
仮想通貨ステラルーメン(XLM)とは

名称(通貨単位) | ステラルーメン(XLM) |
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発行年 | 2014年7月 |
開発者 | Jed McCaleb(ジェド・マカレブ)らが設立した非営利団体 SDF(Stellar Development Foundation) |
発行上限 | 約500億XLM |
時価総額 | 約1,079,259,442,041円 |
価格 | 1XLM=約35.00円 |
コンセンサスアルゴリズム | (SCP:Stellar Consensus Protocol) |
※2025年4月22日時点
ステラルーメン(XLM)は、リップル(XRP)の元開発者であるジェド・マカレブ氏が立ち上げた、国際送金を迅速かつ低コストで実現するために開発された仮想通貨プロジェクトです。XLMはステラネットワークでの独自通貨として利用されます。
マイニング不要の独自アルゴリズムSCP(Stellar Consensus Protocol)を採用しており、処理速度が速く送金手数料が安価な特徴を持ちます。
管理主体が存在する
ステラルーメンには、管理主体が存在します。Stellar Development Foundation(SDF/ステラ財団)という 非営利団体が開発を進め、運営や管理も一手に引き受けています。
一般的な仮想通貨は、管理主体が存在しない「分散型金融」という形態をとる場合が多いです。例えばビットコインなどは、ブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳に、取引履歴が記録され、世界中のどこからでもブロックチェーンを管理できる形になっています。
これに対し、ステラルーメンは、中央集権的な管理主体がある珍しいタイプの暗号資産(仮想通貨)であるといえるでしょう。
ブリッジ通貨としての役割がある
ステラルーメンは「ブリッジ通貨」としての、役割を期待されています。
例えば、日本からアメリカへの送金時は、円から米ドルに換えなければいけません。このときは送金に数日かかり、手数料も高くつきます。しかし日本円をいったんステラルーメンに換えてから、米ドルに移せば送金がスムーズに進みます。ステラルーメンの送金能力の高さが決済の手間を省き、手数料も抑えてくれるのです。 ステラルーメンは、国際送金を活発化させる可能性を秘めているため、世界経済を助ける存在として注目すべきでしょう。
決済スピードが早い
ステラルーメンは、決済で利用可能な仮想通貨の中でも、決済スピードが速いという点が特徴です。手数料も安いので、多くの人が便利と感じるでしょう。
ビットコインの場合一度の決済に10分程度かかりますが、ステラルーメンなら2~5秒で済むと言われています。暗号資産(仮想通貨)の決済は法定通貨よりも速いことが多いものの、2~5秒は特筆すべきレベルです。
ステラルーメンの今後の価格動向や将来性は?
ステラルーメン(XLM)は価格上昇の可能性を秘めた将来性を持つ仮想通貨だと考えられます。
その理由として、発展途上国での実利用拡大、時価総額の上昇や日本での信頼性向上、大手企業との提携といった複数の好材料が挙げられます。
特に、アフリカや東南アジアでの金融サービスの提供や、Mastercardやフランクリン・テンプルトンとの提携は、ステラルーメンの実用価値を高めています。
総合的に見れば、ステラルーメンは実用性を重視した独自のポジションを確立しつつあり、中長期的な成長が期待できるといえるでしょう。
ここからは、価格変動や将来性に関わる主な要因を詳しく解説します。
東南アジアやイスラム、アフリカ圏で事業が活性化する
2025年現在、ステラルーメンはこれまで金融サービスへのアクセスが限られていた地域での存在感を大きく高めています。
特にアフリカや東南アジア、中東地域では、ステラネットワークを活用した金融サービスが急速に普及しています。
地域 | 主な進展 |
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中東 | シャリア適合性認証を活用した送金サービス |
アフリカ | Yellow Card社によるUSDC(米ドル価格と連動した仮想通貨)入出金サービス |
東南アジア | イオングループとの提携によりXLMおよびUSDCによるブロックチェーン決済インフラを導入 |
2018年にはシャリア(イスラム法)適合認証を取得しており、イスラム金融の世界にいち早く対応しました。
イスラム金融では投機的取引は許容されておらず、実体経済に基づいた取引が重視されています。ステラルーメンはこの原則に沿った透明性の高いブロックチェーンプラットフォームとして、イスラム諸国での採用が進んでいます。
2024年にはアフリカで唯一認可を取得している仮想通貨決済アプリYellow Cardが、ステラネットワークを採用しました。米ドルの価格と連動した仮想通貨であるUSDCを現金と交換できるようになり、アフリカ20ヵ国での利便性が向上しました。
2025年4月には、東南アジア最大級の小売複合企業であるイオングループと提携し、XLMおよびUSDCによるブロックチェーン決済インフラの導入を発表しました。この取り組みにより、銀行口座を持たない人でもスマホひとつで簡単に送金や決済ができるようになると期待されています。
このような取り組みを通じて、ステラルーメンは今後もグローバルな金融包摂の鍵を握る存在として、その重要性をさらに高めていくでしょう。
ブラジルで初めて上場(2014年8月)
ステラルーメンは2014年8月にブラジルの仮想通貨取引所「Mercado Bitcoin(メルカド・ビットコイン)」に初めて上場し、当時わずか約0.2円という価格でした。
そして2025年4月22日現在では、時価総額ランキングで14位にランクインしています。すでにイーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)、アバランチ(AVAX)など、主要なアルトコインと並ぶほどの存在感を見せています。

日本国内での需要も高まっています。ステラルーメンは、国内取引所に上場している通貨のなかでも、金融庁による一定の審査をクリアした「グリーンリスト」にも含まれています。
これは、安全と信頼性がある通貨だと金融庁から評価されていることを意味しており、12社の国内取引所に上場しています(2025年3月時点での発表)。
今後もステラルーメンは、世界的市場と国内の信頼を両立する存在として、さらに注目を集めていくことでしょう。
大企業と提携している
ステラルーメンはIBMをはじめとする大手企業との提携を実現し、その実用性と信頼性を高めています。
提携企業 | 提携内容 |
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マネーグラム | 現金とUSDCの直接交換サービス |
フランクリン・テンプルトン | 米国債券ファンドのトークン化(2.7億ドル超) |
Mastercard | Crypto Credential(送金信頼性向上) |
2021年10月には米大手送金企業マネーグラムとの連携を発表しました。ステラネットワークのUSDCを活用した即時決済システムを導入することにより、グローバルな送金ネットワークの拡大を図っています。
特に注目すべきは、2021年に提携した大手資産運用会社フランクリン・テンプルトンがステラネットワーク上で米国債をトークン化して運用している点です。
米国債などの伝統的な金融資産とブロックチェーン技術の融合が進むことで、ステラネットワークの価値は高まっています。
また、2024年のMastercardとの提携により、ステラの技術が一般的な決済インフラに組み込まれつつある点も重要です。
こうした大企業との提携は、ステラルーメンの技術力を証明するものであり、XLMの価格を下支えしています。
ステラルーメンの価格やチャート

ステラルーメンの価格を過去3年のチャートから確認し、最近の価格動向について解説します。
2021年5月の高値から2023年1月までは、米国の金融引き締めの影響から下落が続いていたものの、直近では米国の規制環境の変化に大きく影響を受けて上昇の兆しがみえています。
ステラルーメンは過去に米国証券取引委員会(SEC)から証券と見なされるリスクが指摘され、一時は将来性を懸念されていました。
しかし2023年7月13日、類似プロジェクトであるリップル社(XRP)に対する裁判で「個人向けに販売されたXRPは有価証券ではない」との判断が示されました。XLMも規制リスク後退との見方から、価格が24時間で60%近く急騰しました。

さらに、2024年11月6日(日本時間)には、仮想通貨に積極的な姿勢を見せるトランプ大統領の当選が確定したことから、XLMの価格は24日までに479.07%もの価格上昇を見せました。

トランプ大統領の当選確定から価格は下落傾向にありますが、2025年4月21日にSECの新委員長として、仮想通貨に積極的な姿勢を見せるポール・アトキンス氏が就任したことで状況が変化する可能性があります。
前委員長のゲイリー・ゲンスラー氏は仮想通貨を厳しく規制してきた経緯があり、今後は規制体制の見直しと整備が進むことで、市場全体が活性化する可能性があります。
こうした環境変化を背景に、ステラルーメンの価格動向にも再び上昇への期待が高まりつつあります。
ステラルーメン(XLM)の取引におすすめの取引所3選
ステラルーメンを購入できるおすすめの仮想通貨取引所は以下の通りです。
3社は手数料が安いだけでなく、様々な暗号資産サービスに対応しています。手数料や対応サービスには以下のような違いがあるため、自分の取引スタイルにあった取引所を選びましょう。
GMOコイン | bitbank | SBI VC トレード (販売所のみ) |
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販売所手数料 (XLM) |
無料 | 無料 | 無料 |
取引所手数料 (XLM) |
メイカー:-0.03% テイカー:0.09% |
メイカー:-0.02% テイカー:0.12% |
- |
最低取引単位 (XLM) |
1XLM | 0.0001XLM | 1XLM |
入金手数料 (日本円) |
無料(※1) | 無料(※2) | 無料 |
出金手数料 (日本円) |
無料(※3) | 550円/770円 (3万円以上) |
無料 |
送金手数料 (XLM) |
無料 | 0.5XLM | 無料 |
レバレッジ取引 | ◯ | ◯ | ◯ |
積立投資 | ◯ | × | ◯ |
貸暗号資産 | ◯ | ◯ | ◯ |
公式サイト |
※2:指定口座への振込手数料は別途発生
GMOコイン
- 東証プライム市場上場のGMOコインが運営しているので安心できる
- 入出金・送金・取引手数料が無料
- 口座開設が早い
- スプレッドが広い
- 追証がある
- 取引規制(売り・買い)がある
GMOコインは2016年10月に設立された仮想通貨取引所です。東証プライム市場上場のGMOグループが運営しており、信頼性の高い取引所として累計口座数は約70万口座に達しています(2024年12月時点)。
- 貸暗号資産は2種類のコースから選べる
- 毎月500円から積立ができる
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GMOコインでは、以下の2種類からコースを選べます。
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銘柄 | ポルカドット |
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貸出期間 | 14日間 |
最小数量 | 3,000DOT |
最大数量 | 6,000DOT |
年率 | 20% |
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ステラルーメンに関するよくある質問
2025年4月23日時点でのステラルーメンの時価総額は約1.18兆円であり、260倍になると約306兆円です。これは、現在のビットコインの時価総額である約262兆円を超えることになります。
莫大な新規資金流入と実需拡大がビットコイン以上に求められるため、現実的には達成が極めて困難だと言えるでしょう。
2014年に上場してから11年を経て時価総額ランキング14位、国内では金融庁の「グリーンリスト」入りと信頼性も確実に向上しています。実際の問題解決と規制環境改善により、今後も発展が期待できる通貨だといえるでしょう。
また、大企業のフランクリン・テンプルトンによるステラネットワークを利用した米国債トークン化は、ステラルーメンの実用価値と信頼性を証明しているといえるでしょう。一方、リップル(XRP)など国際送金に強みを持つ競合との差別化が課題です。技術革新の進展や規制環境の変化など不確定要素も多く、XLMの将来は実用価値の創出と競争力の維持にかかっているといえるでしょう。