クレジットカードの魅力の一つは、利用ごとに還元されるポイントの付与です。しかし使い方やクレジットカードの選び方を知らない場合は、損をしているかもしれません。

ここでは、クレジットカードのポイントの基本的な知識とその使い方、ポイントをムダにしないための注意点を解説していきます。

クレジットカードのポイントとは

(画像=PIXTA)

クレジットカードのポイントは、カード利用をした金額に応じて与えられる特典です。カード会社が設定した「還元率」によってポイントの額が決まります。たまったポイントは、現金と同じように買い物に使ったり景品と引き換えたりすることが可能です。カード利用に対するサービスのため、ポイント還元率はクレジットカード会社によって異なります。

ポイントの付帯については、法律などで義務づけられているわけではありません。ただしポイント付与の上限については、「景品表示法」で発行が制限されています。

クレジットカードは、カード会社が利用金額を一時的に肩代わりする仕組みです。ポイント還元を付与しなくても機能的には問題ありませんが、ほとんどのクレジットカード会社では会員獲得のためにポイント制を活用しています。

そのため消費者にとってポイント還元は、非常に魅力です。クレジットカードの中には、税金や公共料金の支払いができるものもあり都度ポイントを獲得できるようになりました。一方、クレジットカード会社などの企業側にとっては、ポイント制度を通じて顧客との結びつきを強化できます。このようにポイント還元率は、クレジットカードを選ぶ際の大切な条件の一つとなっているのです。

平均的なクレジットカードのポイント還元率は、0.5%程度。200円分の利用に対して1ポイント付与される割合です。還元率1%以上のクレジットカードは、高還元率カードと呼ばれ利用者の満足度も高くなっています。またカード会社の運営するポイントサイト経由や同系列のサイトでの利用によって通常よりも高い還元率でポイントが付与されるサービスも多い傾向です。

クレジットカードのポイントはどんな使い方ができる? 

たまったポイントについては、各クレジットカード会社で他のポイントに交換したり景品に交換したりするなどさまざまな使い方が可能です。主な使い方を紹介します。

割引やキャッシュバック

クレジットカードの利用でたまったポイントを、次の買い物の割引に使えるカードもあります。商品代金からポイント分が差し引かれるため、お得にショッピングできるでしょう。また引き落とし先として登録している口座にポイント分が自動的にキャッシュバックされるカードもあります。ポイントを携帯電話の利用料金やカード利用料金に充当できるタイプのクレジットカードも人気です。

このように還元されるポイントは、現金に近いもの、あるいは現金そのものとして利用されています。例えば三菱UFJカード VIASOカードは、自動でポイントが還元されるオートキャッシュバックができるクレジットカードです。また「dカード」は、ポイントを携帯利用料金に充当する「iDキャッシュバックサービス」を行っています。

商品券、割引券、ギフトカードなど

クレジットカードのポイントを商品券や割引券、ギフトカードなどに交換できるサービスもあります。クレジットカードのポイントのままでは使える店舗が限られてしまいますが、商品券と交換することで使い道を広げることができるでしょう。また商品券やギフトカードなどに交換して、プレゼントや贈り物にすることもできます。

さらに手軽に贈ることができるオンラインギフトカードへの交換も便利です。例えば三井住友カードの場合、以下のオンラインギフトカードなどに交換できます。

・Amazonギフト券
・Google Play ギフトコード
・App Store & iTunesギフトカード
・自治体ポイントなど

電子マネーや共通のポイント

ポイントを電子マネーに移行できるタイプもあります。例えばアプリにクレジットカードを登録すると、ポイントが自動的に電子マネーに充当され、コンビニなどでそのまま利用できるサービスがあります。

また共通ポイントサービスといって、企業や店舗が加盟することで同じポイントが利用できるようになるプログラムがありますが、クレジットカードのポイントがそのまま共通ポイントとなったり、共通ポイントへ移行できたりするカードもあります。

共通ポイントの主な種類としては、dポイントやTポイント、Pontaポイントなどさまざま。消費者は、クレジットカードでたまったポイントを「共通ポイント取扱い店舗」で使うことができるため、用途が広がります。
近年は、楽天ポイントもドラッグストアなどで利用できるようになり、共通ポイント化しています。

家電製品や食料品などの商品と交換

比較的昔からあるのが、ポイントを景品に交換するサービスです。百貨店や量販店が発行するクレジットカードではおなじみの方法ですが、ポイントの金額以上の商品が手に入る場合もあります。交換できる商品種類は多岐にわたり、カタログや電子カタログからさまざまなジャンルの商品を選べます。

ポイントの額別に商品が掲載されているため、欲しい景品を目指して楽しみながらポイントをた めることができます。クレジットカードによっては、一般的な商品のほかにエンターテイメントチケットやホテル・レストランの利用券、旅行券といった多彩な商品もあります。このように交換できる景品の種類からクレジットカードを選択することも方法の一つです。

他社ポイント・航空会社マイルと交換

クレジットカードのポイント同士が連携し他社ポイントに交換できるシステムも多くなっています。「クレジットカードのグループではないポイントを使いたい」「クレジットカードを複数所有していて一つのポイントにまとめたい」といった場合に便利です。例えば楽天ポイントクラブでは、他社ポイントを楽天ポイントに換えるサイトが提供されています。

楽天グループ以外の他社ポイントを楽天ポイントにまとめることができるため、少額のポイントが残っているときにはムダにせず活用できそうです。また他にもセゾンカードの永久不滅ポイントをnanacoに交換できる例もあります。nanacoは、他の電子マネーでは使えない公共料金などの支払いにも対応しているため、活用の幅がさらに広がるでしょう。

旅行好きに人気なのが航空会社のマイルと交換できるサービスです。日常的な買い物やサービス利用でためたポイントをマイルと交換すれば航空機の運賃に充てんできて、旅行費用を安く抑えられます。次回の旅行を想定しながらポイントをためられるため、大きな楽しみとなるでしょう。クレジットカードによって交換できるマイルの種類は変わります。

例えばJALマイルの場合、JCBカードやイオンカード、エポスカードなどからマイルへの交換が可能です。ANAマイルの場合は、三井住友カードや楽天カードのポイントからマイル交換ができます。利用したい航空機から通常使うクレジットカードを選ぶことで、効率的にマイルをためられるでしょう。また航空会社が発行するクレジットカードであればさらにマイルの付与率が高くなります。

マイルだけを集中してためたいという人は、航空会社発行のクレジットカードがおすすめです。

クレジットカードはポイントの使い方に要注意

クレジットカードのポイントは、食品や日用品、光熱費など日常生活での出費を活用することで着実にためられるため、非常にお得です。しかしそんな便利でお得なポイントにも知らないと損をするかもしれない落とし穴があります。ここでは、ポイントの使い方に関する注意点を確認します。

ポイントの利用期限がある場合がほとんど

クレジットカードのポイントで気を付けたいのがポイントの有効期限(利用期限)です。クレジットカード会社によって有効期限は異なるため、自分の保有するポイントは常に確認しておく必要があります。「たくさんためて一気に使おう」と考えている人は、要注意。気づいたときには、有効期限が切れてゼロポイントになっていた……そうした悲劇だけは避けたいものです。

例えば入会キャンペーンで付与されたポイントなどは、比較的短期間の有効期限となっていることも少なくありません。随時開催されるキャンペーンで高還元率になっている場合も同様です。各ポイントの有効期限については、マイページやポイントのページで確認できるため、こまめにチェックしておくようにしましょう。

ポイントの有効期限を忘れてしまうかもしれない人は、以下のようなクレジットカードを選択するのがおすすめです。

・自動的にキャッシュバックされるクレジットカード
・自動的に電子マネーに充当される機能を持つクレジットカード
・セゾンカードのような無期限のタイプのクレジットカード

せっかくためたポイントをうっかり失効させてしまわないように注意しましょう。

使用用途が限定されている場合がある

付与されたポイントの使い道が限定されている場合もあります。高還元率キャンペーンで付与されたポイントについては「自サイトのショッピングのみ有効」というケースも。また期間つきのポイントは、利用期間が決まっているほか、「通常ポイント」のように使えないケースもあります。例えば、電子マネーのチャージは通常ポイント以外利用不可」という場合もあります。

同じクレジットカードのポイントであっても、付与されるタイミングや状況によって扱いが異なる場合があるため、注意しておきましょう。通常付与される以外のポイントを使いたいと思ったら、そのサービスに利用できるかどうか事前に確認しておくと安心です。

還元率の低いカードはそもそも選ばないように注意

クレジットカードはそもそもポイント還元率の低いものは、候補から外すのが賢明です。還元率が低いクレジットカードで、ポイント還元率が高くなるようなお得なキャンペーンがあったとしても一時的で、日頃の利用ではなかなかたまらないからです。入会時のキャンペーンにつられて取得しても、その後のポイント還元のメリットが少ないと使い勝手がいいとはいえません。

ただし例えば年に数回大きな還元キャンペーンがあるような場合は、そのときに狙いを定めて使い分けて利用する方法もあります。新しく取得する際には、クレジットカードを選ぶ明確な理由がある場合を除き、還元率の高いカードを優先しておくのがおすすめです。

クレジットカードのポイントの使い方まとめ

クレジットカードの本来の機能については、どのカードでもさほど違いはありません。大きな差となるのがポイント還元率とその使い方です。

クレジットカードを利用するたびに効率的にポイントをためられて、自分が希望する目的に充当できるものが自分に合ったクレジットカードといえます。ムダなくポイントを使い、お得で楽しいクレジットカードライフを極めていきましょう。