パレットトークン(PLT)は2021年7月に国内初のIEOを実施したことで注目を集めました。IEOとは、Initial Exchange Offeringの略で、仮想通貨の販売により資金調達する方法の一つです。
パレットトークンの販売価格は4.05円でしたが、取り扱い初日には46.1290円まで高騰しました。このような過去の値上がりからパレットトークンへの投資や、IEO投資を検討している人も多いのではないでしょうか。
本記事ではパレットトークンの通貨としての特徴や過去の価格変動、今後価格が上昇する可能性について解説します。また、IEO投資のメリット・デメリットについても解説します。
パレットトークンへの投資やIEO投資を始めようか迷っている人は参考にしてください。
パレットトークン(PLT)とは?特徴を解説!
パレットトークン(PLT)とは、日本で初めてIEOが実施された通貨です。IEOとは、企業の資金を調達する手段の1つであり、仮想通貨を先行販売することで行われます。
パレットトークンは、NFTプレットフォーム「Palette」で使える基軸通貨です。クロスチェーン技術を採用しており、ガス手数料が安いという特徴があります。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
Paletteで使える基軸通貨
パレットトークン(PLT)は、株式会社HashPaletteが開発したデジタル資産で、主にNFT市場で利用できます。
トークンはイーサリアム上のERC20規格で発行されており、ブロックチェーン技術を活用可能です。NFTはマンガ、アニメ、スポーツ、音楽などのエンターテイメントコンテンツに対して、デジタル上での唯一性や所有権を保証する新たな価値を提供します。
パレットプラットフォームでは、ユーザーはPLTを用いてNFTの購入や取引手数料の支払いを行うことができます。
PLTは2021年7月末にCoincheckでIEOを実施し、国内市場に上場しました。販売価格は4.05円で、8月には一時的に98円まで急騰しましたが、その後は市場の変動により価格が変動しました。
パレットトークンの価格は2024年5月23日時点で約6円です。
クロスチェーン技術を採用している
パレットトークンクロスチェーン技術を採用しています。
クロスチェーン技術とは、規格や仕様の違うブロックチェーン同士を接続する技術のことです。
従来のブロックチェーンは、それぞれ独立しており、異なるチェーン間でのデータ交換や資産移動が困難でした。
しかしクロスチェーン技術により、イーサリアムなど異なるブロックチェーン間での取引が可能となり、柔軟でスムーズなデジタル資産の移動が実現します。
Paletteはクロスチェーン技術を活用して、異なるブロックチェーン上の資産をPaletteプラットフォームに統合し、ユーザーがさまざまなデジタル資産を一つのプラットフォームで管理・取引できるようにしています。
ユーザーは異なるチェーン間での取引をシームレスに行えて、利便性が大幅に向上しているのです。
また、クロスチェーン技術は、ブロックチェーンのスケーラビリティを向上させ、取引速度の向上や手数料の低減にも寄与します。
手数料が安い
パレットトークンが使用されるPalletでは、手数料(ガス代)が安いのが特徴です。
イーサリアムをはじめとするブロックチェーンプラットフォームでは、取引手数料(ガス代)が高額になることが多く、課題となっています。
しかし、Paletteではガス手数料の価格が比較的安定しており、安く抑えることが可能です。
Paletteの手数料が安い理由は独自のブロックチェーン技術とクロスチェーン機能を活用している点にあります。取引の効率が向上し、必要な計算資源が最適化されるため、手数料を大幅に抑えられているのです。
例えば、イーサリアムのガス代が一度の取引で数十ドルに達することがあるのに対し、Paletteでは数セントから数ドル程度で済むことが多く、頻繁に取引を行うユーザーにとって大きな利点となるでしょう。
クリエイターやコレクターはコストを気にせずに活発に取引を行えて、エコシステム全体の活性化につながっています。
パレットトークン(PLT)の価格推移をチャートで解説!
パレットトークンの過去の価格動向について、変動要因と価格トレンドをチャートを用いて解説します。過去の変動要因を知ることで、今後の価格予想の参考になるでしょう。
今が買い時か、売り時かと疑問に思っている人はぜひ参考にしてください。
長期のテクニカル分析とその変動要因
パレットトークン(PLT)のIEOは2021年7月に実施されました。
IEO価格は4.05円でスタートし、その後、8月には98円まで急騰しました。
しかし、その後はじりじりと値を下げて、2022年には仮想通貨市場全体の暴落(Terraの崩壊やFTXの破綻騒動など)の影響を受け、PLTの価格も大幅に下落しています。
2022年初頭には44円台で取引されていましたが、市場の悪化により12月には7円台を割り込むまで下落しました。
2023年の初めには、PLTの価格が1カ月で2.5倍以上に急騰するなど、一時的に回復します。しかし、その後は再び下落傾向に転じました。
7月には、HashPaletteの親会社のHashPortが大阪万博のデジタルウォレットに協賛するという発表があり、PLTの価格が一時的に上昇しました。
このように、PLTの価格は市場の動向やニュースイベントに大きく影響を受けています。
今後の長期的な価格予測としては、NFT市場の成長とともにPLTの需要が増加すれば、価格が上昇する可能性が高いと見られます。
特に、NFTの普及が進む中で、PLTのユースケースが広がることで、価格はさらなる上昇を見せる可能性があるでしょう。
ただし、市場の調整局面や規制の変化など、外部要因による一時的な下落リスクも考慮する必要があります。
短期のテクニカル分析とその変動要因
2024年5月23日現在からさかのぼって、直近6ヵ月の短期的な値動きを見ていきましょう。
先ほど述べたように、パレットトークンは2022年3月末から長期的な下落トレンドを形成していますが、このチャートを見ると、横ばいもしくは下落トレンド中にいることがわかります。2024年はビットコインやイーサリアムなどの価格が上昇する中で、パレットトークンの価格については、一度上昇してもすぐに戻されるという特徴があります、
しかし、今後上昇に転じて、その値をキープできれば長期的にも上昇トレンドに移行できる可能性があるでしょう。
パレットトークン(PLT)の今後を予想!将来性はある?
パレットトークンは今後、価格上昇が期待できるか、将来性はあるかについて解説します。
パレットトークンはNFT市場の盛り上がりや、認知度の拡大により、価格の上昇が期待できます。また、Palletチェーン上のプロジェクトが増加した場合、需要の高まりを期待できるでしょう。
NFT市場の盛り上がり
NFT(非代替性トークン)市場が盛り上がると、パレットトークン(PLT)の価格上昇が期待できます。
というのもNFTはデジタルアートや音楽、ゲームアイテムなどの独自のデジタル資産を表現する技術であり、これらの取引にパレットトークンが使用されることが多いためです。市場が拡大すれば、取引量が増え、パレットトークンの需要が高まるため、価格が上昇しやすくなります。
過去には、NFT市場の急激な成長が見られました。特に2021年はNFTの年とも言えるほど、デジタルアートやコレクティブルの取引が爆発的に増加しました。
2023年はやや盛り上がりが落ち着きましたが、今後はさらなる伸びが期待されており、メタバースやデジタルエンターテインメントの拡大とともに、NFT市場はさらに盛り上がることが期待されます。。
認知度の拡大
現在、パレットトークンの認知度は徐々に高まってきていますが、ビットコインやイーサリアムなど主要な暗号通貨と比較すると限定的です。
認知度が高まると価格は上昇しやすくなります。ビットコインやイーサリアムは認知度が上がるにつれて、価格が飛躍的に向上しました。
同様にパレットトークンも広く知られるようになると、投資家やユーザーの関心が高まり、価格上昇が期待されます。
今後認知度が拡大すると考えられる要因としては、NFTやブロックチェーンに関連すると考えられます。特にイベントやセミナーでの露出が増えると、認知度の拡大に寄与するでしょう。
また、マーケティング戦略となりますが、著名なアーティストやクリエイターがPLTを利用することで、影響力を通じて広く一般に知られるようになることも期待できます。
Palletチェーン上のプロジェクトの増加
Palletチェーン上でプロジェクトが増加すると、パレットトークンの価格上昇が期待できます。エコシステムが拡大して、多くのプロジェクトがPaletteチェーンを利用すると、PLTの使用量が増え、需要が高まるためです。
現在、Paletteチェーン上で行われる承認や取引は「パレットトークン」を通して行います。そのため、パレットトークンはユーティリティ性がとても高い暗号資産です。
また今後、デジタルアートプラットフォームやゲーム関連のプロジェクトが注目されるとユーザーがパレットトークンを使用して取引を行うため、エコシステム全体の活性化に寄与するでしょう。
高いスケーラビリティや低コストな取引が可能なPaletteチェーンは、多くの開発者にとって魅力的な選択肢となる可能性があるでしょう。
AIによる今後の価格予測
パレットトークンの今後の価格について、AIの予測を紹介します。
アメリカのAIを用いた仮想通貨予測サイトである「DigitalCoinPrice」のものを用いましたあくまで予測のため、参考程度にとどめておきましょう。
2024年6月5日現在でパレットトークンの価格は、1PLT=130USDです(参照:CoinMarketCap)。
DigitalCoinPriceは、2024年の最高価格が現在の約219%となる1PLT=284.25USDまで値上がりすると予測しています。さらに9年後の2033年には、最高価格が現在の約1934%となる1PLT=2,514.11USDまで値上がりすると予測しています。
◼︎DigitalCoinPriceによる2030年までのパレットトークン価格予測
最低価格 | 平均価格 | 最高価格 | |
---|---|---|---|
2024年 | $116.16 | $271.21 | $284.25 |
2025年 | $276.47 | $313.50 | $333.45 |
2026年 | $381.22 | $437.95 | $457.78 |
2027年 | $495.39 | $565.03 | $593.16 |
2028年 | $495.39 | $565.03 | $593.16 |
2029年 | $613.72 | $690.20 | $706.54 |
2030年 | $872.13 | $947.78 | $964.24 |
2031年 | $1,259.86 | $1,301.11 | $1,348.27 |
2032年 | $1,776.76 | $1,843.68 | $1,859.93 |
2033年 | $2,422.89 | $2,485.56 | $2,514.11 |
IEO銘柄に投資するメリット・デメリット
パレットトークン(PLT)のようなIEO銘柄への投資を考えている人も多いのではないでしょうか。
IEOで販売されるトークンは信頼性が高いというメリットがある一方、上場後の下落リスクや高倍率のために抽選に外れる可能性が高いというデメリットがあります。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
IEO投資のメリット
パレットトークンはIEOした銘柄です。
IEO(Initial Exchange Offering)とは仮想通貨取引所がトークンの販売を行う仕組みです。
IEOは、ICO(Initial Coin Offering)と比較し信頼性が高いとされています。IEOは取引所がトークンプロジェクトの審査を行い、信頼性を確認した上で実施されるため、ICOに比べて詐欺のリスクが低くなるためです。
IEO銘柄に投資できて、トークンが取引所に上場すると一般の投資家も売買がしやすくなります。取引所がプロジェクトの健全性を保証することで、投資家は安心して投資できるでしょう。
取引所によるサポートや透明性の向上により、プロジェクト自体の信頼性が高まります。そのため、IEOは信頼性と安全性を兼ね備えた投資手段として、仮想通貨市場で注目を集めています。
IEO投資のデメリット
IEOに参加するメリットは多いですが、いくつかのデメリットもあります。
まず上場後にトークンの価格が下落するリスクが存在します。特に、上場直後に大量の売却が発生しやすく、価格が急激に下落することもあるでしょう。
投資家は上場後の市場動向を注意深く観察し、適切なタイミングで売却する必要があります。
また、IEOは人気が集まりやすく、必ずしも抽選に参加した全員が希望通りにトークンを手に入れることができるわけではありません。抽選に外れると、投資の機会を逃すことになります。
株式市場などと比較して、取引所の選定やプロジェクトの審査基準によっては、思わぬリスクが発生する可能性もあります。
そのため、取引所の信頼性やプロジェクトの透明性をしっかり確認しましょう。IEOは確かに魅力的な投資手段ですが、リスクを十分に理解し、慎重に投資判断を行うことが求められます。
過去のIEOの例とその後の価格変動
2019年4月にBinance Launchpadで実施されたMatic Network(現在のPolygon)がIEOを行いました。
IEO価格は0.00263ドルでしたが、2019年5月に、0.029ドルまで上昇しました(参照:CoinMarketCap)。その後、一時的に価格が下落しましたが、Polygonは成長を続け、2021年には2ドルを超える価格に達しました。
また、2023年2月にコインチェックによるフィナンシェのIEOが実施されました。フィナンシェトークン(FNCT)は、ブロックチェーンを活用したトークン発行型のクラウドファンディングを提供する株式会社フィナンシェが発行するトークンです。
フィナンシェトークンは2024年2月に大きく価格が高騰しました。コインチェック販売所でフィナンシェトークンが取り扱いを開始するほか、ビットコインのETF承認による市場のポジティブさが反映されたと考えられます。
今後予定されているIEOと参加方法
2024年5月27日からCoincheckでブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEO申込みが開始します。
ブリリアンクリプトトークンとは、ブロックチェーンゲームである「Brilliantcrypto」で使用できるトークンのことです。ゲーム内でNFTアイテムの購入をしたり強化したりできます。
ブリリアントクリプトトークン(BRIL)は、2024年6月17日の上場までは通常の買い方で購入することはできません。
コインチェックのIEOによる抽選から購入する必要があります。
コインチェックのIEOに参加するときの流れは下記です。
- コインチェックで口座開設
- 入金
- IEOに申し込み
- 抽選と配布
IEO投資をするのにおすすめの仮想通貨取引所
1位:Coincheck
IEO投資におすすめの仮想通貨取引所ランキング第1位はCoincheckです。
Coincheckでは、過去に2回のIEOを実施しました。1回目はパレットトークン、2回目はフィナンシェトークンが販売されました。
過去2回のIEOでは、販売価格よりも取り扱い初日の高値の方が高いため、売却した際には利益を得られたでしょう。
フィナンシェトークン | パレットトークン | |
---|---|---|
販売価格 | 0.41円 | 4.05円 |
取り扱い初日の高値 | 3.1円 | 46.1290円 |
2024年5月27日には、Brilliantcrypto Token(BRIL)でIEOの募集が開始されました。今後もIEOの実施が期待される仮想通貨取引所です。
2位:GMOコイン
IEO投資におすすめの仮想通貨取引所ランキング第2位はGMOコインです。
GMOコインでは、過去にFCRコイン(FCR)でIEOが実施されました。FCRコインはJリーグ所属のプロサッカークラブ・FC琉球が発行した通貨です。
FCRコインは2022年5月18日に上場しました。始値は約1.99円で、、上場直後に2.6円程度まで高騰しましたが、その後価格は下落しました。販売価格は2.2円だったため、上場した日の高値で売り抜けた場合、利益を得られたでしょう。
今後はNOT A HOTELがGMOコインでIEO検討をしており、不動産を裏付とするRWA(現実資産)トークン「NOT A HOTEL COIN(NAC)」の発行が計画されています。
あらかじめGMOコインに口座開設をしておくと、IEOの申し込みがスムーズになるでしょう。
3位:DMM Bitcoin
IEO投資におすすめの仮想通貨取引所ランキング第3位はDMM Bitcoinです。
DMM Bitcoinでは、過去に「Nippon Idol Token(NIDT)」のIEOを実施しました。NIDTは株式会社オーバースが、新しいアイドルグループの組成および活動のために発行した通貨です。
NIDTは2023年4月26日、販売価格5円で上場しました。2023年9月に最高値となる約100円を記録し、IEO価格の約20倍となりました。
NIDTは現在もDMM Bitcoinで取引可能です。あらかじめ口座開設をしておくことで、今後のIEO情報をいち早くキャッチでき、スムーズに申し込みできるでしょう。
※DMM Bitcoinは6月4日現在、新規口座開設の審査を中止しています。
パレットトークンに関するよくある質問
- パレットトークンは上場していますか?
- パレットトークンは2021年7月末にCoincheckでIEOを実施し、国内市場に上場しました。2024年6月現在、CoincheckやBitTrade、bitFlyerで取引が可能となっています。
- パレットトークンの売り出し価格はいくらですか?
- パレットトークンのIEOでの販売価格は4.05円でした。Coincheckでの取り扱い初日には46.1290円まで高騰しました。
- パレットトークンはオワコンですか?
- パレットトークンは2022年3月末から長期的な下落トレンドを形成しています。しかし今後、NFT市場の盛り上がりや、通貨やNFTプラットフォーム「Palette」の認知度拡大により、価格の上昇が期待できます。
- パレットトークンは売れませんか?
- 2024年5月31日から6月6日の7日間におけるパレットトークンの価格推移を見ると、流動性の低さが確認できます。流動性が低いので、取引所の場合、売り注文を出しても買い手が見つからないこともあるでしょう。しかし、販売所の場合は仮想通貨取引所が取引相手となるため、売り注文がすぐに成立します。パレットトークンはbitFlyerの販売所で取引可能です。