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クレジットカードを選ぶとき、ポイントではなく、マイルを貯められるカードもあることに気づく人も多くいるでしょう。果たしてどちらを選べばよいのでしょうか。

この記事では、マイルとポイントの観点からどんなクレジットカードを選ぶのが適切か、順を追って説明していきます。

クレジットカードのマイルとは

マイルとは、各航空会社が運営している「マイレージサービス」のポイントのことです。主にフライトの距離や座席のグレードに応じて付与され、貯まったマイルは特典航空券との交換や座席のアップグレードに使うことができます。

一見すると、飛行機への搭乗でのみマイルが貯まるように思えますが、航空会社と提携しているクレジットカードを使うことで、毎日のショッピングなど日々の暮らしのなかでマイルを貯めることも可能です。

また昨今は貯まったマイルはフライト時だけでなく、旅の場面ではホテルやレンタカーなど、日常の場面では商品や楽天ポイント、Tポイントなどの提携ポイントと交換することもできるようになっています。

クレジットカードのポイントとは

主にフライト関係で貯まるマイルに対し、日常生活でカード決済するときに貯まるのがポイントです。TポイントやPontaポイントなどの共通ポイントはもちろん、セゾンカードの永久不滅ポイントに代表されるように、カード独自のポイントを採用しているところもあります。

特に独自ポイントは、提携先の店舗の利用で高還元率が実現したり、ボーナスポイントが付与されたりすることもある点が見逃せません。

マイルとポイントはどちらを貯めるべきなのか

ここまでクレジットカードのマイルとポイントについて話してきました。ではマイルとポイントのどちらを貯めるべきなのでしょうか。

結論から言うと、貯める人の目的や普段の生活スタイルによります。マイルを貯めるべき人もいれば、ポイントを貯めるべき人もいるということです。

それではどんな人がマイルを貯めるべきか、ポイントを貯めるべきか見ていきましょう。

マイルを貯めるのがおすすめの人

マイルを貯めるのがおすすめの人は、旅行や出張などでよく飛行機を利用する人です。

まずマイルの効率的な使い道を考える必要があります。特典航空券から日常使う共通ポイントへの交換まで、さまざまな用途が見込めるマイルですが、還元率がいいのは断然、特典航空券に換えることです。

大体の場合、Tポイントなどの共通ポイントは、1マイル=1ポイント(円)で交換されますが、特典航空券は1マイル=1円以上の価値で交換できます。国内線でも1マイル=2~3円の価値になることが多く、海外線で座席のアップグレードに使えば、1マイル=10円近くに価値が上がる可能性があります。

したがって、貯めたマイルは特典航空券に使うのが有効で、その恩恵にあずかれるのが、飛行機に多く搭乗したり、海外へ行く予定があったりする人になるのです。

ポイントを貯めるのがおすすめの人

一方、マイルよりポイントを貯めるのがおすすめの人は、飛行機にあまり乗らない人です。

マイルには有効期限があることがほとんどで、飛行機にあまり乗らないと、せっかくのマイルも無駄になってしまいます。

対してポイントはセゾンカードの永久不滅ポイントのように有効期限がないものや、Tポイントのように最後にポイントを獲得または使用したときから1年間有効になるものが多く、期限を気にせず使えます。

飛行機にあまり乗らない人は、ポイントを貯めて日常生活でお得に買い物ができるポイントを貯めるのがよいと言えるでしょう。

マイルとポイントを貯めるクレジットカードの違い

マイルとポイントを貯めるクレジットカードは、いくつかの種類に分けられます。

JALカードやANAカードなど、航空会社のマイレージカードにクレジット機能を付けたクレジットカードは、フライトはもちろんのこと、買い物で決済されたものは、すべてマイルとして貯めることができます。

一方、クレジットカードの大半は、さまざまなポイントを貯めるカードとなっています。先述のとおり、Tポイントや楽天ポイントなどの共通ポイントが貯まるカードもあれば、セゾンの永久不滅ポイントのように独自のポイントが貯まるカードもあります。ほかにも、航空会社と提携し、貯めたポイントをマイルに交換できるクレジットカードなどもあります。

マイルやポイントが貯まるおすすめのクレジットカード

これまでマイルやポイントが貯まるクレジットカードの概要について説明してきましたが、実際に、マイル派、ポイント派、いや両方ともという人に、おすすめのクレジットカードを紹介していきます。

CLUB-Aゴールドカード

マイルを貯めたい人で、JALをよく利用する人にすすめdなのが「CLUB-Aゴールドカード」です。CLUB-Aゴールドカードは、JALのCLUB-Aカードに提携カード会社のゴールドサービスを付けたカードです。

普通のJALカードに比べて、

・入会搭乗ボーナスが5倍の5000マイル
・毎年初回搭乗ボーナスが2倍の2000マイル
・搭乗ごとのボーナスが2.5倍のフライトマイル25%プラス

となっており、JALに搭乗するたびに、非常にお得にマイルが貯まります。

普段のショッピングでもマイルが貯められ、通常200円=1マイルのショッピングマイル還元率が、2倍の100円=1マイルになる「ショッピングマイル・プレミアム」が年会費無料(通常年会費3,300円)で、自動でついてきます。

日常の買い物でも効率的にマイルが貯められる仕組みになっており、まさにJALマイルを貯めるには、非常に良い選択となるクレジットカードと言えるでしょう。

Orico Card THE POINT

マイルではなくポイントを貯めたい人におすすめのカードが「Orico Card THE POINT」です。

還元率は常に1.0%以上で、100円で1オリコポイントが貯まります。入会後6ヵ月間は、還元率が2.0%にアップする特典がついています。

さらにオリコモールを経由しネットショッピングした場合、「カードご利用分(1.0%)+オリコモール利用分(+0.5%以上)+特別加算(0.5%)」で2%以上のオリコポイントが貯まります。

お得にポイントが貯められるうえ、年会費が無料の点が大きな魅力です。ポイントをお得に貯めたい人に、持ってほしい一枚です。

楽天ANAマイレージクラブカード

状況に応じてマイルもポイントも両方貯めたい人におすすめなのが「楽天ANAマイレージクラブカード」です。

楽天カード+電子マネーEdy+楽天ポイント+ANAマイレージクラブという4つのカードの機能を併せ持つクレジットカードで、マイルもポイントもこれ1枚で貯めることができます。

200円=1マイルが貯まる「ANAマイルコース」と、100円=1ポイントが貯まる「楽天ポイントコース」のいずれかを設定でき、途中でコースの変更も可能です。

貯まった楽天ポイントをマイルに、貯まったマイルを楽天ポイントに交換することもでき、前者は2ポイントを1マイル、後者は1万マイルを1万ポイントに換えられるます。

またANAマイレージモールを経由して楽天市場でお買い物をすると、マイルと楽天ポイントが両方貯まる仕組みになっており、購入金額200円ごとに1マイルと2ポイントが両方付与されます。

楽天ANAマイレージクラブカードは初年度年会費が無料で、翌年以降も年1回の利用で年会費540円(税込)が無料になるのも魅力です。

このようにマイルとポイントを両方貯めたい人には、打ってつけのクレジットカードとなっています。

アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード

※現在カードの新規発行を停止しております。

「マイルを貯めたいが、どこの航空会社か決められない」「そんなに頻繁に飛行機を使わないので、マイルを有効期限内に使いきれない」、そんな人も多いでしょう。

そこでおすすめなのが、「アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード」です。

アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カードは、貯めたポイントを16の航空会社のマイルに交換することができ、最初から利用する航空会社を選ぶ必要がなく、使うときも選択肢が広がります。

16社の内訳は以下のとおりです。(ホームページから引用)

<提携航空パートナー(16社/五十音順)>(2020年10月現在)
・アリタリア-イタリア航空 「クラブ・ミッレミリア」
・ヴァージン アトランティック航空 「フライングクラブ」
・ ANA 「ANAマイレージクラブ」
・エティハド航空 「エティハド ゲスト」
・エミレーツ航空 「エミレーツ・スカイワーズ」
・ エールフランス/KLM航空 「フライングブルー」
・カタール航空「プリビレッジクラブ」
・カンタス航空「カンタス・フリークエントフライヤー」
・ キャセイパシフィック航空 「アジア・マイル」
・シンガポール航空 「クリスフライヤー」
・スカンジナビア航空 「SAS ユーロボーナス」
・タイ国際航空 「ロイヤルオーキッドプラス」
・チャイナエアライン 「ダイナスティ・フライヤー・プログラム」
・デルタ航空 「スカイマイル」
・フィンランド航空 「フィンエアー・プラス」
・ ブリティッシュ・エアウェイズ 「エグゼクティブ・クラブ」

さらに特筆すべき点が、ポイントに有効期限がないことです。マイル系クレジットカードは、マイルをコツコツ貯めていても有効期限があり、あまり飛行機を使わない人は、せっかくのマイルを無駄にしてしまうことがネックに挙げられます。

そんなマイル系クレジットカードの弱点を解消したのが、このアメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カードと言えます。

またアメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カードは、対象航空会社27社の航空券を直接カードで購入する、または、対象旅行代理店2社の指定旅行商品を直接カードで購入した場合、ポイントが通常の3倍(100円=3ポイント)になります。

<対象航空会社(27社/五十音順)> (2020年4月現在)
・アシアナ航空
・アリタリア-イタリア航空
・エア タヒチ ヌイ
・ANA
・エールフランス航空
・エティハド航空
・エバー航空
・エミレーツ航空
・オーストリア航空
・ガルーダ・インドネシア航空
・カンタス航空
・キャセイパシフィック航空
・KLMオランダ航空
・シンガポール航空
・スイス インターナショナル エアラインズ
・スカンジナビア航空
・スターフライヤー
・タイ国際航空
・大韓航空
・チャイナエアライン
・デルタ航空
・日本航空
・Peach
・フィリピン航空
・フィンランド航空
・ブリティッシュ・エアウェイズ
・ルフトハンザ ドイツ航空(ホームページから引用)

一点だけ、年会費が1万1000円(税込)かかる点には注意が必要です。年間にカード決済がどのくらいあるか調べたうえで、申し込むとよいでしょう。

以上のように、マイルを貯めたいものの、頻繁に飛行機を利用するわけではない人にとって、アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カードは航空会社をあらかじめ決めなくてすみ、マイルの有効期限を気にしなくてすむ非常に使い勝手のよいクレジットカードになっています。

JCB CARD W

とにかくポイントを貯めたい人におすすめなのが、高いポイント還元率を誇る「JCB CARD W」です。

通常のJCBのポイントの2倍のポイントが常時貯まります。さらにJCBオリジナルシリーズパートナーの店舗で買い物をすると、2倍~10倍のポイントが還元されます。

Amazon、セブンイ-レブンなら3倍、スターバックスなら10倍のポイントと、普段から使えるようなお店がパートナーになっている点もお得さを際立たせています。

ここまで還元率が良いにもかかわらず、年会費は永年無料となっており、ポイントで節約したい人には非常に良いクレジットカードです。

ただし、JCB CARD W は18歳から39歳までの人しか入会できない点に注意しましょう。39歳までに入会すれば、40歳以降も年会費無料になるので、その点は安心です。

以上、クレジットカードでマイル、ポイントを貯めることの全体像から具体的なクレジットカード選びまで紹介してきました。自身の目的や生活スタイルをはっきりさせればピッタリのカードが見つかるはずです。クレジットカード選びの参考にしてもらえれば、幸いです。