JCBのクレジットカードの特徴とそれぞれのカードを解説
NET MONEY編集部作成

JCBは、日本で唯一の国際クレジットカードブランドとして、VisaやMastercardとは一線を画す存在です。しかし、他のクレジットカードと何が違うのか疑問を持っている人も多いでしょう。

この記事では、JCBの特徴・メリットについて解説。 日本で生まれたJCBがどのように海外展開をしてきたのか――その背景まで深掘ります。

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JCBとは?日本唯一の国際クレジットカードブランド

JCBとは、Visa・Mastercardのような“国際ブランド”のうちの一つであり、唯一の日本発のブランドです。

そもそもクレジットカードの国際ブランドとは何かというと、「世界中の加盟店でカード決済を可能にする共通しくみを提供する存在」のこと。

国際ブランドの例
Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club

それぞれが独自の加盟店ネットワークとシステムを持つので、カードにそのロゴがついていれば、同ブランドの加盟店で支払いができます。

その中でも、JCBは唯一の「日本発」の国際ブランドとして存在感を放ちます。

VisaやMastercardがアメリカ発で、世界中の銀行と提携する「オープンネットワーク型」であるのに対し、JCBは「自社でカードも発行し、加盟店も自社で開拓する」という運営スタイルをとっています。

JCBブランドの独自の価値
  • 発行会社でもあるため、カード会員と直接つながっている
  • 日本企業らしく、サポートやサービス品質にこだわりがあり丁寧
  • JCBプラザなど、日本語でのサポート体制が整っていて海外でも安心
  • 日本人旅行者がよく行くアジア圏でも独自の加盟店網を展開

JCBは、日本初の汎用型クレジットカード(どこでも使えるカード)を発行したパイオニア的存在でもあります。

また、 香港やハワイといった日本人観光客の多い地域を皮切りに、少しずつ世界のネットワークを拡大。さらに米Discoverや中国銀聯(UnionPay)など他の国際ブランドとの提携を進め、今では世界中で4,000万店以上で使えるようになりました。

“Japan”を冠する唯一の国際ブランドとして、今も成長を続けています。

なお、JCBという名前は、「Japan Credit Bureau(ジャパン・クレジット・ビューロー)」の頭文字をとったものです。

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JCBカードのメリット

JCBカードのプロパーカードには共通のメリットがいくつかあります。

Oki Doki ランドでは2~20倍のポイントが貯まる

専用のポイント優待サイト「Oki Dokiランド」で2倍から最大で20倍のポイントを貯めることができます。Oki Dokiランドではネットショッピングモールでの買い物や旅行、レストランの予約ができ、サイトにログインしてJCBカードで買い物するだけでいいのです。

提携店舗に行くとポイント還元率がアップ

JCBオリジナルシリーズパートナー店舗とされている提携店舗では、通常よりポイント還元率がアップします。提携店舗はJCBカードのアプリMy JCBから確認できます。

海外旅行サービスが充実

JCBカードの会員は、海外でJCBプラザ・JCBプラザラウンジを使えます。JCBプラザ・JCBプラザラウンジでは加盟店の予約や観光案内などを日本語で対応してくれるので、言葉に不慣れでも海外旅行を楽しむことができるでしょう。

旅行傷害保険付帯

JCBカードには、旅行傷害保険が付帯されています。(利用付帯)JCBオリジナルシリーズは基本的に付与されていますが、同じJCBカードでも種類によっては付帯条件が異なるので、きちんと確認しておきましょう。

JCBスターメンバーズでさらに貯まる

カードの利用金額が一定の基準を超えると、JCB STAR MEMBERS(スターメンバーズ)になることができます。得られるポイントが最低でも10%以上はアップするお得な特典「Oki Dokiボーナスアップ」があり、通常より多くポイントを得られるので、この特典を利用してお得にポイントを貯めている人も少なくありません。

上位カードについて

JCBカードの上位カードは主に5種類あります。20代限定のゴールドカードであるJCB GOLD EXTAGE、通常のJCBゴールド、JCBゴールド・ザ・プレミア、JCBプラチナ、そして国内でも最上級の特典が得られるJCBザ・クラスです。

JCBカードポイントの使い方

JCBカードの利用で、Oki Dokiポイントが貯まります。Oki Dokiポイントの基本的な使い方についてまとめました。

JCBカードのポイントをお得に貯めるには?ポイントの確認・交換方法を解説

商品と交換する

貯まったポイントは商品と交換できます。宿泊利用券や食事券といった体験に交換したり、商品カタログから選んで形に残るものと交換したりするといいでしょう。また、ポイントを寄付に回すこともできます。

買い物で使うマイルや他のポイントに移行する

買い物の支払いにあてたり、提携先会社のポイントやマイルに移行したりすることもできます。自分でよく使っているサービスのポイントやクーポンに変える、寄付するなど、様々な用途にポイントを移行してみてもいいでしょう。

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      MONEY(ネットマネー)

支払い金額に充当する

貯まったポイントをキャッシュバックすることもできます。キャッシュバックというのは実際にお金が戻ってくるのではなく、カードの支払い金額から差し引かれるサービスです。

なぜJCBだけが国産ブランドになれたのか

現在、世界で使えるクレジットカードブランドは複数ありますが、その中で日本企業が手がける国際ブランドはJCBだけです。

なぜJCBだけが、VisaやMastercardと肩を並べる国際ブランドとして育ったのか?

その理由を、当時のカード業界の状況や、JCBの戦略からひも解いていきましょう。

外資ブランドが台頭する中、独自路線を貫いた背景

1970年代~80年代、日本でもクレジットカードの需要が拡大し、 Visa(旧バンカメリカード)やMastercard(旧Master Charge)といった米国発のブランドが上陸してきました。

多くの日本のカード会社(UCカード、NICOSなど)は、 「国際ブランドを使いたいなら、海外と提携した方が早い」と考え、 VisaやMastercardと提携して、自社名義のカードにそれらのブランドロゴをつけるスタイルを選びました。

一方、JCBは違いました。

「日本人向けに、日本企業の手で、世界でも通用するカードを作る。」

そう考えたJCBは、あえて提携に頼らず、自社ブランドでの国際展開にこだわったのです。

この“逆張り”の戦略が、唯一無二の国産ブランドというポジションを確立することになりました。

三位一体の垂直統合モデルとは?(イシュア・アクワイアラ・ブランド)

JCBの最大の特徴が、この「三位一体」モデル。つまり、1社で以下すべてを担っているということです。

JCBの持つ役割
  • イシュア(カードの発行会社)
  • アクワイアラ(加盟店の開拓・管理)
  • ブランドホルダー(国際ブランドの運営)

VisaやMastercardのようなオープンネットワーク型(提携型)は、「ブランドは提供するけど、カード発行や加盟店管理は他社がやってね」という仕組みです。

対してJCBは、会員・加盟店・決済ネットワークをすべて自社でコントロールしています。

JCBの強み
  • 会員に直接サービス提供ができる
  • 加盟店の品質も自社基準で管理できる
  • データ活用も自由自在

他の国内カード会社(UC、NICOSなど)との違い

JCBが誕生した1960年代、日本ではUCカード(ユーシーカード)やNICOS(旧・日本信販/現在はMUFGカード)など、多くのカード会社が設立され、ぞれぞれがカード業界を牽引しましたが、「国際ブランド」としての成長という点では、JCBに軍配があがりました。

その分岐点となったのが、海外ブランドとの提携戦略の違いです。

❶ 早期にVisaやMastercardと提携した

UCカードはVisaと、NICOSはMastercardと早い段階で提携を決断しました。

これにより、国際決済ネットワークへの参加はスムーズに実現しましたが、同時に“ブランドそのものの主権”を手放すことにもなったのです。

つまり、「UCカードのVisa版」や「NICOSのMastercard付きカード」は存在しても、 UCやNICOS自身が“国際ブランド”になることはなかったということです。

❷ 海外展開を自力でやるのが難しかった

もうひとつの大きな違いは、海外展開へのリソースの差です。

国際ブランドとして加盟店ネットワークを築いていくには、現地の法人を設けたり、加盟店の一件一件への営業を行ったりと、コストも時間も莫大にかかる取り組みが必要になります。

多くの国内カード会社にとって、これは現実的ではありませんでした。

一方、JCBはというと、創業当初から「日本初のカードブランドで、世界で通用する存在になる」という構想を持ち、カード発行から加盟店開拓、ネットワーク整備まですべて自社主導で実現してきました。

もちろん、VisaやMasterのようにグローバルブランドを借りて早く広げることもできたはずです。でもJCBは、それを選ばなかった。

「時間がかかってもいい、自分たちの手で、自分たちの信じる基準でやっていく」その姿勢が、唯一の“日本発”国際ブランドとしての地位につながっています。

JCBカードに関するよくある質問

ここでは、JCBカードに関するよくある質問をQ&Aにしましたので、参考にしてみてください。

 

JCBカードは何歳から申し込みできますか?
高校生を除く18歳以上の方が申し込みできます。
未成年の方が申し込む場合は親権者の同意が必要です。
ただし、カードの種類によっては申し込みできる条件が他に設定されていることもあります。
>>JCBカードの基本情報を見る
申し込みにはどんな書類が必要ですか?
カードの申し込みには、本人確認書類が必要です。
本人確認書類は、運転免許証、健康保険証、パスポート、在留カード・特別永住者証明書等、マイナンバーカード、住民票の写しなどを利用できます。
JCBが使えるお店は?
JCBカードは、JCBと提携する加盟店での支払いに使えます。JCBのホームページでも提携店舗を確認できますが、レジや店舗入り口にJCBのマークがある場所であれば間違いなく使えるでしょう。また、ネットショップや公共料金の支払いにも使えます。
海外で利用できる?
国際ブランドカードであるJCBのカードは、海外でも使えます。2020年時点で国内外に約3,500万店の加盟店があり、JCBプラザ、JCBプラザラウンジといった日本語サポートも充実しているので、現地の言語に不慣れでも安心して旅行を楽しめるでしょう。
ポイント制度はある?
JCBカードには、Oki Dokiポイントプログラムがあります。1,000円の利用で1ポイント貯められますが、月ごとの合計金額に対して付与されるので、1回の買い物で1,000円以上使う必要はありません。貯まったポイントは商品やマイルとの交換や、支払いにあてるなどお得に使いましょう。

専門家コメント及びに記事の監修

新井智美
新井智美
CFP(R)認定者・一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)・DC(確定拠出年金)プランナー・住宅ローンアドバイザー・証券外務員。個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、これまでに1,000件以上の執筆・監修業務を手掛けている。 公式サイト:https://marron-financial.com/

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