つみたてNISAと一般NISAの違いは?メリットやおすすめな人を年代別に解説
(画像=NET MONEY編集部)

NISAは少額投資非課税制度の略で、投資で得られた利益にかかる20.315%の税金がゼロになることから人気があり、年々口座数を伸ばしている。一方で、現行のNISAはつみたてNISAと一般NISAの選択制になっており、投資を始めたいと思ってもどちらを選ぶべきか迷っている人は多いだろう。

そこでこの記事では、つみたてNISAと一般NISAの違いや、それぞれのメリット・デメリット、どっちがお得かなどを解説する。どちらを始めようか迷っている人、自分に向いているのがどっちなのか知りたい人はぜひ参考にしてほしい。

つみたてNISAと一般NISAにおすすめの証券会社
  1. つみたてNISAと一般NISAの違い
    1. 非課税保有期間
    2. 非課税投資枠
    3. 対象商品
    4. 買付方法
  2. つみたてNISAのメリット・デメリット
    1. つみたてNISAのメリット
    2. つみたてNISAのデメリット
  3. 一般NISAのメリット・デメリット
    1. 一般NISAのメリット
    2. 一般NISAのデメリット
  4. つみたてNISAと一般NISAは併用できない
    1. 2024年1月にはじまる新NISAでは併用できるようになる
  5. 【年代別に比較】つみたてNISAと一般NISAのどっちが得?
    1. 20代~30代:つみたてNISA
    2. 40代~60代:一般NISA
  6. つみたてNISAと一般NISAにおすすめの証券会社
    1. SBI証券
    2. 楽天証券
    3. マネックス証券
  7. NISA口座開設後の区分変更(つみたてNISAと一般NISA)は可能
  8. つみたてNISAと一般NISAについてよくある質問
    1. iDeCoとの併用は可能ですか?
    2. 非課税保有期間が経過したらどうなりますか?
    3. 新NISAへ移行するときに手続きは必要ですか?
    4. 元本割れしますか?
    5. どちらのほうが儲かりますか?
  9. 少額から投資したい人はつみたてNISAがおすすめ
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つみたてNISAと一般NISAの違い

■つみたてNISAと一般NISAの違い

  つみたてNISA 一般NISA
非課税投資枠
限度額
40万円 120万円
非課税
保有期間
20年間 5年間
非課税
保有限度額
800万円 600万円
投資
対象商品
投資信託
(※)
投資信託
株式など
買付方法 積立 一括/積立
対象年齢 18歳以上 18歳以上
※金融庁が定めた条件を満たした商品のみ
参照:金融庁|(参考)現行制度

つみたてNISAと一般NISAの違いは4つある。

つみたてNISAと一般NISAの違い

非課税保有期間

■非課税保有期間の違い

  つみたてNISA 一般NISA
非課税
保有期間
20年間
(2042年末まで)
5年間
(2027年末まで)

現行のつみたてNISAと一般NISAは、非課税保有期間にそれぞれ20年、5年の制限がある。例えば2023年にNISA口座を開設して投資をした場合、つみたてNISAの非課税保有期間は2042年12月末まで、一般NISAは2027年12月末までだ。

非課税保有期間を経過した後も商品を保有する場合、自動的に証券口座(課税口座)へ移される。税金の計算上、株や投資信託の取得価格は証券口座へ移された時点の金額になる。

なお、一般NISAではロールオーバーという非課税保有期間の実質的な延長ができたが、2024年1月に始まる新NISA(新しいNISA)へのロールオーバーはできない。

非課税投資枠

■非課税投資枠の違い

  つみたてNISA 一般NISA
非課税投資枠
限度額
年間40万円 年間120万円

現行のつみたてNISAと一般NISAの非課税投資枠は、つみたてNISAが40万円、一般NISAが120万円だ。なお、2024年1月に始まる新しいNISAでは、以下の通り非課税投資枠が拡大し、使いやすくなる。

■新しいNISAの非課税投資枠

  つみたて投資枠 成長投資枠
非課税投資枠
限度額
年間120万円 年間240万円
非課税保有
限度額
1,800万円
(うち、成長投資枠は1,200万円)

新しいNISAでは、現行のつみたてNISAが「つみたて投資枠」、一般NISAが「成長投資枠」に生まれ変わり、年間360万円まで投資できるようになる。保有限度額は1,800万円までだが、一度売却すれば枠の再利用が可能だ。

対象商品

■対象商品の違い

  つみたてNISA 一般NISA
対象
商品
投資信託/ETF
(245本)
投資信託/ETF
日本株/外国株
REIT
(不動産投資信託)
IPO(新規公開株)
※本数は2023年7月23日時点のもの
参照:金融庁|(参考)現行制度

一般NISAは投資信託や株など幅広い商品に投資できるが、つみたてNISAは金融庁が定めた条件を満たす投資信託とETF(上場投資信託)のみに限定されている。

つみたてNISAの対象商品になる条件
  • 購入手数料が無料
  • 信託報酬(保有中に発生する主なコスト)が一定以下
  • 信託報酬を含めた実際のコストがどれくらいなのか公表
  • 運用期間が無期限または20年以上
  • 分配金を毎月出す投資信託ではない

つみたてNISAは株に投資したくてもできないので、IPOや日本株、米国株などに投資をしたい人は一般NISAを選ぼう。一般NISAで投資を始めるなら、IPOの実績数が業界No.1で米国株をはじめとした外国株の取り扱いが豊富なSBI証券がおすすめだ。

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買付方法

■買付方法の違い

  つみたてNISA 一般NISA
買付方法 積立 一括/積立

つみたてNISAは毎月(または毎週、毎日)の積立注文しかできない。金融機関によっては、年間2回まで追加注文をすることでつみたてNISAの投資枠を使い切る「増額設定(ボーナス月設定)」はできるが、積立注文が前提になる。

一般NISAなら一括注文ができるので、株価が下がったタイミングを見計らって投資をすることもでき、投資の自由度は高い。一方で、タイミングを見計らうのはプロでも難しいという問題もある。

タイミングがわからない人は、つみたてNISAで投資を始めるのが無難だ。SBI証券のつみたてNISAなら、積立頻度を毎月、毎週、毎日の3パターンから選べ、投資のタイミングを徹底的に分散できる

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つみたてNISAのメリット・デメリット

つみたてNISAには、4つのメリットと3つのデメリットがある。

つみたてNISAのメリット・デメリット

■つみたてNISAのメリット・デメリット

メリット デメリット
・最長20年間非課税で運用できる
・少額投資がしやすい
・自動的に積み立ててくれる
・対象商品が厳選されているので選びやすい
・年間40万円しか非課税投資枠がない
・一括投資ができない
・日本株や米国株は買えない
メリット ・最長20年間非課税で運用できる
・少額投資がしやすい
・自動的に積み立ててくれる
・対象商品が厳選されているので選びやすい
デメリット ・年間40万円しか非課税投資枠がない
・一括投資ができない
・日本株や米国株は買えない

つみたてNISAのメリット

つみたてNISAのメリットは、4つある。

最長20年間非課税で運用できる

つみたてNISAは、最長20年間非課税で運用できる。

つみたてNISAは月3万3,333円までしか積立投資できないが、長期間積み立てることで利益が大きくなり、非課税で運用することのメリットも大きくなる

■つみたてNISAの非課税メリット

  税金 最終
積立金額
手残り
つみたてNISA 0円 1,041万8,533円 1,041万8,533円
証券口座 114万1,405円 1,041万8,533円 927万7,128円
※月2万円、年利7.0%で20年間積立投資をした場合
参照:金融庁|資産運用シミュレーション
少額投資がしやすい

つみたてNISAは少額投資がしやすい。SBI証券をはじめとした大手ネット証券では、月100円から積立投資ができる。

また、運用期間中は何度でも積立金額が変更できる。iDeCoのように面倒な手続きはいらない。最初は少額から始めて、余裕がある時は増額するといった設定も可能なので、無理のない範囲で始めやすい

自動的に積み立ててくれる

つみたてNISAは最初に積立の設定をすれば、毎日や毎月など自分が設定したタイミングで自動的に積み立ててくれる。

日本株や米国株に投資をする場合、自分で日経平均などの株価指数をチェックしたり、個別銘柄の値動きをみて売買のタイミングを見計らったりする必要があり、普段の仕事が忙しい人には難しいだろう。

つみたてNISAなら、自分が設定したタイミングで自動的に買付されるため、株の値動きを毎日チェックしたり、売買の注文を都度出したりといった手間がかからない。日中忙しい人や、投資のタイミングが分からない人でも資産運用がしやすい仕組みだ。

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対象商品が厳選されているので選びやすい

つみたてNISAは、対象商品が厳選されているので選びやすい。

つみたてNISAで投資できるのは、金融庁の厳しい条件をクリアした245本(2023年7月23日現在)の投資信託だけだ。

投資信託は、投資信託協会が公表した「投資信託の全体像(2023年5月末)」によると個人投資家が自由に購入できる商品だけで5,969本あるので、つみたてNISAの対象商品は全体の4%程度に絞られている。

245本でも多いと思われるかもしれないが、6,000本近い投資信託以外に日本株や米国株などもあることを考えれば、はるかに選びやすい

SBI証券なら、「かんたん積立 アプリ」のファンド検索をタップすると投資家に人気のある投資信託がランキング形式で表示されるので、初心者でも簡単に銘柄が選べる。

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つみたてNISAのデメリット

つみたてNISAのデメリットは、3つある。短期間で大きな利益を求める人には向かない。

年間40万円しか非課税投資枠がない

つみたてNISAは、年間40万円しか非課税投資枠がない。積立注文しかできないため、毎月投資できる金額は3万3,333円までだ。

もっと大きな金額で投資をしたい人にとっては、物足りないだろう。

ただし、2024年1月には新しいNISAが始まり、つみたてNISAは「つみたて投資枠」に生まれ変わる。年間投資枠は120万円、月10万円まで投資できるようになるので、非課税投資枠が少ないのは2023年までだ。2023年までにつみたてNISA口座がある人は、2024年になれば新しいNISAの口座が開設されるので、余計な手間がかからない。

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一括投資ができない

つみたてNISAは一括購入ができない。毎月(または毎週、毎日)の積立注文が前提のため、月3万3,333円までしか投資できない。

積立投資は、株価や投資信託の価格(基準価額)の上下がある局面では平均購入価格を抑えられる効果があるが、右肩上がりの局面では一括投資より利益が少なくなってしまう。

■一括投資と積立投資の比較

  一括投資 積立投資
1万円 9株 3株
1万2,000円 2.5株
1万5,000円 2株
平均購入価格 1万円 1万2,000円
利益 4万5,000円 2万2,500円
※9万円分購入した場合

しかし、値動きはプロでもそう簡単に予測できるものではない。投資のタイミングがわからないのであれば、一括投資ができないことはデメリットとは言えない

日本株や米国株は買えない

つみたてNISAで購入できる商品は一部の投資信託のみであり、日本株や米国株は買えない。

投資信託より上がった日本株や米国株は複数存在するため、大きな利益を求める人には向かない。一方で、株の銘柄選びを間違えれば投資信託よりも儲からない可能性はある。「ある程度の利益が出ればいい」と考えるなら、つみたてNISAで買える商品でも十分だ。

平均年利3.59%の収益を出しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も指摘しているように、外国株に投資する商品を20年程度運用すれば、4倍以上になる可能性もある

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一般NISAのメリット・デメリット

一般NISAには、3つのメリットと2つのデメリットがある。

一般NISAのメリット・デメリット

■一般NISAのメリット・デメリット

メリット デメリット
・日本株や米国株などにも投資できる
・一括投資による短期的な利益も期待できる
・年間の非課税投資枠がつみたてNISAの3倍
・非課税保有期間が短い
・対象商品にはリスクが高いものもある
メリット ・日本株や米国株などにも投資できる
・一括投資による短期的な利益も期待できる
・年間の非課税投資枠がつみたてNISAの3倍
デメリット ・非課税保有期間が短い
・対象商品にはリスクが高いものもある

一般NISAのメリット

一般NISAのメリットは、3つある。

日本株や米国株などにも投資できる

一般NISAは、日本株や米国株などにも投資できる。株なら銘柄によっては配当金がもらえるだけでなく、つみたてNISAよりも大きな利益が期待できる。

■日本株とつみたてNISAの比較

  日本株
(ソニー)
つみたてNISA
(eMAXIS Slim 米国株式)
2018年
7月2日
5,595円 1万円
2023年
7月21日
1万3,115円 2万2,602円
配当 275円 0円
利益率 139.32% 126.02%
参照:SBI証券

一般NISAなら、配当金の受取方法を証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」にすれば、利益だけでなく配当にも税金がかからない。

日本株は少額だと投資しづらいイメージがあるが、SBI証券をはじめとした大手ネット証券では単元未満株(1~99株の日本株)に投資できるサービスがあり、1株から買える。株に投資をしたい人は一般NISAを選ぼう。

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一括投資による短期的な利益も期待できる

一般NISAは、一括投資による短期的な利益も期待できる。安いタイミングで買い、高いタイミングで売ることが前提にはなるが、つみたてNISAより短期間で利益を出しやすい。

楽天証券を除いて一般NISAで投資できるIPO(新規公開株)なら、人気銘柄の抽選に当たれば数日で10万円以上の利益も夢ではない。IPOは、短期間で大きな利益を追求したい人におすすめだ。

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年間の非課税投資枠がつみたてNISAの3倍

一般NISAは、年間の非課税投資枠がつみたてNISAの3倍もある。

年間120万円まで投資できるので、まとまった資金がある人なら、つみたてNISAより投資が始めやすいだろう。なお、2024年1月に始まる新NISA(新しいNISA)では、一般NISAは成長投資枠に生まれ変わる。

■新しいNISAの非課税投資枠(再掲)

  つみたて投資枠 成長投資枠
非課税投資枠
限度額
年間120万円 年間240万円
非課税保有
限度額
1,800万円
(うち、成長投資枠は1,200万円)

年間の非課税投資枠が240万円まで拡大して最大1,200万円まで保有できるだけでなく、売却すれば枠が復活する。枠の復活がなかった一般NISAと比べて、より自由度の高い投資が可能だ。

一般NISAのデメリット

一般NISAのデメリットは、2つある。少額の積立投資しかするつもりがない人は、つみたてNISAのほうがいい。

非課税保有期間が短い

一般NISAは非課税保有期間が短い。つみたてNISAは20年あるのに対し、一般NISAは5年しかない。もし年間40万円までの積立投資しかするつもりがない場合、非課税期間の短い一般NISAでは、非課税のメリットが受けられる金額も少なくなる

■非課税メリットの比較

  一般NISA つみたてNISA
元本 40万円 40万円
5年後 56万1,021円 56万1,021円
20年後 154万7,874円
非課税メリット 3万2,711円 23万3,190円
※年利7.0%、1年複利で計算

ただし、非課税保有期間は2024年1月スタートの新NISAで無期限になることが決まった。非課税保有期間に制限があるのは今年だけなので、まとまった投資資金があるなら一般NISAを選べばいい。

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対象商品にはリスクが高いものもある

一般NISAの対象商品には、リスクが高いものもある。

リスクが高いものの代表例として、「レバナス」が挙げられる。レバナスとは、米国の大型ハイテク株100社で構成された株価指数「NASDAQ100」の値動きの2倍程度となる運用を目指すレバレッジ型の投資信託だ。

レバナスをはじめとしたレバレッジ型の投資信託は、株価上昇時に大きな利益をもたらすものの、下落時のダメージも大きい。

例えば、株価の上下が激しかった2020年~2023年の間にレバナスを保有した場合、レバレッジ型ではない「NASDAQ100インデックス」のほうが価格は上昇している

■基準価額(投資信託の価格)の推移

青:iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
赤:iFreeレバレッジ NASDAQ100

基準価額(投資信託の価格)の推移
※2023年7月21日までの直近3年間
(画像引用:楽天証券

一方で、2018年10月頃から保有している場合はレバナスのほうがリターンは高い。株価上昇局面でリスクが高い商品を買うのは1つの投資手法ではあるが、下落時のリスクが高いことを理解したうえで投資をすることが大切だ。

つみたてNISAと一般NISAは併用できない

つみたてNISAと一般NISAは併用できない。NISA口座は1人1口座しか持てず、18歳以上の人はつみたてNISAまたは一般NISAの選択制になる。

2024年1月にはじまる新NISAでは併用できるようになる

一方で、2024年1月にはじまる新NISA(新しいNISA)では、つみたてNISAと一般NISAが併用できるようになる。

■新NISA(新しいNISA)の概要

  つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
非課税
保有期間
無期限 無期限
非課税保有
限度額
1,800万円
(うち、成長投資枠は1,200万円)
口座開設期間 恒久化 恒久化
投資可能商品 つみたてNISAと同様 一般NISAとほぼ同様
(※)
対象年齢 18歳以上 18歳以上
※レバナスや毎月分配型の投資信託などには投資できない
出典:金融庁|新しいNISA

つみたてNISA、一般NISAのどちらを選んでも、2024年以降は自動的に新NISA口座へ切り替わり、併用できる点では変わらない

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【年代別に比較】つみたてNISAと一般NISAのどっちが得?

つみたてNISAと一般NISAのどっちが得かは、年代によって異なる。つみたてNISAと一般NISAは併用できないため、今持っている金融資産からどれくらい投資に振り分けられるかを考えて、どちらを選ぶか決めてほしい。

この記事では、各年代ごとの金融資産保有額の中央値(データを大きい順に並べた時の真ん中の値)をもとに、どっちが得か判断している。

【年代別に比較】つみたてNISAと一般NISAのどっちが得?

■各年代の金融資産保有額の中央値(2022年)

  全世帯 金融資産
保有世帯
20代 20万円 110万円
30代 75万円 270万円
40代 53万円 374万円
50代 53万円 610万円
60代 300万円 950万円

20代~30代:つみたてNISA

金融資産が少ない20代~30代は、非課税保有期間が長いつみたてNISAのほうがお得だ。つみたてNISAは年間40万円と非課税枠は少ないが、そもそも年間40万円を埋められるだけの資産がない人は多い。

実際に、つみたてNISAを始めている20代、30代は、2023年3月末時点で合計300万人近くいるが、1人あたりの投資額は年間20万円程度しかない。

一般NISAでも1人あたりの投資額は20代で年間33万円程度、30代で年間45万円程度しかないので、年間40万円の投資枠があれば十分だ。つみたてNISAのほうが非課税保有期間が長い分、長期投資による非課税メリットは大きい。

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40代~60代:一般NISA

金融資産が増えてくる40代~60代は、非課税投資枠が大きい一般NISAのほうがお得だ。日本株や米国株に一括投資をすれば、5年の保有期間で有名企業でも株価が倍以上になる可能性がある。

5年間の積立投資で資産を倍にしようとすると年利26%以上にする必要があるが、直近5年間の利益率が年20%以上の投資信託は、つみたてNISAの対象商品のなかには存在しない

ある程度の資産があるなら、一般NISAを選ぼう。

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つみたてNISAと一般NISAにおすすめの証券会社

つみたてNISAと一般NISAにおすすめの証券会社は、以下の3社だ。

いずれも一般NISAでの日本株の取引手数料やつみたてNISAの購入手数料が無料で、クレカ積立(クレジットカード決済でおこなう投資信託の積立投資)によるポイント還元などのサービスが充実している。

NISA口座の開設におすすめの証券会社

SBI証券

SBI証券
(画像引用:SBI証券

■SBI証券のNISAの概要

取扱銘柄数
(つみたてNISA)
199本
取引手数料
(日本株)
無料
購入手数料
(単元未満株)
無料
売却手数料
(単元未満株)
0.55%
(最低55円)
IPO実績 92社
クレカ積立 東急カード
ポイント還元率
(クレカ積立)
0.5~5.0%
(Vポイント)
付与ポイント
(5種類から選択)
・Vポイント
・Tポイント
・Pontaポイント
・dポイント
・JALのマイル
※IPO実績は2022年度
参照:SBI証券
(2023年7月23日現在)

SBI証券は投信積立用の「かんたん積立 アプリ」があり、スマホからつみたてNISAを含む投資信託の積立注文ができる。

また、付与ポイントが5種類から選べるだけでなく、クレカ積立で貯まるVポイントと組み合わせれば2種類のポイントを貯めることも可能だ。投資信託の保有残高に応じて毎月ポイントがもらえるので、長期保有が前提になるつみたてNISAと相性がいい

一般NISAでは、単元未満株や海外ETF(米国、中国、韓国)の購入手数料が無料になる。取扱銘柄やIPOの実績も他の証券会社と比べて豊富なので、NISA口座をどこで開設したらいいか迷っている人はSBI証券がおすすめだ。

\スマホアプリで投信の積立注文が可能/

楽天証券

楽天証券
(画像引用:楽天証券

■楽天証券のNISAの概要

取扱銘柄数
(つみたてNISA)
193本
取引手数料
(日本株)
無料
購入手数料
(単元未満株)
0.22%
売却手数料
(単元未満株)
11円+0.22%
IPO実績 64社
(NISAで購入不可)
クレカ積立 楽天カード
ポイント還元率
(クレカ積立)
0.5~1.0%
付与ポイント 楽天ポイント
※IPO実績は2022年度、手数料はスプレッドを含む
参照:楽天証券
(2023年7月23日現在)

楽天証券は、楽天経済圏を利用している人におすすめだ。

クレカ積立のほか楽天キャッシュ(電子マネー)でも投信積立が可能になっており、いずれも楽天ポイントが貯まる。貯まった楽天ポイントは、つみたてNISAを含む投資信託だけでなく、日本株や米国株にも1ポイントから投資に使える。

新NISAが始まればつみたて投資枠が年間120万円(月10万円)になるため、クレカ積立と楽天キャッシュで投資枠をフル活用でき、より多くのポイントがもらえる。

楽天銀行との連携で普通預金金利が300万円まで0.1%になるなどの特典もあるので、楽天グループのサービスを利用する人は、楽天証券を選ぼう。

\楽天Gのサービス利用者におすすめ/

マネックス証券

マネックス証券
(画像引用:マネックス証券

■マネックス証券のNISAの概要

取扱銘柄数
(つみたてNISA)
169本
取引手数料
(日本株)
無料
購入手数料
(単元未満株)
無料
売却手数料
(単元未満株)
0.55%
(最低52円)
IPO実績 54社
クレカ積立 マネックスカード
ポイント還元率
(クレカ積立)
1.0~1.1%
付与ポイント マネックスポイント
※IPO実績は2022年度
参照:マネックス証券
(2023年7月23日現在)

マネックス証券は、クレカ積立のポイント還元率が最大1.1%と高い。

ポイント還元率の上限だけを見ればSBI証券のほうが高いが、SBI証券で1.1%を超えるポイント還元を受けようとすると、年会費3万3,000円以上のカードを使わなければいけない。

マネックス証券なら、年間1回利用すれば年会費無料のマネックスカードで1.1%のポイント還元が受けられる。貯まったマネックスポイントは、dポイントやアマゾンギフトカードなどの他社ポイントと交換できるので、使い道にも困らない。

一般NISAなら米国株の購入手数料が実質無料になり、購入時の為替手数料もかからないので、実質手数料無料で米国株投資が始められる。クレカ積立や米国株投資をお得に始めたいなら、マネックス証券がおすすめだ。

\クレカ積立のポイント還元率最大1.1%/

NISA口座開設後の区分変更(つみたてNISAと一般NISA)は可能

NISA口座を開設した後でも、2023年中に一度も取引がなければ、つみたてNISAと一般NISAの区分変更は可能だ。区分変更は、ネット証券なら書面なしで簡単にできる。

なお、他の金融機関にNISA口座がある場合、NISA口座の変更(乗り換え)が必要だ。区分変更と同様に2023年中に一度も取引していないことが条件になり、手続きには2週間前後かかる。

今年中にNISA口座の金融機関を変更する場合、9月末までに手続きを完了させなければいけない。他の金融機関からネット証券にNISA口座を変えたい人は、手続きを急ごう。

つみたてNISAと一般NISAについてよくある質問

つみたてNISAと一般NISAについてよくある質問をまとめた。

iDeCoとの併用は可能ですか?
iDeCoとつみたてNISAは、そもそも制度が違うので併用可能だ。

iDeCoは個人型確定拠出年金の愛称であり、原則60歳まで出金ができないかわりに、掛金の全額について所得控除が受けられ節税ができる。口座管理手数料や加入手数料はかかるものの、安定した収入がある人なら、所得控除による節税でつみたてNISAよりお得になる。

一方で、専業主婦(夫)などほとんど所得税、住民税を払っていない人の場合は、口座管理手数料や口座開設手数料が発生しないつみたてNISAのほうがお得だ。
非課税保有期間が経過したらどうなりますか?
非課税保有期間が経過した場合は、証券口座(課税口座)へ払い出される。つみたてNISAは2042年末、一般NISAは2027年末の株価または投資信託の価格(基準価額)で買ったものと税制上みなされる。

2042年末、2027年末の価格が平均購入価格より下がっていた場合、本来の価格より安く買ったことにされてしまい、元の金額に戻ってから売っても税金が発生する分損になってしまう。値動きの激しい商品を保有している場合は、非課税保有期間にこだわらずに売る判断も必要だ。
新NISAへ移行するときに手続きは必要ですか?
新NISAへ移行するときの手続きは不要だ。2023年中にNISA口座を開設しておけば、2024年には新NISA口座が自動的に開設される仕組みになっている。
元本割れしますか?
つみたてNISA、一般NISAどちらも元本割れはする。つみたてNISAの場合、対象商品になっている投資信託は全て株式を投資先に含んでいる。株価が下落すれば、それに伴って投資信託の価格(基準価額)も下がるため、一時的に元本割れをする可能性もあるだろう。

一方で、10年以上の長期間運用した場合、元本割れはなかったというデータもある。長期投資をすることで元本割れのリスクは抑えられるので、一時的に株価が下がって損をすることがあっても、慌てて売ることがないようにしよう。
どちらのほうが儲かりますか?
同じ投資額と利益率なら、非課税期間が長いつみたてNISAのほうが、非課税メリットが大きい分儲かる。

とはいえ、株に投資したい場合は一般NISAを選ぶしかない。投資先にこだわりがなく年間40万円までしか投資できないならつみたてNISAがおすすめだが、株を買いたいなら一般NISAを選ぼう。

少額から投資したい人はつみたてNISAがおすすめ

少額から投資を始めたいなら、つみたてNISAがおすすめだ。つみたてNISAは、少額を長期間積み立てて、将来へ向けた資産形成をするための制度だ。余裕資金がなく、できる限り手間をかけたくない人は、つみたてNISAで少額から投資を始めてみよう。

現行のつみたてNISAは2023年までの制度であるが、2024年1月になれば自動的に新NISA口座へ切り替わる。新NISAへ切り替えるときの手続きは一切不要で、新NISAの投資枠とは別に40万円の非課税投資枠が持てるので、2023年中につみたてNISAを開設して投資を始めるのがおすすめだ。

どこでつみたてNISAを始めようか迷っている人は、スマホアプリで簡単に積立注文ができるSBI証券を選ぼう。東急カードを持っている人なら、クレカ積立でVポイントを貯めることもできる。

\スマホ1台で投資が始められる/