
トロン(TRX)は2025年4月13日時点で時価総額第9位に位置する、人気の仮想通貨です。2021年以降、日本国内の取引所でも取り扱いがスタートし、現在ではBITPOINTやOKJなど複数の取引所で購入できるようになっています。
ビットコイン以外で、大きな価格上昇が見込める仮想通貨に投資したいと考えているものの、将来性や価格推移などを知った上で判断したいという人も多いのではないでしょうか。
この記事ではトロンの特徴や過去の価格推移、今後の展望などを詳しく解説します。
トロン(TRON/TRX)の基本情報
名称 | トロン(TRX) |
---|---|
発行年 | 2017年8月 |
開発者 | ジャスティン・サン |
発行上限 | なし |
時価総額 | 約3.4兆円 |
価格(1TRX) | 35.53円 |
コンセンサスアルゴリズム | DPoS(Delegated Proof of Stake) |
トロン(TRX)は、分散型プラットフォーム「トロンネットワーク」内の基軸通貨(手数料や決済などに用いる通貨)で、中国の若手起業家であるジャスティン・サン氏を中心に開発されました。
元々は「トロン財団」が中央集権的に管理・運営をしていましたが、2022年1月に解散し、現在ではトロンDAOが中心となって運営をしています。
特定の管理者や所有者が存在しない組織・プロジェクトのこと。組織のメンバーの投票によって活動方針などが決定するのが特徴で、ビットコインなどが代表例として挙げられる。
高速かつ安価で送金できるインフラを保有している
トロンには大きく2つの強みがあります。
- 1秒あたり最大2,000件以上の取引を処理できる
- 送金手数料がほぼ無料(TRONネットワーク内)
トロンの高速かつ安価に送金できる仕組みを支えているのが「DPoS(Delegated Proof of Stake)」と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムです。
ブロックチェーン内で取引内容を検証・承認するシステムのこと。
DPoSは、イーサリアム(ETH)などで採用されているPoS(Proof of Stake)を発展させたもので、通貨の保有者による投票によって選ばれた人が取引の承認作業を行う仕組みになっています。
保有量に応じて取引の承認権を与えるPoS(Proof of Stake)に比べると、より少数の人が承認を行う仕組みになっているため、高速な処理が可能になっているのが大きな特徴です。
トロンでは、DPoSに独自の改良を加えたコンセンサスアルゴリズムを採用しています。ビットコイン(1秒間に3件)やイーサリアム(1秒間に15件)よりも圧倒的に多い1秒間に2,000件ものデータを処理することが可能です。
ゲーム、ポイント交換、投資などさまざまなアプリで使われている
トロンは、動画や音楽などのエンターテイメントの分野を中心に用いられている仮想通貨です。
元々トロンは、YouTubeやAppleといった中央集権的な運営会社を通さずに、動画や音楽、などのコンテンツを、ユーザー同士で直接やりとりできるようにすることを目的にスタートしました。言い換えれば「エンタメ分野の分散型プラットフォーム」を目指していたのです。
一般的なデジタルコンテンツプラットフォームを利用する場合、無料で使える代わりに広告が大量に挿入され、ユーザー体験が損なわれたり、クリエイターが再生回数を稼ぐための内容に走りがちになるなど、コンテンツの質が下がる場合もあります。
また、サービスの管理が特定企業のサーバーに集中しているため、システム障害が起きるとコンテンツが突然使えなくなったり、運営企業が撤退してしまえばサービス自体が終了してしまったりするケースも少なくありません。
一方で、トロンのような分散型ネットワークを通じてクリエイターとユーザーが直接つながることができれば、クリエイターは広告収益に頼らなくても、ユーザーから直接投げ銭(チップ)や報酬を受け取れるようになります。つまり、クリエイターが本当に作りたい作品に集中しやすくなるのです。
また、万が一どこかで障害が起きても、別のノード(コンピュータ)が処理を担うため、大規模なダウンや運営停止のリスクが少ないといわれています。
2018年にトロン財団が買収した、世界的に有名なファイル共有ソフト「BitTorrent」でもトロンの技術が用いられています。
トロンの直近の価格推移を解説
トロン(TRX)は、2021年以降、仮想通貨市場全体の動向に大きく影響されながらも、着実にその存在感を強めてきました。
以下では、2021年以降の価格推移を時系列で振り返り、それぞれの値動きの背景や要因について解説します。
2021年~2022年

2021年前半、トロンは他のアルトコインと同様に大きな価格上昇を見せました。新型コロナウイルスに対応するための大規模な金融緩和があり、世界中でリスク資産への投資が加速したことがやNFTブームが起きたことなどが背景にあります。特に2021年3月から5月頃には、短期間で3~4倍に価格が上昇する場面が見られました。
しかし、2021年後半から2022年にかけてはLUNA(テラ)の信用低下による暴落や、FTXのような大型取引所の破綻などが市場全体を冷やしたこともあり、下落基調へ転じています。
トロンは技術面での安定性を保ちつつも、価格面は10円台前後で低迷を続ける状況が続きました。
2023年以降

2023年前半には、ビットコインが底打ちしたとみられるタイミングで、リスク資産への投資意欲が徐々に回復し、市場に明るさが戻り始めました。アルトコインにも再び資金が流入し、トロンの価格も次第に持ち直す動きを見せました。
この回復には、トロンの実用性が評価されたことも大きく寄与しています。とくに、USDTやUSDDといった主要ステーブルコインの送金プラットフォームとしての利用が増加しました。実際の決済や資金移動の場面でトロンが選ばれることが多くなり「投機目的の通貨」から「実需を伴う通貨」としての認識が進んだのです。
2024年11~12月にはドナルド・トランプ氏が大統領選で勝利し、仮想通貨市場全体が大きく盛り上がりを見せたことも追い風となり、過去最高の60円台を記録しています。
トロンの今後の価格動向を予想!重要な判断ポイント3つ
今後のTRX価格動向を予想する際に重要なポイントは以下の3つです。
トロンは実需が堅調に推移している一方で、仮想通貨市場全体の動向に価格が左右されやすいという側面は残っています。ビットコインをはじめとする市場全体の動きに連動して、短期的に価格の乱高下が起こりうる点には注意しましょう。
ロードマップに沿った開発と実需の拡大
トロンは、2018年のメインネット立ち上げ時から10年にわたる長期的なロードマップを掲げており、各フェーズで明確な開発目標を設定しています。
フェーズ | 期間 | 主な内容 |
---|---|---|
Exodus(旅立ち) | 2017年8月~2018年12月 | P2P技術と分散型ストレージによって、ユーザーが無料でアップロード・配布・保存を行える環境を提供する |
Odyssey(冒険) | 2019年1月~2020年6月 | コンテンツ提供者が著作権を保持し、報酬を受け取れる仕組みを構築する |
Great Voyage(大航海) | 2020年7月~2021年7月 | ブロックチェーン技術を活用し、各種管理システムを構築・運用可能にする |
Apollo(アポロ) | 2021年8月~2023年3月 | 開発者が自由に独自トークンを発行できる環境を整備する |
Star Trek(スタートレック) | 2023年4月~2025年9月 | オンラインゲームや仮想空間プラットフォームの構築を可能にする |
Eternity(永遠) | 2025年9月~2027年9月 | ゲーム設計者が自由にゲームを開発・公開し、資金調達や投資を受けられる仕組みを実現する |
ロードマップ上の機能・サービスがスムーズに実現すれば、トロン上のアプリやユーザーが増えていくため、TRX(トロンのトークン)需要も高まる可能性があります。
エンタメ以外の分野へのエコシステムの拡大
トロンは当初掲げたエンターテインメント領域に加え、新たな分野への進出によってプロジェクトの裾野を広げています。
特に顕著なのが分散型金融(DeFi)分野で、トロン上で稼働する分散型取引所やレンディングプラットフォームに預けられた資産総額(TVL)は、2024年12月に過去最高の100億ドル超を記録しました。
ブロックチェーン技術を用いて金融取引をする仕組みのこと。一般的な銀行のように特定の管理者は存在しないため、スピーディーかつ低コストな取引ができるのが特徴。
トロンは、ステーブルコインのプラットフォームとしてもイーサリアムに次ぐ地位を築いており、その市場シェアは年々拡大傾向にあります。
ドルなどの法定通貨と価格が連動するように設計された仮想通貨のこと。
大手企業との提携や他ブロックチェーンとの連携、NFTなどでの活用などエンタメ以外のユースケース開拓も進めることで、より多面的な需要を取り込めるかが今後の成長ポイントになるでしょう。
トロン財団・創業者に関する懸念
トロンの将来性を語る上では、技術や実需の面だけでなく、創業者ジャスティン・サン氏の動向も重要な判断材料となるでしょう。
創業者のジャスティン・サン氏は卓越した手腕でプロジェクトを牽引してきましたが、当局からの目を引きやすい存在でもあります。
実際、2023年3月に米国証券取引委員会(SEC)はサン氏および関連企業を証券法違反(未登録証券の販売)や相場操作等の疑いで提訴しました。SECによると、TRXおよびBTTトークンを無登録のまま公開販売したほか、自己取引(ウォッシュトレード)によって市場に誤解を与えたなどとされています。
サン氏は無実を主張して積極的に争う姿勢を見せており、2025年に入ってからは訴訟一時停止を双方が申請したとの報道もあります。
しかし、訴訟の行方次第では、価格が大きく下がる可能性も否定できません。実際に、SECが提訴した際にトロンの価格は10%以上も下落しています。最終的な決着がどうつくか、引き続き注視した方が良いでしょう。
トロンが買えるおすすめの仮想通貨取引所
仮想通貨トロンを購入できるおすすめの仮想通貨取引所は以下の通りです。
3社は手数料が安いだけでなく、様々な暗号資産サービスに対応しています。手数料や対応サービスには以下のような違いがあるため、自分の取引スタイルにあった取引所を選びましょう。
BITPOINT | OKJ | BitTrade | |
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|
販売所手数料 (TRX) |
無料 | 無料 | 無料 |
取引所手数料 (TRX) |
無料 | メイカー:0.02~0.07% テイカー:0.06~0.14% ※取引量に応じて変動 |
無料 |
最低取引単位 (TRX) |
0.000001TRX | 0.000001TRX | 1TRX |
入金手数料 (日本円) |
無料(※1) | 無料 | 無料(※2) |
出金手数料 (日本円) |
月1回無料 (月2回目以降は330円/回) |
400円~ 1,320円 |
330円 |
送金手数料 (TRX) |
無料 | 5~10TRX | 1TRX |
レバレッジ取引 | × | × | ◯ |
積立投資 | ◯ | ◯ | ◯ |
貸暗号資産 | ◯ | × | ◯ |
公式サイト |
※2:クイック入金(ペイジー入金を除く)の場合
BITPOINT

- ステーキング報酬の年率が国内No.1
- 取引所手数料がMaker,Takerともに無料
- 2種類の積立投資が可能
- 取扱通貨数が少ない
- スプレッドが広い
- 問い合わせの返信が遅いことがある
BITPOINT(ビットポイント)は、2016年3月に設立された仮想通貨取引所で、SBIグループの一員です。
- 現物取引の手数料が無料
- 積立投資の方法が2種類から選べる
BITPOINTは、販売所・取引所を問わず、現物取引の手数料が無料です。取引所手数料が無料の業者はほとんどないため、短期売買中心のトレーダーでもコストを抑えやすいメリットがあります。

また「パックつみたて」と「個別つみたて」の2種類の積立方法があり、自分の投資スタイルに合わせて選択できる点も魅力です。
- パックつみたて:ビットコインを含む複数の仮想通貨を組み合わせて積立できる
- 個別つみたて:ビットコインなど特定の仮想通貨を積立できる
積立投資の手数料も無料なので、長期的にコストを抑えながら資産を増やしたい人に向いています。
\現物取引の手数料が無料!/
OKJ

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- 積立投資の自動ステーキングが可能
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- 日本円の出金に手数料がかかる
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OKJ(旧OKCoin Japan)は、2017年に設立された暗号資産取引所です。国内最大級の取扱銘柄数を誇り、2025年2月時点では43銘柄(取引所の取扱銘柄)を取引できます。
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- 積立投資に対応
OKJは取扱銘柄数に加え、ステーキングやレンディングなどのサービスも充実しています。
10通貨がステーキングサービスに対応しており、いつでもステーキングが解除できる「フレキシブル」プランと、一定期間通貨をロックする「定期」プランのどちらかを選択できます。
業界最多の35通貨に対応した積立投資サービスも提供しているため、投資の選択肢を広げたい人におすすめです。
\取り扱っている通貨が豊富/
BitTrade

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BitTradeは取扱銘柄数やステーキング、貸暗号資産サービスなどが豊富で、初心者から上級者まで利用しやすいプラットフォームを提供しています。
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また、BitTradeのスマホアプリはデザインがシンプルで初心者でも扱いやすいと人気を誇っています。トップページにすべての機能が配置されているため、利用したいサービスをすぐに見つけることが可能です。

さらに、BitTradeは15通貨の積立投資や、ビットコインのレンディングにも対応しているため、暗号資産の長期保有をしたい人にもおすすめです。
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