消費増税を契機に普及が進んだキャッシュレス決済人気は、今も衰えるどころかますます盛り上がっています。人気の理由の1つは、間違いなく現金払いで得られない「キャッシュバック特典」でしょう。こうした特典は、これまでカードを使っていなかった人も気になっているのではないでしょうか。
ただ、いざ選ぶとなるとクレジットカードは多く特典の内容もバラバラなので、自分にとってどれが一番お得なのかわからないという人も多いでしょう。この記事では、クレジットカードのキャッシュバック特典の概要と選ぶときのポイントを解説し、人気のクレジットカードも紹介します。
目次
クレジットカードのキャッシュバックとは2つある
クレジットカードのキャッシュバック特典は、大きく2種類に分けられます。1つめはカード入会時に受けられる「入会特典のキャッシュバック」、2つめはカードの利用に応じて自動的にキャッシュバックされる「オートキャッシュバック」です。
入会特典のキャッシュバックとは
入会特典のキャッシュバックは、ポイント還元で行われることが多い特典で、次のような条件を満たせば受けることができます。
・入会(カード申し込み~発行完了)する
・入会時に特定の機能(特定の口座からの引き落としにする、自動リボ払いに設定するなど)を付加する
・入会後一定期間内に一定金額以上クレジットカードを利用する
・ハイクラスカード(ゴールドカードなど)に入会する
よく「最大〇〇ポイント還元」とお得さが前面に押し出されていますが、その際は条件ごとにもらえるポイントを詳しく確認する必要があります。
オートキャッシュバック機能とは?
オートキャッシュバックとは、クレジットカード利用金額に応じて定期的に、また自動的にキャッシュバックされる特典です。利用ごと、一年ごとなどカードによってタイミングは異なりますが、自動的に処理されるので無駄なく使い切れるというメリットがあります。
ポイント還元の場合、ポイントが使える特定の店舗でしか使えないなどの制限がありますが、オートキャッシュバックなら余計な出費もなく、きっちり使い切れるので便利でしょう。
入会特典のキャッシュバックキャンペーンでカードを選ぶときのポイント
入会特典のキャッシュバックでクレジットカードを選ぶときは、次のような点に注意する必要があります。
キャッシュバックは一度にくるわけではない
入会特典は一般に、複数のキャッシュバック特典が用意され、合計すると高額になる仕組みになっていることも多いです。特典ごとにキャッシュバック金額や、受け取れるタイミングが違い、すべて受け取るまで数カ月かかることもあります。
キャッシュバックをまとめて使うつもりなら、いつどれくらいのキャッシュバックがあるかをきちんと確認することが大切です。
条件を読み込むこと
またキャッシュバック特典には、それぞれ「達成するための条件」があることにも注意しましょう。例えば「入会日を含む月の翌月末までに3回以上の利用」であれば、カードが到着するまでの期間は利用できず、短い期間で利用する必要があります。
なかには「注意書き」として小さく詳しい条件が記載されていたり、条件が複数あったりとさまざまですから、確実に受け取るためには必ず確認しておきましょう。
有効期間やポイントの有効期間などもチェック
キャッシュバック金額が、「一定の期間だけ特別に高額」という可能性もあります。せっかく申し込むのですから、キャンペーンがいつまでの申し込みを対象としているのかは正確に把握しましょう。
また受け取ったキャッシュバックが「期限付きのポイント」なら、有効期間も重要です。いつ何に使うかのプランを、あらかじめ立てておくことをおすすめします。
キャンペーン以後の使いやすさも大事
キャッシュバックばかりに目が行ってしまい、それ以降カードをほとんど使わないというのももったいない話です。普段よく買い物するときにも使え、現金払いよりもらえるポイントが多くなるようなお得なカードを選びましょう。
入会特典のキャッシュバックキャンペーンがお得なおすすめクレジットカード10選
ここからは、具体的におすすめのクレジットカードを紹介していきます。はじめに、入会特典としてキャッシュバックキャンペーンを実施しているカードからみていきましょう。
申込みだけでもらえる分が大きい
次の4枚は申込みをするだけで、キャッシュバックでポイントが大きくもらえるカードです。一番手軽にポイントがもらえる方法といえます。
カード名 | 入会特典 | キャッシュバック方法 |
楽天カード | 新規入会 | 楽天スーパーポイント2,000ポイント |
JCB一般 | 新規入会&アプリログイン | 2,000円キャッシュバック |
au PAYカード | 新規入会&公共料金支払い設定 | Pontaポイント3,000ポイント |
ビックカメラSuica | 新規入会&利用 | JREポイント最大2,000ポイント |
楽天カード
楽天カードのうち、ここでは初心者にもおすすめできる人気のスタンダードタイプのカードを紹介します。
・ポイント還元率1%
・カード利用でさらに3,000ポイントもらえる
・友達が紹介で入会すると3,000ポイントもらえる
JCB 一般
最短で翌日カードが届くJCB一般カードは、3つのデザインから選ぶことができます。
・1,000利用ごとにOki Doki ポイント1ポイント還元
・ネットショッピングはポイント還元最大20倍
・ETCスルーカードの年会費は無料
auPAYカード
au PAYカードは、アプリ決済の「au PAY」にチャージできます。チャージ時とアプリ決済利用時の二重にポイントが受け取れる点が非常にお得でおすすめです。
・ポイント還元率1%
・入会後最大6カ月間au PAY残高へのチャージで10%、ショッピング利用最大5%還元
・ローソンでの買い物で還元率は最大12%
・入会後の利用で最大7,000ポイントもらえる
ビックカメラSuicaカード
いつもSuicaを利用しているなら、おすすめはこのビックカメラSuicaカードです。還元率は最低でも実質1%で、Suicaのチャージにも使えます。
・ビックカメラでの利用で最大11.5%還元
・コジマ・ソフマップでよく利用する人におすすめ
・年会費は初年度無料で、翌年以降も1回以上利用すれば無料
・JREポイントはSuicaのチャージに使える
・買い物した分の還元が高い
利用した分、キャッシュバックの還元率の高いカードなら下の2枚がおすすめです。
カード名 | 還元率 | キャッシュバック方法 |
dカード | 1~4.5% | dポイント |
JCB CARD W | 1~7% | Oki Doki ポイント |
dカード
dカードは、ドコモが発行するカードだけあって最大1万円のケータイ補償がつけられます。
・年会費永年無料
・入会特典で最大8,000円相当のポイントがもらえる
・dポイントはドコモ携帯電話料金に充当できJALマイルにも交換できる
・アプリ決済のd払いに登録して利用するとポイント最大2%還元
JCB CARD W
JCB CARD Wは年会費永年無料ですが、Webでの申し込み限定かつ39歳以下限定のクレジットカードです。
・Web申し込み・39歳以下限定
・ポイント還元率1~7%
・セブンイレブンで3倍、Amazonで最大10倍などポイントがたまりやすい
・2021年6月30日までAmazon利用でポイント30倍キャンペーン中
・一定額の利用でキャッシュバック
ここからは入会後一定額の利用でキャッシュバックの大きいカードを紹介しましょう。
カード名 | キャッシュバック条件 | キャッシュバック方法 |
セゾンパール・アメリカン・エキスプレス®️・カード | 入会後2カ月以内に50,000円以上の利用 | 6,500円相当の永久不滅ポイント |
ライフカード | 入会後3カ月後末までに15万円以上利用 | 7,000円相当のLIFEサンクスポイント |
セブンカード・プラス | 対象の利用期間内に15万円以上利用 | 2,500円相当のnanacoポイント |
セゾンパール・アメリカン・エキスプレス®・カード
このカードはセゾンの永久不滅ポイントで還元されるのでポイントの有効期限がありません。
・ポイントの有効期限がない
・QUICPayでの利用で2%※相当の還元
・セキュリティ性の高いナンバーレスカードも選べる
ライフカード
ライフカードでもらえるLIFEサンクスポイントは、有効期限が最長5年と長いのが特徴です。
・年間利用金額によって翌年のポイント還元率が最大2倍まで変動
・誕生月の利用はポイント3倍
・入会後3カ月後末までに家族や友達を紹介すると3,000円相当のポイントがもらえる
セブンカード・プラス
セブンイレブン提携のセブンカード・プラスは、電子マネーnanacoカードとの合体カードも選べます。クレジットカードでチャージするだけでポイントが貯まり、さらにnanaco利用でもポイントが貯まるのでお得です。
・nanaco一体型、nanaco紐付け型のどちらも選べる
・入会特典として最大5,500円相当のnanacoポイントがもらえる
・8の付く日にイトーヨーカドーで利用するとほぼ全品5%割引
オートキャッシュバック機能でカードを選ぶときのポイント
次は自動的にキャッシュバックされる「オートキャッシュバック機能」のついたカードを選ぶときのポイントを見てみましょう。
何の支払いにでも有効なわけではない
最近は何の支払いにもクレジットカードが利用できるようになってきました。しかし紹介するP-oneカードは公共料金もキャッシュバック対象ですが、電子マネーチャージや金券ルイ、生命保険料や損害保険料、ETCカード利用など一部の支払いは対象外となっています。
たとえクレジットカードで支払うことができても、キャッシュバックの対象にならないものがあることはしっかり覚えておきましょう。
ポイントが使い易いカードも同等の利便性がある
最近コンビニやファストフード店ではさまざまなポイントサービスが利用できます。普段よく利用する店舗で使えるポイントがしっかりもらえるのであれば、それはそれで便利です。
オートキャッシュバックは確かに便利ですが、他に比べると還元率が低い傾向があります。よく使う楽天ポイントやWAONポイントの方がずっと多くもらえるのであれば、オートキャッシュバックにこだわる必要はないかもしれません。
利用金額と受け取れるキャッシュバック金額を具体的に計算し、より大きなメリットのある方を選ぶとよいでしょう。
オートキャッシュバック機能のついたクレジットカードおすすめ
では具体的にオートキャッシュバック機能のついたおすすめのクレジットカードを紹介します。どちらも還元率は高くありませんが、ポイント利用の手続きをする手間がない分手軽に使えるカードです。
カード名 | 還元率 | キャッシュバックのタイミング |
P-oneカード | 1% | 1カ月に1回 |
三菱UFJカード VIASOカード | 0.5% | 1年に1回 |
P-oneカード
P-oneカードは請求時に自動で1%が値引きされるしくみなので、使えば使うほどお得さを実感できます。
・1カ月に1回請求時に自動的に1%OFF
・電話料金や電気・ガスといった公共料金、国民年金保険料も1%OFFされる
・年会費無料
三菱UFJカード VIASOカード
三菱UFJカード VIASOカードのキャッシュバックは、支払い口座へ自動的に入金されます。1ポイント1円換算で毎年自動的にキャッシュバックされるので、ポイントが無駄になる心配もありません。
・1年に一度、支払い口座に直接入金
・ポイント還元率は0.5%
・国際ブランドはMasterCardのみ
・入会特典で最大10,000円キャッシュバック
まとめ
だんだんとキャッシュレス決済の便利さが浸透してきたためか、クレジットカードを利用する姿を街中でも多く見かけるようになりました。現金払いと同じ金額をクレジットカードで支払うだけでキャッシュバックされるのですから、使いたくなるのも当然です。
ただキャッシュバックの還元率も内容もクレジットカードごとに異なりますから、どれにするかは慎重に選ぶ必要があります。もらえるポイントは日頃利用している店舗で使えるか、入会特典の条件は無理なく達成できるかといった細かい点にも注意が必要です。
とはいえ入会特典が大きく、日常の利用でも無理なく便利にお得に使えるカードがあればそれが最適です。自身の日頃の使い方を振り返り、解説したポイントを参考にしながら、ぜひあなたにぴったりな1枚を見つけてください。