバイナンスの口座は、コインチェックで購入したビットコインをバイナンスコインに両替するために利用します。
バイナンスは海外口座ですが口座開設は日本語で可能なので、公式サイトから簡単に完了することができます。もちろん口座開設だけでなく、口座内での各種操作も日本語で完結できます。
5.3.コインチェックでビットコインを購入
両方の口座を開設したら、コインチェックの口座でビットコインを購入します。これを取引所流の表現にすると「日本円をビットコインに両替する」となります。
5.4.Binance にビットコインを送金
コインチェック口座にあるビットコインを、Binanceの口座に送金します。コインチェック口座内の簡単な操作で行うことができます。
5.5.バイナンスコインを購入
最終的にBinanceの口座で、着金したビットコインをバイナンスコインに両替します。これにより、日本円を最終的にバイナンスコインに両替することができます。
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Coincheckの概要 | |
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取扱通貨数(販売所) | 24通貨 BTC,ETH,ETC,LSK,XRP,XEM,LTC,BCH,MONA,XLM,QTUM,BAT,IOST,ENJ,SAND,DOT,CHZ,LINK,MKR,MATIC,IMX,APE,AXS,WBTC |
取扱通貨数(取引所) | 8通貨 BTC,ETC,LSK,MONA,PLT,FNCT,DAI,WBTC |
最低取引数量(BTC) | 販売所:500円相当額 取引所:500円相当額 |
取引手数料 | 販売所:無料 取引所:無料 |
送金手数料(BTC) | 0.0005 BTC ※コインチェックユーザー間は無料 |
送金手数料(ETH) | 0.005 ETH ※コインチェックユーザー間は無料 |
入金手数料(銀行振込) | 無料 |
入金手数料(コンビニ入金) | 3万円未満:770円 3万円以上30万円以下:1018円 |
入金手数料(クイック入金) | 3万円未満:770円 3万円以上30万円以下:1018円 50万円以上:入金金額×0.11%+495円 |
出金手数料 | 407円 |
レバレッジ取引 | - |
スマホアプリ | Coincheck(ios/Android) |
口座数 | 174万口座(2022年9月末時点) |
取引ツール(PC) | ブラウザ上で使えるツールあり |
貸暗号資産 | ◯ |
積み立て暗号資産 | ◯ |
取引手数料がかからず、また日本円の入金も銀行からは無料です。初めて仮想通貨を買う人でも、余分な出費がかからないことはメリットです。
6.まとめ
バイナンスコインの基本から価格高騰の理由、さらに今後の見通しなどについて解説しました。結論としては国内の取引所での取り扱いがないことも含めて積極的に投資を勧めるものではありませんが、今後の見通しが明るいという見方があることも事実です。
投資はあくまでも自己判断、自己責任になりますが、世界最大手の取引所が実質的な基軸通貨としているバイナンスコインの投資妙味はあるかもしれません。