証券会社と投資運用会社の違いを正しく知っているだろうか。
投資初心者の中には混同している人もいるかもしれないが、異なる機能を持つ。賢く金融商品を選ぶためにも、その違いを把握しておきたい。
窓口となる証券会社
一般的にいえば、証券会社は有価証券の取引をする際に代行業務(委託業務)を行う会社だ。
私たちが株式を買ったり売ったりする際の窓口となる。
私たちが株を買う場合、証券会社の窓口で委託して購入するか、インターネット証券(ネット証券)を利用することになる。
ネット証券は証券会社の窓口で委託するよりも委託手数料が安く、株式売買の執行も窓口よりも早いため、利用する投資家が増えてきている。
一方で窓口での購入は、委託する証券会社の営業マンによって、その証券会社の調査部や付属の経済研究所が作成した資料をもらったり、投資について対面で説明を受けたりすることができる。当然ながら手数料がその分高くなる。
現在、企業の業務データなどはインターネットなどで調べることができ、マクロ経済の分析資料もネット検索で入手可能となった。そのためネット証券で売買注文の委託のみを行う投資家が多くなっている。
投資運用会社の役割とは
マクロ分析や企業分析を投資家自身が行うには限界があるため、これをプロに任せて商品を購入するのが、「投資信託」といわれるものだ。この投資信託の運用を主に行うのが投資顧問業者であり、いわゆる運用会社と呼ばれるものである。
ここで間違えないでほしいのは、あくまで運用会社(投資顧問業を行う会社)は運用のみを行う会社であること。その商品(投資信託や信託銀行が扱うその他の信託)を実際に顧客に売るのは証券会社、もしくは銀行や信託銀行などの金融機関ということだ。
つまりお客と商品のやり取りをするのが証券や銀行、信託銀行であり、運用会社は銘柄分析やマクロ分析などを行い、顧客から預かった資金の運用を行う会社である。
運用会社の運用の質の高さで委託されている投資信託のパフォーマンスは変わり、運用が上手い運用会社の投資信託に買いが集まる。
当然のことながら資金の運用については、運用会社や受託している信託銀行、さらには顧客に販売している証券会社や銀行などに委託手数料が必要となる。
投資信託を購入する場合には入り口で販売手数料を支払わなければならない。
また、ある期間の管理手数料がその投資信託の基準価額を評価する場合に、自動的に差し引かれる。
いわゆるヘッジファンドなどの私募投信は、運用した結果得られた収益に対して、一般的には20%程度の成功手数料(パフォーマンスフィー)がかかる。
これらの理由から実際に運用会社を介した投資信託の場合は、自分で株を売買する際に証券会社に支払う手数料に比べて多くの手数料がかかる。
以上のことを踏まえれば、自己責任で資金運用ができる投資家は、なるべく安い手数料のネット証券会社を通じて投資を行うことが重要となるだろう。
一方で、例えば海外の株式などに投資する場合は個人での銘柄選別は難しい場合が多く、このような場合には海外の株式を運用する投資信託を購入するほうが効率的と言えるだろう。 (NET MONEY編集部)
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