クレジットカードの不正利用について知ろう!確認方法や対処方法を解説
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クレジットカードは、現代人にとって必須ともいえるアイテムですが常に気を付けたいのが不正利用です。場合によっては、知らないうちに多額の借金を抱えたり犯罪に巻き込まれたりするリスクもあります。

ここでは、不正利用の確認や具体的な被害のケース、対処法について解説していきます。

クレジットカードの不正利用を確かめる方法

最初に不正利用かどうかを確認する際のポイントを紹介します。

利用日と金額

クレジットカードの利用は、利用明細をオンラインで確認できたり利用した際に都度メールで通知設定したりすることで確認できます。不正利用に早く気づくためには、こうしたサービスを活用して常にクレジットカード利用の状況をチェックしておきましょう。

クレジットカードが不正利用されていないかを見るときには、まず利用日と金額を確認します。自身で身に覚えのない利用がないか、記憶や実際に購入した利用日と付け合わせます。ただ利用日については、クレジットカード会社によって売上として処理された日や商品発送のタイミングとなってしまう場合もあるため、注意が必要です。実際に利用した日付が異なるときは、商品名やサービス名、金額から不正利用の可能性がないかを判断していきましょう。

家族の利用有無

家族カードを利用した場合は、本会員と同じ口座からの引き落としとなります。そのため利用明細一覧は、本会員と家族カードで利用したものが合計して記載される点を押さえておきましょう。身に覚えのない請求があった際は、「家族カードで利用していないか」までチェックすることが必要です。

日ごろからお互いにクレジットカード利用の報告ルールを習慣にするなど不正利用防止について家族で話し合っておくとよいでしょう。

店舗と支払先名

利用された店舗や支払先は、不正利用の大きな手がかりとなります。利用したことのない店舗名や支払先が記載されているときには、要注意です。ここで気を付けたいのが「利用した店舗そのままではなく親会社やグループ名で記載されている場合があること」。支払先の記載名をインターネットで検索してみると関係性がつかめるでしょう。

Amazonなどでは、実際に利用した店舗名ではなく「Amazon.co.jp」「AMZ*」といった表記となっている可能性があるので利用内容を良く確認して判断します。また「iTunes」「Google」「Amazon」の利用については、カード会社に対して情報開示がされないため、詳細確認はクレジットカードの利用者本人から行う必要があることも留意しておきましょう。

クレジットカードの主な不正利用ケース

クレジットカードの不正利用は、どのような形で行われているのでしょうか。ここでは、主な6つの手口を紹介します。

なりすまし

不正入手したクレジットカードや情報を元に所有者になりすまして、クレジットカードを利用をする手口です。クレジットカードの情報は、「盗み見られる」「カードそのものを紛失する」「盗難に遭う」「ネットで登録していた情報が漏えいする」といったことで不正取得されてしまう場合があります。オンラインでは、カード情報のみでも簡単になりすましができるため、情報の管理強化が大切です。

フィッシング詐欺

カード情報や個人情報を盗むためにメールやSNSを使って偽のサイトに呼び込む手口です。記載されているURLをクリックして情報を入力するとクレジットカードを含む個人情報を不正利用される恐れがあります。大手銀行や大手運送会社などを装ってIDやパスワードを不正に入力させるような迷惑メールは多いため、メールに記載されたURLからサイトへアクセスしないよう心がけましょう。

スキミング

カードの磁気データをスキマーという装置によって読み取りカード情報を丸ごと盗む手口です。短時間で行われるため、本人が気づかないうちに情報が抜き取られます。スキミングされた情報により偽のコピーカードを何枚でも作ることができ大変危険です。悪質な店舗やジムのロッカーなどでも被害が発生しています。

オンラインショッピング詐欺

オンラインショッピングで悪質なサイトを利用してしまうと商品が届かずクレジットカード情報だけを盗まれてしまう場合があります。良く知らないサイトでの買い物には、十分な注意が必要です。特に有名なブランド品が破格の価格で売られている広告などには、安易に手を出さないほうが良いでしょう。

出会い系サイト詐欺

「芸能人と会える」「セレブと友だちになれる」といった誘い文句で有料の出会い系サイトに登録させ、条件を付けては課金を促す手口です。実際には「サクラ」を使ったやり取りのみで退会しようとすると高額な料金を請求されます。自分の意志で入会しているため、クレジットカード決済をしている場合に補償対象とならない可能性があるため、注意が必要です。

オンラインショッピングからの情報漏えい

サイトや店舗自体に悪意がなくても外部からの攻撃によって顧客データが流出するケースもあります。個人的には防ぎようありませんが、オンラインショッピングをするうえではリスクがあることを理解しておかなければなりません。

クレジットカードの不正利用にあったときの対処法

クレジットカードが不正に使われたことに気づいたら被害が拡大しないようにすぐに対処することが必要です。不正利用への対応を解説します。

カード会社への連絡

不正利用や盗難・紛失といった不正利用につながる事態が発生したら、まずはクレジットカード会社に連絡をして利用停止を行います。詐欺サイトの利用に気づいた場合もすぐに相談しましょう。利用停止となればそれ以上被害を広げずにすみます。

不正利用の可能性があることを伝えてクレジットカード会社での調査を依頼。このとき不審に感じた根拠となる明細の利用日や利用金額、支払先が分かるものを手元に準備しておくようにすると、話をスムーズに進められるでしょう。クレジットカード会社の中には、24時間365日体制で不正検知の監視を行っているため、場合によっては金額の突出している利用がないかを遡って調べてくれることも期待できます。

クレジットカードの再発行

クレジットカードを一時停止しているときは、カード決済をしたくても利用できません。この場合、カード会社と相談のうえクレジットカードの再発行をするのがおすすめです。再発行されたクレジットカードは、番号などがすべて新しくなります。不正利用に関しては安心できますがそれまで登録利用していたサイトなどがあればカード情報の更新が必要です。

再発行に関しては、審査や個人情報確認がないため、新規取得に比べると比較的短期間で手元に届きます。

警察への届け出

盗難や紛失といった場合には、警察に届け出をしておくことでクレジットカードを使われる犯罪の防止につながります。盗難届、紛失届が受理されると受付番号がもらえるため、クレジットカード会社にも報告しておきましょう。自分のクレジットカードが不正利用されたことが明確になった場合も被害届を出しておくのがおすすめです。

届け出をしてすぐに解決されるわけではありませんが、多くの被害者がいる場合には、犯人逮捕につながることもあります。被害届を出すことにより被害情報として扱われ犯罪抑止にも役立つかもしれません。クレジットカード関連の犯罪が多発する時代にあっては、個人からの情報提供が重要な役割を果たすこともあります。

クレジットカード不正利用の際に補償を受けるための基礎知識

クレジットカードには、利用者を保護するための補償制度が付帯しています。万が一不正利用の被害に遭った場合のために補償について知っておくと安心です。

補償の仕組み

クレジットカードが知らないうちに使われた場合でも利用した金額は名義人に請求されます。クレジットカードの上限まで使われてから初めて気づくケースも少なくありません。このような不正利用に対してクレジットカードの保有者を守る仕組みが補償制度です。クレジットカードの不正利用が明らかな場合には「チャージバック」(異議申し立て)によって請求の支払いを回避できます。

「チャージバック」とは、不正利用によるカード保有者が意図しない売上をカード会社に対して取り消すよう依頼したり支払い拒否したりすることです。カード保有者の負担は取り消されますが、使われた金額(被害額)の負担は残り販売店舗かカード会社のいずれかが担うことになります。どちら側の負担となるのかは、不正の有無を含めて取引情報や利用状況の詳細な調査によって判断される傾向です。

近年、クレジットカード会社が3D認証などを導入したりショッピングモールがクレジットカード利用のたびにメールで利用確認を行ったりするのは、本人確認を強化して不正利用を軽減する意味もあります。いずれにしても不正な取引が行われたのかが精査され不正利用なことが確定されれば、カード保有者に対しては請求の取り消し利用履歴の削除が行われる仕組みです。

またすでにカード利用料として引き落としされている場合は、カード会社からの返金があります。

補償されないケース

すべての不正利用が補償されるわけではありません。2019年10月に三井住友カードが行った「クレジットカードの不正利用に関する調査」では、不正被害にあった20歳以上の男女500名のうち16.4%が補償を受けられなかったと回答しています。補償を受けられなかった理由のTOP3は以下の通りです。

順位 補償を受けられなかった理由 割合
1位 警察に被害届を出さなかった 37.8%
2位 長期間カード会社に連絡しなかった 30.5%
3位 カードの裏面に署名していなかった 13.4%

他にも「推測されやすい暗証番号を利用し続けている」といった利用者本人の過失によるトラブルでも補償されない可能性があるため、注意が必要です。不正利用の対応については、各カード会社で補償期間を設けています。一般的には、不正利用から60日以内と定めている会社が多い傾向です。

トラブルの際に補償をきっちりと受けるためには、日ごろから利用明細をチェックし利用規約に従ったカード利用をすることが重要といえるでしょう。

クレジットカードの不正利用に注意して快適なクレカライフを

クレジットカードは、便利な半面、使い方によっては大きなリスクが潜んでいます。不正利用をされないことも大切ですが、万が一の場合、早く気づいて適切に対処することが重要です。積極的にクレジットカードの不正利用についての知識を高め安全・快適なクレジットカードライフを送っていきましょう。