【目次】
①️ニフティライフスタイルIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
- 会社名
- ニフティライフスタイル株式会社
- コード
- 4262
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 成田 隆志 / 1977年生
- 会社住所
- 東京都新宿区北新宿二丁目21番1号 新宿フロントタワー
- 設立年
- 2018年
- 社員数
- 57人(2021年10月31日現在)
- 事業内容
- WEBテクノロジーを活用し、生活を便利で豊かにする「行動支援サービス事業」
- URL
- https://niftylifestyle.co.jp/
- 資本金
- 100,000,000円 (2021年11月19日現在)
- 上場時発行済み株数
- 6,250,000株
- 公開株数
- 2,100,000株
- 連結会社
- 1社
- スケジュール
- 仮条件決定:2021/12/06→1,940~2,000円に決定
- ブックビルディング期間:2021/12/08 - 12/14
- 公開価格決定:2021/12/15→2,000円に決定
- 申込期間:2021/12/16 - 12/21
- 上場日:2021/12/24→初値1,800円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:みずほ証券
- 引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- ニフティ株式会社 97.19%
- 成田隆志 0.49%
- 広田朋美 0.37%
- 松澤尚樹 0.34%
- 野島亮司 0.34%
- 西慶一郎 0.16%
- 井口康弘 0.14%
- 伊藤清一 0.11%
- 守谷和俊 0.10%
- 深山達郎 0.10%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2019/03 単体実績
1,695,006 502,678 357,381 527,609 - 2020/03 連結実績
2,072,928 699,208 505,250 1,045,508 - 2021/03 連結実績
2,264,393 802,878 507,773 1,487,040 - 2021/09 第2四半期連結実績
1,235,769 417,116 267,250 1,754,291 - ロックアップ情報
- ニフティ株式会社は上場後180日目の2022年6月21日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×仮条件上限)
- 42億円(2,100,000株×2,000円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 144,500株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- ニフティライフスタイル株式会社<4262>は「行動支援プラットフォーム(ニフティ不動産、ニフティ求人、ニフティ温泉)」と「行動支援ソリューションサービス(DFO、オンライン内見)」を提供している。
ニフティ株式会社<未上場>の子会社であるが、ニフティ株式会社は株式会社ノジマ<7419>の子会社であり上場会社の孫会社のIPOとなる。
■沿革
同社の親会社はニフティ株式会社である。ニフティ株式会社は前身が1986年2月に設立され、1987年4月からパソコン通信サービスを開始した国内パソコン通信やインターネットサービスプロバイダー(ISP)の老舗企業である。
同社はニフティ株式会社から「ニフティ不動産」、「ニフティ求人」、「ニフティ温泉」などのサービス部門を切り出し、別会社(2018年2月に同社は設立)として運営がなされている。
尚、2017年4月に株式会社ノジマがニフティ株式会社の株式の100%を取得している。
■事業内容詳細
同社はライフスタイル領域において、ユーザー“一人ひとり”の行動を支援するための「行動支援サービス事業」を展開している。行動支援サービス事業は「行動支援プラットフォーム(ニフティ不動産、ニフティ求人、ニフティ温泉)」と「行動支援ソリューションサービス(DFO、オンライン内見)」で構成されている。
●行動支援プラットフォームサービス
行動支援プラットフォームサービスは、大手ポータルサイトの情報をまとめて比較検討できる一括検索型サービスや、自社編集による情報を取りそろえた独自型サービスを提供することで、一人ひとりのニーズに沿う情報収集や比較検討の行動支援を行っている。
ニフティ不動産(掲載物件数約1,400万件)、ニフティ求人(掲載求人数約260万件)、ニフティ温泉(掲載温浴施設数約15,000件)の各テーマに関して、大手情報ポータルや温浴施設等のクライアントと提携し大量の情報をまとめて掲載提供している(いずれも2021年9月末時点の掲載数)。
●行動支援ソリューションサービス
行動支援ソリューションサービスは、ユーザーと企業のハブとなり世の中の課題解決を実現する企業向けソリューションサービスである。
具体的には自社製品の最適な広告データを作成し、広告配信先に対して自動的に大量の自社商品データを出稿し、最適化を行うDFO(Data Feed Optimization)と、物件を訪問することなくオンライン経由で映像音声を活用してリアルタイムに会話をしながら内見や相談ができるオンライン内見サービスを提供している。
売上は、クライアント数×単価、の月額固定型となっている。
■2021年3月期主力取引先
2021年3月期 売上高23億円
・株式会社リクルート 11億円(割合48%)
株式会社リクルートの売上割合は2020年3月期45%、2021年3月期48%、2022年3月期Q2(累計)43%で推移しており、売上の約4割を占める主力取引先である。
2022年3月期Q2(累計)は株式会社LIFULLに対する売上高が1.5億円(割合12%)となり、株式会社リクルートに次ぐ売上先となった。
■業績推移
2019年3月期 売上高17億円、経常利益5.0億円、当期純利益3.6億円
2020年3月期 売上高21億円、経常利益7.0億円、当期純利益5.1億円
2021年3月期 売上高23億円、経常利益8.0億円、当期純利益5.1億円
2022年3月期(予想) 売上高27円、経常利益9.3億円、当期純利益6.0億円
※2020年3月期より連結決算
着実な増収を続けており、2021年3月期は売上高23億円、経常利益8.0億円となった。尚、売上高経常利益率は35%であり、高い利益率を誇っている。
2022年3月期も売上高27円、経常利益9.3億円の増収増益を予想する。売上高の85%は行動支援プラットフォームにより構成され、特にニフティ不動産が大きなシェアを占める見込みとなっている。2022年3月期Q2(累計)は売上高12億円、経常利益4.2億円であり、通期予想達成に向けた進捗は順調である。
■財務内容
2021年3月期末時点で資産合計21億円に対し純資産合計15億円、自己資本比率71%である。借入金なく現預金11億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。
のれん1.8億円、ソフトウェア1.5億円など無形固定資産3.3億円が計上されている。
■資金使途
IPOにより23億円の資金調達を行い、下記使途が予定されている。
・認知拡大・ブランティングのための広告宣伝費用 11億円
・優秀な人材確保のための人件費・採用費 4.5億円
・事業拡大のためのソフトウェア開発費用 7.0億円
調達資金は主要サービスの「ニフティ不動産」や他サービスの認知拡大と、ブランディングによるユーザー基盤や事業収益拡大を目指して広告宣伝費に約半数が充当される。
■株主構成
ニフティ株式会社が株式の97%を保有する親会社である。尚、ニフティ株式会社の親会社は株式会社ノジマ<7419>であり、同社は株式会社ノジマの孫会社となる。
成田社長は株式の0.5%(うち0.5%は潜在株式)を保有している。
■まとめ
「行動支援プラットフォーム(ニフティ不動産、ニフティ求人、ニフティ温泉)」と「行動支援ソリューションサービス(DFO、オンライン内見)」を提供する株式会社ノジマの孫会社のIPO案件である。
老舗ISPのニフティから「ニフティ不動産」、「ニフティ求人」、「ニフティ温泉」などのサービス部門が切り離され同社は2018年に設立された。2021年3月期は売上高23億円、経常利益8.0億円であり利益率の高いビジネス展開がなされており、2022年3月期は売上高27円、経常利益9.3億円までの業績拡大が予想されている。
既存サービスの拡大のみならず、20億円を超える調達資金を活用して新サービスの立ち上げなどで更なる成長を果たすことができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。 - IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
- 当社は、生活情報サイトの運営が主力。ライフスタイル領域において、ユーザー一人ひとりの行動を支援するための行動支援サービス事業を展開している。具体的には不動産サイトや求人サイト、温浴施設の情報サイトやスマートフォンアプリを運営しているほか、企業向けにはウェブテクノロジーを活用したソリューションを提供している。
上場市場は東証マザーズ。 株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が125億円、2022年3月期の業績予想ベースのPER 20.8倍となっている。上場当日の株価動向は、資金吸収額が約50億円とマザーズ銘柄としては大きいので、初値は前場の早い時間帯に付くと予想するが、個人投資家にわかりやすいビジネスモデルなので、同日上場の6銘柄の中では取組み安い銘柄となるかもしれない。
セカンダリー市場においては、親会社が家電量販店のノジマで、上場後も6割強の株式を保有するようなので、需給が大きく壊れることはないと考えられる。ビジネスモデルからすると来期も増収増益が見込めるので、公開価格にIPOディスカウントを加味した株価のPERで増益分だけ株価が上方に修正される可能性が高いとみる。また、今期に関しても、当社の売上には季節性があって、1-3月期が他の四半期の2倍近くの売上となるため、業績予想の上方修正もありかもしれないので、適時開示をよく見ておいた方が良いだろう。