(画像:NET MONEY編集部)

取引開始からわずか1ヶ月で、市場価格があの仮想通貨の王者ビットコインに並ぶ仮想通貨銘柄が現れ、大きな注目を浴びるようになったのが「YFI」です。

なぜそこまで注目されるようになったのか?そして、YFIとはどういったものなのか。この記事では仮想通貨YFIについて、仕組みやYFIの課題まで詳しく解説していきます。

  1. YFIとは?
  2. yearn.financeとは?
  3. yearn.financeの仕組み
  4. YFIとは
  5. YFIの現在の価格
  6. これまでのYFIの価格推移
  7. YFIが注目される理由
    1. yearn.financeが完全な分散型金融を確立している
    2. YFIの発行上限がきわめて少ない
    3. DeFiレンディングの注目度はますます高くなる見通し
    4. アンドレ・コロンジュ氏の知名度
  8. YFIが抱える課題
  9. YFIについてのまとめ

YFIとは?

yearn.finance(YFI)まとめ表
通貨名 yearn.finance
シンボル YFI
取り扱い取引所 Binance, OKExなど
現在の価格(12/23現在) 1YFI=3,688,870.20円
時価総額(12/23現在) 135,303,151,406円
発行上限枚数 36,666 YFI
時価総額ランキング(12/23現在) 83位
公式サイト yearn.financeの公式サイト

「YFI」はyearn.finance(ヤーン・ファイナンス)というプロトコルで発行され、ガバナンストークンとして使用されている仮想通貨のことです。これだけだと専門用語だらけでよくわからない方が多いと思いますので、当記事では順に一つずつ解説していきます。

最初の時点で知っておいていただきたいのは、YFIが仮想通貨の一種であり、仮想通貨取引所でも売買されていること、そしてYFIの発行元となっているyearn.financeの有用性が高いと見なされて注目度が高まるにつれてYFIの価格も上昇しているという事実です。

それを踏まえて、YFIおよびyearn.financeについて解説を進めていきたいと思います。

2021年12月現在、YFIを取り扱っている国内取引所はありません
その場合、Binance(バイナンス)やOKEx(オーケーイーエックス)などの海外取引所を利用することになりますが、ほとんどの海外取引所では日本円が使用できないため、一度国内の取引所を経由する必要があります。

yearn.financeの購入手順
  1. 国内取引所でビットコイン(BTC)などの仮想通貨を購入する。
  2. 海外取引所に仮想通貨を送金する。
  3. 送金した仮想通貨でYFIを購入する。

国内の仮想通貨取引所はCoincheck(コインチェック)がおすすめ。
取扱通貨数が17銘柄と国内最多で、取引手数料も無料なため、気軽に売買することができます。シンプルなデザインで初心者でも使いやすく、2021年3月にはNFTマーケットプレイスをリリースするなど仮想通貨の売買に慣れた方でも満足できる取引所です。

コインチェック
(画像=コインチェック公式HPより)

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yearn.financeとは?

YFIの特徴を語る前にyearn.financeについて解説していきましょう。

yearn.financeは仮想通貨投資におけるレンディング(仮想通貨の貸し出しによって利益を狙うことができるサービス)のプロトコルから、最適なものを自動的に選んで投資をしてくれるサービスです。仮想通貨取引所やDeFi(分散型金融システム)で提供されているさまざまなサービスの中から有利なものを選ぶことを助けてくれるのです。

coincheck

yearn.financeが誕生した背景には、仮想通貨による運用方法の多様化があります。仮想通貨を預けたり、貸し付けることで利回りが得られるサービスは急増しており、手作業で調べて良いものを選ぶことが難しくなってきました。それを自動化するための仕組みとしてこのサービスが生み出されたのです。

yearn.financeにはメインの機能以外にも多くの機能がありますが、ほとんどの利用者が当初の誕生のきっかけとなった「最適な投資先を見つける」機能「Valuts」狙いで利用しています。

yearn.financeの仕組み

次に、yearn.financeの主機能といってもよいほど重要な、「Valuts」について解説します。

yearn.financeの画面で「Valuts」をタップすると、以下のように投資が可能なたくさんのプランが表示されます。

yearn.finance, 管理画面

(YFI公式サイトより)

投資家はその中から好みのものを選択すると詳細が表示され、その資金の運用方法や戦略などを見て資金の預け先を決めます

すでに仮想通貨は売買をして差益を狙うキャピタルゲインだけではなく、仮想通貨を運用して収益を狙うインカムゲインが広く浸透しつつあります。yearn.financeはそんな仮想通貨のインカムゲインを狙うためにとても有益なツールとなります。

YFIとは

そしてYFIは、そのyearn.financeのガバナンストークンです。ガバナンストークンというのはそのサービス元から発行される基軸通貨のようなもので、「ガバナンス=統治」という言葉が入っているのは、そのトークンを持っている人に参加権があるからです。

公式サイトには、「Gov」というメニュー項目があります。これはyearn.financeの運営に関するフォーラムのページで、以下のようにさまざまな議題があり、投票を受け付けています。

YFI

(YFI公式サイトより)

ガバナンストークンであるYFIを所有している人は、ここで議決に参加することができます。

YFIの現在の価格

YFIは2022年2月時点で、おおむね3万ドル弱台で推移しています。次項で詳しく紹介しますが、YFIは対ドルで10万ドル近い最高値をつけた後は価格が落ち着き、2021年後半は2万4000ドル台と4万4000ドル台の間でレンジ相場を形成していました。

coincheck

ただ、レンジといってもその価格幅は2万ドル(220万円相当)もあるので、ビットコインのような相場展開となっています。

これまでのYFIの価格推移

すでに多くのユーザーから支持されているyearn.financeなので、そのガバナンストークンであるYFIの売買でも利益を狙うことができます。それでは、YFIの価格推移を見てみましょう。

何度か天井をつけながら上値を切り上げ続け、2021年5月には最高値である9万6,000ドル台をつけました。日本円にして1,000万円以上の価格なので、YFIがいかに強い上昇を見せたかがわかります。

2021年2月には、yearn.financeにネガティヴなニュースがありました。一部で不正があったことが明らかになり、YFIにとってもマイナスイメージが波及することが懸念されました。仮想通貨の値動きは激しいので、当然YFIは大暴落すると見られていましたが、実際にはそこまで大きく値を落とすことはなく、相場はすぐに平常を取り戻しました。先ほどのチャートを見ても、2021年2月頃は上下を繰り返しながらも上昇トレンドが継続していることがわかります。

その後に起きた2021年5月の高騰は、yearn.financeと関わりの深いDeFiへの注目度が高くなり、そのDeFi関連投資の支援ツールとして注目されるようになったことが追い風になったといわれています。

coincheck

現在は価格が落ち着き、2022年は先ほど述べたようなレンジ相場が続いています。これで上場時から比べるとおよそ10倍以上なので、YFIの強さは依然として失われていません。

YFIが注目される理由

YFIはyearn.financeから生まれたトークンなので、注目される理由もすべてyearn.financeと一心同体です。他にもyearn.financeと似たサービスを提供するプロトコルはあるにもかかわらず、なぜYFIだけが仮想通貨の王者であるビットコインに並ぶような価格高騰をしているのでしょうか。考えられる理由を列挙してみました。

yearn.financeが完全な分散型金融を確立している

yearn.financeはDeFiの一種で、その中でも知名度がとても高いサービスです。他にも同様のサービスはありますが、その中でyearn.financeが高い支持を集めているのは、その運営方針にあります。

数あるDefiのプラットフォームの中でもyearn.financeは純粋な分散型ネットワークとして誕生し、運営されています。これはビットコインが誕生したとき以来のものだとの声も多く、開発者がyearn.financeに関する管理をすべて放棄していることも目を引きます。

coincheck

これを平たく言えば、YFIについて「ビットコイン以来の仮想通貨が誕生したかも」との解釈をしている投資家が多いということです。

YFIの発行上限がきわめて少ない

仮想通貨に限らず、通貨や金融商品の価格は需給で決まるのが鉄則です。YFIは発行枚数がとても少なく、そのことも価格高騰の一因となっています。発行上限は3万6,666枚と定められており、ビットコインの発行上限である2,100万枚と比較しても明らかな違いがあります。

もちろんこのことは投資家も把握しているので、希少性の高さゆえに今のうちに所有しておきたいとの思惑が価格を押し上げていることは十分考えられるでしょう。

DeFiレンディングの注目度はますます高くなる見通し

yearn.financeの「主戦場」であるDeFiレンディングは、注目度がどんどん高くなっている新しい投資分野です。DeFiが分散型の金融システムである点に技術的な革新性があることに加えて、今後さらにDeFiレンディングの市場が拡大していくのは間違いないとの思惑が支配的になっています。

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こうした思惑が広がると買いが買いを呼ぶ展開になりやすく、何度か起きたYFIの高騰にもこうした思惑は一役買っています。

アンドレ・コロンジュ氏の知名度

先ほどyearn.financeの開発者について少し触れました。このyearn.financeの開発者はアンドレ・コロンジュという人物で、DeFiの世界では知らない人はいないほど有名な人となりました。その有名人が手がけ、創設されたのがyearn.financeです。そのため、yearn.financeとアンドレ・コロンジュ氏はイコールのような存在として見なされている感があります。

アンドレ・コロンジュ氏の一挙手一投足がYFI相場にも影響を与えており、同氏がさらに新しい仕掛けを世に送り出すことで、さらにYFIに買い圧力が強まるかもしれません。

YFIが抱える課題

価格上昇の要因がとても多く、将来性も抜群であるように見えるYFIとyearn.finance ですが、もちろん課題もあります。

多くの業界関係者から指摘されているのは、yearn.financeのイメージを一身に背負っているアンドレ・コロンジュ氏の動向です。同氏がyearn.financeについて何かネガティブなコメントを発したり、このプロジェクトから手を引くようなことがあれば、YFIの価格にも下落圧力がかかるかもしれません。これほどまでに属人的になっていることは、YFIの大きな課題といえます。

coincheck

投資家目線、特に仮想通貨初心者目線で考えた時には、やはりその存在の難しさや敷居の高さが課題となり得ます。ここまで魅力を述べてきたYFIですが、日本国内の仮想通貨取引所には上場しておらず、取引所で購入することはできません。YFIを購入するには国内の取引所でビットコインなど別の仮想通貨を購入し、それを使って海外の取引所でYFIに交換する手順が必要になります。

海外の取引所は日本の金融庁の監督下にあるわけではなく、もちろん日本の法律も及びません。また、yearn.financeに関連する操作はすべて英語環境なので、日本語以外の環境に不安を感じる方にとってはこれもハードルになってしまうのではないでしょうか。

YFIについてのまとめ

ビットコインと並ぶ価格高騰を見せたYFIと、その発行元であるyearn.financeについて解説してきました。難しいことを理解しなくてもYFIへの投資は可能ですし、yearn.financeを利用することもできます。

ただ、仮想通貨初心者には少々ハードルが高い部分もあるので、仮想通貨の取り扱いに慣れてからでも遅くないかもしれません。