【目次】
①️サインドIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
- 会社名
- 株式会社サインド
- コード
- 4256
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 奥脇 隆司 / 1988年生
- 会社住所
- 東京都品川区西五反田一丁目25番1号
- 設立年
- 2011年
- 社員数
- 63人(2021年10月31日現在)
- 事業内容
- 理美容店舗向けクラウド型予約管理システム「BeautyMerit(ビューティーメリット)」の開発・提供
- URL
- https://cynd.co.jp/
- 資本金
- 1,000,000円 (2021年11月17日現在)
- 上場時発行済み株数
- 5,800,000株
- 公開株数
- 1,340,000株
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2021/12/02→2,940~3,250円に決定
- ブックビルディング期間:2021/12/06 - 12/10
- 公開価格決定:2021/12/13→3,250円に決定
- 申込期間:2021/12/14 - 12/17
- 上場日:2021/12/22→初値2,990円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:野村證券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:いちよし証券
- 大株主
- 奥脇隆司 43.82%
- 高橋直也 36.52%
- 亀井信吾 8.22%
- 池田英右 3.20%
- 安留但馬 0.82%
- 辻章一 0.64%
- 正田 誠 0.50%
- 松野晃大 0.41%
- 織田辰也 0.41%
- 児玉寛典 飯塚和弘 長谷泰史 0.41%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2019/03 単体実績
406,232 84,154 59,666 169,258 - 2020/03 単体実績
534,967 66,537 46,609 215,868 - 2021/03 単体実績
799,307 188,260 133,841 349,710 - 2021/09 第2四半期単体実績
507,637 173,388 121,954 471,664 - ロックアップ情報
- 奥脇隆司、高橋直也、亀井信吾、池田英右は、上場後90日目の2022年3月21日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×仮条件上限)
- 43億5500万0000円(1,340,000株×3,250円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 476,500株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社サインド<4256>はヘアサロン、ネイルサロン、エステサロン、リラクゼーションなどの理美容店舗に対するクラウド型予約管理システム「BeautyMerit(ビューティーメリット)」の開発・提供を行う企業である。
■BeautyMerit(ビューティーメリット)について
同社が開発したクラウド型予約管理システム「BeautyMerit(ビューティーメリット)」はヘアサロン、ネイルサロン、エステサロン、リラクゼーションなどの理美容店舗に対して、集客・予約・施術・会計・アフターフォローに至るまで、最適な顧客体験の構築や働き方改革を支援するサービスである。
「BeautyMerit」はクラウドを通じてサービスを提供しており、インターネット経由でどこからでもアクセスでき、また誰でも使いやすいユーザー・インターフェースの構築等に留意した開発を推進している。PCブラウザでの利用に加え、スマートフォンやタブレットのモバイル端末などマルチデバイスに対応しており、様々な環境で店舗経営にまつわる情報をリアルタイムで把握できる。
■BeautyMerit(ビューティーメリット)の特徴
「BeautyMerit」は2012年5月のサービス提供当初から理美容店舗の公式のスマートフォンアプリ作成サービスを提供している。その後もLINE上に予約の窓口を開設できる「LINEミニアプリ」や、Google 検索やGoogleマップから直接ネット予約が可能な「Googlで予約」にも対応するなど、理美容店舗における予約のデジタル化を支援している。同社は2021年10月末時点で11の集客サイトと連動しており、店舗は「BeautyMerit」の管理画面から予約情報やシフト情報を更新することで、各集客サイトでの業務負担の大幅削減が可能である。
またPOSシステムとも連動しており、会計時にPOSシステムへの予約情報の入力作業を自動化し、会計業務を大幅に削減している。2021年10末時点で11社のPOSシステムと連動しており、既に導入済みのPOSシステムを変更することなく効率的な運用体制の構築が可能である。
「BeautyMerit」は集客サイト、POSシステム、決済システムをはじめ様々な企業との外部連携に対応し、強力なパートナーネットワークを構築することで、理美容店舗の利便性を追求している。基盤システムや会計システムを利用するような大手企業も「BeautyMerit」は導入しやすく、1店舗から100店舗以上を運営する事業者まで幅広く利用されている。
■契約店舗数推移
「BeautyMerit」の契約店舗数は下記の推移となっている。
またARR(Annual Recurring Revenue:各期末のサブスクリプション売上高を12倍することにより算出、既存の契約から期末月の翌月からの12ヶ月で得られると想定される売上高を表す指標)も着実に増加しており、2022年3月期Q2時点で9億円を突破した(9.7億円)。
店舗に対してクラウド上で提供するサービスの対価を使用期間に応じて受領するサブスクリプション(月額課金)モデルであるが、2021年3月期はサブスクリプション売上の割合が77.3%となっており、安定的な売上が計上されている。
■業績推移
2019年3月期 売上高4.1億円、経常利益0.8億円、当期純利益0.6億円
2020年3月期 売上高5.3億円、経常利益0.7億円、当期純利益0.5億円
2021年3月期 売上高8.0億円、経常利益1.9億円、当期純利益1.3億円
2022年3月期(予想) 売上高11億円、経常利益2.6億円、当期純利益1.8億円
着実な増収を続けているが、利益は2021年3月期より本格計上されている。2021年3月期は経常利益1.9億円であり、対前年同期比で約3倍となった。
2022年3月期も増収増益を予想しており、売上高11億円、経常利益2.6億円の予想である。2022年3月期Q2(累計)は売上高5.1億円、経常利益1.7億円であり、通期予想の達成に向けた進捗は順調である。
■財務内容
2021年3月期末時点で資産合計5.9億円に対し純資産合計3.5億円、自己資本比率59%である。借入金0.5億円に対して、現預金4.8億円を有しており財務内容に対し特段の懸念事項はない。
資産合計5.9億円のうち、現預金4.8億円など流動資産合計5.4億円であり、資産の殆どが流動資産により構成されている。
■資金使途
IPOにより28億円の資金調達を行い、下記使途が予定されている。
・事業規模拡大のために必要な営業部門、開発部門の人材の採用費及び増加人件費としての運転資金 11億円
・人員増加に伴う本社オフィスの増床や大阪営業所の拡大のための設備投資等 3.9億円
・「BeautyMerit」の機能及びセキュリティ強化、データセンター新設などの設備費用等 3.6億円
・借入金の返済 0.3億円
調達資金は事業規模拡大に向けた人員増加による人件費関連や「BeautyMerit」の機能強化のための設備投資中心に充当される。
■株主構成
奥脇社長が筆頭株主(株式シェア44%)。第2位株主は高橋副社長(代表取締役)であり株式シェア37%。代表取締役2名で株式の約8割を有しており安定的な株主構成である。
個人中心の株主構成であり金融機関やファンドの株主参入はない。
■まとめ
ヘアサロン、ネイルサロン、エステサロン、リラクゼーションなどの理美容店舗に対するクラウド型予約管理システム「BeautyMerit(ビューティーメリット)」の開発・提供を行う企業である。
2022年3月期Q2時点で契約店舗数は5,000店を突破しており、契約店舗数は順調に増加している。また業績的にも2021年3月期が売上高8.0億円、経常利益1.9億円となり利益計上ステージ入りた。
2022年3月期は売上高11億円、経常利益2.6億円の増収増益を予想しており、順調に推移している。IPOにより20億円を超える資金調達を行い更なる成長を目指す。既に利用店が5,000店を突破しており、将来的にどの程度までの成長が可能なのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。 - IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
- 当社は、理美容店舗向けクラウド型予約管理システム「BeautyMerit(ビューティーメリット)」の開発・提供する事業を展開している。
上場市場は東証マザーズ。 株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が189億円、2022年3月期の業績予想ベースのPER 106.5倍となっている。上場当日の株価動向は、資金吸収額が50億円と大きいが、事業成長性を考慮すると、機関投資家の買いも期待できるので、下値は限定的で、前場の早い時間帯に初値が付いた後に買いが入る可能性もあるとみる。
セカンダリー市場においては、当社の成長性の指標として契約店舗数があるが、今期の上半期だけで約1,350店舗増えており、いったんシステムが導入されると解約される可能性は低く、売上はサブクリプションモデルとなっていることから、来期の業績は今期比で相当上振れしてくると見る。目論見書で粗利の推移を確認するとここ3期間ずっと粗利率が上昇しており、契約店舗数が増えても、原価が増えないことが良くわかる。
今期の第二四半期末時点でのARRが965百万円となっているが、この勢いで店舗数が伸びれば、今期末のARRは11億円程度まで伸びるのではないだろうか。そうすると、公開価格近辺で初値が付けば、かなり割安な水準で仕込みができるかもしれない。