仮想通貨ステラルーメン(XLM)について、「仮想通貨の一種として聞いたことはあるものの、購入するメリットはあるのだろうか」などと考えている人も多いだろう。しかし、ステラルーメンは個人間の送金取引をスムーズに行えるようにすることを目的に開発された仮想通貨で過去にも価格の急上昇で話題になった。
この記事では、ステラルーメンについて知りたい人に向けて、価格やチャート・将来性などの基本的な情報を解説する。
仮想通貨ステラルーメン(XLM)とは
ステラルーメン(XLM)は、暗号資産(仮想通貨)の一種だ。分散型であることが多い一般的な暗号資産(仮想通貨)と異なり、管理主体が存在し、決済での実用性が期待されている。ここではステラルーメンの特徴について解説する。
ステラルーメン(XLM)の概要 | |
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通貨名 | ステラルーメン |
略称 | XLM |
ブロックチェーン | Stellar(ステラ) |
取り扱い取引所 | Coincheck, bitFlyer,DMM Bitcoin, bitbank,BitTrade |
現在の価格(9/22現在) | 1XLM=約29.719円 |
時価総額(9/22現在) | 約937,727,499,460円 |
管理主体が存在する
ステラルーメンには、管理主体が存在する。Stellar Development Foundation(SDF/ステラ財団)という 非営利団体が開発を進め、運営や管理も一手に引き受けているのだ。
一般的な仮想通貨は、管理主体が存在しない「分散型金融」という形態をとる場合が多い。例えばビットコインなどは、ブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳に、取引履歴が記録され、世界中のどこからでもブロックチェーンを管理できる形になっている。
これに対し、ステラルーメンは、中央集権的な管理主体がある珍しいタイプの暗号資産(仮想通貨)であるといえるだろう。
ブリッジ通貨としての役割がある
ステラルーメンは「ブリッジ通貨」としての、役割を期待されている。
例えば、日本からアメリカへの送金時は、円から米ドルに換えなければいけない。このときは送金に数日かかり、手数料も高くつく。しかし日本円をいったんステラルーメンに換えてから、米ドルに移せば送金がスムーズに進む。ステラルーメンの送金能力の高さが決済の手間を省き、手数料も抑えてくれるのだ。 ステラルーメンは、国際送金を活発化させる可能性を秘めている。世界経済を助ける存在として注目すべきだろう。
決済スピードが早い
ステラルーメンは、決済で利用可能な仮想通貨の中でも、決済スピードが速いという点が特徴だ。手数料も安いので、多くの人が便利と感じるだろう。
ビットコインの場合一度の決済に10分程度かかるが、ステラルーメンなら2~5秒で済むと言われている。暗号資産(仮想通貨)の決済は法定通貨よりも速いことが多いものの、2~5秒は特筆すべきレベルだ。
ステラルーメンの将来性は?
ステラルーメンの将来性は、管理を手がける財団の今後の動きにかかっている。東南アジアやイスラムといった地域をターゲットにしており、実用化が進めば、仮想通貨としての価値上昇につながるだろう。大手企業によるバックアップもあり、今後さらに存在感を示す可能性がある。
東南アジアやイスラム、アフリカ圏で事業が活性化する
ステラルーメンは東南アジアやイスラム、アフリカ圏をターゲットにしている。こうした地域では、貧しさから銀行口座をもてない人が多い。
貧困からの救済を進めることで、仮想通貨による社会貢献をはたすのが、ステラルーメンの使命とされている。これまで東南アジアでは、インドネシアやマレーシアで実用化が進んでいる。
イスラム圏でもステラルーメンは、決済ネットワークとしての浸透を計画している。「シャリア適合認証」という投機的な取引をしていない証明を有しており、地域での信用が大きい点が背景にある。この「シャリア適合認証」は、イスラム圏の金融事業では重要なポイントとなっている。
ほかの仮想通貨があまり注目していない地域に目を向けている点がステラルーメンの特徴だ。これによりステラルーメンは独自性を発揮し、将来的な価値上昇につながる可能性がある。
ブラジルで初めて上場(2014年8月)
ステラルーメンは、Jed McCaleb(ジェド・マケーレブ)氏が作った仮想通貨だ。同氏は、ニューヨーク・タイムズ紙で、ブロックチェーン革命をリードするトップ10人のうちの1人に選ばれたこともある。
ステラルーメンは、2014年8月にブラジルの仮想通貨取引所「Mercado Bitcoin(メルカド・ビットコイン)」で初上場を果たした。当時の価格は、わずか0.2円で、その後2017年までは1円未満で推移していた。
しかし、プラットフォームとしてのステラネットワークは順調で、2015年には、300万以上の登録ユーザーを持つまでの成長を見せた。
大企業と提携している
ステラルーメンは大企業のサポートを受けている。世界的に有名なIT企業であるIBMと提携している。ほかにも金融コンサルタントのデロイトや、フランスの大手送金会社TEMPOなどと関係を築いている。 とくにIBMとは「IBM Blockchain World Wire」という、送金ネットワークを共同開発しているのだ。決済スピードに優れたネットワークが世界的に浸透すれば、ステラルーメンの知名度アップにもつながるだろう。大手企業が味方につくことは、仮想通貨の成長にとっても重要だ。今後さらなる企業がステラルーメンを活用すれば、相場の急上昇も見えてくるだろう。
ステラルーメンの価格やチャート
上記は2024年11月23日時点における、過去5年間のステラルーメンの値動きだ。
長らく冬の時代が続き、2024年11月5日の終値は13.76円だったが、そこから徐々に上昇傾向が加速し、11月22日には52.59円まで伸ばした。
ステラルーメンの独自の取り組みが、世界中の投資家からさらなる評価を受ける可能性もある。東南アジアやイスラム圏でのネットワーク構築がうまくいけば、相場に追い風が吹く。発展途上国の活性化を狙うのは、仮想通貨ではあまり見られない例なので、注目も集まるだろう。
今後も価格が高騰する可能性がある一方で、急激な下落リスクにも備えておかなければならない。
ステラルーメンは、2020年秋ごろから2021年にかけて高騰し、5月19日には79円に達した。しかし、その後急落し、7月20日には一時23円となっている。
急激な下落が起きた理由は、テスラ社およびスペースXのCEOであるイーロン・マスク氏のツイートだ。同氏が、ビットコインが大量の電力を消費することに懸念を示すツイートをしたことがきっかけとなり、ビットコインが下落した。
これにつられる形で、ステラルーメンをはじめ多くの仮想通貨が下落したのだ。
ステラルーメンに限った話ではないが、仮想通貨は値動きが激しいことで知られている。今後も些細なきっかけで下落するリスクがあるため、下落リスクを踏まえて、余裕資金で投資することが大切だ。
ステラルーメン(XLM)の取引におすすめの取引所3選
仮想通貨のおすすめ取引所ランキングのうち、ステラルーメン(XLM)を取り扱っているおすすめの取引所を3社紹介する。
以上の3社は取引所として使いやすいので、ステラルーメン以外を買うときにも役に立つだろう。
また、今後取り扱いのある取引所が増えていく可能性があるのでそちらにも期待だ。
GMOコイン
GMOコインは、GMOインターネットグループが運営する仮想通貨取引所で、2021年のオリコン顧客満足度調査で総合1位を獲得した。また、「セキュリティ」「手数料の妥当性」などほとんどの個別項目でも1位を獲得している。
スマートフォンアプリ「暗号資産ウォレット」には、初心者向けの「ノーマルモード」があるため、投資初心者でも安心だ。経験者は「トレーダーモード」で高機能チャートを使ったり、レバレッジ取引をしたりできる。
GMOコインの概要 | |
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取扱通貨数(販売所) | 26通貨 (BTC,ETH,BCH,LTC,XRP,XEM,XLM,BAT,XTZ,QTUM,ENJ,DOT,ATOM,XYM,MONA,ADA,MKR,DAI,LINK,FCR,DOGE,SOL,ASTR,FIL,SAND,CHZ) |
取扱通貨数(取引所) | 11通貨 レバレッジ・現物取引共:BTC,ETH,BCH,LTC,XRP 現物取引のみ:XEM,XLM,BAT,QTUM,XYM,MONA |
取引手数料(販売所) | 無料 |
取引手数料(取引所) | Maker:-0.01% Taker:0.05% |
最低取引単位(XLM) | 3XLM(販売所) 1XLM(取引所) |
送金手数料 | 無料 |
入金手数料 | 無料 |
出金手数料 | 無料 |
レバレッジ取引 | 2倍 |
GMOコインの口コミ・評判
のぶ|40代男性
★★★★☆
初心者の私でもアプリの使い方が分かりやすく、簡単に始められ、現在1年以上がたちました。 特に資産推移グラフは自分の資産がどうなっているのか、一目瞭然で分かりやすいです。 販売所や取引所の売買だけでなく、暗号資産FXや積み立てもあり、色々な取引とコインの種類の多さが魅力だと思っています。 小額から始められるのも、初心者でも始めやすい所だと感じています。
Meter box|40代男性
★★★★★
ビットコインはもちろん、イーサリアムなどのアルトコインも豊富に扱っています。 web上で簡単に口座開設でき、本人確認書類の提出もスマホでできるので、非常にスピーディーでストレスがありません。 チャートや画面操作もわかりやすいので、初心者にとってビットコインの現物保有をするには十分な環境です。 経験者にとっても海外の取引所やウォレットとの入出金操作がわかりやすく、送金も他の取引所と比べて速いように思います。 何より入出金手数料0円はとてもお得です。 非常に使い勝手がよく、人気があるのも納得です。
タッ|20代男性
★★★★☆
他に比べて手軽に始めることが出来るのが1番のメリットだと私は思いました。またなにより手数料なども安いのでその点も魅力に思います。分からないことがあれば問い合わせへ聞けばすぐに回答も貰うことが出来ますので信頼して取引することが出来るのもいいところの1つだと私は思いました。全く不満点はない取引場所でした
bitbank
bitbankは32種類の仮想通貨を取り扱っており、手数料の低い取引所でも、豊富なアルトコインを取引できる。たとえば、モナコイン、クアンタム、ステラルーメン、ベーシックアテンショントークンといった知名度の低いアルトコインの取引も可能だ。
また、2021年2月のCoinMarketCap調べでは、国内取引量No.1を獲得した。また、貸仮想通貨サービスも実施している。
bitbankでは、スマートフォンからも取引ができ、60種類以上のテクニカル分析を用いて本格的な相場分析ができる。App Storeランキングファイナンスカテゴリーで第1位を獲得するなど、アプリも人気を博している。
bitbankの概要 | |
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取扱通貨数 | 32通貨 (BTC,XRP,LTC,ETH,MONA,BCC,XLM,QTUM,BAT,OMG,XYM,LINK,MKR,BOBA,ENJ,MATIC,DOT,DOGE,ASTR,ADA,AVAX,AXS,FLR,SAND,APE,GALA,CHZ,OAS,MANA,GRT,RNDR、BNB) |
取引手数料(販売所) | 無料 |
取引手数料(取引所) | Maker:-0.02% Taker:0.12% (一部銘柄を除く) |
最低取引単位(XLM) | 0.0000001XLM(販売所) 0.0001XLM(取引所) |
送金手数料 | 0.01XLM |
入金手数料 | 無料 |
出金手数料 | 550円/770円(3万円以上) |
レバレッジ取引 | なし |
bitbankの口コミ・評判
なんつ|50代男性
★★★★★
仮想通貨元年と言われた頃からのつきあいです。世界中でICOが盛んにおこなわれ、日本ではまだ仮想通貨を購入したり保管したりできる会社(ウォレット)はほとんどありませんでした。当時の口座開設の目的は、海外の取引所へのビットコインとイーサリアムの送金目的でしたが。今では送金も売買もせず、定期預金口座みたいになっています。
まさお|30代男性
★★★★☆
ビットバンクを利用する上で最高だと思えた内容の一つとしましては、まずは、セキュリティが固くて堅牢であると言うことでありましたワンタップでビットバンクが貯めれる場所でありながらも、セキュリティの頑丈さについては、国内でナンバーワンを獲得しておりますので、安心してオンライン上で取引をすることができる点が優れているポイントの一つです。他にも取引量が多くて安定していることや、アルトコインについて板取引できること、リアルタイムに入金できる等でした。
Coincheck
コインチェックは、アプリダウンロード数国内No.1を誇る人気の仮想通貨取引所だ。アプリはシンプルな操作画面で、仮想通貨に初めて投資する人でも直感的に操作できる。また、ビットコイン以外のアルトコインの取り扱いが豊富であり、ステラルーメンをはじめ多くの仮想通貨に投資できる。積立投資、ステーキング、貸仮想通貨など幅広いサービスがあるのも特徴だ。
Coincheckの概要 | |
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取扱通貨数(販売所) | 24通貨 BTC,ETH,ETC,LSK,XRP,XEM,LTC,BCH,MONA,XLM,QTUM,BAT,IOST,ENJ,SAND,DOT,CHZ,LINK,MKR,MATIC,IMX,APE,AXS,WBTC |
取扱通貨数(取引所) | 8通貨 BTC,ETC,LSK,MONA,PLT,FNCT,DAI,WBTC |
最低取引数量(BTC) | 販売所:500円相当額 取引所:500円相当額 |
取引手数料 | 販売所:無料 取引所:無料 |
送金手数料(BTC) | 0.0005 BTC ※コインチェックユーザー間は無料 |
送金手数料(ETH) | 0.005 ETH ※コインチェックユーザー間は無料 |
入金手数料(銀行振込) | 無料 |
入金手数料(コンビニ入金) | 3万円未満:770円 3万円以上30万円以下:1018円 |
入金手数料(クイック入金) | 3万円未満:770円 3万円以上30万円以下:1018円 50万円以上:入金金額×0.11%+495円 |
出金手数料 | 407円 |
レバレッジ取引 | - |
スマホアプリ | Coincheck(ios/Android) |
口座数 | 174万口座(2022年9月末時点) |
取引ツール(PC) | ブラウザ上で使えるツールあり |
貸暗号資産 | ◯ |
積み立て暗号資産 | ◯ |
Coincheck(コインチェック)の口コミ・評判
山田太郎|40代男性
★★★★★
暗号通貨取引のサイトは何社か登録しましたが、結局使っているのはコインチェックです。スマホアプリもパソコンサイトも、投資素人が扱いやすい設計になっていると思います。チャット機能もあります。取り扱っている通貨も多いです。過去にトラブルを起こした会社ですが、今はセキュリティなどもしっかりして、ビギナーが始めるにはベストな取引所だと思います。
カサンドラ|40代男性
★★★★☆
取引きできる通貨が非常に多く通貨の管理もしやすくサイトが使いやすいのでとても重宝する!!サイトデザインも素晴らしくとてもおしゃれなつくりで好感が持てるのが良い!!手数料も安く取引がたくさん行えるため気軽に稼ぐことができ非常に満足している!!数あるサイトの中でも一番使いやすいと思ったので皆さんにお勧めしたいです
ちな|20代女性
★★★★☆
こちらは17種類もの通貨を取り扱っているのが大きな特徴で、取引手数料が全て無料な点も魅力です。 何よりもアプリが使いやすく、チャートや総資産画面が見やすいだけではなく、暗号資産の購入・売却、日本円への入出金・送金などの一通りの機能を利用できます。 プッシュ通知機能を利用すると、タイミングを逃さずに取引できる点もいいなと思いました。
ステラルーメンを保有するメリットとデメリット
ステラルーメンを保有するメリットや、デメリットをチェックしておこう。
ステラルーメンを保有するメリット
ステラルーメンのメリットは…
- 運営上の意思決定が早い
- 送金スピードが速い
ステラルーメンのメリットは、運営上の意思決定が早いこと送金スピードの早さだ。
ステラルーメンは中央集権型なので、ひとつの組織が管理を一手に引き受けている。意思決定に携わる人も少数で済むので、計画を実行しやすい。管理体制の違いが、運営に大きく関わるのだ。
送金能力の高さにも注目だ。ステラルーメンは2~5秒で送金が完了するので、相手はほとんど待たされずに受け取れる。手間が少ない送金は手数料もかからないので、余分なコストもカットできるのだ。組織にとっては意思決定がスムーズに進みやすく、ユーザーにとっては扱いやすいのがステラルーメンである。
ステラルーメンを保有するデメリット
ステラルーメン保有のデメリット…
- オリジナリティがない
- 希少価値が高まりにくい
ステラルーメンのデメリットは、オリジナリティがないことだ。発行量が毎年増えているために、希少価値の減少を気にする人も多いだろう。
送金スピードの速さを売り出した通貨として、リップルが有名だ。ステラルーメンと同じ中央集権型なので、イメージが重複する。そのためリップルの相場が落ちれば、ステラルーメンもつられて落ちる可能性が高い。ステラルーメンは途上国の金融事業に力を入れているので、そこで独自性を確立できるかがカギだろう。
また、ステラルーメンでは毎年1%ずつ発行を進めているが、希少価値を持たせるという面では負の影響を与える可能性がある。発行枚数が少ないほど希少性があり、価値が上がりやすいからだ。2019年にステラルーメンは意図的に発行枚数を減らす「バーン」を行っているが、長期的には希少性によるアピールは期待できないだろう。
このようにステラルーメンには複数の課題があることも理解しておくべきだろう。