(画像=編集部作成)

【目次】
①️サイエンスアーツIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(近日中に追加予定)
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント(近日中に追加予定)

会社名
株式会社サイエンスアーツ
コード
4412
市場
マザーズ
業種
情報・通信業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 平岡 秀一 / 1961年生
会社住所
東京都新宿区神楽坂四丁目1番地1 オザワビル7階
設立年
2003年
社員数
22人(2021年9月30日現在)
事業内容
デスクレスワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」の開発・販売
URL
https://www.buddycom.net
資本金
50,000,000円 (2021年10月19日現在)
上場時発行済み株数
3,356,000株
公開株数
220,000株
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2021/11/01→1,510~1,710円に決定
ブックビルディング期間:2021/11/04 - 11/10
公開価格決定:2021/11/11→1,710円に決定
申込期間:2021/11/15 - 11/18
上場日:2021/11/24→初値4,545円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
引受証券:大和証券
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
引受証券:岡地証券
引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
引受証券:エイチ・エス証券
引受証券:むさし証券
大株主
(同)平岡秀一事務所 45.66%
平岡秀一 19.48%
SBテクノロジー(株) 6.85%
auカブコム証券(株) 6.09%
(株)ブロードバンドタワー 4.05%
横道克己 2.54%
岡地証券(株) 2.13%
日本ATM(株) 2.03%
JPE第2号(株) 1.83%
(株)プラネット 1.52%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2018/08 単体実績 
143,983 -34,127 -34,849 49,603
2019/08 単体実績 
179,102 -95,238 -95,988 218,514
2020/08 単体実績 
222,760 -92,373 -92,063 278,601
2021/05 第3四半期単体実績 
240,071 -107,879 -107,808 220,942
ロックアップ情報
平岡秀一、合同会社平岡秀一事務所、SBテクノロジー株式会社、auカブコム証券株式会社、株式会社ブロードバンドタワー、岡地証券株式会社、日本ATM株式会社、株式会社プラネット、株式会社ぐるなび、株式会社アルファステップは上場後90日目の2022年2月21日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×仮条件上限)
3億7620万0000円(220,000株×1,710円)
潜在株数(ストックオプション)
241,600株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社サイエンスアーツ<4412>はライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」の開発・販売を行う企業である。農業・製造・輸送・建設などのデスクレスワーカーを主なサービス対象先とする特徴を持っている。
 
サイエンスアーツ
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容詳細

同社は2015年9月よりデスクレスワーカー(※)をつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」(2019年10月までの名称は「Aldio」)の開発・販売を行っている。

Buddycomは単なる音声によるコミュニケーションに留まらず、独自に開発した技術により、音声の他に画像や動画などのコンテンツのやり取りが可能である。インターネットにつながる環境下なら世界中どこにいてもつながり、更にやり取りしたデータやコンテンツがデジタル化されて蓄積できるなど、新しいコミュニケーションツールとして成長している。

※机の前に座らない最前線で活躍する労働者を指す。農業、教育、ヘルスケア、小売、ホスピタリティ、製造、輸送、建設などの産業に従事している。
 

■Buddycomの特徴

Buddycomの強みは誰でも簡単に使え、そして話した瞬間にリアルタムで情報が届く速さにある。Buddycomは初期の設計段階から、低遅延で大規模な運用ができ、機能の多角化ができることを想定し開発されている。同社の全社員の約4割をエンジニアが占めており、開発を自社内製で行う技術力が強みの源泉である。

Buddycomの販売については、販売代理店(ソフトバンク株式会社他)を通じエンドユーザーに販売している。

またBuddycomは大規模な運用(1グループあたり2,000ユーザーへの同時配信の検証済み)に耐えられる設計・品質を始め、セキュリティや管理に最適化された機能が評価されており、卸売業・小売業・運輸業・郵便業を中心に多数の大規模アカウントで利用されている。
 
サイエンスアーツ
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■サブスクリプション型のビジネスモデル

Buddycomは安定して1%以下の解約率を維持しており、サブスクリプション型のビジネスモデルが構築されている。
 
サイエンスアーツ
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)
その中で毎期顧客の積み上げがなされており、コロナ禍の中でテレワークや業務における動画活用ニーズの高まりを背景に、売上の積み上げも順調に進んでいる。

尚、2020年8月期の相手先別売上高では販売代理店のソフトバンク株式会社の売上比率が35%を占め最多である。また2021年8月期Q3(累計)ではソフトバンク株式会社34%に加え、イオンリテール株式会社が15%を上げるまで売上比率が上昇している。
 

■業績推移

2018年8月期 売上高1.4億円、経常利益▲0.3億円、当期純利益▲0.3億円
2019年8月期 売上高1.8億円、経常利益▲1.0億円、当期純利益▲1.0億円
2020年8月期 売上高2.2億円、経常利益▲0.9億円、当期純利益▲0.9億円
2021年8月期 売上高3.7億円、経常利益▲1.0億円、当期純利益▲1.0億円
2022年8月期(予想) 売上高4.1億円、経常利益▲1.0億円、当期純利益▲1.0億円

着実な増収を続けているが経常利益は▲1億円前後の赤字が継続している。

2022年8月期は売上高4.1億円、経常利益▲1.0億円であり増収は続くものの、▲1億円程度の赤字が継続する。

尚、2020年8月期決算が公開申請決算期であり期越え決算でのIPOである。
 

■財務内容

2020年8月期末時点で資産合計4.3億円に対し純資産合計2.8億円、自己資本比率65%である。

借入金0.6億円に対し、現預金3.7億円を有している。資産合計4.3億円のうち現預金3.7億円など流動資産が4.0億円であり、資産の殆どを占めている。

尚、2021年8月期末時点では資産合計3.5億円に対し純資産合計2.3億円、自己資本比率66%である。
 

■資金使途

IPOにより2.9億円の資金調達を行い下記使途が予定されている。

・事業拡大のためのエンジニア、営業部門、管理部門の増員に伴う人件費(研究開発費含む)等 2.8億円
・人員増に伴うオフィス拡張 0.2億円

調達資金の殆どは研究開発費を含む事業拡大のための人件費に充当される。
 

■株主構成

筆頭株主の合同会社平岡秀一事務所(株式シェア46%)は平岡社長の資産管理会社。平岡社長は個人でも第2位株主(19%)であり、平岡社長の関係先で65%の株式が所有されている。

第3位株主SBテクノロジー株式会社(同6.9%)、第4位株主auカブコム証券株式会社(同6.1%)、第5位株主株式会社ブロードバンドタワー(同4.1%)など多数の事業会社が株主参入している。

VCはJPE第2号株式会社(同1.8%)などが株主参入しているが、低い株式シェアに留まる。
 

■まとめ

農業・製造・輸送・建設などのデスクレスワーカーを主なサービス対象先とする、ライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」の開発・販売を行う企業のIPO案件である。

コロナ禍によるテレワークの普及や動画配信ニーズの高まりを背景に、Buddycomの利用は増えている。サブスクリプション型のビジネスモデルであり、顧客基盤の拡大とともに増収も続いている。

増収は続いているが、2019年8月期以降は年間▲1億円前後の赤字が継続中。2021年8月期も経常利益▲1.0億円での着地となった。また2022年8月期も売上高4.1億円、経常利益▲1.0億円の予想であり増収は続くものの、年間▲1億円程度の赤字が継続する。

動画に対するニーズの高まりを背景に今後も成長が期待できるが、どの時点で黒字化しどのタイミングで利益拡大がなされるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
近日中に追加予定