(画像=編集部作成)

【目次】
①️ノバックIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント

会社名
株式会社ノバック
コード
5079
市場
市場第二部
業種
建設業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 立花 充 / 1956年生
会社住所
兵庫県姫路市北条一丁目92番地
設立年
1965年
社員数
289人(2022年1月31日現在)
事業内容
土木工事・建築工事事業
URL
https://www.novac-cnst.co.jp/
資本金
465,000,000円 (2022年2月25日現在)
上場時発行済み株数
5,130,000株
公開株数
800,000株
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2022/03/14→3,000~3,260円に決定
ブックビルディング期間:2022/03/15 - 03/22
公開価格決定:2022/03/23→3,000円に決定
申込期間:2022/03/24 - 03/29
上場日:2022/03/31
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:東海東京証券
引受証券:野村證券
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
引受証券:岩井コスモ証券
引受証券:あかつき証券
引受証券:東洋証券
引受証券:丸三証券
大株主
ノバック従業員持株会 25.98%
立花充 7.33%
石田久男 7.24%
大谷敏博 5.03%
山本博和 4.25%
牧野久 4.03%
東山正人 3.82%
大谷敏彦 3.05%
大谷博三 3.05%
齋木純一郎 2.51%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2019/04 単体実績 
30,561,405 2,688,999 1,815,039 11,254,354
2020/04 単体実績 
27,613,771 1,821,950 1,219,633 12,375,188
2021/04 単体実績 
30,551,846 2,504,180 1,712,613 14,030,397
2021/10 第2四半期単体実績 
17,637,398 1,874,382 1,279,102 15,223,660
ロックアップ情報
指定された株主は上場後180日目の2022年9月26日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
24億円(800,000株×3,000円)
潜在株数(ストックオプション)
なし
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社ノバック<5079>は兵庫県姫路市に本社を置き土木工事事業と建築工事事業を全国的に手掛ける企業である。
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容詳細

同社は下記2事業を手掛けている。

・土木工事事業
・建築工事事業

姫路市に本社を置くものの、北は盛岡営業所から南は九州支店まで全国に進出しており、全国的な施工体制を構築している。

また同社の元請比率は直近5期間で100%であり(全国平均は64.7%)、高い水準を維持することで大規模案件及び高い利益率の獲得に取り組んでいる。
 
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●土木工事事業について

土木工事事業は国土交通省各地方整備局、各地方自治体、各高速道路会社の官公庁発注工事を中心とした社会インフラ建設工事を展開する。洪水対策事業のシールド工事、高速道路の新設及び橋梁下部工事・遮音壁工事や長命化事業の耐震補強工事を数多く手掛けている。

年間15件前後の工事を首都圏、関西圏を中心に、東北地方・中部地方・中国地方・四国地方・九州地方等の各方面で受注している。

なお、国土交通省近畿地方整備局工事において、「工事成績優秀企業認定」を2014年から8年連続で受けている。
 
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●建築工事事業について

建築工事事業は、民間企業発注の共同住宅工事を数多く展開しており、西日本最大級の高速道路サービスエリア休息施設、学校や庁舎などの公共施設、医療施設、物流倉庫、商業施設など多分野にわたる建築工事を手掛けている。

年間15件前後の工事を首都圏・関西圏・中部圏を中心に受注している。
 
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■2021年4月期セグメント別損益

2021年4月期 売上高306億円(前年同期比11%増)、営業利益27億円(同49%増)
・土木工事事業 売上高129億円(同8.0%増)、セグメント利益18億円(同53%増)
・建築工事事業 売上高176億円(同13%増)、セグメント利益8.8億円(同42%増)

売上比率は建築工事事業:土木工事事業=58%:42%である。景気変動の影響が少ない公共工事を軸とした土木工事事業及び景気に左右されるものの投資額の多い民間工事を軸とした建築工事事業の両者を推進することで事業の安定を図っている。なお、売上高は建築工事事業が大きいものの、セグメント利益は土木工事事業が大きくなっている。
 

■業績推移

2019年4月期 売上高306億円、経常利益27億円、当期純利益18億円
2020年4月期 売上高276億円、経常利益18億円、当期純利益12億円
2021年4月期 売上高306億円、経常利益25億円、当期純利益17億円
2022年4月期(予想) 売上高329億円、経常利益27億円、当期純利益19億円

2019年4月期と2021年4月期が売上高306億円、経常利益25億円前後でほぼ同等の業績となった。2020年4月期は2019年4月期と2021年4月期に比べ若干の減収減益となっている。

なお、売上高は2019年4月期と2021年4月期の306億円が最高値だが、経常利益は2018年4月期の31億円が最高値である。

2022年4月期は売上高329億円、経常利益27億円の増収増益予想としている。2021年4月期Q2(累計)は売上高176億円、経常利益19億円であり、通期予想達成に向けた進捗は順調である。
 

■財務内容

2021年4月期末時点で資産合計231億円に対し純資産合計140億円、自己資本比率61%となっている。借入金なく現預金91億円を有している。なお、負債の部の最大科目は支払手形42億円である。

資産合計231億円のうち、現預金91億円、完成工事未収入金98億円、未成工事支出金20億円などの流動資産218億円であり、資産の部の94%が流動資産により構成されている。

キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローが2020年4月期は売上債権の増加(▲73億円)、未成工事受入金の減少(▲24億円)などの影響から▲92億円と大幅なマイナスとなった。ただし2021年4月期は57億円のプラスである。
 

■資金使途

IPOにより17億円の資金調達を行い、協力業者への支払いサイトを90日から60日に短縮することに伴う増加運転資金13億円や、受注拡大のための大型プロジェクト資金(協力業者へ支払う資材仕入や外注費に係る資金)3.5億円などに充当される。
 

■株主構成

ノバック従業員持株会が筆頭株主であり株式の26%を保有している。

立花社長は第2位株主で株式の7.3%を保有する。個人中心の株主構成である。
 

■まとめ

兵庫県姫路市に本社を置く土木工事事業と建築工事事業を手掛ける企業のIPO案件である。全国に拠点を持ち全国的な事業展開がなされている。

建築工事事業と土木工事事業が58%:42%の売上比率であり、景気変動の影響が少ない公共工事を軸とした土木工事事業と景気による変動がある一方で投資額の多い民間工事を軸とした建築工事事業をバランスさせることで事業の安定を図っている。

業績は安定しており2021年4月期は売上高306億円、経常利益25億円となった。2022年4月期は売上高329億円、経常利益27億円の増収増益の予想であり、順調に進捗している。

業績は安定しているが、IPOを契機とする成長を続けることができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、関西を中心に土木工事・建築工事事業を展開している。土木工事事業においては、官公庁発注工事を中心とした社会インフラストラクチャー(道路、橋、河川、上下水道、土地造成など)の建設工事、建築工事事業においては、民間発注の共同住宅工事を主として、そのほか学校・福祉施設・庁舎、事務所・高速道路のサービスエリア工事などの官公庁発注工事を手掛けている。上場市場は東証2部。

株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が167億円、2022年4月期の業績予想ベースのPER 8.6倍となっている。2022年4月期の配当予想は1株につき100円で公開価格ベースの配当利回りは約3%となっており、上場日に買えば、配当の権利を得ることができる。上場当日の株価動向は、資金吸収額が約30億円とやや大き目ではあるが、市場が大崩れしない限りは、ほぼ公開価格で初値が付くと推測する。

セカンダリー市場においては、既存株主のロックアップが180日間あるので、需給で株価が壊れることはないと見るが、6月の決算発表で来期の業績予想の利益が落ち込むような数字が出てくると一気に公開価格割れとなるかもしれない。土木建設業の売上は堅調に推移すると見るが、昨今の資材費の高騰で原価が上昇すれば、増収減益となるかもしれないので、決算発表を待ってから投資しても遅くない。