クレジットカードにはさまざまな種類・ブランドがあるので、それぞれの特性を理化することが重要です。カードのブランドによってステータス性・信頼性、使いやすさなどが変わってきます。クレジットカードを使いこなすためにも、特徴を知り自分に合ったカードを選びましょう。

今回は、クレジットカードの種類・ブランドについて紹介します。カードブランドの特徴も合わせて紹介するので参考にしてみてください。

目次

  1. クレジットカードにはどんな種類がある?
  2. 代表的な国際ブランドの特徴を紹介
  3. ライフスタイルに合わせたカードブランドを選ぼう
  4. 専門家コメント及びに記事の監修

クレジットカードにはどんな種類がある?

(画像=PIXTA)

クレジットカードの種類を分ける要素は以下の3つです。

・カードランク
・国際ブランド
・発行会社

以下で、それぞれについて解説していきます。

1.カードランク

カードのランクとはカードの特典の価値や信頼性に応じたグレードのことで、主に「一般カード」「ゴールドカード」「プラチナカード」「ブラックカード」の4種類あります。

グレードが高くなるほど、カードの信頼性が高まり特典の内容も豪華になります。ただし、高いグレードのカードほど、審査が厳しく、年会費が高くなるため注意が必要です。

また、一部のゴールド以上のカードは、同じシリーズのカードの中で低いグレードのカードからステップアップするも形をとります。このようなカードは、カードの利用実績に応じてハイランクのカードへ切り替えを勧める案内が届くことが多くなっています。

2.国際ブランド

国際ブランドとは、世界的に使えるクレジットカードのブランドのことです。主なものとして「VISA」「Mastercard」「JCB」「American Express(アメリカン・エキスプレス)」「Diners Club(ダイナース クラブ)」の5つがあり、世界5大ブランドと呼ばれています。

この国際ブランドは、クレジットカードを発行する際に必ず選ぶ必要があり、カードを発行する会社によって選べる国際ブランドは違ってきます。また、国際ブランドによって世界的なシェアや使えるお店の数も変わってくるため、クレジットカードを選ぶときの重要なポイントであるといえるでしょう。

・国際ブランドが直接発行している「プロパーカード」

通常、クレジットカードは国際ブランドと企業が提携してカードを発行することが多いです。例えば、「三井住友VISAカード」であれば、三井住友カードが国際ブランドのVISAと提携して発行されており、このようなカードは「提携カード」と呼ばれます。

しかし、国際ブランドの中には自社で直接カードを発行している会社もあり、このようなカードは「プロパーカード」と呼ばれています。このプロパーカードを発行しているのは、「JCB」「American Express」「Diners Club」の3種類です。

このプロパーカードはステータス性が高いことが魅力であり、カード会社との提携が終了する心配がないため、発行停止のリスクも少ないといえるでしょう。

3.発行会社

発行会社とは国際ブランドと提携してクレジットカードを発行している会社のことです。この発行会社の違いによってもクレジットカードの特徴は分かれます。発行会社を大きく分類すると「銀行系」「信販系」「流通系」「交通系」「消費者金融系」の4つになります。

●銀行系

銀行やそのグループが発行しているカードであり、ステータス・信頼性に重きを置くカードです。キャッシュカードと一体になっているものが多く、ATMの手数料が無料になるなどの銀行のサービスが優遇される特典があるものもあります。

例)三井住友カード、MUFGカード、みずほマイレージクラブカードなど

●信販系

信販系のカードは信販会社が発行しています。古くからクレジットカードを扱っている会社も多く、種類が豊富なので、自分に合った特徴のクレジットカードを選びやすいでしょう。

例)ジャックスカード、オリコカード、JCBカード、セゾンカードなど

●流通系

流通系のクレジットカードは、スーパーやコンビニ、百貨店などの小売業の会社やそのグループが発行しています。特定の店舗で利用するとポイントがたまりやすかったり、割引などを受けられる特典があったりします。また、年会費がかからないものが多く、普段の生活の中で使いやすいのも大きな特徴です。

例)イオンカード、セブンカード・プラス、エポスカードなど

●交通系

交通系のクレジットカードとは、鉄道会社や航空会社が発行しているカードのことです。特定の交通機関を使うことでポイントがためやすかったり、優遇される特典を受けられたりします。例えば、飛行機に乗らなくても、買い物などでマイルをためやすいものなどがあります。

例)To Me CARD、ANAカード、JALカードなど

●消費者金融系

消費者金融系のクレジットカードは消費者金融業(貸金業)の会社が発行しています。キャッシング枠の上限額が大きく、最短即日発行・即日受取ができるものが多いのが特徴。ただし、利用額の支払い方法が一括払いでないこともあるので注意が必要です。

例)ACマスターカード

代表的な国際ブランドの特徴を紹介

クレジットカードの国際ブランドによってもそれぞれ特徴が異なります。ここからは世界5大ブランドの特徴を紹介します。

・VISA

VISAは世界No.1の国際ブランドであり、VISAのクレジットカードを使える地域やお店の数は最も多いと言われています。特に海外ではアメリカ周辺の地域をカバーしています。VISAはライセンスを提供しているためプロパーカードはありません。

・Mastercard

MastercardはVISAに次ぎ世界的なシェアを獲得している国際ブランドです。VISAに対してMastercardはヨーロッパ周辺の地域に強いといわれています。VISAと同様にライセンスを提供している国際ブランドなので、プロパーカードはありません。

・JCB

JCBは日本の国際ブランドであり、国内のカバー率が高いのが特徴です。海外でも日本人向けのサポートが充実しており、ハワイ・グアム・韓国・台湾など日本人の人気が高い国へ海外旅行に行く際に持っていると安心できます。

・American Express

American Expressはハイステータスなクレジットカードとして認知されている国際ブランド。旅行やグルメなどの優待サービスが充実しており、そのサービスの質が高いことが特徴です。

・Diners Club

Diners ClubもAmerican Expressと同様に、ハイステータスな国際ブランドです。申し込み年齢や年会費は高いですが、空港ラウンジや旅行の優待サービスなどが充実。実は日本で最初に使われたクレジットカードであり、日本での歴史も長いです。

T&Eカードブランドとは?

T&Eカードとは「Travel & Entertainment(トラベル & エンターテインメント)」という意味であり、特に旅行や娯楽面での特典・サービスが充実している国際ブランドです。

主に、「JCB」「American Express」「Diners Club」がT&Eカードブランドになり、旅行会社や航空会社、バスや鉄道などの交通系の会社、ホテルや飲食店、劇場などの加盟店が多いです。このT&Eカードブランドはそれぞれプロパーカードを発行しています。

・JCBカードS

JCBカードSは年会費が無料。また、通常カードだけでなく、家族カード/ETCカードも年会費無料です。一般カードですが、海外での利用でポイントが2倍になります。

 国際ブランド  JCB
 年会費  無料
 ポイント還元率  0.5~5%
 付帯保険  海外旅行、ショッピング

・アメリカン・エキスプレス・カード

アメリカン・エキスプレス・カードは一般カードでも、他のカードのゴールドカードなどと同等の年会費が発生します。その分、特典は豊富で空港ラウンジをお得な価格で利用したり、海外旅行に関する保険が充実しています。

 国際ブランド  American Express
 年会費  1万3200円
 ポイント還元率  0.5%
 付帯保険  海外旅行、国内旅行、ショッピング

・ダイナースクラブカード

ダイナースクラブカードはポイントの有効期限や利用金額の上限がないことが特徴です。年会費は、一般的なクレジットカードでいう プラチナカードクラスの金額ですが、充実した特典を利用できます。最高1億円の傷害保険が付帯し、空港ラウンジは無料で利用できます。

 国際ブランド  Diners Club
 年会費  2万4200円(初年度無料)
 ポイント還元率  0.4~1%
 付帯保険  海外旅行、国内旅行、ショッピング

・決済カード(ペイメントカード)

T&Eカードに対して、VISAやMastercardは「決済カード(ペイメントカード)」と呼ばれています。この決済カードの特徴は、電子決済のネットワークが世界中に広がっており、カードのシェア率が高いことです。

海外でクレジットカードを使う際も、決済カードの方が対応している店舗が多いため利便性に優れています。他にもT&Eカードと違い、支払いに関する特典が充実しているのも大きな特徴といえるでしょう。

デュアル発行とは?

デュアル発行とは、一つのクレジットカードブランドで複数の国際ブランドのカードを 発行することです。

基本的に1枚のクレジットカードには1つの国際ブランドが対応します。そのため、複数の国際ブランドを使い分けたいときは、別の会社の異なる国際ブランドのカードを申し込む必要があります。その場合、その都度審査を受け、年会費が必要な場合はそれぞれ支払う必要があります。

そこで、デュアル発行を活用すると、同じカードブランドで最初の1枚を発行した後に、異なる国際ブランドのカードを発行できます。単体でカードを持つよりも、審査の手間が少なくなったり年会費が優遇されたりします。

他にも、デュアル発行のクレジットカードで支払ったときに生じるポイントは1つのアカウントにたまるので、効率良くポイントをためることができます。

ライフスタイルに合わせたカードブランドを選ぼう

クレジットカードには国際ブランドや発行会社、ランクなどのさまざまな要素があります。それぞれに特徴があり、使える店舗の数や海外での使いやすさ、年会費、特典などが変わってきます。

クレジットカードの特徴を押さえておけば、自分に合ったカードを選びやすくなるでしょう。ライフスタイルに合わせたカードブランドを選んで、お得に利用してみてください。

専門家コメント及びに記事の監修

新井智美
新井智美
CFP(R)認定者・一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)・DC(確定拠出年金)プランナー・住宅ローンアドバイザー・証券外務員。個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、これまでに1,000件以上の執筆・監修業務を手掛けている。 公式サイト:https://marron-financial.com/