SBI証券と楽天証券は、どちらも総合口座開設数1,000万口座を超える国内最大級のネット証券会社です。
新NISA(旧NISA・つみたてNISA)は一人一口座しか開設できないので、楽天証券とSBI証券の両方で使い分けることはできません。
結論として、SBI証券と楽天証券のどちらの新NISAがおすすめかは、ポイント還元率やアプリの使いやすさ、経済圏などの重視する項目によって異なります。
この記事ではNET MONEY編集部が実際に口座を運用し、項目ごとの評価だけでなく、両社のメリットを活かした総合口座での使い分け方も解説していくので、新NISA以外の取引を考えている方も必見です。
- SBI証券:ポイントの還元率を重視し、楽天以外のポイントを貯めている方に向いている
- 楽天証券:楽天のサービスを使っている人、アプリの操作性を重視する方に向いている
- 楽天証券からSBI証券に乗り換える方法
【新NISA】SBI証券と楽天証券のどっちで始める?
ここでは、SBI証券と楽天証券の新NISAを9つの項目に分けて解説します。重視する項目や活用するサービスを見極めながら証券会社を選んでいきましょう。
比較表を見て分かるように、SBI証券はクレカ積立のポイント還元率や対応しているポイントの数で楽天証券に優っています。
しかしアプリの使いやすさや、ポイント投資に対応している商品数などは楽天証券の方が秀でていることがわかります。気になる項目を探して詳細を確認してみましょう。
商品数はSBI証券の方が多い
新NISAの商品数は、総合的に見ると楽天証券よりもSBI証券の方が豊富だと言えます。
つみたて投資枠の投資信託銘柄数は楽天証券が優っているものの、差はわずかでどちらも商品数は多く取り揃えています。
投資信託の数については特に気にする必要はないでしょう。
項目 | ||
---|---|---|
国内株式 | ○ (東証/名証/福証/札証) |
○ (東証/名証) |
外国株式 | 9カ国 | 6カ国 |
投資信託 (つみたて 投資枠) |
2,589本 (219本) |
2,568本 (221本) |
単元 未満株 |
約3,800銘柄 | リアルタイム取引:736銘柄 寄付取引:1,575銘柄 |
しかし投資できる外国株の国数はSBI証券が9カ国とネット証券最多で、単元未満株に関しても3,800銘柄を取り揃え、楽天証券の2倍程度の品揃えです。
たとえばSBI証券では韓国株を取り扱っており、楽天証券では投資できない「サムスン電子」「ロッテ ショッピング」などの銘柄に投資できます。
単元未満株においても、SBI証券は楽天証券が取り扱っていない高配当銘柄の「アステラス製薬(4503)」などを取り扱っています。
どちらも商品数は他の証券会社と比べて比較的多いので、人気銘柄は取り揃えていますが、少しでもたくさんの選択肢から選びたい方はSBI証券が良いでしょう。
手数料はどちらも無料化されている
新NISAの手数料は、SBI証券と楽天証券のどちらも無料化されています。一部例外はありますが、基本的には両方とも手数料に関して気にする必要はありません。
項目 | ||
---|---|---|
国内株式 | 無料 | 無料 |
単元未満株 | 無料 | 0.22% |
投資信託 | 無料 | 無料 |
米国株 | 無料 | 無料 |
海外株 | ETFは無料 米国以外の 株式は有料 |
ETFは無料 米国以外の 株式は有料 |
細かく見ると、楽天証券は日本株を1株単位で買える「単元未満株」サービスの「かぶミニ®」において、売買時に0.22%のスプレッドが発生するので、これが実質的な手数料となります。
スプレッドとは売買時の差額を指し、たとえば1,000円分の取引をした場合は楽天証券だと2.2円かかるという計算になります。
頻繁に取引する方以外は気にならない程度の金額ですが、新NISAの成長投資枠で1株単位の投資をしたい人は、SBI証券の「単元未満株」サービスである「S株」でコストを抑えた投資が可能です。
クレカ積立はSBI証券の柔軟性が高い
クレカ積立は楽天証券とSBI証券で、還元率やポイントの種類が異なるため単純な比較は難しいでしょう。
しかし新NISAの口座をどちらで開設するかを考える上で、クレカ積立はとても重要なポイントです。
なぜならSBI証券と楽天証券のサービスで異なる部分が多く、選ぶ基準になりうるからです。ポイントごとに解説するので、自分が重視するポイントを比較して決めましょう。
項目 | ||
---|---|---|
対応 カード |
三井住友カード Oliveカード |
楽天カード |
クレカ積立 還元率 |
0.5~5.0% | 0.5~1.0% |
月間積立 上限額 |
5万円 | 10万円 ※楽天キャッシュを 併用した場合 |
貯まる ポイント |
Tポイント Vポイント Pontaポイント dポイント JALマイル |
楽天ポイント |
積立頻度 | 毎月/毎週/毎日 | 毎月/毎日 |
ボーナス月 設定 |
○ | ○ |
最低 積立金額 |
100円 | 100円 |
貯めるポイントの選択肢はSBIが豊富
貯めるポイントの選択肢はSBI証券の方が豊富です。SBI証券では「Tポイント」「Vポイント」「Pontaポイント」「dポイント」「JALマイル」の中からクレカ積立で貯めたいポイントを選べます。
楽天証券は楽天ポイント一択です。普段から貯めているポイントをもとに選ぶとすると、楽天カードのユーザーは楽天証券、それ以外のカードを利用してポイントを貯めている方はSBI証券が良いでしょう。
ポイントの還元率はカードによって異なる
クレカ積立のポイント還元率は積み立てるカードによって異なりますが、総合的にはSBI証券の方が還元率が高いです。
楽天証券は0.5%~1.0%、SBI証券は0.5%~5.0%のポイント還元となっていますが、細かくは以下の表の通りです。
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 | ||
---|---|---|---|---|
一般カード | 0.5% | 0.5% | ||
ゴールド カード |
1.0% | 0.75% | ||
ハイ ステータス |
5.0% | 1.0% |
SBI証券は最高5.0%還元ですが、対象カードのプラチナプリファードは年会費が33,000円かかります。
クレカ積立の還元率の高さと比較して、かかる年会費に払う金額の方が負担が大きくなるので、このカードで比較するのは現実的ではないでしょう。
通常カードでは還元率に差はありませんが、ゴールドカードで比較するとSBI証券の方が楽天証券より0.25%還元率が高いです。
加えて楽天ゴールドカードは年会費が2,200円かかりますが、三井住友カード ゴールド(NL)は年間100万円以上の利用で年会費が無料になります。
楽天証券は通常カードやゴールドカードでも、銘柄によってはポイント還元率が1.0%になりますが、オール・カントリーなど人気銘柄は1.0%ポイント還元の対象外であることが多いので、結果的にはSBI証券の方がポイント還元率が高いと言えるでしょう。
投資信託保有ポイントはSBI証券の方が還元率は高め
新NISAの投資信託の保有で貯まるポイントは、SBI証券の方がポイント還元率が高いです。
さらにSBI証券は取り扱っているほとんどの投資信託でポイント還元を受け取れますが、楽天証券の「投信残高ポイントプログラム」でポイント還元を受け取れるのは6銘柄のみです。
実際にSBI証券にて販売金額ランキング1位のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)で月3万円ずつ20年間積立投資した場合をシミュレーションします。
月3万円×12ヶ月×20年間×0.175%=12,600円
よって、20年後には1年間で1万円以上分のポイントがもらえる計算になります。
新NISAのつみたて投資枠などで、一つの投資信託を長く保有する予定がある方はSBI証券を選びましょう。
米国株にもポイント投資するなら楽天証券
米国株にもポイント投資をするなら、SBI証券ではなく楽天証券がおすすめです。以下にそれぞれの証券会社でポイント投資できる商品をまとめています。
項目 | ||
---|---|---|
投資信託 | ◯ | ◯ |
日本株 | △(※) | ◯ |
米国株 | × | ◯ |
SBI証券のポイント投資の対象商品はつみたて投資を含む投資信託のみで、対応しているポイントはTポイント、Pontaポイント、Vポイント(国内株式投資非対応)の3種類です。
一方で、楽天証券は投資信託だけでなく日本株や米国株にも楽天ポイントで投資が可能です。
楽天ポイントは楽天グループのサービスを利用すると簡単に貯められるので、初心者の方も手軽に投資することができます。
単元未満株はどちらにも強みがある
単元未満株はSBIと楽天のどちらにも強みがあります。
SBI証券は銘柄数が多く手数料も完全無料である一方、楽天証券は日計取引や積立取引にも対応している点が特徴です。
項目 | ||
---|---|---|
名称 | S株 | かぶミニ® |
銘柄数 | 約3,800銘柄 | リアルタイム取引:736銘柄 寄付取引:1,575銘柄 |
手数料 | 無料 | 無料 |
スプレッド | なし | 0.22%(※) |
日計り | △ | ○ |
積立 | × | ○ |
取引 タイミング |
1日3回 (前場始値・当日後場始値・当日後場引け) |
いつでも可能 (リアルタイム取引・寄付取引) |
上の「商品数」の部分でも触れた通り、SBI証券では東証全銘柄の単元未満株を取り扱っているので、楽天証券が扱っていない高配当銘柄などに投資することもできます。
また楽天証券のリアルタイム取引では0.22%のスプレッドがかかってしまうため、頻繁に取引する方は手数料が抑えられるSBI証券が良いでしょう。
しかし楽天証券は通常取引と同じ時間帯でリアルタイムに取引ができるほか、日計取引で少額から投資したり、かぶツミ®で国内株式の積立ができたりとSBI証券にはないサービスを提供しています。
それぞれの強みを見比べて。自分に合った方を選ぶと良いでしょう。
IPO投資なら実績豊富なSBI証券
IPO(新規公開株)は取扱実績数が業界トップのSBI証券がおすすめです。
IPOとは、これまで自由に取引できなかった企業の株が証券取引所で取引可能になる際に、抽選に応募し当選することで、証券取引所での取引前に購入できる株です。
IPOの購入価格は公開価格といい、銘柄によって差はあるものの初値(株式市場で初めて取引が成立した値段)が公開価格を上回る可能性が高く、利益を出しやすいとされています。
2023年4月に楽天銀行がIPOとして上場した際は、公開価格を33%上回る1,856円の初値となりました。
楽天証券の実績数も決して少ないわけではありませんが、SBI証券を上回る証券会社は存在しません(2024年2月22日現在)。
項目 | ||
---|---|---|
2021年度 | 117件 | 70件 |
2022年度 | 92件 | 64件 |
また、IPOでは抽選が実施されますが、抽選方法はSBI証券と楽天証券で異なります。
SBI証券には「IPOチャレンジポイント」という制度があり、1社のIPO抽選にずれた場合に1ポイントがもらえます。
そのポイントの保有数が多い人から当選するので、抽選にはずれてもいずれ当選できる可能性があるメリットがあります。
新NISAでIPO投資がしたい人は、実績数が業界No.1のSBI証券を選びましょう。
米国株・海外ETFは銘柄豊富な楽天証券
米国株は、どちらの証券会社も新NISAの口座では手数料が無料です。しかし、SBI証券よりも楽天証券の方が銘柄数が豊富です。
米国個別株式で比較すると、楽天証券が5,506銘柄取り扱っているのに対してSBI証券では5,233銘柄のみの取り扱いとなっています。
楽天証券は米国株にポイント投資できるという点でもSBI証券より優れているので、NISA口座で米国株投資に興味ある方は楽天証券が良いでしょう。
アプリ・ツールは楽天証券が使いやすい
アプリは株式投資なら楽天証券のアプリ、S&P500やオールカントリーなど投資信託を中心に新NISA制度を活用するならSBI証券のアプリが使いやすいでしょう。
スマホが爆発的に普及した現在、様々な金融商品の取引がスマホで完結できるようになりました。ただし、その使い勝手は証券会社によって異なります。ここでは、SBI証券と楽天証券が提供する株アプリと投信アプリを比較します。
株アプリは、楽天証券であれば日本株と米国株が1つのアプリで取引できるので初心者の方にも便利です。
■株アプリの比較
SBI証券では、新NISAで日本株と米国株を取引したい人は「株アプリ」と「米国株アプリ」の2つをインストールする必要があり、楽天証券と比べてアプリの操作性は良くありません。
アプリストアでの評価にも表れている通りで、楽天証券の「iSPEED」のほうが使いやすいです。
スマホで株取引をしたい人は、アプリの操作性が高い楽天証券を選びましょう。
■SBI証券アプリの評判
20代男性投資歴:1年~3年
4
いちいちスマホやパソコンのブラウザを開かなくても、ドル円や日経平均株価、nyダウなどの主要な指標をみることができます、また、売買注文も、株価に応じて微調整するのがらプラスマイナスボタンから容易にできます。ブラウザだけだと分かりませんが、アプリだと約定したときに、リアルタイムで通知が来るのもありがたいです。
20代女性投資歴:半年
2
アプリの動作が重いです。画面が固まったり、エラーが出たりします。特に注文や決済のときにはストレスがたまります。次に、アプリのデザインが古いです。文字が小さくて見づらいし、色も地味でつまらないです。もっとモダンでカラフルなデザインにしてほしいです。
40代女性投資歴:3年
3
アプリが数種類あり国内株アプリや米国株アプリ、積立金額を確認するアプリなどいくつかに別れており間違えることがあります。ひとつのアプリに集約してもらえると管理が楽天証券になるため非常に助かります。
■楽天証券アプリの評判
30代男性投資歴:半年
4
実際の取引だけではなく、情報収集にも使えるところが気に入っています。他のサイトとかをいちいち見なくて良いので、アプリだけで完結します。情報量もかなり多いですし、情報が上がってくるスピードも早いですよ。
20代女性投資歴:2年
5
アプリ上で手軽に株の購入、売却、株価のチェックができる点が一番のメリットです。 株の売買は初めてで難しそうと感じていましたが、使い方はほんとにシンプルで、分からない用語が出てきても?マークをクリックすれば説明が出てくるので、安心して取引ができます。 楽天銀行の口座を持っていれば、連携させることもでき、もっと便利にアプリが使えます。
20代女性投資歴:1年
2
優待株の検索などをする時、アプリ側で完結しておらず、ブラウザ版に画面が移動するところです。アプリを使う側としてはブラウザに飛ぶのはあまり好ましく感じません。
\株アプリが使いやすい/
おすすめの株アプリについて詳しく知りたい人は、以下の記事も確認しましょう。
投資信託アプリは、SBI証券の「かんたん積立 アプリ」が良いでしょう。楽天証券は投資信託用のアプリは提供していません。
■投資信託アプリの比較
SBI証券の「かんたん積立 アプリ」は、保有中の銘柄の損益や残高推移をわかりやすく表示してくれます。NISAを含む投資信託の積立注文はもちろん、クレジットカードの登録やポイント投資の設定も可能です。
楽天証券は投資信託に対応したアプリを提供していないので、NISA口座で主に投資信託を取引するならSBI証券を選びましょう。
\アプリで投信積立ができる/
SBI証券と楽天証券の総合口座を比較
新NISAの枠以外でも、総合口座で2つの証券会社を比較したい人に向けて、SBI証券と楽天証券の口座を3つの項目で比べてみましょう。
iDeCoはSBI証券が商品数が豊富
iDeCoは、取扱銘柄数が多く信託報酬が低い銘柄を扱っているSBI証券がおすすめです。
項目 | ||
---|---|---|
取扱銘柄数 | 83本 | 36本 |
平均信託報酬 | 約0.617% | 約0.729% |
SBI証券は83本の銘柄を扱っているため、楽天証券の2倍以上の豊富な商品数から運用商品を決めることができます。
信託報酬とは投資信託の運用、管理などにかかる費用で直接支払うものではありませんが、運用中は自分の資産から負担しています。
同じ運用方針の投資信託であれば、信託報酬が安い銘柄のほうがリターンも高い傾向にあります。
iDeCoから投資を始めたい人は、SBI証券を選びましょう。
グループ銀行との連携でよりお得なのは楽天証券
グループ銀行との連携のしやすさは、楽天銀行の普通預金と連携でき、預金金利が0.1%に優遇される楽天証券がおすすめです。
項目 | ||
---|---|---|
連携できる 銀行 |
住信SBIネット銀行 | 楽天銀行 |
連携 サービス名 |
預り金自動 スィープサービス |
マネーブリッジ |
連携できる 預金 |
SBIハイブリッド預金 | 普通預金 |
どちらもグループ内のネット銀行と連携できますが、SBI証券×住信SBIネット銀行の場合は普通預金とは別の「SBIハイブリッド預金」にお金を入れる必要があります。
SBIハイブリッド預金は普通預金から振替をすれば簡単に入金できるものの、普通預金と連携できる楽天証券×楽天銀行と比べるとひと手間かかります。
また、連携することによる預金金利の優遇についても、楽天銀行が0.1%であるのに対して住信ネット銀行は0.01%しかありません。
グループ銀行との連携のしやすさを重視する人は、楽天証券を選びましょう。
情報収集は楽天証券の方がしやすい
情報収集のしやすさは、日経テレコンが利用できる楽天証券がおすすめです。
項目 | ||
---|---|---|
日経テレコン | ─ | ◯ |
会社四季報 | ◯ | ◯ |
バロンズ・ダイジェスト | ◯ | ◯ |
楽天証券の日経テレコンは、楽天証券のアプリからログインすることで閲覧可能です。
日経速報ニュースも見られるので、タイムリーな情報も確認可能です。
楽天証券の株アプリ「iSPEED」のメニューから簡単にアクセスでき、スマホからでもチェックが簡単です。
投資に関する情報を少しでも多く集めたい初心者の方は、楽天証券を選びましょう。
新NISAで楽天証券からSBI証券に口座を乗り換える方法【3ステップ】
新NISAで楽天証券からSBI証券に口座を乗り換える方法について、3ステップで紹介します。
新NISA口座も2023年までのNISAと同じく1人1口座しか保有できないため、ほかの証券会社や銀行で開設済みの場合は、金融機関の変更手続きが必要です。
なお、乗り換える方法は楽天証券からSBI証券に乗り換える場合でも同じです。
なお、2024年中に1回以上新NISA口座で投資をしている場合、2024年10月1日以降に金融機関の変更手続きをすれば、SBI証券または楽天証券で2025年の「新NISA口座」が開設できます。
NISA口座のある金融機関へ口座変更を申し込む
まずは、楽天証券へNISA口座の変更を申し込みましょう。申し込み手続きを行うと、NISA口座の変更に必要な「勘定廃止通知書」が発行されます。発行された書類はSTEP3で必要なので、失くさないようにしましょう。
メニューの中の「NISA」をクリックする
メニューバーの「口座サマリー」の隣にある「・・・」をクリックする
「NISA・つみたてNISA口座申込/受付状況」へ進み、「他の金融機関へNISA口座を移す」
SBI証券や楽天証券へ申込書類を請求する
次に、SBI証券に「NISA口座開設届出書」の請求をしましょう。既に楽天証券に口座がある場合は、取引サイトへログインしてNISA口座の申込書類を請求します。
証券口座がない場合は、SBI証券または楽天証券で証券口座とNISA口座の同時申し込みを行い、NISA口座について「他社から乗り換える」を選択しましょう。
SBI証券で「他社からの乗り換え」を選択
申込書類や必要書類をそろえて返送する
最後に、申込書類や必要書類をそろえてSBI証券や楽天証券へ返送すれば、金融機関の変更手続きは完了です。
申込書類や必要書類
- NISA口座の申込書
- STEP1でもらった書類
- 本人確認書類
- マイナンバー確認書類
なお、証券口座を開設済みの人はマイナンバー確認書類の提出は原則不要になります。返送した書類が証券会社へ到着すると、証券会社と税務署で審査が行われ、問題なければSBI証券や楽天証券のNISA口座で取引ができます。
審査には2週間程度かかり、今年中のNISA口座の金融機関を変更する期限は9月末までになるため、余裕をもって手続きを進めておくとよいでしょう。
SBI証券のNISA口座移管の完了画面
SBI証券と楽天証券の使い分け3パターン
SBI証券と楽天証券の使い分け方を、3パターン紹介します。新NISA口座としての利用は1口座しかできませんが、NISAの枠を超えて投資を行いたい方は両方の口座を有効活用しましょう。
NISA口座はSBI証券で開設し、楽天証券の特定口座で米国株投資に注力する
1つ目のパターンは、NISA口座はSBI証券で開設し、楽天証券の特定口座で米国株投資に注力するという使い分け方です。
SBI証券は、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)において、アプリで簡単に積立注文ができる上に、投資信託の保有でより多くのポイントをお得に貯められる点で、楽天証券より優れています。
取扱商品も多く、楽天証券よりメリットが大きいため、NISA口座はSBI証券で開設したほうがいいでしょう。
一方で、楽天証券は、米国株の取扱銘柄数がSBI証券より充実しているという強みがあります。
そのため、NISAはメリットの大きいSBI証券で活用しつつ、米国株にも関心のある方は楽天証券の特定口座で米国株投資に注力する、といった使い分けもよいでしょう。
SBI証券、楽天証券ダブルでIPOに応募することで当選確率アップを狙う
2つ目のパターンは、SBI証券、楽天証券ダブルでIPOに応募することで当選確率アップを狙う方法です。
IPO株は高い確率で利益が期待できる投資手法です。実際に2023年の1月~9月までにIPOした株のうち、初値が公募価格を上回ったIPOの割合は82%でした。
ただし、利益が期待できる分、IPO株は投資家からの人気も高く、抽選に当たる確率は一般的には1~2%といわれています。
そのため、少しでも当選確率を上げるにはSBI証券と楽天証券両方で口座開設を行い、ダブルでIPOを申し込むのがおすすめです。
2023年のIPOの取扱実績1位のSBI証券と、3位の楽天証券の両方から申し込めば、当選する確率は高まるでしょう。
順位 | 証券会社 | 取扱実績 |
---|---|---|
1位 | SBI証券 | 91 |
2位 | 松井証券 | 70 |
3位 | 楽天証券 | 61 |
4位 | マネックス証券 | 52 |
4位 | SMBC日興証券 | 52 |
なお、楽天証券のNISA口座ではIPO株の購入はできないため、NISA口座はSBI証券で開設し、楽天証券は特定口座を開設しましょう。
SBI証券と楽天証券を併用し、クレカ積立で月15万円までポイント還元を受ける
3つ目のパターンは、SBI証券と楽天証券を併用し、クレカ積立で月15万円までポイント還元を受ける方法です。
SBI証券は、三井住友カードを使って月5万円までクレカ積立をすることができます。
一方楽天証券は、楽天カードで月5万円までクレカ積立できるのに加えて、オンライン電子マネーの楽天キャッシュでも月5万まで積立できるため、最大で10万円まで投信積立が可能です。
つまり、SBI証券と楽天証券を併用することで、最大15万円分までの積立にポイントが貯まります。投資資金に余裕があり、毎月15万円まで積立投資をしたいと考えている方は併用を検討してみてください。
- SBI証券で毎月5万円クレカ積立
- 楽天証券で毎月10万円積立
(クレカ積立と楽天キャッシュの合計)
ただし、前述の通りNISA口座を開設できるのは1人1口座となるため、どちらかは特定口座(課税口座)で積立投資をすることになる点には注意しましょう。
SBI証券と楽天証券を比べるときによくある質問
SBI証券と楽天証券のどっちがいいか迷う方が気になる質問をまとめています。口座開設を迷っている人はぜひ参考にしましょう。
- 2社以上に口座を開設できますか?
- NISA口座とiDeCo口座以外はまったく問題ありません。銀行口座と同様に2社以上に口座開設できます。ただし、NISA口座やiDeCo口座は、それぞれ1人につき1口座までと決められている点には注意しましょう。
- 口座開設時に手数料はかかりますか?
- iDeCo口座を除いて、証券口座の開設に手数料は一切かかりません。SBI証券または楽天証券に口座を開設することで、他の証券会社や銀行と比べて株や投資信託を低コストで購入できるでしょう。
- 少額からでも投資はできますか?
- SBI証券や楽天証券なら、最低100円から投資できます。Tポイント、Pontaポイント、Vポイント、楽天ポイントのいずれかを持っていれば、SBI証券(Tポイント、Pontaポイント、Vポイント)や楽天証券(楽天ポイント)でポイント投資を利用し、実質0円で投資を始めることも可能です。
- NISAを楽天証券とSBI証券の両方で開設できますか?
- NISAは楽天証券とSBI証券の両方では開設できません。なぜなら、NISA口座は1人につき1口座しか開設できないためです。楽天証券とSBI証券の特徴をそれぞれしっかり確認の上、慎重に選びましょう。
ただし、NISA口座の金融機関は1年単位で変えられます。どちらかを選んで、合わなかった場合は翌年変更することは可能ですので、ご安心ください。