つみたてNISAはどこで口座開設すればいい?銀行や証券会社の選び方を解説
(画像=NET MONEY編集部)

つみたてNISAは2023年3月末時点で72の金融機関が取り扱っているが、「どこでも一緒」ではない

銀行や証券会社によって取扱銘柄数が大きく異なるだけでなく、クレカ積立やポイントサービスの有無なども異なる。この記事では、つみたてNISAの口座選びでおさえておきたいポイントを、7つにわけて解説する。

各ポイントごとに一覧表を設けて銀行や証券会社を比較しているので、つみたてNISAの口座選びに失敗したくない人は必見だ。

  1. つみたてNISAの口座選びでおさえておきたい7つのポイント
    1. ①取扱銘柄数
    2. ②クレジットカード決済(クレカ積立)の対応有無
    3. ③ポイント投資の対応有無
    4. ④投信マイレージの有無
    5. ⑤銀行引き落としの対応有無
    6. ⑥最低積立金額
    7. ⑦積立頻度
  2. つみたてNISAにおすすめの口座
    1. SBI証券
    2. 楽天証券
    3. マネックス証券
  3. つみたてNISAで投資をするときに発生する手数料や運用コスト
    1. 銘柄の購入時手数料は無料
    2. 信託報酬(運用コスト)は銘柄によって異なる
  4. つみたてNISAについてよくある質問
    1. おすすめ銘柄はありますか?
    2. 2024年に始まる新NISAへの移行手続きは必要ですか?
  5. つみたてNISAは大手ネット証券で口座開設しよう!

つみたてNISAの口座選びでおさえておきたい7つのポイント

つみたてNISAの口座選びでおさえておきたいポイントは、以下の7つだ。

なお、ここでは大手ネット証券5社、大手総合証券4社、大手銀行5行の合計14の金融機関に絞って比較をする。

①取扱銘柄数

つみたてNISAの取扱銘柄数は、金融機関によって大きく異なる。

つみたてNISAの対象商品は金融庁が厳選した246本の投資信託であるが、現状では全ての銘柄を取り扱う金融機関はない。

■つみたてNISAの取扱銘柄数

大手ネット証券 大手総合証券 大手銀行
SBI証券 205銘柄 野村
證券
19銘柄 三菱UFJ
銀行
12銘柄
楽天
証券
194銘柄 大和
証券
26銘柄 三井住友銀行 4銘柄
マネックス
証券
169銘柄 SMBC日興
証券
158銘柄 みずほ
銀行
12銘柄
auカブコム
証券
200銘柄 みずほ証券 11銘柄 りそな
銀行
13銘柄
松井
証券
195銘柄   ゆうちょ銀行 12銘柄
(2023年8月22日現在、NET MONEY編集部調べ)

主な金融機関の取扱銘柄数を比較すると、大手ネット証券が豊富だ。

SMBC日興証券以外の大手総合証券や大手銀行は取扱銘柄が少ない分選びやすいともいえるが、あとでつみたてNISAのおすすめ銘柄を知ったときに、そもそも取り扱っていないので買えない可能性が極めて高い。

銘柄を選ぶときに後悔したくない人は、最も取扱銘柄数が多いSBI証券を選ぼう

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②クレジットカード決済(クレカ積立)の対応有無

つみたてNISAを始めるときは、クレジットカード決済(クレカ積立)の対応有無も確認しよう。クレカ積立とは、クレジットカードで投資信託の積立投資ができるサービスだ。

■クレカ積立の対応有無

大手ネット証券 大手総合証券 大手銀行
SBI証券 野村證券 三菱UFJ銀行
楽天証券 大和証券 三井住友銀行
マネックス証券 SMBC日興証券 みずほ
銀行
auカブコム証券 みずほ証券 りそな
銀行
松井証券   ゆうちょ銀行
(2023年8月22日現在、NET MONEY編集部調べ)

14の金融機関のなかでクレカ積立に対応しているのは、松井証券を除く大手ネット証券4社だ。クレカ積立ならポイントが貯まるので、対応している金融機関を選んだほうがお得に積立投資ができる。

■クレカ積立に対応している大手ネット証券の比較

証券会社名 対応カード ポイント還元率
SBI証券 三井住友カード 0.5%~5.0%
楽天証券 楽天カード 0.5%~1.0%
マネックス証券 マネックス
カード
1.0%~1.1%
auカブコム証券 au PAY カード 1.0%
(2023年8月22日現在、NET MONEY編集部調べ)

例えば月3万円積み立てる場合、ポイント還元率が1.0%なら毎月300ポイントを受け取れる。現金で積み立てるよりもお得に投資できる点がクレカ積立のメリットだ。

③ポイント投資の対応有無

数は少ないが、つみたてNISAでポイントを使える金融機関があるため、ポイント投資の対応有無も確認しておこう。

■ポイント投資の対応有無

大手ネット証券 大手総合証券 大手銀行
SBI証券 野村證券 三菱UFJ銀行
楽天証券 大和証券 三井住友銀行
マネックス証券 SMBC日興証券 みずほ
銀行
auカブコム証券 みずほ証券 りそな
銀行
松井証券   ゆうちょ銀行
※△はつみたてNISAではポイント投資ができない
(2023年8月22日現在、NET MONEY編集部調べ)

ポイント投資に対応している金融機関のなかでも、つみたてNISAにポイントを使えるのはSBI証券と楽天証券の2社だけだ。楽天証券では楽天ポイント、SBI証券ではTポイントとPontaポイントが使える。

ポイントを使いたい人は、SBI証券か楽天証券でつみたてNISAを始めよう。

④投信マイレージの有無

つみたてNISAは長期投資が前提のため、投信マイレージの有無も重要な比較ポイントになる。投信マイレージとは、投資信託の保有残高に対してポイントが付与されるサービスのことだ。

■投信マイレージの対応有無

大手ネット証券 大手総合証券 大手銀行
SBI証券 野村證券 三菱UFJ銀行
楽天証券 大和証券 三井住友銀行
マネックス証券 SMBC日興証券 みずほ
銀行
auカブコム証券 みずほ証券 りそな
銀行
松井証券   ゆうちょ銀行
※三菱UFJ銀行は50万円以上、りそな銀行は30万円以上のみ
(2023年8月22日現在、NET MONEY編集部調べ)

大手総合証券や大手銀行は三菱UFJ銀行、りそな銀行を除いて対応していない。貯まるポイントの使いやすさも含めて比べると、5種類から選べるSBI証券がおすすめだ。

■投信マイレージで貯まるポイント

金融機関名 貯まるポイント
SBI証券 Tポイント
Vポイント
Pontaポイント
dポイント
JALマイル
マネックス証券 マネックスポイント
auカブコム証券 Pontaポイント
松井証券 松井証券ポイント
三菱UFJ銀行 Pontaポイント
りそな
銀行
りそなクラブポイント
(2023年8月22日現在、NET MONEY編集部調べ)

\貯まるポイントが5種類から選べる/

⑤銀行引き落としの対応有無

ポイント還元がない分クレカ積立と比べてお得ではないが、つみたてNISAで投資信託の買い付け代金を銀行口座から引き落としたい場合は、銀行引き落としの対応有無で選んでもいいだろう。

■銀行引き落としの対応有無

大手ネット証券 大手総合証券 大手銀行
SBI証券 野村證券 三菱UFJ銀行
楽天証券 大和証券 三井住友銀行
マネックス証券 SMBC日興証券 みずほ
銀行
auカブコム証券 みずほ証券 りそな
銀行
松井証券   ゆうちょ銀行
※1:SBI証券と松井証券は別途銀行引落サービスの設定が必要
※2:大和証券は大和ネクスト銀行(積立専用預金口座)のみ可能
(2023年8月22日現在、NET MONEY編集部調べ)

利便性には差があるものの、主な金融機関なら基本的に対応していると考えていい。クレカ積立ポイント投資投信マイレージの有無からどの金融機関で口座を開設するかは判断しよう。

⑥最低積立金額

つみたてNISAは少額からの積立投資ができるが、金融機関によって最低積立金額は異なる。

■最低積立金額

大手ネット証券 大手総合証券 大手銀行
SBI証券 100円 野村
證券
1,000円 三菱UFJ
銀行
1,000円
楽天
証券
100円 大和
証券
100円 三井住友銀行 1万円
マネックス
証券
100円 SMBC日興
証券
1,000円 みずほ
銀行
1,000円
auカブコム
証券
100円 みずほ証券 1,000円 りそな
銀行
1,000円
松井
証券
100円   ゆうちょ銀行 1,000円
(2023年8月22日現在、NET MONEY編集部調べ)

月100円からつみたてNISAを始めたい場合は、大手ネット証券がおすすめだ。

⑦積立頻度

金融機関によっては、積立頻度を「毎日」「毎週」「毎月」から選択できる。なかでも毎日積立は投資のタイミングが細かく分散されるので、毎月積立と比べてリスクを軽減できる。

■毎日積立の選択可否

大手ネット証券 大手総合証券 大手銀行
SBI証券 野村證券 三菱UFJ銀行
楽天証券 大和証券 三井住友銀行
マネックス証券 SMBC日興証券 みずほ
銀行
auカブコム証券 みずほ証券 りそな
銀行
松井証券   ゆうちょ銀行
(2023年8月22日現在、NET MONEY編集部調べ)

ただし、クレカ積立や銀行引き落としの場合は、毎月積立しか対応していない。

毎月積立と毎日積立でリターンの差はほとんどない

毎日積立のほうがリスクは軽減できるが、毎月積立と毎日積立でリターンの差はほとんどない。

■15年間積み立てた場合のリターンの差

  全世界株式 8資産バランス
毎月積立 165.17% 81.00%
毎日積立 165.25% 81.23%

15年でリターンの差が0.23%である場合、年間40万円の積立投資をしたとしても累計で1万3,800円しか差が出ないことになる。一方で、毎月積立でポイント還元率が0.5%のクレカ積立をした場合、累計で3万円分のポイントがもらえる。

毎日積立で投資タイミングの分散にこだわるよりも、毎月積立しかできないクレカ積立でポイントをもらうほうが実質的なリターンは高い

\取扱銘柄数が業界No.1/

つみたてNISAにおすすめの口座

つみたてNISAにおすすめの口座は、7つのポイントを踏まえると大手ネット証券を選んだほうがいい。大手ネット証券のなかでも、取扱銘柄数が豊富でポイントサービスが充実している以下の3社がおすすめだ。

つみたてNISAにおすすめの大手ネット証券

SBI証券

SBI証券
(画像引用:SBI証券

■SBI証券のつみたてNISAの概要

取扱銘柄数 205本
クレカ積立 三井住友カード
ポイント還元率
(クレカ積立)
0.5%~5.0%
(Vポイント)
ポイント還元率
(投信マイレージ)
0.0175%~0.15%
(年率)
付与ポイント 5種類から選択
ポイント投資
※つみたてNISAのポイント投資に対応するのはTポイントとPontaポイント
参照:SBI証券
(2023年8月22日現在)

SBI証券は、ポイントが5種類から選べる大手ネット証券だ。楽天ポイント以外のポイントを複数使っている人は、貯めたいポイントが選びやすい。三井住友カードでクレカ積立をするとVポイントが貯まるので、貯めたいポイントをVポイント以外に指定すれば2種類のポイントが貯まる

■SBI証券のクレカ積立(主なカード)

カード名 ポイント還元率
(クレカ積立)
年会費
三井住友カード
プラチナ
プリファード
5.0% 3万3,000円
三井住友カード
プラチナ
2.0% 5万5,000円
三井住友カード
ゴールド(NL)
1.0% 5,500円
(※)
三井住友カード(NL) 0.5% 永年無料
※年間100万円以上の利用で翌年以降の年会費無料
参照:SBI証券三井住友カード
(2023年8月22日現在)

SBI証券には投信積立用の「かんたん積立 アプリ」があり、アプリ内で積立注文まで完結する。パソコンに不慣れな人は、スマホ1台で簡単につみたてNISAが始められるSBI証券を選ぼう。

\スマホアプリで注文まで完結/

楽天証券

楽天証券
(画像引用:楽天証券

■楽天証券のつみたてNISAの概要

取扱銘柄数 194本
クレカ積立 楽天カード
ポイント還元率
(クレカ積立)
0.5%~1.0%
ポイント還元率
(投信マイレージ)
0.0%
(残高達成時のみ)
付与ポイント 楽天ポイント
ポイント投資
参照:楽天証券
(2023年8月22日現在)

楽天証券は、楽天ポイントが貯めやすく、使いやすい大手ネット証券だ。楽天カードでクレカ積立ができ、積立金額に応じて0.5%~1.0%の楽天ポイントが貯まる。

■楽天証券のクレカ積立(主なカード)

カード名 ポイント還元率
(クレカ積立)
年会費
楽天プレミアム
カード
1.0% 1万1,000円
楽天ゴールド
カード
0.75% 2,200円
楽天カード 0.5% 永年無料
※楽天証券が受け取る手数料が年率0.4%以上の銘柄は1.0%還元
参照:楽天証券楽天カード
(2023年8月22日現在)

貯まったポイントはつみたてNISAを含む投資信託のほか、日本株や米国株にも使える

楽天銀行と連携すると普通預金金利が300万円まで0.1%に上がったり、月3万円以上の投信積立と1ポイント以上のポイント投資で楽天市場のポイント還元率が0.5%上がったりする特典もあるので、楽天グループのサービスを使う人は楽天証券を選ぼう。

\楽天Gのサービス利用者にお得/

マネックス証券

マネックス証券
(画像引用:マネックス証券

■マネックス証券のつみたてNISAの概要

取扱銘柄数 169本
クレカ積立 マネックスカード
ポイント還元率
(クレカ積立)
1.0%~1.1%
ポイント還元率
(投信マイレージ)
0.03%/0.08%
(年率)
付与ポイント マネックスポイント
ポイント投資
参照:マネックス証券
(2023年8月22日現在)

マネックス証券は、クレカ積立のポイント還元率が1.0%~1.1%と高い大手ネット証券だ。マネックスカードは口座開設後に発行が可能で、年間1回でもクレカ積立をすれば年会費が無料になるため、投信積立用のサブカードとして発行しやすい。

貯まったマネックスポイントは、dポイント、Tポイント、Pontaポイント、Amazonギフトカードと等価交換できるので、使い道には困らない。ポイント還元率を重視する人は、マネックス証券を選ぼう。

\クレカ積立のポイント還元率が最大1.1%/

マネックス証券について詳しく知りたい人向けの

つみたてNISAで投資をするときに発生する手数料や運用コスト

つみたてNISAで投資をするときに発生する手数料や運用コストは、投資する銘柄によるが極めて安い。なお、口座開設時の手数料や口座管理料、銘柄の購入手数料はかからないので、つみたてNISAは手数料無料で始められる

銘柄の購入時手数料は無料

つみたてNISAの対象銘柄は、購入時手数料が無料だ。投資信託のなかには購入時手数料が設定されている銘柄もあるが、つみたてNISAの対象となる銘柄は、購入時手数料が無料であることが金融庁によって定められている

信託報酬(運用コスト)は銘柄によって異なる

一方で、信託報酬(運用コスト)は銘柄によって異なるものの、「野村スリーゼロ先進国株式投信」を除いて全ての銘柄で発生するため、購入前に確認しておこう。

信託報酬とは、投資信託の保有中に発生する主な運用コストのことだ。手数料のように直接支払うことはないが、毎日の価格(基準価額)に反映されているため、間接的には負担している。同じ投資先、運用方針であれば、信託報酬が低い銘柄のほうがリターンは高くなる傾向にある。

■つみたてNISA対象銘柄の信託報酬(年率)の最低値

大手ネット証券 大手総合証券 大手銀行
SBI証券 0.05775% 野村
證券
0.00%(※) 三菱UFJ
銀行
0.198%
楽天
証券
0.09372% 大和
証券
0.066% 三井住友銀行 0.0968%
マネックス
証券
0.09372% SMBC日興
証券
0.09372% みずほ
銀行
0.09372%
auカブコム
証券
0.05775% みずほ証券 0.09372% りそな
銀行
0.1144%
松井
証券
0.09372%   ゆうちょ銀行 0.198%
※2031年1月1日以降は0.11%以内
(2023年8月22日現在、NET MONEY編集部調べ)

ただし、信託報酬は全ての運用コストを含んでいるわけではない。信託報酬の差が年率0.03%~0.05%程度しかない場合、実際のリターンは信託報酬が高い銘柄のほうがいい場合もある。

\取扱銘柄数が業界No.1/

つみたてNISAについてよくある質問

つみたてNISAについてよくある質問を以下にまとめた。

おすすめ銘柄はありますか?
1銘柄だけ挙げるなら、日本を含めた全世界の株式に投資をする「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」がおすすめだ。
2024年に始まる新NISAへの移行手続きは必要ですか?
2024年1月に始まる新NISA(新しいNISA)への移行手続きは不要だ。現在NISA口座を開設している金融機関に、新NISA口座が自動で設定される。なお、現行のNISAで保有する金融商品は、新NISAとは別勘定となる。

つみたてNISAは大手ネット証券で口座開設しよう!

つみたてNISAは、取扱銘柄数が豊富な大手ネット証券で口座開設しよう。

大手ネット証券のなかでも、SBI証券の取扱銘柄数は業界最多を誇り、クレカ積立や投信マイレージ、TポイントまたはPontaポイントによるポイント投資などのサービスが充実している。スマホ1台で口座開設が可能で、申込みから最短2日でつみたてNISAが始められる。

証券会社選びに迷ったら、SBI証券で口座を開設してつみたてNISAを始めよう。

\スマホアプリで積立注文ができる/