メイホーホールディングスIPOレポート

【目次】
①️メイホーホールディングスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント(5/19追加)

会社名
株式会社メイホーホールディングス
コード
7369
市場
マザーズ
業種
サービス業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 尾松 豪紀 /1963年生
会社住所
岐阜県岐阜市吹上町六丁目 21 番
設立年
2017年
社員数
26人(2021年3月31日現在)
事業内容
建設コンサルタント業、補償コンサルタント業、測量業、地質調査業、 人材派遣事業、警備業、建設業、介護事業等を営む子会社等の経営管理およびこれに附帯する業務
URL
https://www.meihoholdings.co.jp/
資本金
100,000,000円 (2021年4月28日現在)
上場時発行済み株数
1,500,000株
公開株数
404,000株
連結会社
13社
スケジュール
仮条件決定:2021/05/17→1,710~2,080円に決定
ブックビルディング期間:2021/05/18 - 05/24
公開価格決定:2021/05/25→2,080円に決定
申込期間:2021/05/26 - 05/31
上場日:2021/06/02→初値4,630円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:東海東京証券
引受証券:野村證券
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
引受証券:安藤証券
引受証券:水戸証券
大株主
尾松豪紀 62.49%
河合清明 16.96%
藤原巧 8.60%
山本恭司 5.49%
尾松恵子 3.71%
大井昌彦 0.16%
東彰寿 0.16%
小森薫 0.16%
小島章裕 0.12%
遠藤哲郎 0.08%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2018/06 単体実績 
213,000 9,125 6,833 394,455
2019/06 連結実績 
4,691,489 262,566 126,652 518,138
2020/06 連結実績 
5,233,755 322,756 210,304 728,431
2020/12 第3四半期連結実績 
2,284,428 147,907 88,511 819,225
ロックアップ情報
尾松豪紀、河合清明、藤原巧、山本恭司、尾松恵子は上場後180日目の2021年11月28日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×仮条件上限)
8億4032万0000円(404,000株×2,080円)
潜在株数(ストックオプション)
38,500株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社メイホーホールディングス<7369>は建設関連事業、人材関連サービス事業、建設事業及び介護事業を主たる事業とする持株会社である。本社は岐阜市にある。
 

■同社について

同社グループ(以下、同社)は持株会社及び子会社13社(2021年3月末時点)により構成され、建設関連事業、人材関連サービス事業、建設事業及び介護事業を展開している。

尚、東北から九州までの各地域に加え、カンボジアに拠点を有している。
 

■沿革

同社の前身は1981年7月に設立された土木測量設計業務、施工管理業務を行う有限会社メイホーエンジニアリングである。現社長の尾松豪紀氏は2001年7月に社長に就任した。

その後、2006年6月有限会社アスカコンサルタント(建設関連サービス)、2007年9月第一コンサルタント株式会社(同)、2008年9月株式会社ユニバーサル(同)、2015年4月株式会社ソイルテクノス(建設事業)など、複数の企業買収を行うことで事業を拡大している。

また2017年2月に株式移転により株式会社メイホーホールディングスを設立し、持株会社制に移行した。
 

■事業内容詳細

同社は下記事業を手掛けている。

・建設関連サービス事業
国及び地方公共団体を主な顧客として、公共工事において交通量等の各種調査、公共工事の施工管理等の建設コンサルタント業務を提供している。

メイホーホールディングス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)
・人材関連サービス事業
ゼネコン、各種製造業、工場・学校等の施設や建設会社向けに、技術者派遣、製造業派、警備事業を行っている。またカンボジアにおいて、図面作成業務等をアウトソーシング先として受ける、海外アウトソーシング事業や技能実習生の送り出し事業を行っている。

メイホーホールディングス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)
・建設事業
国及び地方公共団体を主な顧客として、建設工事、国道維持管理工事などを中部エリア中心に展開している。

メイホーホールディングス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)
・介護事業
岐阜県4カ所、愛知県1カ所の通所介護施設を運営し、通所介護(送迎、入浴、食事、機能訓練等のデイサービス)、認知症対応型通所介護(認知症専用デイサービス)、居宅介護支援(ケアプラン作成)のサービスを提供している。

メイホーホールディングス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■2020年6月期部門別損益

2020年6月期 売上高52億円(対前年同期比12%増)、営業利益2.9億円(同23%増)
・建設関連サービス事業 売上高26億円(同2.7%増)、セグメント利益3.7億円(同▲7.2%減)
・人材関連サービス事業 売上高9.9億円(同3.5%増)、セグメント利益0.9億円(同15%増)
・建設事業 売上高11億円(同62%増)、セグメント利益1.0億円(前年同期▲0.5億円)
・介護事業 売上高5.6億円(同3.4%増)、セグメント利益0.7億円(同▲14%減)


建設関連サービス事業が全体売上高の約半数を占めている。また建設事業の比率も加えると建設関係で売上高の約7割が計上されている。また2020年6月期は建設事業が大幅な増収となり黒字化した。

新型コロナウイルス感染症の影響もあり介護事業が対前年同期比で減益となったが、いずれの事業も黒字である。
 

■業績推移

2018年6月期 売上高2.1億円、経常利益0.1億円、当期純利益0.1億円
2019年6月期 売上高47億円、経常利益2.6億円、当期純利益1.3億円
2020年6月期 売上高52億円、経常利益3.2億円、当期純利益2.1億円
2021年6月期Q3 売上高39億円、経常利益4.0億円、四半期純利益2.6億円
  ※2019年6月期より連結決算

着実な増収増益が続いており、2020年6月期は売上高50億円、経常利益3億円の大台を突破した。

2021年6月期は第3四半期(Q3:累計)で売上高39億円、経常利益4.0億円。Q3時点で既に2020年6月期の通期経常利益を上回っており、今期も増益は確実な状態である。
 

■財務状況

2020年6月期末時点で資産合計25億円、純資産合計7.3億円、自己資本比率29%である。借入金6.9億円に対し、現預金2.4億円を有している。資産合計のうちの最大科目は受取手形及び売掛金11億円である。

キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローが2019年6月期3.6億円、2020年6月期▲1.0億円であり、2020年6月期はマイナスとなった。売上債権の増加(▲3.5億円)が大きく影響している。
 

■資金使途

IPOにより6.2億円の資金調達を行い、下記使途を予定している。

・広告宣伝費 1.5億円
・人件費 1.0億円
・長期借入金の返済 2.6億円
・M&Aに係る調査・外注費等 0.3億円

調達資金の約半数は借入金の返済に充当される。

■株主構成 尾松社長が筆頭株主であり株式シェアの62%を有している。河合取締役が第2位株主であり株式シェアの17%を保有する。上位株主の役員2名で約8割の株式が保有されており、安定的な株主構成である。

個人中心の株主構成であり、投資ファンドや金融機関の株主参入はない。
 

■まとめ

岐阜市に本社を置く、建設関連事業、人材関連サービス事業、建設事業及び介護事業を主たる事業とする持株会社のIPO案件である。

建設関連事業を中心に様々な企業のM&Aを行うことで事業拡大を果たし、2020年6月期は売上高50億円、経常利益3億円の大台を突破するまでに成長した。今期はQ3時点で既に2020年3月期通期の経常利益を上回っている。

着実な成長を続ける中で、IPO後の成長のスピード感がどのようになるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、測量や建設コンサルタントなどの建設関連サービスを主力事業として、中部地方を中心に、建設関連サービス事業、人材関連サービス事業、建設事業、介護事業を展開している。

上場市場は東証マザーズ。株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が31億円、2021年6月期の業績予想ベースのPERが12.23倍となっている。業績の推移だけを見ると、ここ数年間は、増収増益基調にあり、成長性が高く見えるが、事業内容に目を向けると、それぞれの事業には目新しさはなく、営業力で売上を伸ばしている感が否めない。

上場当日の株価動向は、資金吸収額が10億円にも満たないことに加えて久しぶりのIPOということもあって需給はタイトになるものの、初値はお昼前後に付くのではないかと推測するが、上場当日に上値を追うような展開は難しいと考える。

セカンダリー市場においては、8月中旬の決算発表で来期の業績開示があり、大幅な増収増益となれば、増益分だけは株価はきり上がる可能性があるので決算発表には注意したい。また、既存の株主には180日間のロックアップがあるので、しばらくは需給が崩れることはなく、純粋に業績連動で株価が推移するものと考えられる。