【目次】
①️コンフィデンスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
- 会社名
- 株式会社コンフィデンス
- コード
- 7374
- 市場
- マザーズ
- 業種
- サービス業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 澤岻 宣之 / 1971年生
- 会社住所
- 東京都新宿区新宿二丁目5番10号
- 設立年
- 2014年
- 社員数
- 729人(2021年4月30日現在)
- 事業内容
- ゲーム・エンターテイメント業界向け人材派遣・人材紹介・受託事業及びメディア事業
- URL
- https://confidence-inc.jp/
- 資本金
- 257,500,000円 (2021年5月24日現在)
- 上場時発行済み株数
- 4,560,000株
- 公開株数
- 540,000株
- 連結会社
- 1社
- スケジュール
- 仮条件決定:2021/06/08→1,680~1,760円に決定
- ブックビルディング期間:2021/06/10 - 06/16
- 公開価格決定:2021/06/17→1,760円に決定
- 申込期間:2021/06/18 - 06/23
- 上場日:2021/06/28→初値2,911円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:みずほ証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:エース証券
- 大株主
- (株)アミューズキャピタルインベストメント 34.81%
- (株)アミューズキャピタル 17.67%
- 中山隼雄 17.14%
- SBI Ventures Two(株) 8.79%
- 木村重晴 5.23%
- 澤岻宣之 1.67%
- 吉川拓朗 1.45%
- 中村俊一 1.05%
- 泉水敬 1.05%
- 鎌田和彦 有馬誠 0.88%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2018/03 単体実績
1,140,524 79,341 24,912 165,798 - 2019/03 連結実績
2,004,989 131,630 59,383 585,822 - 2020/03 連結実績
2,604,492 331,687 -282,974 293,515 - 2020/12 第3四半期連結実績
2,590,105 478,986 320,305 558,150 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2021年9月25日まで
または、上場後180日目の2021年12月24日までは普通株式の売却ができず(例外あり) - 調達額(公開株数×仮条件上限)
- 9億5040万0000円(540,000株×1,760円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 279,800株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社コンフィデンス<7374>はゲーム業界向けの人材事業及び女性向け情報サイト運営を行う企業である。
株式会社セガ・エンタープライゼス元社長の中山隼雄氏及び自身が会長を務める株式会社アミューズキャピタルなどで約7割の株式が保有されている。
■事業内容詳細
同社は下記2事業を手掛けている。
・人材事業
・メディア事業
●人材事業
人材事業では、主にゲーム業界の会社をクライアント(2021年3月時点の取引実績累計182社)に人材派遣事業を行っており、2021年3月時点で620名の同社社員のクリエイターを派遣契約に基づき派遣している。クライアントニーズに合わせてエントリーレベルから業界での経験豊富な経験者まで幅広いレベルのクリエイターを採用することで、配属社数を増加させている(2019年3月時点345名、2020年3月時点494名、2021年3月時点620名)。
また人材紹介及びクライアントのゲーム開発及び運営のうち、外部委託可能な業務を同社が引き受ける受託も行っている。 - (画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)
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●メディア事業
メディア事業では、女性向け情報サイト「Lovely」の運営・管理を行っており、女性向けにファッションや美容に関する解説記事などをユーザーに提供している。主にアドネットワーク事業者を通じて募集した広告主が提供する商材について広告を掲載し、ユーザーに配信することで広告収入を得ている。2020年3月期の「Lovely」の月間平均ページービューは1,368万ページビュー(対前年同期比6.5%増)である。
また2021年4月より占いサイト「Plush」の運営・管理も開始している。 - (画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)
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■今後について
今後は主力事業の人材派遣事業については、ゲーム業界のクライアントを深耕するとともに、周辺のWeb・エンターテイメント領域にターゲットの拡大を考えている。またフリーランス・マッチング等の新たなサービスに参入することで、クライアントの人材ニーズに合わせてサービス提供を行う予定である。
またメディア事業では人材事業とメディア事業のシナジー効果を発揮するため、メディア事業の集客ノウハウを利用して、潜在的に転職を希望する人材を集めるためのオウンドメディアの立ち上げを検討している。
■2020年3月期セグメント利益
2020年3月期 売上高26億円(対前年同期比30%増)、営業利益3.4億円(同93%増)
・人材事業 売上高25億円(同30%増)、セグメント利益6.0億円(同56%増)
・メディア事業 売上高1.5億円(同36%増)、セグメント利益0.2億円(前年同期▲0.2億円)
売上高の9割以上は人材事業から計上されているが、メディア事業も2020年3月期は黒字化した。また2020年3月期はいずれも対前年同期比で増収も果たしている。
- (画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)
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■業績推移
2018年3月期 売上高11億円、経常利益0.8億円、当期純利益0.2億円
2019年3月期 売上高20億円、経常利益1.3億円、当期純利益0.6億円
2020年3月期 売上高26億円、経常利益3.3億円、当期純利益▲2.8億円
2021年3月期(未監査) 売上高36億円、経常利益6.0億円、当期純利益4.0億円
2022年3月期(予想) 売上高44億円、経常利益7.2億円、当期純利益5.0億円
増収増益を続けており2020年3月期は経常利益3億円を超えた。2021年3月期は未監査ながら、経常利益は6億円に到達している。尚、2020年3月期は買収した子会社の減損(▲4.6億円)を行い当期純利益は▲2.8億円の赤字となった。
2022年3月期も増収増益を予想しており、経常利益は7億円台に到達の予想である。
尚、2020年3月期決算が公開申請決算期であり、期越え決算でのIPOとなっている。
■財務状況
2020年3月期末時点で資産合計11億円に対し純資産合計2.9億円、自己資本比率27%である。借入金2.9億円に対し現預金6.1億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。
資産合計のうち流動資産が9.6億円であり、資産の殆どが流動資産により構成されている。
尚、2021年3月期末時点では資産合計16億円、純資産合計6.4億円、自己資本比率41%となっている。
■資金使途
IPOにより4.5億円の資金調達を行い、下記使途を予定している。
・大阪や福岡への新規拠点開設費用 0.9億円
・事業拡大のための人材採用費及び人件費 3.0億円
・自社で運営する求人メディアに係る初期投資 0.6億円
調達資金の半数以上は事業拡大に向けての人材採用費及び人件費に充当される。
■株主構成
株式会社セガ・エンタープライゼス元社長の中山隼雄氏が会長を務める株式会社アミューズキャピタルが第2位株主(株式シェア18%)。筆頭株主の株式会社アミューズキャピタルインベストメント(同35%)は株式会社アミューズキャピタルの関連会社。また中山隼雄氏は個人でも第3位株主(同17%)である。中山氏の関係先で株式シェア約7割が有されている。
VCとしてSBI Ventures Two株式会社が第4位株主(同8.8%)となっている。
■まとめ
ゲーム業界向けの人材事業及び女性向け情報サイト運営を行う企業のIPO案件である。株式会社セガ・エンタープライゼス元社長の中山隼雄氏の関係先で株式の約7割が保有されている。
スマートフォン向けのオンラインゲーム市場の拡大を背景にゲームクリエイターの人材ニーズが拡大しており、同社の人材派遣人数も増え成長が続いている。2021年3月期は経常利益6億円に到達した。今後も市場の成長は続くと予想されており、同社の成長も期待できる。
IPOによる調達資金を活用するなどして成長を加速させることができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。また今後の人材事業とメディア事業のシナジー効果の発揮も注目される。 - IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
- 当社は、ゲーム・エンターテイメント業界向け人材派遣・人材紹介・受託事業及びメディア事業を展開する。セガの元社長の中山隼雄氏の会社が大株主。上場市場は東証マザーズ。株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が80億円、2022年3月期の業績予想ベースPERが16.11倍となっている。
上場当日の株価動向は、資金吸収額が10億円程度なので、需給は強いと考えられ、同日上場の銘柄も他にない為、個人投資家の買い意欲は強く初値は後場まで持ち越されると考える。大株主にアミューズキャピタルインベストメント、アミューズキャピタルが入っていて、いかにもすぐに売りそうなVCに見えるが、オーナーの中山氏の会社であり、当社がゲーム業界を相手にしたビジネスを継続する限り早々売却はないと考えられる。
上場直後のラリーの後のセカンダリーマーケットにおいては、業績予想の変動がない限り動きは鈍そうだが、今期の業績予想は売上の伸びの割には利益が伸びていないことから保守的に開示されている可能性があるので、第二四半期開示あたりに業績が上振れてくる可能性があり、株価が動くとすれば、そのあたりがひとつのタイミングとなりそうだ。