つみたてNISAでクレジットカード決済におすすめなのは?ポイントの還元率も解説
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NISAのつみたて投資枠(旧つみたてNISA)では投資信託の積立をクレジットカードで決済(クレカ積立)することが可能です。

しかし、証券会社とクレジットカードの組み合わせによってクレカ積立でもらえるポイントの還元率や付与率が変わるため、自分にはどの組み合わせが合っているのか迷う人もいるのではないでしょうか

そこで本記事ではポイント還元率・付与率が高い証券会社とクレジットカードの組み合わせを紹介し、その組み合わせのメリット・デメリットも解説します。

本記事を参考にNISAを使いこなし、ポイントを貯めながら賢く資産形成しましょう。

  1. NISAでできるクレジットカード決済(クレカ積立)とは?
  2. NISAのクレカ積立におすすめの証券会社とクレジットカード6選
    1. マネックス証券とマネックスカード
    2. auカブコム証券とauPAYカード
    3. SBI証券と三井住友カード
    4. 楽天証券と楽天カード
    5. tsumiki証券とエポスカード
    6. 大和コネクト証券とセゾンカード
  3. クレカ積立のメリット
    1. 積立金額に応じたポイントがもらえる
    2. 残高不足になる心配がない
  4. クレカ積立のデメリット
    1. 積立日を選べない
    2. 積立金額に上限がある
  5. つみたてNISAのクレカ積立に関するよくある質問
    1. つみたてのクレカ積立におすすめのサービスは?
    2. つみたてをクレカ決済するメリットは?
    3. つみたてをクレカ決済するデメリットは?
    4. 家族カードでつみたてNISAはできる?
    5. SBI証券のつみたてをクレカ決済に変えた時の注意点は?
    6. つみたてNISAは元本割れするからやめたほうがいい?
    7. そもそもNISAとクレカ積立の違いは?
    8. クレカと現金を併用してNISAを積み立てることは可能?

NISAでできるクレジットカード決済(クレカ積立)とは?

クレカ積立とは、投資信託の積立をする際、クレジットカードで決済することです。一部の証券会社で提供されているサービスで、NISAでも利用できます。

これまでクレカ積立の上限金額は月5万円でしたが、2024年3月8日の法令改正により月10万円に引き上げられました。このため、つみたて投資枠の月間上限額まで全てをクレカ積立で投資できるようになりました。

クレカ積立なら積立金額に対してポイントが貯まり、証券口座への入金手続きも省略できるメリットがあります。積立投資をするなら利用しない手はないおすすめのサービスです。

ただし、貯まるポイントの種類やポイント還元率、対象となるカードは証券会社によって異なります。クレカ積立をする際は貯まるポイントや対象カードをチェックし、自分に合う組み合わせを選びましょう。

■クレカ積立を取り扱う主な証券会社と主な対象クレジットカード
証券会社 主な対象クレジットカード ポイント還元率
マネックス証券 dカード 積立金額月5万円まで:1.1%(※1)
5万円超~7万円:0.6%
7万円超~10万円:0.2%
auカブコム証券 au PAY カード 1.0%
SBI証券 三井住友カード 0.5~5.0%(※2)
楽天証券 楽天カード 0.5~1.0%
tsumiki証券 エポスカード 0.1%(1年目)~
0.5%(5年目以降)
大和コネクト証券 セゾンカード 0.1%~1.0%相当
※1:dカード GOLDの場合、NISA口座のみ積立金額を問わず還元率1.1%
※2:2024年11月買付分(9月11日以降設定分)からは還元率変更予定。詳細はこちら
(2024年8月14日現在)

NISAのクレカ積立におすすめの証券会社とクレジットカード6選

証券会社 対応クレジットカード ポイント付与率
マネックスカード 1.1%
auPAYカード 1.0%
三井住友カード 0.5~5.0%※1
東急カード 0.1~0.3%
高島屋カード 0.25~3.0%
楽天カード 0.5%~1.0%
エポスカード 0.1~0.5%
セゾンカード/UCカード 0.1~0.5%
※1 三井住友カードつみたて投資のご利用金額は、プラチナプリファードの新規入会&利用特典、継続特典の付与条件であるご利用金額の集計対象となりません。

マネックス証券とマネックスカード

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マネックスカードは、2021年5月に発行開始、2022年2月25日から投信積立サービスの申込開始という新しいクレジットカードです。

楽天カードや三井住友カードなどに比べて知名度はそれほど高くないものの、クレカ積立ができるおすすめの証券会社の中で一番の高還元率を誇るカードです。

メリット
  • 年会費が無料のクレジットカードの中では還元率が高い
デメリット
  • 証券口座を持っていないとカードが申し込めない

■マネックス証券のつみたてNISAの概要

マネックス証券は、提携カードではなく自社と信販会社が提携して発行している「マネックスカード」で積立ができるという特徴を持っています。

取扱い銘柄は169本、マネックスカード決済を行った場合の買付日は毎月24日です。
今回紹介しているほかの3社の買付日はすべて月の上旬ですから、この点もマネックス証券独自の特徴だといえるでしょう。

■マネックスカードの概要

マネックスカードは、マネックス証券を利用している方だけが申し込めるクレジットカードです。通常のクレジットカードとは異なり、証券口座を持っていないと申し込めない点に注意しましょう。
同時申し込みもできないため、まずはマネックス証券で口座を開設し、その後でマネックスカードの申し込みを行う必要があります。

カード名 年会費 還元率
マネックスカード 初年度無料、
2年目以降は年会費550円
1.0%

継続してつみたてNISAの決済に利用するなら、年会費無料で使えると考えて良いでしょう。

なお、マネックスカードは証券会社と信販会社が提携して発行しているカードですが、通常のショッピングでも利用できます。
通常のショッピングでの還元率は1.0%で、貯まるポイントはマネックスポイントです。他社のポイントやマイルに交換可能です。国際ブランドは、JCBのみです。

■マネックス証券×マネックスカードのつみたてNISAで貯まるポイント

マネックス証券でマネックスカードを使った積み立てをすると、最大1.1%が貯まります。

具体的なシステムは以下の通りです。

ポイントシステム

  • 100円の決済で1ポイント還元
  • 積み立てる投資信託の約定金額1,000円ごとに1ポイント加算

つまり、1,000円単位で積立設定Ïをした場合に限り、1.1%還元になるということです。
1,000円未満の端数の場合、約定金額1,000円ごとに1ポイントの加算が受けられませんから、その分付与率が下がります。

マネックス証券で、還元率を最大限に生かしてつみたてNISAをするなら、1,000円単位の積立がおすすめです。

■マネックス証券でクレカ積立を行うメリット

マネックス証券のつみたてのメリットは、なんといっても還元率の高さです。

楽天証券と同じように毎年40万円、20年間クレカ積立をした場合の還元率の違いを見てみましょう。

ポイント還元率

  • 還元率0.5%……20年間で受け取れるポイントは4万ポイント
  • 還元率1.1%……20年間で受け取れるポイントは8万8,000ポイント

還元率が高ければ、それだけ得られる利益が多くなるということです。この点は、マネックス証券の大きなメリットです。

なお、取扱い銘柄は169本と今回紹介する4社の中では少なめですが、様々なジャンルの投資先が揃っており、他社と遜色ないラインナップの中から投資先を選べます。希望の投資信託が取り扱われているかどうかチェックしてみましょう。

■マネックス証券でクレカ積立を行うデメリット

マネックス証券のつみたてのデメリットは、証券口座を持っていないとカードが申し込めない点です。その分手順が多くなってしまいますから、面倒なことが嫌いな方や、今すぐ始めたい方にはあまり適していません。

auカブコム証券とauPAYカード

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auカブコム証券では、auPAYカードでつみたての投資ができます。au回線やauじぶん銀行、auPAYなど、au関連のサービスを利用している方に特におすすめです。

メリット
  • 年会費無料のカードで1.0%の高還元
  • つみたて口座を開設すると国内現物株式と信用取引の手数料が最大5%引きになる「NISA割」
デメリット
  • マネックスカードには還元率が劣る

■auカブコム証券のつみたてNISAの概要

auカブコム証券のつみたてNISAは、クレジットカード積立の還元率1.0%で取扱い銘柄数も豊富と、かなりの好条件です。

つみたての取扱い銘柄は192本で、auPAYカード決済を行った場合の買付日は毎月1日です。

■auPAYカードの概要

auPAYカードは、au関連サービスで高いメリットを得られるクレジットカードです。発行するためにはauIDが必要ですが、auIDの発行は誰でも無料で行えます。

auPAYカードには、以下の2種類があります。

カード名 年会費 還元率
auPAYカード 無料 1.0%
auPAYゴールドカード 年会費1万1,000円 1.0%

auPAYカードで貯められるポイントは、Pontaです。貯まったポイントは、提携店での決済などに使えるほか、auPAY残高にチャージして使うこともできます。
auPAY残高にチャージした場合、利用時にさらに1.0%の還元が受けられます。

■auカブコム証券×auPAYカードのつみたてNISAで貯まるポイント

auカブコム証券でauPAYカードを使ったつみたてを行うと 、決済額の1.0%のPontaポイントを貯められます。

年会費無料のカードでポイント還元率が1.0%というのは、今回ピックアップした4つの証券会社の中でも非常に条件が良いといえるでしょう。
還元率だけを見るとマネックス証券には及びませんが、それでも十分高い還元率となっています。

■auカブコム証券でクレカ積立を行うメリット

auカブコム証券でのクレジットカード決済は、年会費無料のカードで1.0%の高還元が受けられ、つみたて口座を開設すると国内現物株式と信用取引の手数料が最大5%引きになる「NISA割」などがメリットとして挙げられます。

また、SBI証券や楽天証券ほどではありませんが、取扱い銘柄も豊富に取り揃えられています。
そのほか、豊富なサポートツールや、auじぶん銀行との連携で受けられる預金金利アップといったメリットもあります。

■auカブコム証券でクレカ積立を行うデメリット

auカブコム証券のつみたてに特筆すべきデメリットはありません
しかし、もともとauやauPAYカードなどを利用していない方が、ポイント還元のために新たに申し込みをするのであれば、 より還元率の高いマネックスカードを作る方が良いでしょう。

SBI証券と三井住友カード

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SBI証券では、仲介口座を含めれば7社のカードでクレカ積立ができますが、おすすめの組み合わせは仲介口座を利用する必要がない三井住友カードです。

メリット
  • つみたて投資枠の取扱本数が豊富
  • 貯めたVポイントは投資信託や日本株へのポイント投資が可能
デメリット
  • カードの利用額が年間10万円未満だとポイント還元を受けられない場合がある

■SBI証券のつみたてNISAの概要

ネット証券最大手のSBI証券のNISAは、取扱銘柄数が豊富です。つみたて投資枠は234本、成長投資枠は1,243本の投資信託を取り扱っています(2024年8月14日現在)。

投信積立専用の「かんたん積立 アプリ」が便利で、クレカ積立に必要なクレジットカードの登録もアプリからできます。

かんたん積立 アプリ
画像引用:かんたん積立 アプリ

三井住友カードでクレカ積立をした場合、買付日は毎月3日~9日のいずれかを選択可能です。

■三井住友カードの概要

三井住友カードは、SMBCグループ(三井住友フィナンシャルグループ)のクレジットカードです。

非常に種類が豊富でそれぞれ異なる特徴を持っていますが、代表的なカードには以下のような種類があります。

カード名 年会費 基本付与率
三井住友カード(NL) 永年無料 0.5%
三井住友カード ゴールド(NL) 5,500円(税込)(年間100万円利用で翌年以降永年無料)※ 0.5%、年間100万円利用で1万ポイント
三井住友カード プラチナリファード 3万3,000円(税込) 1.0%、年間100万円利用ごとに1万プレゼント(上限4万ポイント)
※年間100万円利用の対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。
(2024年8月14日現在)

「NL」は「ナンバーレス」のことで、クレジットカードのなかにカード番号が記載されていません。カード番号は「Vpassアプリ」から確認できます。

基本付与率はそれほど高くないものの、三井住友カード(NL)や三井住友カード ゴールド(NL)を対象のコンビニ、マクドナルドなどで使うと最大7%のポイント還元※が受けられるといった、プラスアルファのサービスが充実しています。

※商業施設内の店舗など、一部ポイント加算の対象とならない場合があります。
※一定金額(原則1万円)を超えると、決済端末にカードを挿しお支払いただく場合があります。その場合のお支払い分は、当サービスポイント加算の対象となりません。上記、タッチ決済とならない金額の上限は、ご利用店舗によって異なる場合があります。
例:セブン‐イレブン(1万円)など
※iD、カードの差し込み、磁気取引は対象となりません。
※Google Pay™ で、Mastercard®タッチ決済はご利用できません。Visa、Mastercard2つのブランドのクレジットカードを同時にお持ちいただくこともできます。

\カードとセットで申込/

■SBI証券×三井住友カードのつみたてNISAで貯まるポイント

SBI証券でクレカ積立(三井住友カード決済)を行うと、Vポイントが貯められます。

付与率はクレジットカードのステータスによって異なり、2024年11月買付分(9月11日以降設定分)から変更される予定です。

2024年10月買付分まで
カード名 付与率
三井住友カード(NL) 0.5%
三井住友カード ゴールド(NL) 1.0%
三井住友カード プラチナプリファード 5.0%
2024年11月買付分以降
カード名 カード入会年度 年間のカード利用額 付与率
三井住友カード(NL) 初年度 条件なし 0.5%
2年目以降 10万円以上 0.5%
10万円未満 0%
三井住友カード ゴールド(NL) 初年度 条件なし 1.0%
2年目以降 100万円以上 1.0%
10万円以上 0.75%
10万円未満 0%
三井住友カード プラチナプリファード 初年度以降 500万円以上 3.0%
300~500万円未満 2.0%
300万円未満 1.0%
※カード入会初年度の付与率は、カード加入日の12ヵ月後の月の10日の積立設定締切日まで
※カード入会初年度に、利用条件なくポイント付与率が0.5%または1.0%になるのは1カードあたり1回限りです。2回目以降の入会時はポイント付与率が0%になります。(複数回カード切替えをされ、2回目の保有となった場合も対象となりません。またブランド「Visa」「Master」が異なっても、同一カードと見なし、対象となりません。)
※クレカ積立は年間のカード利用額の集計対象となりません。そのほか対象外のものがあるため、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。

年会費無料で利用できる三井住友カード(NL)がおすすめですが、三井住友カード ゴールド(NL)は、年間100万円の利用で翌年以降の年会費が永年無料※になります。

旅行や引っ越しなどで高額な支出をすることがあったら、作成を検討してみましょう。

※年間100万円利用の対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。

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■SBI証券でクレカ積立を行うメリット

SBI証券はつみたて投資枠の取扱本数が豊富で、クレカ積立により最大5.0%(2024年11月買付分以降は最大3.0%)のVポイントが付与されます。

貯まったVポイントは、SBI証券でメインポイントをVポイントに設定すれば、投資信託や日本株へのポイント投資に1ポイントから利用できます。

■SBI証券でクレカ積立を行うデメリット

SBI証券のクレカ積立は、年間のカード利用額が10万円を下回るとポイント付与率が0%になることがあります。

三井住友カード(NL)はマネックス証券やauカブコム証券よりポイント付与率が低いため、付与率を重視するのであれば、ほかの証券会社を選ぶのが良いでしょう。

ただし、年間100万円※を使う予定があるなら、1.0%付与が受けられる三井住友カード ゴールド(NL)を作成する選択肢もあります。

※年間100万円利用の対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。

\カードとセットで申込/

楽天証券と楽天カード

(画像=NET MONEY編集部)

楽天証券は、楽天カードでつみたてNISAを始めたい人におすすめです。楽天カードは、投資以外にもさまざまなサービスと提携しています。
すでに楽天カードを持っている方なら、手持ちのカードで手軽に始められます。

メリット
  • 楽天で積立投資をすると楽天市場での買い物時の付与率が0.5倍になる
  • 取扱い銘柄が194本と豊富
デメリット
  • 楽天証券の積立投資ではETF(上場投資信託)の取り扱いがない

■楽天証券のつみたてNISAの概要

楽天証券のつみたてNISAは、楽天カードのほか、楽天キャッシュ(電子マネー)でも積立ができるという特徴を持っています。

また「投資信託の数が多すぎて選べない」という方向けに「らくらく投資」サービスも提供しています。
これは、簡単な質問に答えるだけでそれぞれの方に適した投資ができるというものです。対象商品は、専用の5ファンドです。

取扱い銘柄は194本、楽天カード決済を行った場合の買付日は毎月8日(2021年6月20日以降に初めて利用する場合)です。

■楽天カードの概要

楽天カードは、楽天グループの「楽天カード株式会社」が発行するクレジットカードです。

カード名 年会費 基本還元率
楽天カード 無料 1.0%
楽天ゴールドカード 年会費2,200円 1.0%
楽天プレミアムカード 年会費1万1,000円 1.0%

一般カードの通常還元率は1.0%です。年会費無料で還元率が高めですし、楽天ポイントカードと一体になったカードであれば、提携店で提示するだけで貯められるというメリットもあります。
持っていて損はないカードだといえるでしょう。

■楽天証券×楽天カードのつみたてNISAで貯まるポイント

楽天証券のつみたてで楽天カード決済をすると、販売会社が受け取る手数料(代行手数料)に応じて楽天カードが0.5~1.0%貯まります。
代行手数料が年0.4%未満の投資信託が0.5~1.0%、0.4%以上の投資信託が1.0%です。

カード名 還元率
(代行手数料4%未満の場合)
楽天カード 0.5%
楽天ゴールドカード 0.75%
楽天プレミアムカード 1.00%

還元率に幅は設けられてはいますが、代行手数料が年0.4%未満のケースが多いと考えられます。

■楽天証券でクレカ積立を行うメリット

楽天ポイントをつみたてNISAの買付に利用できるのは楽天証券だけです。この点は、楽天証券の大きなメリットだといえるでしょう。

また、上記のほかにも、楽天カードや楽天銀行を楽天証券と合わせて利用することでさまざまなメリットが得られます。例えば、マネーブリッジに登録することで、楽天銀行の普通預金が0.1%と大手銀行の約100倍の金利が適用されます。
楽天証券は、単独ではなく、楽天カードや楽天銀行口座など、付随するサービスを利用することで得られるメリット(還元率アップなど)も合わせて検討するのがおすすめです。

■楽天証券でクレカ積立を行うデメリット

楽天証券のつみたてのデメリットは、ETF(上場投資信託)を取り扱っていない点です。

ETFとは
一般的な投資信託と比較して信託報酬が安く、売買の仕組みや課税関係は株式の売買とほぼ同じです。

つみたてNISAの245銘柄(2023年7月27日時点)のうち8本はETFであり、つみたてNISAでもETFを購入することができます。

しかし、楽天証券の場合ETFは対象でないため、ETFに投資したいという方には向いておりません。

tsumiki証券とエポスカード

tsumiki証券は、エポスカードでクレカ積立ができます。

メリット
  • 対象商品が5つに厳選されており選びやすい
  • 貯まったエポスポイントがポイント投資に使える
デメリット
  • クレカ積立のポイント還元率が低い

■エポスカードの概要

エポスカードは、丸井グループのクレジットカードです。代表的なカードとして、以下の3種類が挙げられます。

カード名 年会費 基本還元率
エポスカードVisa 永年無料 0.5%
エポスゴールドカード 5,000円、年間50万円以上の利用で翌年以降永年無料 0.5%
エポスプラチナカード 3万円、年間100万円以上の利用で翌年以降2万円 0.5%
※ゴールドカードはプラチナ・ゴールド会員のご家族やエポスカードからの招待があれば利用金額問わず年会費永年無料
※プラチナカードはエポスカードからの招待があれば利用金額問わず年会費2万円
※一部、年間利用金額の対象外となる商品があるので、エポスカードのホームページを必ずご確認ください。
(2024年8月14日現在)

ゴールドカードやプラチナカードなら、年間の利用金額に応じてボーナスポイントがもらえます。年間の利用金額は、クレカ積立の積立金額も対象です。

年間利用金額 ボーナスポイント
ゴールドカード プラチナカード
50万円以上 2,500ポイント
100万円以上 1万ポイント 2万ポイント
300万円以上 4万ポイント
500万円以上 5万ポイント
700万円以上 6万ポイント
900万円以上 7万ポイント
1,100万円以上 8万ポイント
1,300万円以上 9万ポイント
1,500万円以上 一律10万ポイント
※ボーナスポイントは対象期間終了月の翌々月中旬に加算いたします。
※JQ CARDエポスゴールドの加算日は集計終了後の3カ月後の1日ごろに加算されます。
(例)集計期間2022年2月1日~2023年1月31日の場合2023年4月1日ごろに加算されます。
※ポイント利用分、キャッシング利用分は年間利用金額に含まれません。
※一部、年間利用金額の対象外となる商品があるので、エポスカードのホームページを必ずご確認ください。
(2024年8月14日現在)

■tsumiki証券×エポスカードのクレカ積立で貯まるポイント

tsumiki証券でクレカ積立を行うと、エポスポイントが貯められます。クレカ積立を行った年数に応じて、1年ごとにポイント還元が受けられます。

積立年数 還元率
1年目 0.1%
2年目 0.2%
3年目 0.3%
4年目 0.4%
5年目以降 0.5%
(2024年8月14日現在)

ゴールドカードやプラチナカードの場合でも、クレカ積立の還元率は変わりません。

■tsumiki証券でクレカ積立を行うメリット

tsumiki証券は対象商品を5つの投資信託に厳選しているため、投資がはじめての人でも選びやすいでしょう。

クレカ積立などで貯まったエポスポイントは、100ポイントから投資信託への投資に使えます(NISAのつみたて投資枠は除く)。

■tsumiki証券でクレカ積立を行うデメリット

tsumiki証券のクレカ積立は年数に応じてポイント還元率が0.1%ずつ上がる方式になっているため、1年目の還元率が0.1%と低いです。

新たにカードを発行してクレカ積立を始めるなら、1年目から還元率が高いほかの証券会社を選びましょう。

大和コネクト証券とセゾンカード

大和コネクト証券は、セゾンカードと一部のUCカードでクレカ積立ができます。

メリット
  • 取引や資産の確認が1つのアプリで完結
  • dポイントやPontaポイントでポイント投資ができる
デメリット
  • クレカ積立で貯まるポイントはポイント投資に使えない
  • 月5,000円未満のクレカ積立ではポイントがもらえない

■セゾンカードの概要

セゾンカードは、クレディセゾンのクレジットカードです。非常に種類が豊富でそれぞれ異なる特徴を持っていますが、代表的なカードには以下のような種類があります。

カード名 年会費 基本還元率
SAISON CARD Digital 永年無料 最大0.5%相当
SAISON GOLD Premium 1万1,000円、年間100万円利用で翌年以降永年無料※ 最大0.5%相当
セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード 2万2,000円 最大1.0%相当
※大和コネクト証券のクレカ積立利用分は、年間利用金額に含まれません。
(2024年8月14日現在)

セゾンカードは、1,000円ごとに1ポイント(セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カードは国内1.5ポイント、海外2ポイント)の永久不滅ポイントが貯まります。

カードの種類やポイントの使い道によって還元率が異なりますが、SAISON CARD Digitalで貯めたポイントをAmazonギフトカード2万5,000円に交換すれば0.5%です。

還元率は0.45%に落ちますが、カードの請求額にポイントを充当することもできます。

■大和コネクト証券×セゾンカードのクレカ積立で貯まるポイント

大和コネクト証券でクレカ積立を行うと、永久不滅ポイントが貯められます。主なカードのクレカ積立の還元率は以下の通りです。

カード名 月間積立純増額 還元率
SAISON CARD Digital 5~10万円 0.5%相当
4~5万円未満 0.4%相当
3~4万円未満 0.3%相当
2~3万円未満 0.2%相当
5,000円~2万円未満 0.1%相当
5,000円未満 0%
SAISON GOLD Premium 5,000円以上 0.5%相当
5,000円未満 0%
セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード 5,000円以上 1.0%相当
5,000円未満 0%
※月間積立純増額とは、クレカ積立をした投資信託の当月のすべての買付金額(クレカ積立、まいにち投信、スポット買付を含む)から当該銘柄の当月のすべての売却金額を差し引いた金額。
複数銘柄でクレカ積立をしている場合は、各銘柄で算出した額の合計金額となる。買付・売却は約定日ベースでの集計。
(2024年8月14日現在)

■大和コネクト証券でクレカ積立を行うメリット

大和コネクト証券
画像引用:大和コネクト証券公式サイト

大和コネクト証券は、クレカ積立を含めた全ての取引や資産の確認が「コネクト」という1つのアプリで完結します。

スマホから簡単に投資を始めたい人や、パソコンを持っていない人におすすめです。

クレカ積立でもらえるポイントとは異なりますが、dポイントやPontaポイントでポイント投資ができます。

■大和コネクト証券でクレカ積立を行うデメリット

クレカ積立で貯まる永久不滅ポイントは、大和コネクト証券でのポイント投資に使えません。

永久不滅ポイントはポイント運用に対応しているものの、クレディセゾンのポイント運用サービスに登録する必要があります。ポイント運用はポイント投資と異なり、現金で引き出すことができません。

月5,000円未満のクレカ積立ではポイント還元がないため、少額の投信積立には不向きです。

積立金額が月5,000円未満の人やクレカ積立で貯めたポイントをポイント投資に使いたい人は、ほかの証券会社を選びましょう。

クレカ積立のメリット

編集部

クレジットカードで積立投資をするメリットは?

編集部

決済額の数パーセントがポイントで還元されるほか、残高不足を気にする必要がなくなります。

積立金額に応じたポイントがもらえる

クレジットカード決済で積立投資を行うと、金額に応じてポイントがもらえます。

積立投資ができる金額は年間40万円までで、投資期間は最長20年です。実際に、クレカ積立によってどれくらいのポイントが付与されるのか紹介します。

(例)SBI証券で三井住友カード(NL)決済
年間40万円×付与率0.5%×20年間
4万円

\年会費無料で1.1%還元/

残高不足になる心配がない

決済方法にクレジットカードを選択しておけば、残高不足で購入できないという心配はありません。

そもそも、クレカ積立では以下のように投資商品の買い付けを行います。

投資商品の買い付け

  1. 積立設定をする
  2. 積立設定した日に、定期的に投資商品を自動注文する

証券口座や銀行口座のお金を利用する場合、口座残高が不足していると買付ができません

クレジットカード決済なら、有効期限の変更なども自動で行われるので、一度登録した後は引き落とし日の口座残高だけに注意すれば、投資を続けられます

\積立頻度が豊富/

クレカ積立のデメリット

クレジットカードによる積立投資にはいくつかのデメリットが存在します。

クレカ積立のデメリット
  1. 積立日を選べない
  2. 積立金額に上限がある

積立日を選べない

クレジットカードによる決済を選択すると、積立日を選べないことがデメリットとして挙げられます。例えばSBI証券でつみたてNISAを始めると、通常は「毎日・毎週・毎月」など5つのコースから自由に積立頻度を選ぶことができます。

しかし、クレジットカードによる引き落としの場合は「毎月」のみとなるので注意が必要です。

積立金額に上限がある

クレカ積立の場合、積立金額に上限が設定されていることもデメリットの一つです。クレカ積立の場合、毎月の積立金額の上限は10万円までに設定されています。(2024年6月時点)

しかし楽天証券の場合は、楽天キャッシュと楽天カードでのクレカ積立の組み合わせで月に10万円まで積み立てられるのでおすすめです。

新NISAつみたて投資枠(旧つみたてNISA)のクレカ積立に関するよくある質問

クレカ積立に関して、よくある質問を7つご紹介します。

つみたてのクレカ積立におすすめのサービスは?
ポイント還元率を重視するのであれば、もっとも還元率が高いマネックス証券×マネックスカードのつみたてNISAがおすすめです。

マネックスカードは年会費が無料ではありませんが、前年に1度でも使えば無料になるため、継続するなら問題ないでしょう。

一方、還元されたポイントを投資に活用したい場合は、ポイント投資ができる楽天証券×楽天カードがおすすめです。
つみたてをクレカ決済するメリットは?
つみたての決済方法にクレジットカードを設定することで、つみたて金額に応じたポイントがもらえます。

付与率はクレジットカードごとに異なり、0.1~5.0%です。事前に確認しておきましょう。

また、クレジットカード決済にすれば、毎月、買付金額分のお金を口座に用意する手間がなくなります。
家族カードでつみたてNISAはできる?
家族カードでのクレカ積立はできません。
証券口座の名義とクレジットカードの名義、決済口座の名義が一致する必要があります。
SBI証券のつみたてをクレカ決済に変えた時の注意点は?
SBI証券では、現金決済とクレカ決済の併用ができません。現金決済からクレカ決済に変えるタイミングによっては、その月の積立ができないこともあります。翌月の積立をクレカ決済に変えるためには、三井住友カードは毎月10日23時55分、タカシマヤカードと東急カードは毎月5日23時55分までに手続きをしましょう。

なお、クレカ積立では、毎月1営業日に買付が行われます。現在の買付設定日が上記のクレカ設定締め日よりも前の場合は、発注後にクレカ積立の設定をしてください。

一方、現在の買付設定日がクレカ設定締め日よりも後の場合は、一旦クレカ積立の設定をして、締め日を過ぎてから現金設定に戻して買付を行い、その後再度クレカ設定をします。

この設定をすることで、途切れることなく積立が行えます。
つみたてNISAは元本割れするからやめたほうがいい?
つみたてNISAは投資初心者におすすめの制度です。

短期では元本割れして損をする可能性があるものの、長期では利益が出る可能性があります。

投資信託は期間が長ければ長いほど、リターンと呼ばれる収益率がマイナスである銘柄の割合が少なく、0%以上の利益を出している銘柄の割合は多くなります。
そもそもNISAとクレカ積立の違いは?
NISAは金融庁が推進する税制優遇制度であるのに対し、クレカ積立は金融機関が提供するサービスであるという違いがあります。
NISAは正式名称を「少額投資非課税制度」といい、投資で得た利益が非課税になる制度です。
NISAを利用するには、銀行や証券会社などで専用口座を開設し、その口座で金融商品の売買をする必要があります。例えば、「SBI証券のNISA口座で投資信託積立をする」と表現できます。
一方、クレカ積立は投資信託の積立をする際、決済手段としてクレジットカードを利用できるサービスのことです。クレカ積立はNISA口座、課税口座のどちらでも提供されています。「SBI証券のNISA口座でクレカ積立をする」「SBI証券の課税口座でクレカ積立をする」などと表現できます。
クレカと現金を併用してNISAを積み立てることは可能?
可能です。ただし、2つの決済手段を併用する場合、同じ銘柄でもクレカ積立分と現金決済分の2回、注文をしなければいけない点には注意しましょう。決済方法ごとに積立設定をする必要があるためです。
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