ビットコインキャッシュ(BHC)は2017年にビットコインのハードフォークによって誕生した暗号資産です。決済手段としての使い道で優れているという特徴がありますが、価格が上がらないといわれることがあります。
ビットコインキャッシュは定期的なアップデート(ハードフォーク)やビットコインキャッシュ決済・基軸通貨としての取り扱いが拡大した場合には今後の将来性が期待できます。
この記事では、ビットコインキャッシュ(BHC)の特徴・使い道を解説し、今後の将来性と価格変動を予測します。
ビットコインキャッシュ(BCH)とは?誕生の経緯や歴史を解説!
ビットコインキャッシュ(BCH)は、2017年8月に誕生しました。ビットコインキャッシュとはどんな通貨なのか、誕生の経緯や開発目的、価格推移について紹介します。
誕生の経緯、開発目的について
ビットコインキャッシュは、暗号資産による決済時の利便性を高める目的で、2017年8月にビットコインのハードフォークによって生まれました。
ハードフォークとは?
ハードフォークとは、仕様の変更によって、ブロックチェーンの分岐が起きること。ハードフォークの実施により新しい仕様のブロックチェーンと旧仕様のブロックチェーンに分かれる。
ビットコインキャッシュ誕生の背景には、ビットコインの需要が拡大し、処理速度の遅延や手数料の高騰化といった問題が発生したことがあります。
このような問題を解決するために、ビットコインキャッシュはブロックサイズを32MBに拡張しました。その結果、より多くの取引情報を処理しやすくなり、ビットコインよりも短時間かつ低コストで決済できるようになりました。
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ビットコインキャッシュの歴史と価格推移
ビットコインキャッシュの今後の価格を予想するために、過去の歴史や価格推移について知っておきましょう。
ここからは、ビットコインキャッシュが過去に急騰や下落した際の値動きについて詳しく解説します。
・2017年のバブルとその後の暴落
最初に紹介するのは、2017年のバブルとその後の暴落です。ビットコインキャッシュは、2017年11月から12月にかけて価格が急騰しました。
2017年11月2日時点で1BCH=約6万0,240円でしたが、12月22日に約37万6,609円まで急騰します。
ビットコインキャッシュが短期間で急騰した理由として、ビットコイン価格の上昇に後押しされた可能性が考えられます。
実際に、同時期のビットコインは10月29日の約65万4,107円から12月19日には約215万3,294円まで急騰しました。
しかし、その後のビットコインキャッシュは、急騰の約2カ月後である2018年2月7日に1BCH=約10万6,449円まで下落します。ビットコインについてもほぼ同時期から下落が始まっており、2018年2月7日には1BTC=約83万4,054円となりました。
・2021年の高騰
続いて紹介するのは2021年の高騰です。ビットコインキャッシュは、1月1日の3万4,000円台から5月12日は15万8,000円台まで高騰しました。
ビットコインキャッシュ価格が高騰したのは、ビットコイン価格の上昇や仮想通貨への注目度の高まりに後押しされたことが要因と考えられます。
例えば、2021年には、アメリカのテスラがビットコインを15億ドル分購入したことや2月に北米初のビットコインETFがカナダの取引所で上場したことがニュースになりました。実際にビットコイン価格は、2021年1月3日の1BTC=約331万7,039円から4月14日には1BTC=約691万5,355円へと2倍の値上がりをしました。
・2022年の下落
ビットコインキャッシュの価格は、2021年の後半から2022年にかけて大きく下落しました。2021年11月10日時点で1BCH=約8万0,975円でしたが、7月12日には1BCH=約1万3,647円まで下落しています。
その理由は、主に以下の2つのニュースによってビットコイン価格が下落した影響を受けたためと考えられます。
- 3月から米連邦公開市場委員会(FOMC)による利上げが始まった
- 5月にステーブルコインのTerraUSD(UST)と米ドルのペッグが崩壊した
実際に、ビットコインの価格は2021年11月11日時点で1BTC=約740万4,117円でしたが、2022年7月1日には1BTC=約269万1,593円まで下落しています。
・2023年の高騰
最後に取り上げるのは2023年の高騰です。ビットコインキャッシュ価格は2023年6月15日の1BCH=約1万4,249円から7月3日の1BCH=約4万3,153円に、約3倍高騰しました。
高騰の理由として、6月21日にアメリカでサービスを開始した機関投資家専用の暗号資産取引所「EDX Markets」の取扱銘柄にビットコインキャッシュが含まれたことが挙げられます。
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ビットコインキャッシュ(BCH)の特徴とは?
ビットコインキャッシュには、ビットコインとの共通点、相違点のどちらもあります。
共通点は、マイニングという取引の承認方法を採用していて、約4年に1度のペースで半減期を迎える点です。一方、ビットコインと異なり、マイニングの難易度を調整するという特徴があります。
以下でビットコインキャッシュの特徴について詳しく解説します。
半減期がある
ビットコインキャッシュには半減期があります。半減期とは、マイニング時にもらえる暗号資産の報酬が半分になる時期のことです。
マイニングとは?
マイニングとは、暗号資産の取引承認に必要となる複雑な計算を行うことです。マイニングに成功すると報酬を受け取れます。
ビットコインキャッシュに半減期がある理由は、市場への流通量を抑えるためです。一般的に通貨の価値は需要と供給によって決まります。流通量を制限しなければ、市場にビットコインキャッシュが多く出回るようになるため、相対的に価値が下がってしまいます。暗号資産のビットコインキャッシュも同様で、流通量が増えすぎると価格が下がるリスクがあるのです。
また、ビットコインキャッシュには法定通貨における中央銀行のような管理団体はないので、通貨の流通量を調節できません。そのため、あらかじめ半減期を設けることで流通量を調節しています。
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マイニングの難易度を調整している
ビットコインキャッシュは、マイニングの難易度を調整できる仕組みを採用しています。このような仕組みを導入している理由は、取引承認までの時間を短縮し報酬を安定化させて過剰にビットコインキャッシュを流通させないためです。
難易度を高くしすぎるとマイニング人口が減少して取引の承認が遅れてしまいます。逆に難易度を低くしすぎた場合、マイニング人口は増加しますが、過剰に報酬が支払われることになるので、市場への流通量も増えてしまいます。
なお、ビットコインキャッシュの誕生当初は、難易度調整を2週間に1回の頻度で行っていましたが、2017年11月14日にハードフォークが行われて以降は10分に1度に変更されました。
取引の透明性を担保している
ビットコインキャッシュでは、ブロックチェーンを介した取引を全てオンチェーン処理にしています。
オンチェーン処理とは、取引の処理をブロックチェーン上で行う方法です。取引後すぐにブロックチェーンに記録されることで、取引の透明性を担保しています。
取引の履歴が公開されているため、データの改ざんや消失などの異常があれば早期発見が可能です。
つまり、ビットコインキャッシュは、取引がすぐに記録されずにサービス提供者のデータベースに記録されるオフチェーンよりもセキュリティや安全性が高いといえるでしょう。
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ビットコインキャッシュ(BCH)が上がらないといわれる理由とは?
ビットコインキャッシュ(BCH)の価格が上がらないといわれる理由はいくつか考えられます。
以下、主要な2つの理由について詳しく解説します。
決済手段としての普及停滞
当初、ビットコインキャッシュは決済手段としての普及が期待されていました。しかし、他の仮想通貨や決済方法との競争が激化し、普及は限定的な状況です。特に、大手決済サービスでの対応が遅れている点が課題と言えます。
法規制の影響
中国をはじめとする各国で仮想通貨に対する規制が強化されており、これがビットコインキャッシュを含む仮想通貨価格上昇の障害となっている可能性があります。
規制内容は国によって様々ですが、取引制限やマイニング禁止などが導入されており、市場全体に不安定感を与えています。
ビットコインキャッシュ(BCH)の今後や将来性を解説【チャートでも理解!】
ビットコインキャッシュは今後価格が上がるのか、上がらないのか将来性について疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
ビットコインキャッシュは定期的なアップデートにより通貨の機能が改善されており、今後、価値の向上が期待できます。ビットコインキャッシュ決済や、基軸通貨としての取り扱いが拡大した場合も価格上昇の可能性があるでしょう。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
定期的なアップデート(ハードフォーク)を実施している
ビットコインキャッシュは、2017年8月に最初のハードフォークが行われました。その後は毎年定期的にハードフォークを実施しています。
時期 | 主なアップデート内容 |
---|---|
2018年5月 | ・ブロックサイズを8MBから32MBに拡張(送付がスムーズになり手数料が安くなった) ・スマートコントラクトの実装 |
2018年11月 | ビットコインABCとビットコインSVに分岐 |
2019年5月 | トランザクションの電子署名方式の変更(データ量の圧縮や安全性の向上が実現) |
2019年11月 | ・シュノア署名に対応 ・トランザクションのセキュリティが向上(BCHネットワークのほぼ全てのトランザクションが攻撃不可になった) |
2020年5月 | ・インフラ資金調達の拡大(マイナーの活性化) ・メモリープール内のトランザクションチェーンの制限を25から50に変更(未確認トランザクションの処理速度がアップ) |
2020年11月 | ・新しい難易度調整アルゴリズムが導入 ・ブロックチェーンが2つに分岐してビットコインキャッシュノードが主要開発コミュニティになった |
2021年5月15日 | ・NFT対応に向けた微調整(ブロックの確認を待たなくても取引承認が可能になった) ・ブロックチェーン上に、複数の画像やテキストなどの出力データを含めることが可能になった |
2022年5月15日 | より効率的なビットコインキャッシュスマートコントラクトの開発を可能にする |
2023年5月15日 | ・CashTokensの導入でスマートコントラクト機能を実装(利便性の向上) ・トランザクションサイズの縮小(1回の取引処理量を増やして、送金遅延を改善) |
2024年5月15日 | ブロックサイズ制限を自動的に調整できるように改善した(使用量の少ない期間のコストを削減してピーク時に年間最大ブロッサイズクを2倍に) |
ビットコインキャッシュは今後も定期的にアップデートを行う予定です。アップデートが実施されると、取引処理速度やセキュリティの向上が期待できるので、より実用的に使える期待から価値が上昇しやすくなるでしょう。
ビットコインキャッシュ決済の導入事業者・店舗の増加
ビットコインキャッシュは、取引の処理が早くデータを処理するブロックサイズも大きいです。
ビットコインよりも決済にかかる時間が短いため、店舗やオンラインショッピングなどでの買い物も短時間で可能です。
これまでにビットコインキャッシュでの決済を導入したことのある事業者や店舗は日本にもあります。
- Coinsbee
- エラワンタイ古式マッサージー赤坂店
- ソウルフードハウス
- 寿司居酒屋 寿し丸
- BAR THE WU
- CryptoBar P2P
- iPhone修理救急便 秋葉原店
- ヘッドスパ【Reward】秋葉原
- ラブレフランス教室
- Mezzo
- Audrey Diving Service
ただし、ビットコインキャッシュを決済手段として導入している店舗はビットコインと比べると少ないです。しかし、海外では有名ブランドのグッチや米国アマゾンなど大手企業が導入しているため、今後増加する可能性は十分あるでしょう。
基軸通貨としての取り扱いの拡大
ビットコインキャッシュは、海外の一部の取引所で基軸通貨として取り扱われています。
- CoinEX
- OKEx
- KuCoin
暗号資産における基軸通貨とは、他の暗号資産と交換ができる通貨のことです。多くの取引所では、ステーブルコインのテザー(USDT)を基軸通貨としています。
例えばビットコインキャッシュがOKExの基軸通貨として採用された2017年12月11日前後の価格推移をみてみます。ビットコインキャッシュ価格は、2017年12月8日の1BCH=15万0,394円から12月22日の1BCH=37万6,609円へと約2倍に上昇しました。
既に暗号資産バブルで上昇していたことに加えて、基軸通貨として取り扱われるようになったことが、ビットコインキャッシュ価格をさらに押し上げたと言えます。
今後、ビットコインキャッシュを基軸通貨として採用する取引所が増えた場合、価格の上昇が期待できます。
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ビットコインキャッシュ(BCH)の半減期と価格変動
ビットコインキャッシュは、ビットコインと同様に約4年に1度、半減期を迎えます。
ビットコインは過去、半減期後に値上がりをしました。そのため、ビットコインキャッシュの半減期後の価格変動も注目を集めます。
ビットコインキャッシュの過去の半減期と価格変動について解説します。
半減期とは
半減期とは、マイニング時にもらえる暗号資産の報酬が半分になるイベントのことです。
ビットコインやビットコインキャッシュについては半減期の設定がある一方で、イーサリアムのように半減期がない暗号資産もあります。
ビットコインキャッシュの半減期はビットコインと同様に21万ブロックごとに実行されます。2024年5月現在のビットコインキャッシュのマイニング報酬は3.125BCHです。
暗号資産は半減期を迎えることで値上がりすると言われてることがあります。その理由は、発行する数が半分に減少して市場に出回る量が少なくなることで、希少価値が生まれるからです。
半減期を迎えた後の値上がりに期待している暗号資産の投資家もいるため、注目度が高くなります。
ビットコインキャッシュの過去の半減期と価格変動
ビットコインキャッシュは、2020年4月8日と2024年4月4日に半減期を迎えました。
まず、1回目の半減期にあたる2020年4月8日前後のビットコインキャッシュのチャートをみてみます。ビットコインキャッシュの価格は2020年4月7日に1BCH=2万7,947円でした。半減期から約1年後の2021年5月7日には1BCH=16万4,415円まで上昇しました。
半減期の約1年後あたりに価格のピークを迎える点は、ビットコインの半減期後の価格推移に似ています。
半減期後の価格予測
2024年4月の半減期後の値動きについて、長期間でみればビットコインキャッシュの価格はさらに上昇する可能性があるでしょう。
ビットコインの2012年、2016年、2020年の過去3回の半減期、およびビットコインキャッシュの1回目の半減期では、価格が約1年後にピークを迎える傾向にあります。この傾向が今後も続く場合、ビットコインキャッシュの2回目の半減期である2024年4月4日の約1年後にかけて価格が上昇することが期待できます。
また、アメリカのFRBは2022年3月以降から金利の引き上げを続けていましたが、早ければ2024年内に利下げに動く可能性もゼロではありません。
一般的に金利が低下すると暗号資産は上昇しやすくなるため、FRBが利下げに踏み切ればビットコインキャッシュ価格の上昇が期待できます。
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ビットコインキャッシュ(BCH)のAIによる価格予想
ビットコインキャッシュの今後の価格について、AIの予測を紹介します。
アメリカのAIを用いた仮想通貨予測サイトであるCoinPriceForecastとDigitalCoinPriceのものを用いました。あくまで予測のため、参考程度にとどめておきましょう。
CoinPriceForecastの予測
2024年6月4日現在でビットコインキャッシュの価格は、1BCH=471ドルです(参照:CoinMarketCap)。CoinPriceForecastは、2024年の年末には現在の約156%となる1BCH=737ドルに値上がりすると予測しています。
・CoinPriceForecastによる2030年までのビットコインキャッシュ価格予測
6月 | 12月 | |
---|---|---|
2024年 | $508 | $737 |
2025年 | $864 | $916 |
2026年 | $1,081 | $1,167 |
2027年 | $1,317 | $1,169 |
2028年 | $1,286 | $1,339 |
2029年 | $1,339 | $1,439 |
2030年 | $1,539 | $1,609 |
DigitalCoinPriceの予測
2024年6月4日現在でビットコインキャッシュの価格は、1BCH=471ドルです(参照:CoinMarketCap)。DigitalCoinPriceは、2024年の最高価格が現在の約216%となる1BCH=1,015.76ドルまで値上がりすると予測しています。
・DigitalCoinPriceによる2030年までのビットコインキャッシュ価格予測
最低価格 | 平均価格 | 最高価格 | |
---|---|---|---|
2024年 | $417.56 | $954.04 | $1,015.76 |
2025年 | $1,001.62 | $1,169.13 | $1,211.71 |
2026年 | $1,374.36 | $1,661.42 | $1,678.99 |
2027年 | $1,794.73 | $2,097.29 | $2,144.31 |
2028年 | $1,794.73 | $2,097.29 | $2,144.31 |
2029年 | $2,216.60 | $2,454.01 | $2,558.51 |
2030年 | $3,152.11 | $3,423.29 | $3,484.80 |
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ビットコインキャッシュについてよくある質問
- ビットコインとビットコインキャッシュの違いは何ですか?
- ビットコインキャッシュはビットコインからのハードフォークによって誕生した暗号資産です。ビットコインに比べると、決済にかかる時間が短く、店舗やオンラインショッピングでスピーディーに支払いが完了します。
- ビットコインとビットコインキャッシュの共通点は何ですか?
- ビットコインとビットコインキャッシュはどちらもマイニングにより取引が承認されます。どちらも半減期があり、マイニング報酬が約4年ごとに半分になります。
- ビットコインキャッシュは日本円でいくらですか?
- CoinMarketCapによると、2024年6月4日現在のビットコインキャッシュの価格は、1BCH=471ドルです。1ドル=155円のレートで日本円換算すると、1BCHは約7万3,005円になります。
- ビットコインキャッシュの送付コストが安いのはなぜですか?
- ビットコインキャッシュは2018年のアップデートでブロックサイズを8MBから32MBに拡張しました。これにより、送付手数料が低く抑えられています。
- ビットコインキャッシュの半減期はいつですか?
- ビットコインキャッシュは、2020年4月8日と2024年4月4日に半減期を迎えました。次の半減期は4年後の2028年と予測されています。
- ビットコインキャッシュの価格予想は?
- AI価格予測サイトCoinPriceForecastでは、ビットコインキャッシュは2024年12月に737ドル(約11万4,235円)になると予測されています。また、DigitalCoinPriceでは、2024年に最高価格で1,015.76ドル(約15万7,443円)になると予測されています(※)。
※1ドル=155円の場合、2024年6月4日時点
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