(画像=編集部作成)

【目次】
①️サクシードIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント

会社名
株式会社サクシード
コード
9256
市場
マザーズ
業種
サービス業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 高木 毅 / 1967年生
会社住所
東京都新宿区高田馬場一丁目4番15号
設立年
2004年
社員数
86人(2021年10月31日現在)
事業内容
自社運営の教育サービス(個別指導教室の運営、家庭教師の紹介)及び教育と福祉に関する人材サービス(人材派遣・紹介・業務委託)
URL
https://www.succeed-corp.jp/
資本金
64,000,000円 (2021年11月18日現在)
上場時発行済み株数
3,475,000株
公開株数
750,000株
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2021/12/03→1,420~1,560円に決定
ブックビルディング期間:2021/12/07 - 12/13
公開価格決定:2021/12/14→1,560円に決定
申込期間:2021/12/15 - 12/20
上場日:2021/12/22→初値1,671円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:大和証券
引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
引受証券:岩井コスモ証券
引受証券:丸三証券
引受証券:アイザワ証券
引受証券:エイチ・エス証券
引受証券:極東証券
引受証券:東洋証券
引受証券:水戸証券
引受証券:松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
大株主
高木毅 72.14%
佐藤幹雄 11.51%
石川修一 4.60%
前原裕明 4.60%
斉藤博志 1.53%
佐藤純 1.53%
森峰志 1.53%
泓田翔平 0.38%
植田庸平 0.23%
松島茂樹 福﨑超 0.15%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2019/03 単体実績 
1,468,376 225,273 158,640 547,533
2020/03 単体実績 
1,798,217 237,454 167,001 714,535
2021/03 単体実績 
1,991,875 265,491 173,423 887,959
2021/09 第2四半期単体実績 
1,299,489 280,570 173,172 1,061,350
ロックアップ情報
高木毅、佐藤幹雄、石川修一、前原裕明、斉藤博志、森峰志、佐藤純、泓田翔平は、上場後180日目の2022年6月19日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×仮条件上限)
11億7000万0000円(750,000株×1,560円)
潜在株数(ストックオプション)
157,500株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社サクシード<9256>は教育人材支援事業、福祉人材支援事業、個別指導教室事業の3事業を展開する企業である。
 
サクシード
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容詳細

同社は下記3事業を展開している。

・教育人材支援事業
・福祉人材支援事業及
・個別指導教室事業
 

●教育人材支援事業について

教育人材支援事業では、一般家庭、民間学習塾、学校法人及び地方自治体を対象として、家庭講師、ICT支援員、塾講師、学校教員、部活動指導員、日本語教師等の教育に関わる人材サービスを展開している。

特に首都圏及び関西圏において「家庭教師のサクシード」を展開しており、対面式とオンラインの二通りの方式でサービスを提供している。

教育業界に特化した求人サイト「教えるシゴト」など、人材ニーズに応じて様々なWebサイトを運営しており求職者とのマッチングを行っている。
 
サクシード
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●福祉人材支援事業

福祉人材支援事業では、全国の保育所、幼稚園、学童保育施設、介護施設等を運営する法人や自治体に対して、保育士、栄養士、学童保育指導員、介護職位等の福祉に関わる人材サービスを展開している。Web媒体を通じて登録のあった求職者に対して、詳細なカウンセリングを行った上でクライアントの要望に応じたマッチングを図っている。

社内にWebマーケティングの専門部署を設置しており、日々変化するクライアント及び求職者のニーズに機動的に対応し、ニーズに応じて迅速にサイト制作ができる機動力が強みである。「保育R」、「介護エイド」などの福祉人材の特化型求人サイトを運営し求職者とのマッチングを行っている。
 
サクシード
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●個別指導教室事業

個別指導教室事業では、一人ひとりに合わせた学習指導を行う学習塾「個別指導学院サクシード」と学習塾付き学童クラブ「ペンタキッズ」を展開する。

「個別指導学院サクシード」は神奈川県内に全22校舎(目論見書提出時点)の地域密着型個別指導塾を展開しっており、小学校1年生から大学受験生までを対象に授業を提供している。

また「ペンタキッズ」は学童の機能に学習塾と習い事をパッケージしたハイブリッド型の学童クラブである。子供たちを預かるだけでなく、学習塾と習い事の機能をプラスして、放課後の時間を有効に使いたい保護者のニーズに応えている。
 

■2021年3月期セグメント利益

2021年3月期 売上高20億円(対前年同期比11%増)、営業利益2.6億円(同11%増)
・教育人材支援事業 売上高8.1億円(同4.4%増)、セグメント利益1.6億円(同▲6.2%減)
・福祉人材支援事業 売上高3.6億円(同12%増)、セグメント利益1.3億円(同9.4%増)
・個別指導教室事業 売上高8.2億円(同17%増)、セグメント利益1.1億円(同60%増)

3事業いずれも増収を果たしているが、個別指導塾が最も伸びている。個別指導教室事業は増収増益により教育人材支援事業と同等の事業規模となった。一方で教育人材支援事業のセグメント利益は最大だが減益である。
 

■業績推移

2019年3月期 売上高15億円、経常利益2.3億円、当期純利益1.6億円
2020年3月期 売上高18億円、経常利益2.4億円、当期純利益1.7億円
2021年3月期 売上高20億円、経常利益2.7億円、当期純利益1.7億円
2022年3月期(予想) 売上高26億円、経常利益4.0億円、当期純利益2.7億円

着実な増収増益が続いており、2021年3月期は売上高20億円、経常利益2.7億円となった。

2022年3月期は売上高26億円、経常利益4.0億円の増収増益予想である。教育人材支援事業が対前年同期比48%の伸びを見込んでいる。2022年3月期Q2(累計)は売上高13億円、経常利益2.8億円であり、通期予想達成に向けた進捗は順調である。
 

■財務内容

2021年3月期末時点で資産合計13億円に対し純資産合計8.9億円、自己資本比率70%である。借入金なく現預金9.5億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。

資産合計13億円であるが現預金9.5億円、売掛金1.0億円など流動資産11億円であり、資産の殆どが流動資産により構成されている。
 

■資金使途

IPOにより5.1億円の資金調達を行い、下記使途が予定されている。
・個別指導教室の新規出店 3.6億円
・新規拠点の設置 0.2億円
・人材の育成・採用 0.4億円
・東京本社の増床 0.3億円
調達資金の大半は個別指導教室の新規出店に充当される。

公募375,000株、売出375,000株で両者が同数のIPOとなる。売出は高木社長の保有株中心に行われる。
 

■株主構成

高木社長が筆頭株主で株式の72%を保有しており、安定的な株主構成である。

個人中心の株主構成であり、ファンドや金融機関の株主参入はない。
 

■まとめ

教育人材支援事業、福祉人材支援事業、個別指導教室事業の3事業を展開する企業である。教育人材支援事業と個別指導教室事業が2021年3月期の売上高約8億円でバランスが取れている。特に神奈川県内に22校舎を展開する「個別指導学院サクシード」などを運営する個別指導教室事業が伸びている。また福祉人材支援事業も売上高3.6億円であり、一定の事業規模がある。

2022年3月期は売上高26億円、経常利益4.0億円の増収増益の継続を予想しており、進捗は順調である。

更なる少子高齢化を迎える中で、3事業をどのようにバランスさせて企業全体としての成長を続けるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、自社運営の教育サービス(個別指導教室の運営、家庭教師の紹介)及び教育と福祉に関する人材サービス(人材派遣・紹介・業務委託)事業を展開している。

上場市場は東証マザーズ。 株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が54億円、2022年3月期の業績予想ベースのPER 20.37倍となっている。上場当日の株価動向は、資金吸収額が13億円と少額であり、既存の株主には180日間のロックアップがあるため、需給はかなりタイトと言えるが、同日上場銘柄が他に5社あり、人気は分散するので、労働集約ビジネスの当社への買いはさほど強くないと見るので、初値は前場の早い時帯に付くと推測する。

セカンダリー市場においては、オーナー経営者が筆頭株主で上場後も売り圧力とはならないと考えられるので、純粋に業績連動で株価は動くと考えられる。IPOディスカウントから逆算するとPER25倍程度がニュートラルと考えられるので、来期の業績予想が出る2022年5月には成長性が継続すれば、株価の水準が切り上がるのではないだろうか。