新たに上場する企業の株式を購入できるIPO投資は、初値が公募価格を上回るケースが多いことから、高い人気を誇る投資方法です。
これからIPO投資にチャレンジするにあたり、「どの証券会社がIPOに強いのかわからない」「SBI証券のIPOの充実具合やサービスの特徴を知りたい」といった疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、IPOの概要を解説すると共に、SBI証券のIPOの特徴や申し込み方法について紹介します。
IPOとはそもそも何か
IPOとは、「InitialPublicOffering」の頭文字をとった略語で、「新規公開株」や「新規上場株式」を意味する言葉です。未上場企業が株式を証券取引所に上場させ、一般の投資家へ向けて売り出す行為を指します。
IPOには、「公募増資」という新株を発行して株式市場から資金調達する方法や、「売出し」という株式を市場に放出する方法があります。
企業がIPOを実施する目的は、株式市場から資金調達するためです。証券取引所に上場することで、より多くの投資家の目に留まるようになり、会社の知名度が向上するというメリットがあります。また、知名度向上によって優秀な人材の確保も期待できるでしょう。
投資家側のメリットとしては、成長に期待できる企業の株式を上場段階から購入できる点がIPOのメリットです。
ただし、IPOは誰でも購入できるわけではなく、一般的には抽選によって分配されます。ブックビルディングと呼ばれる需要申告の際に、仮の発行条件が投資家に提示され、投資家の需要を調査してから公募価格を決定します。
IPOに当選すれば公募価格で株式を購入し、上場初日の初値との差額で利益を出すことも可能です。
SBI証券のIPOの特徴
IPOを取り扱っている証券会社は数多くあり、どの証券会社を使ってIPOに挑むべきか、悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。ここからは、SBI証券のIPOならではの特徴について見ていきましょう。
取扱い銘柄数が業界でトップ
IPOは、証券会社によって取り扱っている本数が異なります。その中でSBI証券は業界トップクラスの取扱い銘柄数であり、2021年度には117社を取り扱いました。その年の国内新規上場企業は全部で120社であったため、9割以上の関与率です。
取扱い本数が多いということは、それだけIPOに申し込めるチャンスも多いということです。他の証券会社と比較してみましょう。
■証券会社別IPO取扱い銘柄数(2021年度実績)
SBI証券 | 日興証券 | みずほ証券 | 楽天証券 | 野村証券 | |
---|---|---|---|---|---|
IPO取扱い銘柄数 | 117 | 76 | 75 | 70 | 62 |
申込回数に応じて当選確率が上がる
利益が得やすいことから人気の高いIPOですが、購入希望者が多ければ抽選となってしまうため、すべての希望者が株式を購入できるわけではありません。
抽選方法は、証券会社によってさまざまです。楽天証券やみずほ証券などは完全平等抽選であり、すべての人にチャンスが与えられています。ただし、運が悪ければいつまで経っても当選できない可能性もあるということです。
それに対してSBI証券には、「IPOチャレンジポイント」という独自のポイント制度が存在します。抽選に外れた場合はポイントが付与され、別の抽選時に使用すると当選確率が高まる仕組みです。
こうした抽選確率が高まるサービスがあるのも、SBI証券ならではの魅力といえるでしょう。
メールによる通知で当選見逃しを防止してもらえる
IPOは、抽選開始と当選発表の間にタイムラグがあります。そのため、抽選に当選していたにもかかわらず、確認し忘れて株式を購入できなかったというケースも珍しくありません。
そこでSBI証券では、「IPO当選、補欠当選通知メールサービス」というサービスを用意しています。本サービスは、事前にメールアドレスを登録しておくことで、当選や補欠当選の結果をメールで連絡してもらえるサービスです。
本サービスを利用しておけば、仮にマイページにアクセスするのを忘れていても、当選を見逃すリスクを抑えられます。こうした顧客目線のきめ細やかなサービスも、SBI証券が人気を誇る理由のひとつといえるでしょう。
2021年度のIPO実績
2021年度、全体で120のIPO銘柄が公開されました。そのうち、初値が公募価格を上回ったのは93銘柄で、77.5%の銘柄が公募価格より上昇した実績があります。上昇率の平均は+42.7%となっており、平均初値は公募価格の1.7倍です。
2021年度に最も上昇率が高かったIPO銘柄は、サイバートラスト <4498> でした。公募価格が1,660円に対して、初値が6,900円となっており、その上昇率は315.7%です。
例えばサイバートラストの株式を公募価格で100株購入した場合、166,000円が690,000円に上昇したことになります。なお、2020年度にSBI証券が取り扱ったIPO銘柄は85件、2019年度は84件でした。
SBI証券でIPOを申し込む方法
ここからは、実際にSBI証券でIPOを申し込む方法について見ていきましょう。
ブックビルディング申し込み
ブックビルディングとは、株式の需要予測をするために購入希望者から価格や希望株式を募り、適正な発行価格を決定するための制度のことです。
IPOの申し込みは、ブックビルディングの申し込みからスタートします。購入を希望する銘柄のブックビルディング申し込み画面を表示し、希望する株数と金額を指定したうえで申し込みましょう。
買付余力の確認
SBI証券で抽選に参加するためには、発行価格×有効申込株数以上の買付余力を持っておく必要があります。買付余力の確認は発行価格決定日の18時以降に行われるため、それまでに忘れず入金しておきましょう。
発行価格の決定日と抽選
ブックビルディングによって申し込まれた値段をもとに発行価格が決定され、発行価格×有効申込株数以上の買付余力がある人を対象に抽選が行われます。
ブックビルディングに申し込んでいなかったり、買付余力が下回っていたりした場合は、抽選対象外となってしまうためご注意ください。
抽選結果を受け取る
抽選結果は、マイページの「取引>国内株式>新規上場公募増資、売出」画面で確認できます。「当選」「補欠当選」「落選」「抽選対象外」のいずれかが表示され、当選や補欠当選の場合は次のステップに進みます。
当選したら購入の意思表示をする
見事当選し、そのまま購入したいと思った場合は、抽選結果画面の購入意思表示欄に「購入」のボタンが表示されるので、クリックして手続きします。
購入の意思表示には期限が設けられています。期限を過ぎてしまうと当選が無効となってしまうため、忘れず手続きを済ませましょう。
預かり残高に買付金を差し引いた金額が反映
購入手続きが完了すると、意思表示期限の翌日以降のマイページ「口座管理>口座(円貨)>保有証券」の画面に、預り残高が反映されます。ここに購入した株式が反映されていれば、無事購入手続きが完了しているということです。
上場日を迎える
上場日を迎えると、IPOによって購入した株式を取引所で取引できるようになります。通常であれば、上場日前営業日の翌日午前4時頃から注文可能です。
SBI証券はIPO実績が豊富な他チャレンジポイントで有利に抽選できる
SBI証券は、数ある証券会社の中でも屈指のIPO取扱い銘柄数を誇っているため、IPOの抽選に参加したい場合には、選択肢のひとつとして検討しておきたい証券会社といえます。
加えてSBI証券には、抽選に外れることで次回以降の抽選確率を高められる「IPOチャレンジポイント」や、当選の見逃しを防ぐ「IPO当選、補欠当選通知メールサービス」といった各種サービスが充実しているのも魅力です。
IPO投資を目的として証券会社を選ぶ際は、ぜひSBI証券の利用を検討してみてください。
SBI証券のIPOに関するQ&A
最後に、SBI証券のIPOに関連する質問に対して回答していきます。
- IPOチャレンジポイントはどう貯まる?
- SBI証券で導入されているIPOチャレンジポイントは、新規上場株式のブックビルディング後の抽選や配分に外れてしまった場合に加算されるポイントです。外れた回数分だけポイントが貯まっていきます。
ポイントは、改めて他のIPOに申し込む際に使用可能です。ポイントを使用すればIPOに当選する可能性が高まります。
なお、IPOチャレンジポイントの数は、マイページの「新規上場株式ブックビルディング、購入意思表示」画面から確認できます。
- IPOチャレンジポイントの減り方は?
- ブックビルディングの申し込み時に使用したIPOチャレンジポイントは、当選すると消失します。
一方、ポイントを使用して当選しなかった場合は、使用ポイントに1ポイント加えられた数が戻ってくる仕組みです。
IPOに当選しない限りポイントは減らないため、安心してチャレンジポイントを利用してみましょう。
- IPOのメリットは何?
- IPOは初値が公募価格を上回るケースが多いため、一般的な株式投資よりも利益が出しやすいと言われています。また、ブックビルディングから株式上場までは2週間程度なので、短期間で結果が出せる点もメリットといえるでしょう。
さらに、今後の成長が期待できる企業に早期から投資できるため、将来的な値上がりにも期待が持てます。抽選に当選しなければならないというハードルはありますが、チャレンジする価値のある投資方法のひとつです。
- IPOのデメリットは何?
- IPOは人気が高く、競争倍率が高いため、当選するのは容易ではありません。その点をデメリットに感じる人もいるでしょう。
また、公募価格を初値が上回ることで利益が得られるIPOですが、必ずしも初値が上昇するわけではありません。
中には公募価格より初値が低くなる銘柄もあるため、損失を被る可能性もゼロではありません。IPO投資にチャレンジする際は、リスクもあることを覚えておきましょう。
- SBI証券でIPOを行う場合は手数料はかかる?
- SBI証券でIPOを取引する場合、買付時の手数料はかかりません。ブックビルディングに当選し、購入する意思を表明すると、公募価格で新規上場株式を購入できます。
ただし、手数料は発生しませんが、SBI証券の場合は抽選への参加時に買付余力の確認があります。あらかじめ発行価格×有効申込株数以上の買付可能額を入金しておく必要があるため、ご注意ください。