【目次】
①️イメージ・マジックIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
- 会社名
- 株式会社イメージ・マジック
- コード
- 7793
- 市場
- マザーズ
- 業種
- その他製品
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 山川 誠 / 1966年生
- 会社住所
- 東京都文京区小石川一丁目3番11号
- 設立年
- 1995年
- 社員数
- 158人(2021年12月31日現在)
- 事業内容
- オンデマンドプリントプラットフォームの提供、オリジナルプリントグッズの販売および製造、IoT等を活用した製造に関するシステム及び関連機器の開発、販売およびコンサルティング
- URL
- https://imagemagic.jp/
- 資本金
- 98,500,000円 (2022年1月25日現在)
- 上場時発行済み株数
- 2,135,300株
- 公開株数
- 475,500株
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2022/02/08→1,640~1,740円に決定
- ブックビルディング期間:2022/02/10 - 02/17
- 公開価格決定:2022/02/18→1,740円に決定
- 申込期間:2022/02/21 - 02/25
- 上場日:2022/03/03→初値2,800円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:みずほ証券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:野村證券
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- (株)日本創発グループ 35.61%
- 山川誠 20.35%
- 京田諭 8.91%
- MSIVC2008V投資事業有限責任組合 6.83%
- 凸版印刷(株) 3.43%
- 坊野寛 3.43%
- (株)トランザクション 3.39%
- GMOペパボ(株) 3.39%
- キャブ(株) 2.65%
- (株)ポリ・テープ・ジャパン (株)プラスワンインターナショナル (株)エイエム 2.12%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2019/04 単体実績
2,066,501 6,030 13,753 258,597 - 2020/04 単体実績
2,842,818 106,326 85,878 462,876 - 2021/04 単体実績
4,330,335 221,090 152,792 590,701 - 2021/10 第2四半期単体実績
2,709,478 339,106 267,338 890,799 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2022年5月31日まで
または、上場後180日目の2022年8月29日までは普通株式の売却ができず(例外あり) - 調達額(公開株数×公開価格)
- 8億2737万円(475,500株×1,740円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 392,909株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社イメージ・マジック<7793>はインターネットを利用して行うアパレルや雑貨などへのオンデマンドプリントサービス及びオンデマンドプリントの仕組みをソリューション提供する企業である。
■事業内容詳細
オンデマンドプリントサービスとは、顧客がインターネットサイトを通じて入稿したデータを、受注から短納期で印刷加工し納品するサービスである。チームのTシャツや個人のギフト、法人のノベルティグッズなどオリジナル製品をプリント作成するニーズのみならず、インターネットでグッズ販売のビジネスを始めるクリエイターや、受注生産を行いたいアパレルメーカーなどのニーズに対応する。
同社はオンデマンドプリントサービスを“自社販売”と“パートナー企業からの受注”の2チャンネルで展開中である。
オンデマンドプリントサービスを展開するために、同社は小豆沢工場(東京都板橋区)、GPC工場(岐阜県多治見市)など6工場を有している。
●自社販売
同社は「オリジナルプリント.jp」を自社サービスとして運営している。Tシャツなどの衣料品やマグカップなどの雑貨を中心としたアイテムを仕入れ、エンドユーザーからの注文を直接受注し、印刷加工して納品している。約1,900種類のアイテムに対応できる国内最大級のサービスである。
●パートナー企業からの受注
パートナー企業からの受注は、パートナー企業から受注した製品に対し、プリント加工を行った上でパートナー企業に納品するサービスである。パートナー企業のサイトを利用するユーザーからの発注は、パートナー企業から同社へ転送され、同社がプリント加工を行った製品を直接ユーザーへ納品する流れとなる。
主なパートナー企業はオリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」を手掛けるGMOパペポ株式会社である。GMOパペポ株式会社に対し2021年4月期11億円の売上を計上しており、売上割合は25%となっている。
■ソリューション(ODPS)サービスについて
ソリューション(ODPS)サービスは、同社の生産管理ノウハウをクラウドサービスとして提供することが柱である。また同社がオンデマンドプリントサービスで培った生産・出荷プロセスにかかるハードウェアの販売も行っている。
ODPSを導入した顧客は、オンデマンドプリントの生産ラインを短期間で構築することができ、工数削減による効率的なオペレーションが可能である。
ソリューションにおいては、SaaS型のソフトウェア及びハードウェアの売上に加えて、システム開発受託及び保守による売上が計上される。
■業績推移
2019年4月期 売上高21億円、経常利益0億円、当期純利益0.1億円
2020年4月期 売上高28億円、経常利益1.1億円、当期純利益0.9億円
2021年4月期 売上高43億円、経常利益2.2億円、当期純利益1.5億円
2022年4月期(予想) 売上高53億円、経常利益4.3億円、当期純利益3.3億円
毎期着実な増収を続けてきたが、経常利益が1億円を突破したのは2020年4月期である。ただし2021年4月期は増収増益ペースが加速しており、売上高43億円、経常利益2.2億円となり経常利益は倍増した。
2022年4月期は売上高53億円、経常利益4.3億円の前期同様に大幅増益の予想としている。2022年4月期(Q2)は売上高27億円、経常利益3.4億円であり、通期予想の達成に向けた進捗は順調である。
■財務内容
2021年4月期末時点で資産合計19億円に対し純資産合計5.9億円、自己資本比率30%である。借入金5.6億円に対し現預金5.7億円を有している。
6工場を有するものの有形固定資産合計は6.4億円に留まる。現預金5.7億円、売掛金3.5億円などの流動資産合計12億円となっている。
キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローが2020年4月期2.3億円、2021年4月期3.6億円となっている。減価償却費(2020年4月期1.2億円、2021年4月期1.8億円)により営業活動によるキャッシュ・フローは押し上げられている。
■資金使途
IPOにより3.7億円の資金調達を行い、下記使途が予定されている。
・オンデマンドプリントの機械設備購入資金 1.0億円
・社内業務効率の向上を目的とした基幹システム開発資金 1.0億円
・システム開発エンジニアを中心とした人材採用にかかる費用 1.0億円
・知名度向上並びに顧客基盤の拡大を目的とした宣伝広告費 0.7億円
調達資金は設備投資・基幹システム開発・人材採用費・宣伝広告費にバランスよく投じられる。
公募170,000株、売出305,500株であり売出が多数のIPOである。売出は事業会社株主の株式会社日本創発グループ<7814>及びVC保有株などで行われる。
■株主構成
筆頭株主はオンデマンド印刷などを手掛ける株式会社日本創発グループであり株式の36%を保有する。また凸版印刷株式会社も第5位株主(株式シェア3.4%)である。
山川社長は第2位株主(同20%、うち9.9%は潜在株式)である。
パートナー企業であるGMOパペポ株式会社が株主参入(同3.4%)しており、また取引先も多数株主参入している。
VCは第4位株主(同6.8%)としてMSIVC2008V投資事業有限責任組合が株主参入している。
■まとめ
インターネットを利用して行うアパレルや雑貨などへのオンデマンドプリントサービス及びオンデマンドプリントの仕組みをソリューション提供する企業のIPO案件である。自社で工場を有してオンデマンドプリントサービスを提供している。
インターネットでのグッズ販売ビジネスを始めるクリエイターなどの増加を背景に業績を伸ばしている。2020年4月期の売上高28億円、経常利益1.1億円から2021年4月期は売上高43億円、経常利益2.2億円に成長を果たした。2022年4月期は増収増益の売上高53億円、経常利益4.3億円の予想であるが順調に進捗している。
2021年4月期から利益成長を開始しているもののIPO後も同様の成長を続けることができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる - IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
- 当社は、オンデマンドプリントプラットフォームの提供、オリジナルプリントグッズの販売及び製造、IoT等を活用した製造に関するシステム及び関連機器の開発、販売及びコンサルティング事業を展開している。上場市場は東証マザーズ。
株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が37億円、2022年4月期の業績予想ベースのPER 11.2倍となっている。上場当日の株価動向は、資金吸収額が10億円弱と少額ではあるが、事業の成長性にやや見劣りするところがあって、想定発行価格1840円に仮条件が届かなかったことから、個人投資家の人気も高まらないと見る。初値は公開価格を上回るものの、初値が付いた後に強烈に買われることはないと推測するので、株価を追いかけるような買い方は禁物であると考えておきたい。
セカンダリー市場においては、4月決算の発表が6月となり、今期の着地と来期の見通しを比較して目に見えるような増益率であれば、株価は増益率程度は動くと見てもよいが、上場後の株価のパフォーマンスが、公開価格よりも下で推移するようなことがあると、決算が多少良くても、やれやれの売りが出てきて、株価が動かない可能性もあるので、そこには気を付けた方が良いだろう。