取引手数料無料が一般的な国内FXでは、スプレッドが実質的なコストであり、取引環境での重要な比較要素となります。
読者の皆さんの中には「どのFX会社が一番狭いの?」、「スプレッド以外で注意すべき取引コストはないのかな……」といったお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
結論、スプレッド以外にも注意すべきコストはあります。そこで、今回は通貨ペア別で国内FX会社のスプレッドを比較した上で、総合的な観点から一番取引コストが安いFX会社を紹介します。
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国内FX会社のスプレッド比較一覧
米ドル円、クロス円の比較
以下は円を含む主要な通貨ペア(銭と表記される通貨ペア)のスプレッド一覧です。大口取引の場合はスプレッドが異なる場合があることに注意してください。個人のトレーダーの場合は、大量の通貨を取引しない限り、大口のスプレッドが適用される可能性は低いでしょう。
通貨ペア別スプレッドが狭いおすすめ国内FX口座
スプレッドが狭いFXの口座を選ぶことは非常に重要ですが、各社のスプレッドは時と共に変化していくため、どのFX口座のスプレッドが狭いかを知るためには、調査に時間がかかります。
以下では通貨ペア別に、一番スプレッドが狭いFX会社に加え、総合的な観点から一番取引コストが安いFX会社も紹介しています。
あなたにとって最適な口座を見つけ、効率的な取引を行いましょう。
米ドル円
第1位 マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」
マネーパートナーズは、米ドル円のスプレッドが0.0銭と業界で最も狭いスプレッドを提供しています。
「取引コスト無し」で米ドル円の取引ができるのは、他社にはない非常に大きなメリットだと言えます。
また、100通貨から取引できるため、少額からでも取引しやすいことも魅力です。
ただし、マネーパートナーズには2つの取引コースがあり、そのうち「パートナーズFX nano」の「1回あたり1万通貨まで」のスプレッドが0.0銭となっていることには注意してください。
加えて、スワップポイントが低水準であるため、日をまたいで取引する方にはマネーパートナーズはおすすめできません。
マネーパートナーズは「新規注文から決済注文までの時間が十数秒以内の取引を繰り返す行為」、つまり20秒未満のスキャルピングを禁止していることも要注意です。
そのため、20秒未満のスキャルピング以外で米ドル円の短期売買をする方に関しては、マネーパートナーズが非常におすすめです。
第2位 SBI FXトレード
SBI FXトレードは米ドル円のスプレッドが0.18銭と、業界最狭水準のスプレッドになっています。
さらに、1通貨から100万通貨まで0.18銭で取引できることから、初心者のうちだけでなく上級者になっても同じスプレッドで取引を行うことが可能です。
「許容スリッページ」の設定もできるため、スリッページによるリスクを軽減できることもポイントです。
また、スワップポイントも優秀であり、スイングトレードでも有利に取引することができます。
SBI FXトレードは、2022年オリコン顧客満足度調査にて「FX取引 初心者」部門で3年連続第1位を獲得しており、狭いスプレッドで取引したい方だけでなく、初心者の方にもおすすめしたいFX会社です。
第3位 ゴールデンウェイ・ジャパン「FXTF」
ゴールデンウェイ・ジャパンは米ドル円のスプレッドが0.1銭となっており、単純な比較では第2位のSBI FXトレードよりもスプレッドが狭いです。
しかし、「約定力にやや難がある」という内容の口コミがよく見られることから、第3位とさせていただきました。
筆者も実際に取引で利用したことがありますが、「スリッページが他社と比べてやや多いかな」と感じました。
また、スワップポイントが低水準であるため、日をまたいで取引する方にはよい取引環境とは言えません。
さらに、秒単位のスキャルピングも禁止されています。
とはいえ、スプレッド0.1銭は間違いなく業界最狭水準であり、スリッページやスワップポイントを加味したとしても第3位にふさわしいです。
世界中で愛用されているチャート分析ツール「TradingView」と取引ツール「MT4」を使うことができることも大きなメリットになっています。
したがって、ゴールデンウェイ・ジャパンはTradingViewやMT4を使用したい方で、秒単位のスキャルピング以外の短期売買中心の方におすすめです。
ユーロ円
第1位 マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」
マネーパートナーズはユーロ円でも、米ドル円と同じくスプレッドが0.0銭です。
米ドル円よりも基本的にスプレッドが広くなるユーロ円ですが、それを取引コスト無しで取引できるのは、他社と比べて非常に有利だと言えます。
「許容スリッページ」の設定もできるため、スリッページによるリスクを軽減できることもポイントです。
ただし、こちらも米ドル円と同じく、「パートナーズFX nano」の「1回あたり1万通貨まで」という条件のスプレッドが0.0銭となっていることには注意してください。
加えて、スワップポイントが低水準であるため、日をまたいで取引する場合にはマネーパートナーズはおすすめできません。
マネーパートナーズは「新規注文から決済注文までの時間が十数秒以内の取引を繰り返す行為」、つまり20秒未満のスキャルピングを禁止していることも要注意です。
そのため、20秒未満のスキャルピング以外でユーロ円の短期売買をする方に関しては、マネーパートナーズが非常におすすめになります。
第2位 トレイダーズ証券「みんなのFX」
みんなのFXはユーロ円のスプレッドが0.4銭と、業界最狭水準のスプレッドになっています。
取引ツールの機能性も高いことから、「何を根拠にして取引すればいいか分からない」という初心者の方にもおすすめです。
さらに、約定力が高く、約定率(ユーザーが出した注文が、意図した通りに成立する確率)が99.9%となっていることも、短期売買で非常に有利になります。
スワップポイントも優れており、ユーロ円の短期売買からスイングトレードまでマルチに使えるFX会社です。
第3位 トレイダーズ証券「LIGHT FX」
LIGHT FXはみんなのFXと同じく、ユーロ円のスプレッドが0.4銭となっています。
LIGHT FXとみんなのFXは共に「トレイダーズ証券」が運営しているFXサービスであり、LIGHT FXのスペックはみんなのFXと似ているのですが、みんなのFXは英ポンド円のスプレッドがより狭いです。
さらに、一部の高金利通貨ペアのスプレッドも原則固定となっているため、みんなのFXを第2位、LIGHT FXを第3位としました。
とはいえ、LIGHT FXには一部の高金利通貨ペアのスワップポイントがみんなのFXより高いというメリットがあり、スワップポイント狙いの運用であればLIGHT FXが有利です。(キャンペーンなどによって得られる金額が異なる場合があります)
そのため、高金利通貨ペアのスワップポイント狙いの運用をする予定もある場合は、LIGHT FXを利用するとよいでしょう。
英ポンド円
第1位 マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」
マネーパートナーズは英ポンド円も、米ドル円やユーロ円と同じくスプレッドが0.0銭です。
ユーロ円よりもさらにスプレッドが広くなる傾向にある英ポンド円ですが、こちらも取引コストがゼロとなり、他社と比べて非常に有利な取引環境だと言えます。
ただし、英ポンド円は米ドル円やユーロ円とは違い、「パートナーズFX nano」の1回あたり「5,000通貨まで」という条件のスプレッドが0.0銭となっていることには注意してください。
米ドル円やユーロ円は1万通貨ですが、英ポンド円は5,000通貨であるため、間違えないようにしましょう。
5,000通貨と聞くと物足りなく感じる方もいるかもしれませんが、英ポンド円は米ドル円やユーロ円よりも値動きが激しいという特徴があります。
加えて、1回あたり5,000通貨までであっても、2回取引すれば米ドル円やユーロ円と同じ1万通貨を保有することが可能です。
米ドル円やユーロ円の取引に慣れ、より大きな値動きの通貨ペアにチャレンジしたい方は、マネーパートナーズでの英ポンド円の取引にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
第2位 松井証券「MATSUI FX」
MATSUI FXは英ポンド円のスプレッドが0.6銭と、業界最狭水準になっています。
また、取引ツールがシンプルで使いやすく、1通貨から取引できるため、特に初心者の方におすすめしたいFX会社です。
約定力に関してのネガティブな口コミもあまり見かけることがなく、取引コストの面では非常に優秀だと言えます。
ただし、スワップポイントに関しては低水準であるため、日をまたいで取引する方にはMATSUI FXはおすすめできません。
したがって、MATSUI FXは英ポンド円の短期売買で強みを発揮するFX会社だと言えるでしょう。
第3位 トレイダーズ証券「みんなのFX」
みんなのFXは英ポンド円のスプレッドが0.9銭と、業界最狭水準のスプレッドになっています。
みんなのFXは共に「トレイダーズ証券」が運営しているLIGHT FXとスペックが似ているのですが、実は英ポンド円のスプレッドはみんなのFXの方が狭いです。
そのため、英ポンド円であればLIGHT FXよりみんなのFXの方が、有利な環境で取引できるはずです。
FX会社のスプレッドを比較する前に知っておくべきこと
FX会社のスプレッドを比較する前に知っておくべき前提となる知識があります。なぜなら各FX会社のスプレッドの数値を単純に見るだけでは、FXの取引におけるコストを総合的に把握するのはなかなか難しいからです。
FXのスプレッドを比較する前に知っておくべき3つの重要なポイントを理解し、少しでも取引コストを抑えられるようになりましょう。
銭とpipsの違い
FXのスプレッドの単位は、取引する通貨ペアの片方が日本円の場合、「銭」という単位が使われます。
例えば、米ドル円やユーロ円などが、取引する通貨ペアの片方が日本円になっている代表的なケースです。
一方、日本円以外の2つの通貨で通貨ペアが構成されている場合は、「pips」が使われることになっています。
例えば、ユーロ米ドルや英ポンド米ドルなどが、日本円以外の2つの通貨で構成されている通貨ペアの代表的なものです。
スプレッドの単位の呼び方に規定はありませんが、どのFX会社でも「銭」と「pips」が使われています。
最初は分かりづらいかもしれませんが、「1pip=1銭=0.01円」と覚えておくと分かりやすいはずです。
多くの国内FX会社は原則固定
FX会社が通貨ペアごとにスプレッドを定め、レートを固定して提供することを「原則固定」と言います。本来スプレッドは変動するはずのものですが、ユーザーの利便性を考えて原則的に固定して提供するFX会社があるということです。
原則固定は例えば、「米ドル円0.2銭原則固定」というように表現され、経済指標発表前後や大きなイベントが発生した時など以外は、基本的に原則固定のスプレッドで取引できます。
スプレッドが原則固定の場合、ユーザーはスプレッドの拡大や縮小によって毎回取引コストが異なるということがありません。安心して取引を行うために、スプレッドが原則固定になっているFX会社を選びましょう。
スリッページにも注目しないと結局コストは高くなる
スリッページとは、ユーザーが注文したレートと実際に約定したレートに生まれる差のことを言います。つまり、注文をした時に画面に表示されていた価格と、実際に注文が確定した価格が異なる状況のことです。
FXでは、ユーザーが注文を行ってからサーバーを通して注文が約定するまで、わずかですが時間がかかります。そのため、レートが変化し続けるFXの場合、値動きによってはスリッページが発生してしまうのです。
特に、値動きが激しくなる雇用統計などの重要な経済指標の発表前後では、スリッページが起こりやすくなります。
例えば、自分に不利な方向へのスリッページが0.1pips起こり、スプレッド0.2pipsの場合、取引コストは0.3pipsとなり、スリッページは予期せぬ取引コストの増加につながります。
ただし、注文時の価格と約定時の価格のずれ幅の許容範囲を設定する「許容スリッページ」が使える「マネーパートナーズ」などのFX会社を利用することで、スリッページによるリスクを軽減することが可能です。
FX会社のスプレッドに関するFAQ
FX会社のスプレッドに関するよくある質問をまとめました。
「まだ疑問が残っているな」と感じている方は、以下の質問を参考にしてみてください。
- スプレッドとは何ですか?
- スプレッドとは、トレードをする通貨ペアの売値(Bit)と買値(Ask)の差額のことです。
- 取引手数料とスプレッドの違いは?
- 国内のFX会社は基本的に取引手数料が無料になっており、スプレッドが実質的な取引手数料になっています。
- スプレッドはどのように計算すれば良いですか??
- FXトレードにかかるスプレッドコストは「(売値 ー 買値)× 取引通貨量」で求められます。
スプレッドは取引ごとに発生するため、取引回数が増えるほどコストが高くなる仕組みです。 1注文あたりの利益が少ないトレードを繰り返すと利益よりも取引手数料が上回る「手数料負け」を起こしてしまうので注意しましょう。
- スプレッドが広がるのはなぜですか?
- スプレッドが広がる原因は主に以下の2つになります。
- 急激な相場の変動があり、スプレッドを広げてでもFX会社が取引相手を見つけたいケース
- 買い手と売り手が少ないため、スプレッドを広げてFX会社が取引相手を見つけるケース
- スプレッドが広がる時間帯はいつですか?
- 海外と比べ、国内のFX会社のスプレッドは基本的に狭いです。
海外のFX会社は豪華なボーナスや高い最大レバレッジなどの魅力がありますが、特に初心者の方はスプレッドや安全性の面から国内のFX会社での取引をおすすめします。
- スプレッドはいつ引かれますか?
- スプレッドは新規注文が約定した段階で発生します。
- スプレッドが広がりづらいFX会社を教えてください
- みんなのFXやFXTF、GMO外貨などが、一般的にスプレッドの広がりづらいFX会社として知られています。
また、DMM FXやGMOクリック証券などの大手は信頼性が高く、比較的スプレッドも安定しています。
ただし、実際の取引では約定力も考慮に入れる必要があるため、高い約定力を誇るみんなのFXが一番のおすすめです。
実際に取引をする前に、「デモ口座を開設して日本時間早朝や経済指標発表時に約定力を確認してみる」、「少額で取引して約定力を確認してみる」といった形で自分でもテストをすると安心して取引をすることができます。
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日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。15年以上のFXトレード歴があり、2013年に開催されたFXコンテスト(Forex.com社開催)で優勝も経験。FXを始め、株、仮想通貨、コモディティなども手広く取引している。
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