(画像=編集部作成)

【目次】
①️ギックスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント

会社名
株式会社ギックス
コード
9219
市場
マザーズ
業種
サービス業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役CEO 網野知博 / 1973年生
会社住所
東京都港区三田一丁目4番28号 三田国際ビル2階
設立年
2012年
社員数
31人(2022年1月31日現在)
事業内容
アナリティクスを用いたデータインフォームド事業
データを活用した各種コンサルティング業務及びツールの研究開発
上記ツールを用いた各種サービスの提供
URL
https://www.gixo.jp
資本金
95,000,000円 (2022年2月22日現在)
上場時発行済み株数
5,493,400株
公開株数
1,035,500株
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2022/03/11→980~1,070円に決定
ブックビルディング期間:2022/03/14 - 03/17
公開価格決定:2022/03/18→1,070円に決定
申込期間:2022/03/22 - 03/25
上場日:2022/03/30→初値1,100円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:野村證券
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
引受証券:いちよし証券
大株主
網野知博 38.10%
田中耕比古 17.49%
花谷慎太郎 17.49%
FinTech ビジネスイノベーション投資事業有限責任組合 10.70%
(株)JR西日本イノベーションズ 5.83%
日本ユニシス(株) 4.89%
鴨居達哉 1.87%
三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合 0.94%
安藤祐輔 0.90%
岡大勝 0.90%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2019/06 単体実績 
382,924 45,631 24,577 380,212
2020/06 単体実績 
617,614 42,300 36,435 416,648
2021/06 単体実績 
722,275 50,782 51,435 1,194,782
2021/12 第2四半期単体実績 
443,821 16,436 10,004 1,205,398
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2022年6月27日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
11億798万5000円(1,035,500株×1,070円)
潜在株数(ストックオプション)
143,700株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社ギックス<9219>は大手企業に対しDIコンサルティング、DIプラットフォーム、DIプロダクトの提供を行う企業である。
 
ギックス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容詳細

同社はクライアント企業の重要課題を理解し、競争力強化の道筋を検討する「Strategy」、膨大なデータを用いて網羅的体系分析や高度な予測と数理最適化を行う「Analytics」、仕組みに実装する「Technology」の3つの能力を保有する。それらを有機的に連携しクライアント企業のDI(Data-Informed:データを用いて考える思考態度)変革を支援する。また事業展開の中で得られた課題解決のためのノウハウや独自開発されたツール群を活用し、自社でプロダクト開発も行っている。

具体的なサービスとしては、個別企業・事業の状況に応じデータを活用した判断の在り方を検討する「DIコンサルティング」、その判断を継続的に行うために必要なデータ活用の仕組み(基盤)を構築・運用する「DIプラットフォーム」の2つのサービスから構成されている。またDIコンサルティング・DIプラットフォームの中で得られたノウハウや独自ツール群を活用し、ソフトウェア・サービスである「DIプロダクト」の提供も行っている。
 
ギックス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●DIコンサルティング及びDIプラットフォーム

DIコンサルティング及びDIプラットフォームは、クライアント企業の課題を理解し「データを用いた数学的アプローチ」で解決を図り、クライアント企業にデータインフォームドな判断を組み込むことを目的としている。

DIコンサルティングサービスで方向性の模索や業務設計を行い、その後のDIプラットフォームサービスにおいて分析環境やインフラ構築そして業務アプリの活用を行うことで、クライアント企業が日常の判断にDIを利用できる仕組みを構築する。
 
ギックス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●DIプロダクト

DIプロダクトでは、個別企業向けの課題解決プロジェクトで培ったノウハウを用いて、共通課題解決に役立つ複数のプロダクトを開発・提供する。より幅広い層におけるデータインフォームドな判断を促進している。

具体的には「アイグル」(来店・来訪された顧客ひとりひとりに最適なスタンプラリーを提供)、「トチカチ」(どんな人が、どんな行動をしているのか?エリアの特徴をわかりやすい表とグラフで提供)の2つのプロダクトを提供中。
 
ギックス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■2021年6月期主要取引先

2021年6月期 売上高7.2億円
・JR西日本 2.1億円(割合29%)
・アサヒGHD 1.4億円(同20%)
・三菱UFJ銀行 1.0億円(同14%)

2021年6月期は上記3社で売上割合約6割である。3社いずれも2020年6月期から、2022年6月期Q3(累計)まで継続的な取引先となっており、安定的な顧客基盤を有している。
 

■業績推移

2019年6月期 売上高3.8億円、経常利益0.5億円、当期純利益0.2億円
2020年6月期 売上高6.2億円、経常利益0.4億円、当期純利益0.4億円
2021年6月期 売上高7.2億円、経常利益0.5億円、当期純利益0.5億円
2022年6月期(予想) 売上高9.7億円、経常利益0.1億円、当期純利益0.1億円

2021年6月期まで着実な増収が続いているが、経常利益は0.5億円前後を推移している。

2022年6月期は売上高9.7億円、経常利益0.1億円の増収減益予想である。2022年6月期Q2(累計)は売上高4.4億円、経常利益0.2億円であり通期予想の達成に向けた進捗は順調。売上10億円の大台到達目前となるが、利益成長はIPO以降となる。
 

■財務内容

2021年6月期末時点で資産合計15億円に対し純資産合計12億円、自己資本比率77%である。借入金2.0億円に対し現預金12億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。

資産合計15億円(15.5億円)と現預金12億円、売掛金2.1億円などの流動資産合計15億円(14.5億円)がほとんどバランスする状態である。

キャッシュ・フロー計算書において営業活動によるキャッシュ・フローが、2020年6月期は1.0億円だが、2021年6月期は売上債権の増加(▲1.7億円)により▲0.9億円とマイナスとなった。
 

■資金使途

IPOにより4.2億円の資金調達を行い、下記使途が予定されている。

・新たなコンテンツや新技術への研究開発費及び開発を行うための運転資金 2.1億円
・優秀なエンジニアの採用及び人件費 2.0億円

調達資金は研究開発などの運転資金と人件費に約半数ずつ投じられる。

公募300,000株に対し売出735,500株であり売出株が多数のIPOである。売出はVC保有株及び役員保有株にて行われる。
 

■株主構成

網野社長が筆頭株主(株式シェア38%)である。田中取締役と花谷取締役が同率2位(株式シェア17%)の株主となっている。同社は網野社長と田中取締役と花谷取締役の3名で設立されており、創業者3名で株式の73%が保有されている。

第4位株主のFintTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合(同11%)などVCが3名義で17%の株式シェアである。取引先のJR西日本のVCであるJR西日本イノベーションズも出資(同5.8%)している。なお、FintTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合はIPO後90日のロックアップ契約を締結済みである。また残りのVC2社は規制中のファイナンスでの株式取得。

事業会社としてSI会社の日本ユニシスが株主参入(同4.9%)している。
 

■まとめ

DIコンサルティング、DIプラットフォーム、DIプロダクトの提供を行う企業のIPO案件である。

網野社長以下、多数のコンサルティング会社の出身者が所属しており、クライアント企業のDI(Data-Informed:データを用いて考える思考態度)変革を支援している。コンサルティング企業のビジネスモデルに類似する。顧客企業としてJR西日本、アサヒGHD、三菱UFJ銀行の大手企業と安定的な取引関係を構築済みである。ただし着実な増収は続いているが、利益成長はこれからの状態である。

IPO後のどのタイミングで利益拡大ステージ入りするのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、アナリティクスを用いたデータインフォームド事業・データを活用した各種コンサルティング業務及びツールの研究開発・前記ツールを用いた各種サービスの提供事業を展開している。上場市場は東証マザーズ。

株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が59億円、2022年6月期の業績予想ベースのPER 979.6倍となっている。上場当日の株価動向は、資金吸収額が13億円弱と大きくないことから、需給面に不安はなさそうだが、バリュエーションが非常に高く、昨年末からの類似会社の株価の動きを見ていると、初値天井になりそうな予感がする。

セカンダリー市場においては、ロックアップ期間が90日間あるので、既存株主の売りで上場直後に需給で株価が壊れることはないが、6月決算発表のある8月中旬まで買いが入りそうなイベントは存在しないため、業績予想の上方修正でも出ない限り、上場日の高値を抜くことは当面は難しいと考える。

当社の主要顧客は、JR西日本、アサヒグループホールディングス、三菱UFJ銀行と超優良先だが、この3社で売上の7割近くをしめており、1社でも外れると大きな痛手となる。また、社員のうち技術陣は24名と少なく、外注頼みの感がぬぐえず、この分野のビジネスでの人材確保はそうそう簡単ではないことから、当社が重要指標と考える一人当たりの売上高を増えたとして利益率を高めるのは容易ではないと推測される。