2021年12月時点でイーサリアムはビットコインに次ぐ時価総額第2位の仮想通貨である。また「ICO(Initial Coin Offering/新規仮想通貨公開)の基軸通貨」でもある。しかしイーサリアムの将来性が約束されているわけではない。それはなぜか。今後どういう評価を得るのだろうか?
この記事の要点
- イーサリアムの今後の展望
- イーサリアム購入の基礎知識
- ビットコインとイーサリアムの比較
・国内の取引所でイーサリアムを買うならCoincheck!利用者も多く、初心者でも安心の大手取引所です。
・Coincheckのスマートフォンアプリはダウンロード数No.1!※初心者にも使いやすいと好評です!
※(1) 2020年1月~6月 データ協力:App Annie
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イーサリアム(ETH)の今後の展望
イーサリアム(ETH)の概要 | ||
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通貨名 | イーサリアム(Ethereum) | |
略称 | ETH | |
取り扱い取引所 | Coincheck、bitFlyer、DMM Bitcoin、GMOコイン、SBI VC Trade、Liquid by Quoine、ビットバンク | |
現在の価格(12/2現在) | 1ETH=516,397円 | |
時価総額(12/2現在) | 61,383,916,822,477.86円 |
イーサリアム(ETH)が2021年以降に価格上昇する理由は?
イーサリアムでは、今後のロードマップとして、4つの開発段階が明示されている。開発段階に沿ったアップデートにともない、投資家の期待感が高まり、価格も上昇する傾向がある。
ヴィタリック・ブテリン氏はエネルギー消費量の削減に注力しており、PoWからPoSへとシステムを移行する方針だ。2020年12月には「イーサリアム2.0」が実装され、2021年8月には大規模アップデート「ロンドン」が実行された。
値動きを見ると、2021年5月には、一時45万円に達している。その後も、9月に入り43万円を記録した。今後もアップデートやエネルギー消費量の削減にともない、イーサリアムへの注目度はますます高まっていくだろう。いずれ、ビットコインの時価総額を追い抜く日が来るかもしれない。
イーサリアムの価格とチャート
2013年の誕生以来、イーサリアムはビットコインに次ぐ時価総額2位という不動の地位を得て、上昇を続けている。2016年以前までは1ETH=500円以下だったが、2回目のアップデートで1ETH=1,000円を突破。2017年から2018年の仮想通貨バブル期に1ETH=150,000円まで高騰した。
その後、バブルがはじけ1ETH=10,000円ほどまで価格が下落。しかし、大型アップデートにより機能が上昇したことや仮想通貨全体の価格が高騰したことから、2021年11月には2017年のバブル期を大きく超え、ついに50万を超えるほどにまでなった。
イーサリアムは2022年2月7日現在、351,312円となっている。
新たなアップデートを控え、またアップデートによって利便性や需要が高まることによって、投資家たちからはまだまだ価格が上昇し続けるという見方が強い。
イーサリアム購入の基礎知識
まず初めにイーサリアム(ETH)取引におすすめの取引所を紹介する。
イーサリアム(ETH)取引におすすめの取引所
イーサリアム(ETH)取引におすすめの取引所
手数料比較
取扱通貨数比較
- bitFlyerで購入する場合
bitFlyerの最小発注数量は、0.00000001 ETHで、ここでは1 円から購入することができる。
イーサリアムの購入を検討している方にはCoincheck(コインチェック)がおすすめ。
取引手数料が無料で取扱通貨数も多いコインチェックは、国内取引所の中でも人気の高い取引所だ。初心者でも使いやすいコインチェックのスマホアプリはダウンロード数No.1を誇る。
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取引通貨 | 22種類(ビットコイン、イーサリアム他。2021年12月時点国内最多) |
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最低注文数量 | 取引所・販売所とも500円相当額以上から |
コインチェックは、アプリダウンロード数国内No.1を誇る仮想通貨取引所だ。シンプルな操作画面で、仮想通貨に初めて投資する人も直感的に操作できる。
コインチェックは取扱通貨の種類が豊富で、ビットコインやイーサリアム以外でも、さまざまなアルトコインに投資できる。積立投資やステーキング、貸仮想通貨など、幅広いサービスがあるのも特徴だ。
コインチェックが向いている人
コインチェックが向いている人はいろいろな通貨の購入を考えている人だ。取扱い通貨数は222種類で、マイナーなアルトコインまで揃っているので上級者も満足できるだろう。
コインチェックが向いていない人
コインチェックが向いていない人はレバレッジ取引をしたい人だ。コインチェックでは現在、レバレッジ取引に対応していないため、現物取引のみとなっている。
Coincheck(コインチェック)の評価ポイント
①国内取引所最多の22通貨を扱っている
コインチェックは22種類の通貨数を誇っている。販売所では22種類、取引所では5種類の通貨を売買することができる。
②取引手数料が無料
販売手数料、取引手数料が無料の他、入金手数料も銀行振り込みからは無料になる。(コンビニ入金、クイック入金を利用する際には770円~の手数料が必要)
③初心者にも使いやすい作りのアプリ
Coincheckアプリは初心者にも使いやすいシンプルな作りとなっている。2021年7月に累計ダウンロード数が415万を突破し、2021年上半期のアプリダウンロード数でNo.1を獲得した。
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bitFlyer(ビットフライヤー)- ビットコイン取引量で国内No.1(※)
取引通貨 | 21種類(ビットコイン、イーサリアム他) |
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最小取引単位 | 0.00000001BTC、0.00000001ETHなど |
bitFlyerは、ビットコイン取引量で国内No.1(※)を誇る最大級の規模の仮想通貨取引所だ。イーサリアム以外のアルトコインの取り扱いも豊富で、最小取引単位が小さいことから、少額で投資を始めたい初心者にも人気がある。
bitFlyer(ビットフライヤー)が向いている人
bitFlyer(ビットフライヤー)が向いている人は初めて口座開設をする人だ。取扱通貨数は21種類あり、レバレッジ取引ができるなど口座を開設しておけば幅広い投資ができる。
bitFlyer(ビットフライヤー)が向いていない人
bitFlyer(ビットフライヤー)が向いていない人は出金手数料が気になる人だ。出金手数料は220円~770円と幅があるが、最高手数料は他社に比べると高めになっている。
bitFlyer(ビットフライヤー)の評価ポイント
①イーサリアム含め21通貨を扱っている
ビットフライヤーは販売所ではイーサリアム(ETH)を含む21のコインを扱っている。取引所でも6通貨扱っており、複数の通貨に投資をしやすくなっている。
②レバレッジ取引が可能
ビットフライヤーは最大2倍のレバレッジ取引が可能だ。例えば5万円を担保として10万円の取引ができ、通常よりも多くの投資の利益を得ることができる。
③入金手数料が無料
ビットフライヤーは銀行振り込みの手数料が無料である。さらに24時間365日いつでも入金ができる「クイック入金」も住信SBIネット銀行であれば手数料が無料(他社は330円)だ。
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GMOコイン - FXや株取引などに近いチャートで取引しやすい!
取引通貨 | 26種類(ビットコイン、イーサリアム他) |
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最小取引単位 | 0.00001 BTC、0.01 ETHなど |
GMOコインは、2021年のオリコン顧客満足度調査で1位を獲得した人気の仮想通貨取引所だ。スマートフォンアプリ「暗号資産ウォレット」には、初心者向けの「ノーマルモード」と投資経験者向けの「トレーダーモード」があり、後者では高機能チャートの使用やレバレッジ取引も可能だ。
GMOコインは高いセキュリティ体制を誇り、レバレッジ取引ではビットコインやイーサリアムを含む26銘柄を取引できる。
GMOコインが向いている人
GMOコインが向いている人はすぐに取引を始めたい人だ。口座開設には時間がかかる取引所も多いが、GMOコインでは最短10分で取引を開始することができる。
GMOコインが向いていない人
GMOコインが向いていない人は主に販売所形式で取引したい人だ。取引手数料は無料となっているが、実際にはレバレッジとして手数料が発生しており、広めに設定されている。
GMOコインの評価ポイント
①イーサリアム含め26通貨を扱っている
GMOコインは、販売所では26種類、取引所では9種類の通貨を扱っている。
②積み立てが可能
GMOコインでは暗号資産を保有しているだけで暗号資産を得られる「つみたて暗号資産」のサービスを利用できる。最小1,000円か設定でき、毎月自動的に購入可能だ。
③大手GMOグループの高いセキュリティ
GMOコインでは2段階認証や24時間の監視、定期的な脆弱性診断や資産の分別管理など、厳重なサイバー攻撃対策が取られているため、安心して取引できる。
DMM Bitcoin - LINEで365日サポートが受けられる!
取引通貨 | 27種類(ビットコイン、イーサリアム他) |
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最小取引単位 | 0.0001BTC、0.001ETHなど(BitMatch注文の場合) |
DMM Bitcoinでは、現物取引ができるのは27通貨のみである点に注意しておこう。レバレッジ取引では、25種類の通貨、33種類の通貨ペアに投資できる。実質的なコストであるスプレッドを気にせず、ミッド(仲値)で取引できる「BitMatch注文」も人気だ。
DMM BitcoinをLINEで友達追加しておくと、365日いつでも気軽に質問できるため、投資初心者でも安心だ。なお、受付時間は7時から22時で、受付時間外には自動メッセージが表示される。
DMM Bitcoinが向いている人
DMM Bicoinが向いている人はアルトコインでレバレッジ取引をしたい人だ。27種類の銘柄を取扱い、通貨ペアは全33種類と豊富に用意されている。
DMM Bitcoinが向いていない人
DMM Bitcoinが向いていない人は取引所形式で取引したい人だ。DMM Bitcoinは販売所形式の取引所なので、自分が指定した価格で取引をするなど購入方法を選択することはできない。
DMM Bitcoinの評価ポイント
①各種手数料が無料
入金はクイック入金が5,000円から、銀行振込は下限なしでともに手数料無料。また、仮想通貨を他の取引所へ送金する場合の手数料も無料だ。
②豊富なレバレッジ可能通貨数
DMM Bitocoinは全27種類の通貨でレバレッジ取引が可能になっている。さらに仮想通貨同士のレバレッジも25種類できるため、通貨ペアは33種類となる。
③LINEでの問い合わせが可能
使い方がわからない場合やトラブルが起きた際、DMM Bitcoinでは24時間365日LINEでの問い合わせを受け付けている。
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イーサリアム取引で暗号資産取引所を選ぶポイント
暗号資産取引所を選ぶポイント①手数料の低さ
イーサリアムは暗号資産のなかでも知名度が高く用途も広いため、多くの暗号資産取引所で取り扱われている。そのため取引所選びの選択肢に事欠くことはないが、それだけに手数料が安い取引所を選びたい。
というのもイーサリアムは用途の広さゆえに頻繁に売買をする可能性が高く、その都度かかってくる手数料が高いとコストとして跳ね返ってしまうからだ。
暗号資産取引所を選ぶポイント②セキュリティの高さ
暗号資産には常にセキュリティの問題が付きまとっている。コインチェックのネム(XEM)大量流出事件はインパクトが大きいが、それに近い事件は世界各国で起きている。そこで取引所選びではセキュリティもしっかり精査したいところだ。
ログイン時の二段階認証など不正アクセス対策はもちろん、顧客の暗号資産をコールドウォレットといってネット接続から隔離したところで保管するスキームなど、取引所が公開しているセキュリティへの取り組みは目を通しておくべきだ。
暗号資産取引所を選ぶポイント③取引所は分散する
株やFXでも推奨されていることだが、1か所の取引所だけで集中投資をするのではなく、複数の取引所に分散しよう。どこか1つの取引所が経営破綻してしまったときに備えるリスク管理として有効だが、それ以外にもシステム障害によって取引ができなくなる事態に備えて複数の取引所に分散しておくことは意義がある。
イーサリアム(ETH)の販売所と取引所の違い
ここからは販売所を見ていくが、その前に両者の違いを確認しておきたい。実は取引所と販売所では取引や手数料の仕組みが異なり、その違いを理解することは重要だ。
暗号資産販売所とは?
まず暗号資産販売所とは、顧客に対して暗号資産の売値と買値を提示し、顧客の相手方となって取引を成立させる業者のことだ。市場が突然大きく動かない限り、その業者が定める一定金額までなら顧客は提示された価格で暗号資産を購入、または売却することができる。
こうした販売所では取引手数料は無料としているが、実のところ手数料は価格の中に含まれている。スプレッドと呼ばれる売値と買値の差の中から、実質的な手数料が取られているのだ。このスプレッドは一定ではなく、市場環境によって変わる。
暗号資産取引所とは?
一方、取引所とは保有者同士の注文をつなぐ業者のことを指す。取引所の場合、顧客は約定金額に業者が定める料率をかけた金額を手数料として支払うことになる。
取引所の手数料率は業者によって異なるが、大体0.25%~0.5%程度だ。手数料率でいうと、販売所よりも取引所のほうが安い。ただし取引所では、望む数の暗号資産を望む価格で必ずしも買えるわけではない点には注意が必要だ。
「maker(メイカー)」と「taker(テイカー)」の違い
取引所では「メイカー」と「テイカー」で異なる取引手数料率を設定しているところが少なくない。取引所は受けた注文を、「板」というものに一覧で表示する。「メイカー」とは、この板に注文を乗せる人のことだ。
現在の気配値よりも安い価格での買い注文や、気配値よりも高い価格での売り注文(いわゆる「指値(さしね)注文」)が板に表示される。注文を出すことによって流動性を作り出しているので、「maker(作る人)」と呼ばれる。
一方、板に出ている注文を見て、それと取引しようとする人を「taker(取り去る人)」という。価格を指定しない「成行(なりゆき)注文」もテイカーだ。
買いの成行注文なら、板にある一番価格の安い売り注文と売買が成立する。売買が成立すると、板にあったその売り注文はテイカーによって取り去られる。取引所では、メイカーへの手数料をテイカーよりも高くしていることが多い。
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イーサリアム(ETH)の価格上昇が期待できる要因
価格上昇が期待できる要因① 4つの大型アップデート
イーサリアムは地位向上やさらなる普及のために、4段階のアップデートが設定されている。その4つとは「フロンティア(未開拓地」「ホームステッド(開拓地)」「メトロポリス(都市)」「セレニティ(安定)」だ。
それぞれの段階で大型アップデートをすることによってイーサリアムの機能を時代のニーズに合わせていくとしており、すでにイーサリアムのブロックチェーンを利用したさまざまな技術やサービスが実用化されている。
価格上昇が期待できる要因② 多くの有名企業と提携するイーサリアム企業連合
イーサリアムはビジネスに応用できる余地が大きいため、それを企業活動に利用していこうとする「イーサリアム企業連合」が存在する。この企業連合は2017年に設立され、世界中の大企業が名を連ねている。その数はなんと150社を超えており、もちろん日本の大企業も含まれている。
トヨタ自動車、三菱UFJグループ、KDDIなどいずれも誰もが知っているような有名企業だ。海外に目を向けるとJPモルガンやING保険、マイクロソフト、インテルといった企業も名を連ねており、世界中の大手企業がイーサリアムに大きな期待を寄せていることがうかがえる。
価格上昇が期待できる要因③ ICOとしてERC20トークンの利用
ICOとは新たな暗号資産を発行して資金調達をすることだ。株式の世界でいうIPOに近いもので、このICOのプラットフォームとしてイーサリアムが採用されるケースが多くなっている。イーサリアムはERC20という規格を設定しており、ERC20に準拠したICOが相次ぐことによってイーサリアムの地位はますます向上する。
今後さらにERC20に準拠した暗号資産が登場すると、イーサリアムが国際標準としての地域を確立できる可能性がある。
価格上昇が期待できる要因④ビットコイン(BTC)との価格連動
暗号資産の代表格として誰もが知っているのが、ビットコインだ。時価総額でも堂々の1位で暗号資産の基軸通貨としても機能しているが、イーサリアムはそれに次ぐ時価総額を誇る。ビットコイン以外の暗号資産を「アルトコイン」と総称することがあるが、そのアルトコインの代表格といえばイーサリアムだ。
時価総額が大きく暗号資産を代表する両通貨だけに、価格の連動性が高い。ビットコインが上昇すればイーサリアムも上昇し、その逆も然りだ。この連動性は今後も続くと考えられるので、ビットコインの成長力がイーサリアムの価格上昇要因になるだろう。
価格上昇が期待できる要因⑤DeFi市場成長への期待
DeFiというのは分散型金融システムと訳され、暗号資産を使った金銭の貸し借りなどをオンライン上で行う仕組みのことだ。DeFiに関連するサービスの多くはプラットフォームにイーサリアムを採用しており、DeFi市場が今後成長することで基軸通貨としてのイーサリアムの価格も上昇するだろう。
DeFiのサービスがイーサリアムを採用しているのは、イーサリアムにスマートコントラクトといって取引や契約を自動化できる機能があるからだ。今後この分野大きな成長が見込まれており、イーサリアムにとって追い風になる。
価格上昇が期待できる要因⑥イーサリアム2.0へのアップデート
先ほど、イーサリアムには4つの大型アップデートがあると述べた。その4つめにあたる「セレニティ(安定)」は4つあるイーサリアムのアップデートのうち完成段階に入るフェイズだ。この「セレニティ」のアップデートが2020年12月に始まっており、このアップデートは「イーサリアム2.0」とも呼ばれている。
アップデートのたびに機能を拡張し、ニーズに応えてきたイーサリアムだけに、「イーサリアム2.0」も多くの支持を獲得し、価格上昇の要因となるだろう。
価格上昇が期待できる要因⑦米国でのETFの上場の期待
ETFとは、金融市場の指数と連動するように運用している投資信託のうち証券取引所に上場している銘柄群のことだ。「日経平均」「ナスダック指数」など株価指数と連動するものが有名だが、暗号資産の指数と連動するETFが上場を目指している。
カナダではイーサリアムのETFが上場を果たしており、これがアメリカでも上場されることになると大きな起爆剤になり得る。暗号資産に直接投資をしない人であってもETFを介して間接的にイーサリアムへ投資する可能性は十分あるため、これもイーサリアムの価格を押し上げるエネルギーになる。
価格上昇が期待できる要因⑧Polygonの運用
イーサリアムから続々と生まれるサービスが成長しているのは望ましいことなのだが、それゆえにイーサリアムの取引量が増大して処理能力を逼迫してしまい、処理の遅延やガス代(イーサリアムの取引手数料)の高騰が問題になっている。
それを解決するためのセカンドレイヤー技術として誕生したのが、Polygonだ。今後さらにイーサリアムの取引量が増大していくことに備えてこうした技術が処理速度の問題を解決できるのは、イーサリアムのさらなる成長エンジンになるだろう。
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の違いは?
ビットコインとイーサリアムにはどのような違いがあるのだろうか?時価総額、歴史、流通量、将来性の4つの観点で比較していく。
イーサリアム(ETH)はビットコイン(BTC)と並ぶ暗号資産のツートップ
ビットコイン以外の仮想通貨を、総称してアルトコインと呼ぶ。イーサリアムは、ビットコインに次いで時価総額2位を誇り、アルトコインの中の代表格というべき存在だ。
イーサリアムに投資するなら、あわせて時価総額1位のビットコインへの投資を検討してもいいだろう。どちらも時価総額が高く、仮想通貨の中ではリスクの低い投資先という共通点がある。知名度の高さでも、他の仮想通貨と比較して圧倒的だ。
仮想通貨は値動きが激しい投資対象として知られている。投資先を分散することは、リスクを減らすことにつながるだろう。
時価総額の違い
ビットコインとイーサリアムの時価総額は次の通りだ。なお、時価総額とは、仮想通貨の相対的な規模をランク付けする方法の1つとされている。
ビットコイン | 132兆481億843万円 |
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イーサリアム | 58兆6,962億2,383万円 |
すべての仮想通貨の時価総額で、ビットコインが1位、イーサリアムが2位だ。イーサリアムも他のアルトコインと比べると、圧倒的な時価総額を誇るものの、ビットコインの時価総額はイーサリアムの約2.4倍だ。最初の仮想通貨として、ビットコインが存在感を示していることがわかる。
歴史から見る違い
ビットコインは、Satoshi Nakamotoと名乗る謎の人物がインターネット上に投稿した論文を元に開発された。2009年にソフトウェアが公開されてから、知名度・時価総額ともに他の仮想通貨より一歩抜きんでた存在だ。一方で、マイニング(採掘)に大量の電力が必要なことが問題視されている。
イーサリアムは、2013年に当時19歳のヴィタリック・ブテリン氏によって考案された。2014年に同氏が立ち上げたイーサリアム財団を中心に開発が進められ、ビットコインに次ぐ時価総額まで成長した。
流通量の違い
ビットコインとイーサリアムの流通量を知るため、2021年9月時点の循環サプライ(市場や一般の人々の手で流通する通貨数の最大近似値)を見てみよう。
ビットコイン | 1,887万BTC |
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イーサリアム | 1億1,835万ETH |
実はビットコインもイーサリアムも、流通量は他の仮想通貨と比べてさほど多くはない。ビットコインやイーサリアムよりはるかに流通量の多い仮想通貨はたくさん存在する。
また、流通量が多いからといって、必ずしも投資家にとってメリットがあるわけではない。流通量が多くなりすぎると、希少性が薄れ、資産価値が暴落する恐れがある。
将来性の違い
現状、時価総額・知名度ともに高いのはビットコインだ。2021年9月には、中米のエルサルバドルでビットコインが法定通貨として採用された。
今後、このような動きが広まっていく可能性がある。しかし、ビットコインには電力消費に関する問題があることを踏まえると、伸びしろがあるのはイーサリアムの方かもしれない。
イーサリアムの最大の特徴は、自動的に契約を執行するプログラム、スマートコントラクトだ。この機能によって、金融以外のあらゆる分野で浸透する可能性を秘めている。また、処理速度においても、後発のイーサリアムの方がビットコインより高いパフォーマンスを出している。
スマートコントラクトとブロックチェーンが変えた契約の世界
ICOという新しい資金調達手段の基盤技術であるスマートコントラクトとブロックチェーンとはどういうものなのだろうか。
代表的な仮想通貨であるビットコインは、もともと世界共通の通貨または決済システムとして開発された。ビットコインは開発当初からデータ処理の安全性を高めるための技術であるブロックチェーンを実装しており、この技術はその後、イーサリアムやその他の仮想通貨をはじめとしたIT金融サービスの根幹になっている。これによって、取引内容をブロックに書き込み、自律的に次のブロックに繋げていく非中央集権的システムの構築が可能になった。
ビットコインに続いて開発されたイーサリアム(仮想通貨名「ETH/イーサ」)は、分散型アプリケーションを実現させるためのプラットフォーム構築を目的としており、イーサリアムは一連のプロジェクトの名称であった。
この分散型アプリケーションのための技術として導入されたのが、スマートコントラクト。取引履歴がブロックチェーンに書き込まれるだけでなく、自動的に契約を執行するためのプログラムなどをマイニングできる点や、マイニングされたデータの偽造や改ざんが不可能である点が最大の特徴だ。
イーサリアムの特徴として次に重要なのは、ブロックの生成スピード、つまり取引承認スピードが大幅にアップしたことだ。ビットコインのブロック生成時間は約10分、イーサリアムは理論上、約15秒とされる。これによって処理できる取引量が増大したことも、イーサリアムベースのプラットフォームがICOで多く採用されてきた理由だと言えよう。
ICOの大半でイーサリアムが使われている
イーサリアムの代表的な特徴としては、スマートコントラクト技術の実装と分散型アプリケーションプラットフォームが挙げられる。こうした技術を搭載したイーサリアムは、比較的短期間で低コストの資金調達手段であるICOに非常に適した技術だった。その結果、多くのICO案件でイーサリアムベースのトークンが採用されることになり、ICO市場の拡大に貢献した。
2021年6月28日現在の仮想通貨時価総額ランキングをみると、合計時価総額は1兆8,000億ドルのうち、第1位はビットコイン(BTC)で約6,600億ドル、第2位がイーサリアム(ETH)で約2,500億ドルである(CoinMarketCapによる)。
一方、ICO市場では大半のプロジェクトでイーサリアムベースのトークンが採用されている。イーサリアムにはERC20という統一規格が用意されており、独自のトークンを発行する際にERC20に準拠させれば、同規格のトークンウォレットを利用できるなどの汎用性を持たせることができる。さらに、ERC20のセキュリティ機能を強化した規格であるERC223やERC721も実用化されており、イーサリアムベースの規格はICOの標準規格と言っても過言ではない。
イーサリアムのスマートコントラクトと分散型アプリケーションプラットフォームという基盤技術、イーサリアムのプラットフォームを利用した新しいトークン発行の容易さ、そしてイーサリアムの汎用性こそが2017年にICO市場急拡大の原動力となったのだ。
ICO市場の拡大とイーサリアムの大幅な価格変動
2017年中旬に始まったICO市場の急成長の立役者がイーサリアムであったことに異論はない。2018年ではイーサリアムの価格が続落したが、2020年の年末から2021年にかけて値上がりしており、2021年11月には最高値を更新した。
2017年5月からの価格上昇……複合的要因によるイーサリアムに対する期待感
2017年に急増したICO案件では、イーサリアムで新しいトークンを購入するプロジェクトが多く見られた。その結果イーサリアムの価格は上昇し、2017年5月から2018年1月までイーサリアムの時価総額は急騰、一時期はその規模が2017年5月当初の15倍にも拡大した。
2017年のイーサリアムの急激な価値の上昇は、ICOでの採用率の高さに加えて、同年2月のイーサリアムアライアンスの結成や、予定されていた同年10月のハードフォークの実施など複合的な要因によるものと考えられている。 イーサリアム自体が開発途上にあるため、価値を上げるバージョンアップや環境整備が顕著に価格に反映された格好だ。
2018年1月以降の価格続落……きっかけは各国の仮想通貨取締強化
2018年1月下旬以降は、一時的に回復するもののイーサリアムの時価総額は相対的に右肩下がりとなった。2018年8月以降の価格の暴落など、現時点では価値は下落傾向にある。
2018年1月下旬の価格下落は、2017年12月の米証券取引委員会(SEC)による仮想通貨とICOの規制と摘発の発表がきっかけだった。2018年1月中旬、韓国が仮想通貨を全面禁止、中国が取締強化を発表、それに続いてドイツ・フランスが世界に仮想通貨の規制を提案したことなど、各国での規制強化がイーサリアムを含む仮想通貨相場に影響を及ぼした。
仮想通貨取引所コインチェックが外部から不正アクセスを受けて、2018年1月26日に約580億円分の仮想通貨NEMの流出が発覚した。その後の仮想通貨相場急落に呼応してイーサリアム価格も下落した。
同年6月14日にはSECより「イーサリアムは有価証券ではない」との見解が示されたものの、9月に至るまで価格の下落に歯止めがかからず、2018年9月14日時点では1年以上前の水準である217ドル程度まで価格を下げている。
ビットコインの価格が下げ止まり一定の水準を維持しながら推移する一方で、アルトコインの価格は現在も下落傾向にある。中でもイーサリアムの下落率は著しく、価格下落が止まる気配は見られない。
その理由としては、次のハードフォーク「コンスタンティノープル」の際にマイニング報酬の低減が実施されることや、マイニング方式の変更に関わる「キャスパー」へのハードフォークアップデートの12ヵ月延期が発表されたこと、イーサリアムに対する信頼性が低下したことによって複数のICOプロジェクトでイーサリアムが大量に売られた可能性など、複合的な要因が考えられる。
2021年に3年ぶりの最高値更新
2020年の3月から2021年にかけてビットコインの価格が上昇。それに伴い、イーサリアムの価格も急上昇した。2021年11月には50万円を突破し過去最高値を記録している。
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