FXスプレッド比較ランキング!手数料が安いおすすめ口座とは?
NET MONEY編集部作成

スプレッドはFX取引における実質的な手数料(コスト)であるため、同じ通貨ペアなスプレッドが狭いほど取引に有利です。しかし、「スプレッドが狭いFX口座はどこか」「なぜFX会社によってスプレッドが異なるのか」といった疑問を持つ人も多いようです。

そこで今回は、各FX会社の通貨ペア別のスプレッド(手数料)を徹底比較し、スプレッドが狭いおすすめ口座や、FX会社間でスプレッドが異なる理由、約定力の重要性などについて解説します。

  1. 国内FX口座のスプレッド比較ランキング!ドル/円以外の通貨ペアも一覧化
    1. マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」はスプレッド0銭
    2. トレイダーズ証券「LIGHT FX」はLIGHT通貨ペアのスプレッドが狭い
    3. SBI FXトレードは少額からの取引向け
    4. ヒロセ通商はスキャルピングでの取引向け
    5. FXTFはMT4対応の国内業者では最狭水準
  2. FXのスプレッドとは?基礎知識を初心者向けに解説
    1. スプレッドとは
    2. スプレッドと手数料の違い
    3. 銭とpipsの違い
    4. スプレッドの計算方法
    5. 通貨ペアによってスプレッドが変わる理由
    6. 原則固定スプレッドと変動スプレッドの違い
  3. FX会社によってスプレッドが異なるのはなぜ?
  4. 約定力とスプレッドの関係とは?
  5. FXのスプレッドに関してよくある質問

国内FX口座のスプレッド比較ランキング!ドル/円以外の通貨ペアも一覧化

ここでは、国内FX会社における主要通貨ペアのスプレッドを徹底比較し、手数料を抑えたいトレーダーにおすすめの会社をランキング形式で紹介します。

米ドル円スプレッド比較ランキング!最小のFX会社とは?

国内FX会社のスプレッド比較ランキング1位はマネーパートナーズFXです。

マネーパートナーズは米ドル円のスプレッドが0.0銭(1万通貨まで)と業界最狭水準のスプレッドを提供しています。取引コスト無しで米ドル円の取引ができるのは、他社にはない非常に大きなメリットだと言えます。

※マネーパートナーズには2つの取引コースがあり、そのうち「パートナーズFX nano」の「1回あたり1万通貨まで」のスプレッドが0.0銭。(8:00~翌4:00)

他のメジャー通貨ペアのユーロ円やポンド円に関しても、スプレッドが0.0銭で取引することができるので、手数料を抑えたいトレーダーはマネーパートナーズ一択といえます。

※ユーロ円は1万通貨、ポンド円は5,000通貨まで(9:00~翌3:00)

しかし、取引の際には取引コストだけでなく、自らの取引スタイルに合った口座であるかどうかも重要なポイントです。以下の5つの口座はそれぞれに異なる強みがあり、取引コストも問題なく抑えられるでしょう。

マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」はスプレッド0銭

マネーパートナーズのメリット
  • 主要通貨ペアの少量取引はスプレッドがかからない
  • 最小取引単位が100通貨
  • 取引ツールの使いやすさ
マネーパートナーズのデメリット
  • デモ口座がない

マネーパートナーズには「パートナーズFX」と「パートナーズFX nano」という2種類のコースが用意されており、これらのうち米ドル/円などのスプレッドが0.0銭からとなっているのがパートナーズFX nanoです。

猫
つまりコストゼロで取引ができてしまうということにゃ!

さらに、米ドル/円の他にもユーロ/円やポンド/円、豪ドル/円、メキシコペソ/円といった人気の通貨ペアのスプレッドが0.0銭からとなっています。

ただし、スプレッドが0.0銭からとなる注文数量には制限があり、米ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円は1万通貨までが対象です。とはいえ、米ドル/円であれば20万通貨までは0.1銭から取引できるなど、取引量が増えても狭いスプレッドで取引することが可能です。

また、100通貨単位から取引を始められることも、初心者にとって大きなメリットと言えるでしょう。100通貨単位であれば、1,000通貨単位や1万通貨単位からしか取引することができないFX会社と比べて、10分の1または100分の1といった少額でFXを始めることができます。

100通貨あたりの必要証拠金は多くの通貨ペア1,000円以下となっており、初心者やライトユーザーでも気軽に取引をしやすい環境が整っています。

\少額でコストを抑えた取引なら/

マネーパートナーズFXの評判・口コミを解説!悪い評判も隠さずに紹介
スプレッド0銭のFX会社はある?スプレッドについても解説!

トレイダーズ証券「LIGHT FX」はLIGHT通貨ペアのスプレッドが狭い

LIGHT FXのメリット
  • スワップポイントが高水準
  • スプレッドが業界最狭水準
  • 約定力が高い
LIGHT FXのデメリット
  • デモトレードが利用できない
  • 自動売買が提供されていない

LIGHT FXでは通常の通貨ペアの他に、スプレッドやスワップポイントなどが優遇されている「LIGHTペア」というオリジナルの通貨ペアも取引することができます。取引ごとの最大発注数量などに制限はあるものの、スプレッドの狭さを重視するトレーダーには、LIGHTペアでの取引がおすすめです。

特に、LIGHTペアのドル/円やユーロ/円、ポンド/円、ユーロ/ドルなどの主要(メジャー)通貨ペアのスプレッドは非常に狭いです。

取引の数量や回数が多い傾向がある短期売買をするトレーダーには、このスプレッドの狭さは大きなメリットになります。主要通貨ペアの取引コストの削減によって利益の増加を狙いたい人には、LIGHT FXがぴったりです。

また、LIGHT FXの約定率は99.9%と非常に高く、短期売買をするトレーダーがLIGHT FXを選ぶ理由の一つになっています。

約定率とは、ユーザーが出した注文が意図したタイミングで成立する確率のことを指します。

どんなにスプレッドが狭くても、取引が成立しなければ意味がありません。特に短期売買では、注文がしっかりと約定されないと、エントリーや決済のタイミングの遅れによって、勝敗が大きく左右される可能性があります。

スプレッドが非常に狭いだけでなく、約定率も高いLIGHT FXであれば、短期売買をより有利に行うことができるでしょう。

\LIGHTペアのスプレッドが狭い!/

LIGHT FXの評判とは?口コミからわかるおすすめな人を紹介!

SBI FXトレードは少額からの取引向け

SBI FXトレードのメリット
  • 1通貨から取引できる
  • スプレッドが非常に狭い
  • 積立FXサービスが利用できる
SBI FXトレードのデメリット
  • デモ口座が無い
  • オペレーターの対応時間が短め

SBI FXトレードは1通貨から取引できる貴重なFX会社であり、少額から取引したい初心者に向いています。少額取引を活用することで、無理なくリスクを抑えつつ、取引経験を積み重ねることが可能です。

少額ならリスクを抑えてFXの経験を積める
NET MONEY編集部

例えば、ドル/円が150円の場合、レバレッジを25倍かけると、1通貨であれば6円から取引を始めることができます(150円÷25倍=6円)。取引に慣れてきて注文数量を増やしたい場合も、1通貨から取引できるため、注文量を「58通貨」、「116通貨」など、細かく設定することができ、リスクを少しずつ増やせる点も、初心者にとって大きなメリットになるでしょう。

また、SBI FXトレードはスプレッドも非常に狭いです。ドル/円のスプレッドが0.18銭、ユーロ/円が0.38銭、ポンド/円が0.88銭など、特に主要通貨ペアの狭さが際立っています。

スプレッドは注文数量によって異なりますが、100万通貨までは非常に狭く、大きな資金で取引をする人以外は特に問題ないでしょう。

一般的なFX会社と比べて極めて小さな数量の取引を低コストで行えるSBI FXトレードは、主要通貨ペアの取引コストを抑えたい人に加えて、これからFXを始める人や、少額で取引をしたい人にもおすすめしたいFX会社です。

\100万通貨までのスプレッドが狭い!/

SBI FXトレードの評判・口コミは?SBI証券との違いも解説

ヒロセ通商はスキャルピングでの取引向け

ヒロセ通商はスキャルピングを公認しており、スキャルピングをするトレーダーが口座凍結などを気にすることなく、安心して取引できる環境を提供しています。スキャルピングを公認していることは、ヒロセ通商の公式サイトに明記されています。

ヒロセ通商の公式サイトに明記されたスキャルピングについての説明
引用:

他のFX会社ではスキャルピングを禁止したり、制限を設けたりしていることがあり、スプレッドが狭くてもスキャルピングができない場合があります。例えば、インヴァスト証券の約款には禁止行為として以下のような記載があります。

第28条(取引の制限・禁止行為)

4.お客様は、次の各号に定める行為を行ってはならないことにあらかじめ承諾するものとします。 なお、お客様の行為が当該禁止行為に該当するかどうかの判断は当社が行い、お客様は当社の判断に従うこととします。
(4)高頻度な回転売買等の取引を行い、当社が行うカバー取引に影響を与える行為
(6)本取引システムまたは本取引システムの運用に対して過大に負荷を強いる行為

しかし、ヒロセ通商であれば口座凍結などのペナルティを気にせずにスキャルピングができるため、スキャルピングをメインとするトレーダーにとっては非常に魅力的です。

また、スキャルピングを始めとする短期売買に適した環境作りに力を入れているヒロセ通商は、スプレッドの狭さにもこだわっています。ドル/円やユーロ/円などの主要通貨ペアから、メキシコペソ/円などの高金利通貨ペアまで、全般的にスプレッドが狭く、様々な通貨ペアで短期売買を低コストで行うことが可能です。

ヒロセ通商ではスプレッドが狭いため、取引コストを抑えやすく、少しでもコストを抑えたいスキャルピングをメインとするトレーダーに非常におすすめです。

\スキャルピング取引OK!/

ヒロセ通商の評判・口コミは悪い?高評価のポイントから始め方まで解説

FXTFはMT4対応の国内業者では最狭水準

FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)はMT4(メタトレーダー4)に対応しており、そのスプレッドも業界最狭水準となっています。MT4とは、ロシアのMetaQuote社によって開発された、世界中のトレーダーから高い人気がある高機能な取引プラットフォームです。

MT4に対応しているFX会社はそうでない会社と比べ、ややスプレッドが広い傾向があります。しかし、業界最狭水準のスプレッドを誇るFXTFであれば、スプレッドの心配は不要です。

例えば、ドル/円は0.2銭、ユーロ/円は0.4銭、ポンド円/は0.6銭など、FXTFでは人気のある主要通貨ペアのスプレッドが非常に狭くなっています。

通貨ペア名 スプレッド
ドル/円 0.2銭
ユーロ/円 0.4銭
ポンド/円 0.6銭
ユーロ/ドル 0.3pips

ただし、対象の5通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円、ユーロ/ドル)でEA(自動売買ソフト)を使用して取引する場合は、1万通貨あたり20円(0.2銭)の手数料が発生します。しかし、この手数料を含めても、低コストでの自動売買が可能です。

MT4はPCインストール版だけでなく、PCブラウザ版や、スマホアプリも使うことができます。PCブラウザ版はWindowsだけでなくMACにも対応しており、MACユーザーでもPCにインストールすることなく手軽にMT4を利用することができて便利です。

また、FX以外にもダウ先物や日経225先物、金などのCFD銘柄や、ビットコイン/円やイーサリアム/円といった仮想通貨銘柄をチャートに表示したり、分析したりして、取引の参考にすることもできます。

MT4を使って取引をしたり、分析をしたりしつつ、取引コストも抑えたい場合は、FXTFを利用するとよいでしょう。

\MT4対応の最狭水準スプレッド/

FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)の評判・口コミは?MT4も解説
MT4対応の国内FX業者のスプレッドを一覧表で徹底比較!

FXのスプレッドとは?基礎知識を初心者向けに解説

スプレッドという言葉自体は知っていても、具体的な仕組みまで理解している人は少ないかもしれません。FXのスプレッドについて理解を深めるために、以下の6つを学んでおきましょう。

スプレッドとは

FXにおけるスプレッドとは、取引をする際の買値(Ask)と売値(Bid)の差額のことです。国内のFX会社の多くが取引手数料を無料としているため、こスプレッドがFXの実質的な取引コストになっています。

例えば、米ドル/円を買う時の価格が135.727円、売る時の価格が135.725円なら、差額である0.002円(0.2銭)がスプレッドです。

スプレッドとは
NET MONEY編集部作成

スプレッドは「狭い」「広い」といった形で表現されます。スプレッドが狭いほど安く買って高く売れるため、トレーダーにとって有利です。反対に、スプレッドが広いとコストが高くなり、トレーダーには不利になります。

スプレッドが狭い状態とは
NET MONEY編集部作成

一般的にスプレッドが狭いFX会社で取引をしたほうが支払いコストを抑えられるため、利益を出しやすくなります。

スプレッドと手数料の違い

前述の通り、スプレッドとは取引をする際の買値と売値の差額のことです。一方、FXにおける手数料とはFXの口座を開設したり取引をしたりする際にかかる料金を指します。多くの場合、手数料は取引手数料を意味します。

主な手数料
  • 口座開設手数料:口座の開設時にかかる費用
  • 口座維持費:口座の維持・管理にかかる費用
  • 取引手数料:通貨を売買する時にかかる費用(スプレッドとは別)
  • 入金手数料:FX会社の口座への入金時にかかる費用
  • 出金手数料:FX会社の口座からの出金時にかかる費用
  • ロスカット手数料:ロスカットされた際に支払う費用

国内のFX会社の場合、一般的に口座開設手数料や口座維持費、通貨を売買する際の取引手数料などは無料です。ただし、ロスカット手数料などが発生する場合もあるため、事前の確認が求められます。

銭とpipsの違い

FXのスプレッドを表す単位には「銭」と「pips(ピップス)」の2種類があります。これらの使い分けは、取引する通貨ペアによって決まります。

銭とpipsの違いとは
NET MONEY編集部作成

まず、取引する通貨ペアの片方が日本円の場合、「銭」が用いられます。例えば米ドル/円やユーロ/円、ポンド/円などが、「銭」が使われる代表的な通貨ペアです。初心者は米ドル/円やユーロ/円などを取引することが多いため、「銭」のほうがなじみのある人も多いかもしれません。

一方、日本円以外の2つの通貨で構成されている通貨ペアの場合は、「pips」が使用されます。例えばユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルなどが、日本円以外の2つの通貨で構成されている代表的な通貨ペアです。

初心者の人にはやや理解しにくい使い分けかもしれませんが「1銭=1pip」と覚えておくと理解しやすいでしょう。

スプレッドの計算方法

スプレッドについて理解したところで、具体的な計算方法を見てみましょう。今回は、GMOクリック証券を例に説明します。

下の画像はGMOクリック証券のスマホアプリの注文画面です。GMOクリック証券では、米ドル/円のスプレッドが通常0.2銭に設定されています(※)。

※2024年8月28日現在、原則固定スプレッドによるレート提示が一時的に停止している状況。
GMOクリック証券のスマホアプリの注文画面
GMOクリック証券のスマホアプリの注文画面から引用

スプレッドは買値(Ask)と売値(Bid)の差であるため、上の画像の場合「146.292円-146.290円=0.002円(0.2銭)」と計算できます。買値と売値の間に表示されている「0.2」という数値は、スプレッド額である0.2銭を意味しています。

また、取引コストの計算方法は以下の通りです。

スプレッド×取引数量=取引コスト
  • (例)1万通貨取引した場合の取引コスト
  • 1万通貨×0.002円(0.2銭)=20円

次に、円が含まれないユーロ/米ドルなどのパターンも見てみましょう。この場合、計算の最後に円に換算する必要があります。

下の画像はGMOクリック証券のスマホアプリの注文画面です。GMOクリック証券では、ユーロ/米ドルのスプレッドが通常0.3pipsに設定されています。

※2024年8月28日現在、原則固定スプレッドによるレート提示が一時的に停止している状況。
GMOクリック証券のユーロ/米ドルのスプレッド
GMOクリック証券のスマホアプリの注文画面から引用

スプレッドは買値(Ask)と売値(Bid)の差であるため、上の画像の場合「1.10866ドル-1.10863ドル=0.00003ドル」と計算できます。

ドル建てでの取引コストの計算方法は以下の通りです。

スプレッド×取引数量=取引コスト
  • (例)1万通貨取引した場合の取引コスト
  • 1万通貨×0.00003ドル=0.3ドル

最後に円に換算します。

ドル建ての取引コスト×ドル/円のレート=円建ての取引コスト
  • (例)1ドル=150円の場合
  • 0.3ドル×150円=45円

通貨ペアによってスプレッドが変わる理由

通貨ペアによってスプレッドが変わる理由には、主に以下の2つが挙げられます。

通貨ペアによってスプレッドが変わる理由
変動率(ボラティリティ)の違い

通貨ペアによって市場での価格の変動率(ボラティリティ)は異なります。一般的にボラティリティが高い通貨ペアはリスクも高く、それに応じてスプレッドも広くなる傾向があります。これはFX会社が価格変動のリスクを補うために、スプレッドを広げてリスク管理を図っているためです。

例えば、トルコリラ/円メキシコペソ/円などの高金利通貨ペアは、政治的・経済的要因で価格が大きく変動することがあり、このような通貨ペアはより広いスプレッドが設定されます。

流動性の違い

流動性が高い通貨ペアは取引量が多く、売買しやすいため、一般的にスプレッドは狭くなります。流動性とは、市場参加者がその通貨ペアをどれだけ活発に売買しているかを表す用語です。

例えば、米ドル/円やユーロ/米ドルといった主要通貨ペアは高い流動性を持ち、通常スプレッドが狭くなっています。これらの通貨ペアは取引量が多く流動性が高いため、売買が迅速かつ安定して行えるのです。

一方、中国人民元/円やロシアルーブル/円などのマイナー通貨ペアは流動性が低く、希望する価格ですぐに売買できない可能性があります。そのため、FX会社はリスクを考慮して広めのスプレッドを設定する傾向があります。

メジャー通貨とマイナー通貨
NET MONEY編集部作成

原則固定スプレッドと変動スプレッドの違い

  原則固定スプレッド 変動スプレッド
スプレッドの変化 原則として一定 市場の状況により変動
メリット 予想外の費用発生リスクが低い 取引状況が良い場合は、狭いスプレッドで取引可能
デメリット スプレッドが狭まらない 取引状況が悪い場合は、スプレッドが広がる
採用している国内FX会社 多い 少ない

FXのスプレッドには「原則固定スプレッド」と「変動スプレッド」の2つの形式が存在します。原則固定スプレッドでは、市場の価格変動にかかわらずスプレッドは通常一定に保たれます。一方、変動スプレッドは、価格変動に応じてスプレッドが広がったり狭まったりする形式です。

変動スプレッドではスプレッドが変わるため、取引のタイミングによっては利益が減ったり損失が増えたりすることがあります。そのため、国内の多くのFX会社では原則固定スプレッドを採用し、ユーザーが取引しやすい環境を提供しています。

FX会社によってスプレッドが異なるのはなぜ?

FX会社によって提示されるスプレッドが異なるのは、各社のカバー先(買値や売値の生成元となるレートを取得する先)の数とシステムの性能が関係しています。

一般的に、多くのカバー先を持ち、優れたシステムを備えたFX会社ほど狭いスプレッドを提示することが可能です。

スプレッドはカバー先から提示されるレートに基づき、FX会社が価格変動リスクや自社の収益などを踏まえて独自に設定します。このスプレッドはトレーダーにとって実質的な手数料であるため、できるだけスプレッドの狭い口座を選ぶことが重要です。

「スプレッドが少しぐらい違っても大したことはないのでは」と思うかもしれませんが、取引回数が増えるほどコストの差は大きくなります。ここでは、GMOクリック証券とアイネット証券のケースを取り上げ、スプレッドの影響をシミュレーションしてみます。

以下の画像は、GMOクリック証券(左)とアイネット証券(右)のスマホアプリの注文画面です。例えば、米ドル/円の取引ではGMOクリック証券が0.2銭のスプレッドを提供しているのに対し、アイネット証券は2.0銭のスプレッドを設定しています。

GMOクリック証券とアイネット証券のスマホアプリの注文画面
GMOクリック証券とアイネット証券のアプリ画面から引用
スプレッドによる取引コストの比較(1万通貨取引した場合)
取引回数 GMOクリック証券(スプレッド0.2銭) アイネット証券(スプレッド2.0銭)
1回 20円 200円
10回 200円 2,000円
50回 1,000円 1万円
100回 2,000円 2万円
500回 1万円 10万円
1,000回 2万円 20万円

取引回数が1,000回に達すると、スプレッドが0.2銭と2.0銭の場合で合計18万円(スプレッド18円分)ものコスト差が生じます。そのため、特に短期売買をメインとしていて取引回数が多いトレーダーは、スプレッドが狭い口座を選ぶ必要があるのです。

約定力とスプレッドの関係とは?

FX取引においてスプレッドの狭さは重要な要素ですが、同様に約定力も欠かせない要素です。なぜなら、約定力が低いと注文した通りの価格での取引が成立しにくくなり、想定外の価格での取引を強いられる可能性が高まるためです。

約定力とは、トレーダーが注文した価格で取引を成立させる力のことです。言い換えると、市場において注文がいかに迅速かつ正確に執行されるかを示す指標と言えます。

約定力とは
NET MONEY編集部作成

約定力が低い場合、注文した価格と実際の約定価格に差が生じる「スリッページ」が発生しやすくなります。例えば、米ドル/円の価格が100.000円の時に買い注文を出したにもかかわらず、100.002円で約定した場合、0.2銭の不利なスリッページが発生したことになるのです。

このような状況で米ドル/円のスプレッドが0.2銭のFX会社を利用していたとしても、不利なスリッページが0.2銭発生したために、実質的な取引コストは0.4銭になります。

特に、狙う値幅が小さい短期売買では、取引時のわずかな価格差が利益に大きく影響するため、スリッページを最小限に抑える高い約定力が求められます。

FX業者を選ぶ際はスプレッドの狭さだけでなく約定力にも注目し、可能な限り取引コストを抑え、希望通りの取引ができるよう努めましょう。

FX会社を約定力で比較!スリッページ知らずの国内業者を徹底紹介

FXのスプレッドに関してよくある質問

FXのスプレッドに関してよくある質問をまとめたので、疑問がまだ残っている方は参考にしてみてください。

海外のFX会社のスプレッドは国内業者と比較して狭い?

海外のFX会社は国内のFX会社と比べ、スプレッドが広い傾向があります。一回の取引コストではあまり差がでなくても、取引を重ねていくと大きな差になるため注意が必要です。海外の大手FX会社であるXMと、国内のFX会社のスプレッドを比べると、以下のようになります。

FX会社名 ドル/円 ユーロ/円 ポンド/円 ユーロ/ドル
※XM 2.0銭 2.1銭 3.8銭 1.6pips
マネーパートナーズ 0.0銭(~1万通貨) 0.0銭(~1万通貨) 0.0銭(~5,000通貨) 0.1pips(~1万通貨)
LIGHT FX 0.18銭 0.38銭 0.88銭 0.28pips
SBI FXトレード 0.18銭 0.38銭 0.88銭 0.3pips
※スタンダード口座のスプレッド

例えば、XMはマネーパートナーズより、ドル/円で2.0銭、ポンド/円では3.8銭もの差があります。そのため、特に短期売買では、国内のFX会社の方が取引コストの面で非常に有利です。

MT4に対応しているFX口座のスプレッドを比較するとどこが狭い?

MT4に対応しているFX会社のスプレッドを比較すると、FXTFが最も狭いです。MT4に対応しており、スプレッドも狭いFX会社のスプレッドを表にすると、以下のようになります。

FX会社名 ドル/円 ユーロ/円 ポンド/円 ユーロ/ドル
FXTF 0.2銭 0.4銭 0.6銭 0.3pips
※JFX 0.2銭 0.4銭 0.9銭 0.3pips
OANDA証券 0.3~1銭 0.4~1.4銭 0.9~2.4銭 0.5~0.6pips
※分析のみ対応

MT4を使って短期売買をしたい場合は、FXTFを利用するとよいでしょう。

スプレッドが広がるのはなぜ?

FXのスプレッドが広がるのは、取引量が減少し流動性が低下したり、大量の売買注文に著しい偏りが発生したりするタイミングです。狭いスプレッドはトレーダーにとって嬉しいですが、取引タイミングによって拡大することを受け入れ、取引時間帯や日程などに十分に注意しながら取引しましょう。

”FXトレーダー金子さん”

【この記事の著者】金子剛さん

投資家×Webライター

FXトレーダー。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。15年以上のFXトレード歴があり、2013年に開催されたFXコンテスト(Forex.com社開催)で優勝も経験。FXを始め、株、仮想通貨、コモディティなども手広く取引している。
◼︎保有資格
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト
■SNSアカウント
Twitter
■金子剛さんが執筆した他の記事
プロフィール

当記事で紹介している会社は、すべて金融庁から許可を受け財務局に登録されおり、かつ金融先物取引業協会に加入している業者です。

当サイトの編集方針についてはこちら

本記事で参考にしたサイト一覧

  1. GMOクリック証券
  2. みんなのFX
  3. GMO外貨
  4. ヒロセ通商
  5. DMM FX
  6. IG証券
  7. 外為どっとコム
  8. JFX株式会社
  9. LIGHT FX
  10. SBI FXトレード
  11. 松井証券
  12. マネーパートナーズ
  13. インヴァスト証券
  14. 外為オンライン
  15. FXブロードネット
  16. LINE FX