
取引をするFX会社を選ぶ際に、FXの取引における実質的なコストであるスプレッドは重要なポイントの一つになります。
しかし「スプレッド0銭のFX会社が本当にあるのか知りたい」、「スプレッド負けしない方法を教えてほしい」、「短期売買で少しでも有利に取引したい」といったお悩みを抱える人も多いようです。
そこで今回は、スプレッド0銭のFX会社や、スプレッド負けしないための3つの注意点などについて詳しく解説していきます。
ほかにも国内FX会社をスプレッドもあわせた総合力で比較したものもあるので、参考にしてみてください。
解説を始める前に、まずは少額から取引を始めるイメージを持ちたいという人も多いと思います。そんな人に向けてこちらの記事ではもとで1~10万円から始める取引について解説しています。併せて確認してみてください。
- スプレッド0銭のFX会社「マネーパートナーズ」の基本情報と特徴
- スプレッドと手数料の違い
- スプレッド負けしないための3つの注意点


詳細はこちら
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。15年以上のFXトレード歴があり、2013年に開催されたFXコンテスト(Forex.com社開催)で優勝も経験。FXを始め、株、仮想通貨、コモディティなども手広く取引している。■保有資格
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト
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スプレッドが0銭の「マネーパートナーズ」は新規口座開設を停止中
かつて、FX会社「マネーパートナーズ」が提供していたFXサービス「パートナーズFX nano」では、5つの通貨ペア(米ドル/円・ユーロ/円・豪ドル/円・ポンド/円・メキシコペソ/円)でスプレッド0.0銭を実現していました。しかし、マネーパートナーズが提供するサービスは、一部を除き外為どっとコムに統合されることになったため、2025年3月7日をもって新規口座開設の受付は終了されています。
スプレッド0銭という大きなメリットを持っていたマネーパートナーズが新規受付を終了してしまったことは、取引コストを抑えたい人にとっては非常に残念なニュースでしょう。ただし、後述するみんなのFXをはじめ、他にもスプレッドが狭いFX会社は複数存在しています。
複数のFX会社のスプレッドやサービス内容を比較し、自分に合ったFX会社を選ぶようにしましょう。
パートナーズFX nanoとは
マネーパートナーズには「パートナーズFX」と「パートナーズFX nano」という2種類のFXのコースが用意されており、そのうちスプレッドが0銭からとなっているのがパートナーズFX nanoです。
パートナーズFX nanoの基本情報 | |
---|---|
スプレッド | 0.0銭から |
取引手数料 | 無料 |
最低取引単位 | 100通貨 |
取り扱い通貨ペア数 | 21通貨ペア |
取引上限 | 1回の新規および決済注文の上限20万通貨 |
デモ口座 | なし |
ロスカット水準 | 証拠金維持率100%未満 |
スキャルピング | 不可 |
取引ツール対応 | PC、Android、iPhone、iPad |
パートナーズFX nanoの最大の特徴が、そのスプレッドの狭さです。特に米ドル/円などのスプレッドは0.0銭からとなっており、取引コストをゼロに抑えることができます。
米ドル/円以外にも、ユーロ/円やポンド/円、豪ドル/円、メキシコペソ/円といった人気の通貨ペアのスプレッドも0.0銭からとなっています。
米ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円は1万通貨までといったように、スプレッドが0.0銭からとなる注文数量にはルールがあります。とはいえ、米ドル/円であれば20万通貨までは0.1銭から取引できるなど、取引量が増えても狭いスプレッドで取引することが可能です。
スプレッドが狭いFX会社3選
通貨ペア名 | みんなのFX(LIGHTペア) | ※SBI FXトレード | セントラル短資 |
---|---|---|---|
米ドル/円 | 0.15銭 | 0.18銭 | 0.2銭 |
ユーロ/円 | 0.28銭 | 0.38銭 | 0.4銭 |
英ポンド/円 | 0.78銭 | 0.88銭 | 0.6銭 |
豪ドル/円 | 0.38銭 | 0.48銭 | 0.4銭 |
ユーロ/米ドル | 0.18pips | 0.30pips | 0.2pips |
英ポンド/米ドル | 0.68pips | 0.90pips | 0.6pips |
詳細 |
通貨ペア名 | みんなのFX(LIGHTペア) | ※SBI FXトレード | セントラル短資 |
---|---|---|---|
米ドル/円 | 0.15銭 | 0.18銭 | 0.2銭 |
ユーロ/円 | 0.28銭 | 0.38銭 | 0.4銭 |
英ポンド/円 | 0.78銭 | 0.88銭 | 0.6銭 |
豪ドル/円 | 0.38銭 | 0.48銭 | 0.4銭 |
ユーロ /米ドル |
0.18pips | 0.30pips | 0.2pips |
英ポンド /米ドル |
0.68pips | 0.90pips | 0.6pips |
詳細 |
スプレッドが狭いおすすめのFX会社3社を比較すると、米ドル/円やユーロ/米ドルといった取引量が多い通貨ペアのスプレッドは、みんなのFXが最も狭いです。また、上の表で比較している6つの通貨ペアのスプレッドを平均すると、セントラル短資が最もスプレッドが狭いです。
SBI FXトレードは他の2社に比べ、全体的にスプレッドが広めに設定されていますが、1通貨単位から取引できるため、初心者や少額から取引を始めたい人に適しています。各FX会社のスプレッドに加えて特徴も把握し、自分に合ったFX会社で取引をできるようにしましょう。
みんなのFX

- スプレッドが非常に狭い
- スワップポイントが高い
- 自動売買やバイナリーオプションにも対応
- ロスカットの基準が高め
- マーケット情報が少なめ
通貨ペア名 (LIGHTペア) |
スプレッド |
---|---|
米ドル/円 | 0.15銭 |
ユーロ/円 | 0.28銭 |
英ポンド/円 | 0.78銭 |
豪ドル/円 | 0.38銭 |
ユーロ/米ドル | 0.18pips |
英ポンド/米ドル | 0.68pips |
みんなのFXはスプレッドの狭さを重視する人や、スワップポイント狙いで資産運用をしたい人におすすめです。特に、スプレッドの狭さは以前から定評がありましたが、通常の通貨ペアと比較してスプレッドがさらに狭い「LIGHTペア」が導入されたことで、非常に低い取引コストで取引できるようになりました。
例えば、米ドル/円0.15銭、ユーロ/円0.28銭、ユーロ/米ドル0.18pipsなど、業界でもトップクラスの低スプレッドを実現しています。これらの非常に狭いスプレッドは、取引回数が多くなるスキャルピングやデイトレードをメインとするトレーダーにとって、大きなメリットになります。
また、スワップポイントが高いことも大きな魅力です。長期保有でスワップポイントを積み上げていきたい人には、とても有利な環境です。ただし、みんなのFXではロスカットの基準が「証拠金維持率が100%を下回った場合」と高めであるため、80%以下や50%以下などに設定しているFX会社と比べてロスカットになりやすく、資金管理には注意が必要になります。
スプレッドの狭さを重視したい人や、スワップポイント狙いの取引に興味がある人は、みんなのFXでの取引を検討してみてください。
SBI FXトレード

- スプレッドが業界最狭水準
- 1通貨から取引可能
- 積立FXサービスが利用できる
- デモ口座が無い
- オペレーターの対応時間が短め
通貨ペア名 | ※スプレッド |
---|---|
米ドル/円 | 0.18銭 |
ユーロ/円 | 0.38銭 |
英ポンド/円 | 0.88銭 |
豪ドル/円 | 0.48銭 |
ユーロ/米ドル | 0.30pips |
英ポンド/米ドル | 0.90pips |
SBI FXトレードは取引コストを重視しつつ、少額から取引を始めたい人におすすめのFX会社です。まず、スプレッドは米ドル/円0.18銭、ユーロ/円0.38銭など、業界最狭水準を実現しています。
また、一般的なFX会社では最低取引単位が1,000通貨の場合が多く、ある程度まとまった資金が必要になります。しかし、SBI FXトレードであれば1通貨から取引できるため、数円から取引を始めることが可能であり、リスクを抑えて実践経験を積みたい初心者にぴったりです。
ただし、SBI FXトレードには取引の練習で役立つデモ口座が用意されていません。そのため、本番の取引からFXを始めることに抵抗感がある人は、他社のデモ口座を利用して感覚をつかんでから、SBI FXトレードで実際に取引を始めるとよいでしょう。
取引コストを抑えつつ、少額から安心してFXを始めたい人は、SBI FXトレードでの取引を検討してみてください。
セントラル短資

- スプレッドが業界最狭水準
- スマホアプリが高機能
- マーケット情報が豊富
- デモ口座が無い
- 電話での問い合わせを受け付けていない
通貨ペア名 | スプレッド |
---|---|
米ドル/円 | 0.2銭 |
ユーロ/円 | 0.4銭 |
英ポンド/円 | 0.6銭 |
豪ドル/円 | 0.4銭 |
ユーロ/米ドル | 0.2pips |
英ポンド/米ドル | 0.6pips |
セントラル短資は業界最狭水準のスプレッドと、高機能なスマホアプリが魅力のFX会社です。まず、スプレッドは米ドル/円0.2銭、ユーロ/円0.4銭、英ポンド/円0.6銭など、業界でも指折りの狭いスプレッドを実現しています。特に英ポンド/円は、他のFX会社と比較して非常に狭い水準です。
加えて、スマホアプリが高機能であり、「チャートを4つまで同時に表示できる」、「レートやチャート、経済指標をウィジェットとして表示可能」など、外出先でも快適に取引や情報の確認ができるようになっています。

ただし、セントラル短資にはデモ口座が用意されていません。さらに、サポートについては電話対応を行っておらず、質問や相談はウェブサイトのお問い合わせフォームで行うことになります。したがって、初心者は急ぎの質問やトラブルが発生した場合を考えると、少し不安に感じることもあるかもしれません。
スプレッドが狭く、スマホアプリも高機能なセントラル短資は、トレーダーにとって魅力的なFX会社の一つです。ただし、デモ口座が無く、問い合わせ手段の制限もあるため、ある程度取引に慣れてきた段階で利用することをおすすめします。
スプレッドとは?
FXにおけるスプレッドとは、取引をする際の買値と売値の差のことです。このスプレッドがFXの実質的な取引コストになります。

スプレッドが狭いほどコストは低く、ユーザーにとって有利であり、逆にスプレッドが広いと、高コストでユーザーに不利になります。

なぜスプレッドがあるのか?
FXにスプレッドがある一番の理由は、それがFX会社の主な収入源になっているからです。FX会社は取引ツールの提供や顧客サポート、データの提供など様々なサービスを行っており、サービスのコストをカバーするためには収益が必要になります。
また、為替レートが大きく変動する際には、FX会社はスプレッドを広げることで急激な価格変動によるリスクをある程度回避できることも理由の一つです。重要な経済指標の発表やニュースが出た場合に、スプレッドが一時的に拡大することがありますが、これはスプレッドを広げることでFX会社がリスク管理しているのが一因です。
スプレッドは取引コストとして、FX会社の運営やリスク管理を支える重要な要素になっています。
FX会社は大きく分けて日本の金融庁の認可を受けた国内FXと、海外に本社を構えるFX会社が提供する海外FXに分けることができ、国内FXはスプレッドが比較的狭い傾向があります。一方、海外FXはキャンペーンやボーナスが豪華な傾向がありますが、スプレッドは広いことが多いです。
また、海外FXの場合は運営会社が日本にないため、海外のルールで運営することになります。詐欺や出金拒否などのトラブルに巻き込まれることも多いため、FX初心者には日本の金融庁の規制を受けた国内のFX会社での取引がおすすめです。
スプレッドが狭いFX会社は?
FX会社は大きく分けて日本の金融庁の認可を受けた国内FXと、海外に本社を構えるFX会社が提供する海外FXに分けることができ、国内FXはスプレッドが比較的狭い傾向があります。一方、海外FXはキャンペーンやボーナスが豪華な傾向がありますが、スプレッドは広いことが多いです。
また、海外FXの場合は運営会社が日本にないため、海外のルールで運営することになります。詐欺や出金拒否などのトラブルに巻き込まれることも多いため、FX初心者には日本の金融庁の規制を受けた国内のFX会社での取引がおすすめです。

スプレッドと手数料の違いは?
前述した通り、スプレッドとは取引をする際の買値と売値の差のことです。一方、手数料とはFXの口座を開設したり取引をしたりする時にかかる料金のことを指し、多くの場合取引手数料を意味します。
- 口座開設手数料:口座を開設する時にかかる手数料
- 口座維持費:口座を維持・管理するための手数料
- 取引手数料:通貨を売買する際にかかる手数料(スプレッドとは別)
- 入金手数料:FX会社の口座に入金する時にかかる手数料
- 出金手数料:FX会社の口座から出金する時にかかる手数料
- ロスカット手数料:ロスカットされた時に支払う手数料
国内FXの場合は、通貨を売買する際にかかる取引手数料が基本的に無料となっています。ただし、海外FXの場合はスプレッドの他に取引手数料がかかることも多く、取引をする前によく確認することが必要です。
スプレッド負けしないためには?
スプレッド負けとは、スプレッドという取引コストが原因で損失を出してしまうことをいいます。例えばスプレッドが1.0銭の場合、値動きの予想が当たっていたとしても、0.9銭以下の値幅しか取れない場合、結果は損失となってしまいます。
スプレッド負けを避けるためには、以下の3点に注意しましょう。
スプレッドが広がらない時間に取引する
取引する時間をスプレッドが広がらない時間に限定することで、スプレッド負けのリスクを大幅に減らすことが可能です。スプレッドが広がる時間帯に取引をすると、スプレッドが普段の何倍もの広さになってしまうことがあります。
例えば、日本時間早朝は市場参加者が少ないため、スプレッドが広がる傾向があります。さらに、各FX会社が提示しているスプレッドの対象外の時間帯であることが多いです。
また、重要な経済指標の発表時もスプレッドが広がることで知られています。コストが高くなる時間帯を避け、できる限り低いコストで取引をするようにしましょう。
ポジポジ病に気をつける
ポジポジ病とは、常にポジションを持っていなければ落ち着かなくなる心理状態のことをいいますが、スプレッド負けしないためにはこれに注意する必要があります。なぜなら、取引の回数が増えれば増えるほど、スプレッドによる取引コストが積み重なってしまうからです。
特にスキャルピングやデイトレードといった短期売買では取引の回数が多くなりがちであり、必要以上に取引をしないことが重要になります。
また、取引ツールの誤操作によって意図しない注文が発生すると、取引回数の増加につながってしまうため、少額での取引やデモ取引を活用してツールの操作に慣れておくことも有効です。取引するポイントを厳選してそれ以外では注文しないように心がけ、取引回数を抑えるようにしましょう。
主要通貨ペアに絞って取引する
スプレッド負けを回避するためには、スプレッドが狭いFX会社を選ぶだけでなく主要通貨ペア(メジャー通貨)に絞って取引をするようにしてみてください。つまり、取引コストが高い通貨ペアではなく、取引コストが低い通貨ペアを選んで取引をするということです。
FXでは通貨ペアによって、それぞれスプレッドが異なります。もちろん取引コストは高いものの大きな利益が狙える通貨ペアもありますが、スプレッド負けに悩んでいるのであれば米ドル/円やユーロ/円などのスプレッドが狭くコストが低い通貨ペアに絞ってみましょう。
マネーパートナーズのパートナーズFX nanoを使えば、取引量や時間に制限はありますが、米ドル/円やユーロ/円などをスプレッドなしで取引することができます。そもそもスプレッドがなければ、スプレッド負けは起こりません。
したがって、パートナーズFX nanoはスプレッド負けを回避するための、究極の方法といってもよいでしょう。
FXのスプレッドについてよくある質問
この項目では、FXのスプレッドについて知っておきたいこと、注意すべきことをまとめてご紹介していきます。
- スプレッドのないFX会社はある?
- マネーパートナーズの「パートナーズFX nano」では、米ドル/円のスプレッドが0.0銭からとなっており、コストゼロで取引することが可能です。
- スプレッドと手数料の違いは?
- スプレッドとは、取引をする際の買値と売値の差のことです。一方、手数料とはFXの口座を開設したり取引をしたりする時にかかる料金であり、取引手数料を指すことが多いです。
- スプレッド負けをしないためには、以下の3点に注意するようにしてください。
-
- スプレッドが広がらない時間に取引する
- ポジポジ病に気をつける
- 主要通貨ペアに絞って取引する
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