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(画像=PIXTA)

ネット証券の普及に伴い、これまで投資に関心がなかった人も投資に挑戦し始める傾向にあります。投資は、預貯金など元本が保証された金融商品ではなく元本割れのリスクがあるため、まずはリスクが低めの投資信託から始めることがおすすめです。

この記事では、投資信託の基礎知識から投資信託を購入する際のネット証券会社選びで大切なポイントなどについて説明していきます。

投資信託(ファンド)とは

投資信託は、投資知識が高くなくても始めやすいため、投資初心者ならすすめられることが多い商品です。ここでは、投資信託とはいったいどのような金融商品なのか、基本的な仕組みやメリット・デメリットについて説明します。

投資信託の基本概要

投資信託とは、多くの一般投資家から集めた資金をまとめて一つの大きなファンドとし、その資金で数十~数百もの株式や債券などに投資する金融商品です。運用は、資産運用のプロが行います。初心者でも投資が始めやすいといわれるのは、このためです。

投資信託には、それぞれに運用目標が定められています。例えば「日経平均株価やTOPIX、米国株価指数と連動した運用を目指す」「それらの指数を上回るパフォーマンスを目指す」などです。投資家は、自分が投資した口数に応じて運用で得られた値上がり益や分配金などの利益を還元してもらうことができます。

SBI証券

投資信託のメリット・デメリット

「投資のプロが運用する」「一つの投資信託でさまざまな金融商品・銘柄に分散投資されている」といったことから、株式やFXなど他の投資商品に比べてリスクは低めです。投資初心者でも始めやすいことは、投資信託のメリットといえます。自分でさまざまな商品や銘柄に分散投資をする場合には、多額の投資資金が必要です。

しかし投資信託は1万円程度で購入できるファンドがたくさんあります。さらにネット証券の中には、100円から買えるところもあるため、少額から投資を始めることができるでしょう。一方で主なデメリットは2つです。1つ目はコスト面。投資信託には、購入・売却時に手数料がかかるものがあります。またどの商品でも毎営業日「信託報酬」と呼ばれる手数料がかかる仕組みです。

資産を着実に増やしていくためには長期運用が基本ですが、信託報酬が継続的に引かれることで大きなコストとなります。2つ目は、自分の希望する価格で購入できない可能性があることです。株価に相当する投資信託の基準価額は、申込日の締め切り後に確定するため、自分で希望の値段を注文することができる株式投資の指値注文のようなことはできません。

そのため購入や売却時の基準価額は、実際に約定しないとわからない点はデメリットです(ETFを除く)。

投資信託のネット証券会社選びで大切なポイントとは

投資信託を購入するには、まず金融機関で証券口座の開設が必要です。金融機関を選ぶ際のポイントを説明します。

手数料の安さ

手数料,SBI証券

投資信託は、株式投資などに比べてコストが高めになる可能性があります。コストがかかればその分、運用利回りに大きく影響するため、手数料の安いネット証券を選ぶようにしましょう。ただし保有期間中にかかる信託報酬や売却時に発生する信託財産留保額などはファンドごとに異なります。また販売手数料は金融機関によっても異なるため、注意が必要です。

投資信託の中には、購入時手数料がかからない「ノーロード」と呼ばれる投資信託もあります。ネット証券の中でも、取り扱っている投資信託の本数は会社ごとに異なるため、自分が投資しよう思っている対象ファンドがあるか比較することが大切です。

取り扱う投資信託の豊富さ

取り扱っている投資信託の数が多いほど投資家にとっては選択肢が広がります。アクティブファンドやインデックスファンド、つみたてNISAやiDeCo対象のものなど、投資信託の種類が多い証券会社を選びましょう。自分が許容できるリスクや求めるリターンに合わせてファンドを選びやすくなります。

最低投資金額

投資は、余剰資金で行うのが鉄則です。少額から投資することができたほうが、初心者にとっては投資を始めやすくなります。投資信託の購入価格(基準価額)は1万口1万円程度のものが多く、基本的に1万円前後から投資可能です。しかしネット証券の場合は、1ファンドあたり最低100円から投資できるところもあります。

また少額を毎月積み立てていく積立投資ができる証券会社も多くあるため、気軽に投資を始めやすいでしょう。仮に1万円を投資に回せる場合でも、例えば基準価額が1万円の投資信託を1本買うのではなくリスクとリターンの異なるファンドを1000円ずつ10本購入する方法もあります。後者のほうがよりリスク分散につながるでしょう。

サービスの充実度

投資信託は、投資初心者に始めやすい商品ですが投資知識がまったくないままでは、どのファンドを選べば良いのか判断がつかない可能性もあります。例えば初心者でも分かりやすいように以下のようなサービスが提供されていると判断しやすいでしょう。

・投資信託の基本情報やファンドの特徴、運用実績などを分かりやすく説明している
・各種ランキングやファンドスコア(投資信託の相対評価)などで検索しやすくしている

提供されているサービスを上手に活用することで自分の投資方針や運用スタイルに適する銘柄を探しやすくなります。

SBI証券

その他にも以下のようなサービスがあるかもチェックしておきましょう。

・スマホで取引できる各種アプリがあるか
・運用の助言や代行をしてくれるロボアドバイザーがあるか
・ポイントを投資信託の購入資金に充当できるか

自分が利用しやすいと感じるアプリやサービスなども考慮したうえで状況に合わせて選びましょう。

投資信託におすすめネット証券会社ランキング

ここからは、実際に投資信託を始めるとしておすすめのネット証券会社を5社紹介します。

SBI証券

2021年3月22日時点で600万口座を達成し、ネット証券口座開設数No.1を誇る証券会社です。株式やFXなど取扱商品の種類も豊富ですが、投資信託の本数も多くネット証券の中でトップクラスとなる2 645本を取り扱っています(2021年9月18日時点)。同社では、2019年12月よりブルベア型ファンドを含むすべての投資信託で販売手数料を無料化しており、すべての投資信託で「販売手数料(購入時手数料)」がかかりません。

またSBI証券の取引やサービス利用することで、Tポイントをためることができます。Tポイントは、1ポイント=1円分としてショッピングや投資信託の購入に利用できます。逆にショッピングで獲得したTポイントなどをSBI証券で利用することもできるため、普段からTポイントを活用している人に向いています。

同社では、つみたてNISAで投資信託を100円から積み立てできることも魅力です。税制優遇制度のつみたてNISAやiDeCo対象となる投資信託も豊富に扱っており、効率よく資産形成を進めることが期待できるでしょう。簡単な質問に答えるだけで積立スタイルを診断してくれる、スマーとフォン用「簡単積立アプリ」も提供しており、投資初心者にもおすすめの証券会社です。

楽天証券

楽天ユーザーには、投資信託の購入に楽天ポイントを1ポイント=1円から使える楽天証券がおすすめです。楽天ポイントは、NISAやつみたてNISAでも利用できます。楽天証券が取り扱う投資信託は、2679本(2021年9月18日時点)と業界最高水準。投資信託の買付手数料もすべて無料となっているため、手数料面でも非常に魅力的です。

また投資信託の選び方が分からない初心者向けに、さまざまなサービスが提供されています。その一つがファンドアナリストによる「ファンドセレクション」です。長期投資の観点からファンドアナリストが優れたファンドを厳選し、8つのカテゴリーに分類して選びやすくしてくれています。またロボアドバイザーが運用コースの提案および資産運用を自動で行ってくれる「楽ラップ」も利用可能です。

楽ラップは1万円から利用でき、運用コースの提案から運用まですべてお任せできるため、初心者でも気軽に始めやすいでしょう。

マネックス証券

マネックス証券

マネックス証券は、196万口座(2021年8月現在)を有するネット証券会社です。投資信託の取扱数は 1221本(2021年9月18日時点)で、すべての購入手数料が無料となっています。投資信託で無理なく資産形成できるように、100円からコツコツと毎月または毎日積み立てていく「投信つみたて」も利用可能です。

自分の基準で投資信託を選びたい人向けに「ファンド検索・商品一覧」「ランキング一覧」などたくさんのツールも用意されています。最新の金融工学理論を駆使し、ロボアドバイザーが一人ひとりに合ったポートフォリオを提案する「投信ポートフォリオ診断」も利用できるため、投資信託選びがしやすくなるでしょう。

松井証券

auカブコム証券
(引用元=松井証券)

松井証券は、1918年創業の100年以上の歴史を持つ老舗のネット証券です。投資信託の取扱数は1540本(2021年9月18日時点)と多く、購入手数料はすべて無料。松井証券で投資信託を購入するメリットは、対象となる投資信託を保有期間中、毎日引かれる「信託報酬」の一部を還元してくれることです。

信託報酬は、運用会社や販売会社、受託会社に支払われる手数料のことですが、その額が保有資産額の0.3%(税抜き)を超える投資信託を対象に、毎月一部を現金として口座に還元してくれます。信託報酬が高めのファンドは積極的なリターンを狙うものが多い傾向ですが、一部を還元してくれることで、コストを抑えながら積極的な資産形成ができそうです。

ファンド検索には、初心者向けモードと通常モードの2種があり、初心者から上級者までお気に入りのファンドを見つけやすくしてくれているサービスもうれしいポイントです。

auカブコム証券

auカブコム証券

auカブコム証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループとKDDIグループとのジョイントベンチャーによって「通信と金融サービスの融合」を実現しているネット証券会社です。口座開設数は、2021年8月時点で約132万口座、投資信託の取扱数は1450本(2021年9月18日時点)と豊富。これまで紹介した他のネット証券同様、すべての投資信託で購入時手数料が無料となっています。

毎月100円以上1円単位で利用できる投信積立「プレミアム積立」を提供しているのも特徴の一つです。買付代金は、証券口座からの引き落とし以外にも銀行預貯金口座からの振替もできるため、利便性も高いでしょう。また「投信カブコール」というサービスもあり、買い時・売り時を逃しにくい点も魅力です。

このサービスでは「気になるファンドの基準価格が○○円以下(以上)になったら」や、「〇日前より騰落率が〇%下降(上昇)したら」などと設定しておくと、基準に達した段階でお知らせメールがきます。

まとめ

投資の入門としておすすめの投資信託。口座開設や売買取引など初心者でも気軽に投資を始めるためのサービスやツールを多く提供しているネット証券ですが、自分の投資スタイルに合わせて選ぶことが大切です。

今回おすすめしたネット証券の中からお気に入りの証券を選んで、早速お気に入りファンドを見つけてみましょう。