
アメリカ・トランプ大統領の新政権発足により、仮想通貨への価格上昇や技術開発に大きな期待が寄せられています。トランプ大統領は仮想通貨に前向きな姿勢を示しており、すでに仮想通貨に関する大統領令にも署名しているからです。
そんな後押しもあってか、ビットコインだけでなくさまざまなアルトコインにも注目が集まっています。たとえば、2017年に発表されたカルダノ(ADA)。今では日本国内のさまざまな取引所で売買されています。
この記事では、カルダノがどのような仮想通貨なのか、これまでの価格推移と今後の価格予想を解説します。
カルダノ/エイダコイン(ADA)とは
まず、カルダノ(ADA)とはどのような仮想通貨なのかを見てみましょう。
名称 | カルダノ(Cardano) |
---|---|
発表年 | 2017年 |
開発者 | チャールズ・ホスキンソン |
発行上限 | 450億枚 |
時価総額 | 約4.2兆円 |
価格(1ADA) | 約120円 |
マイニング(採掘) | PoS(Proof of Stake) |
カルダノは2017年9月に運用が始まったブロックチェーンプロジェクト。このブロックチェーン上でやり取りできる仮想通貨が、エイダ(ADA)というトークンです。

開発者は、ビットコインに次ぐ時価総額を誇るアルトコイン・イーサリアム(ETH)の創設メンバーでもある、チャールズ・ホスキンソン氏。カルダノはイーサリアムと同じく、さまざまなアプリケーションを開発するための土台になるべく生み出されました。
カルダノはイーサリアムと同じく、PoS(Proof of Stake)という取引の承認方法が採用されていますが、最大の違いは「Ourobros(ウロボロス)」という独自の仕様になっていることです。ウロボロスはADAを多く持っている人ほど取引の承認者に選ばれる可能性が高い仕組みで、承認者の選定はランダム性・公平性が高くなるように設計されています。
ADAを保管できるウォレットを開発したり、取引量が増えてもスムーズに処理できるようにしたりするなどのアップデートを繰り返しているのも、カルダノの大きな特徴です。
開発者のホスキンソン氏は、トランプ大統領の就任前から彼の仮想通貨政策を支援しており、カルダノ支持者もホスキンソン氏の発言を受けてトランプ大統領に注目していました。
カルダノ/エイダコインの今後の値動きは?将来性を予想
ここからはカルダノの今後の値動きについて解説します。将来価格を予想する前に、カルダノが登場してから現在までどのような値動きで推移してきたのかを見てみましょう。
カルダノのこれまでの価格推移を解説
2017年9月に発行されたカルダノ。最初は1ADA=3円前後で取引されていました。
2017年末に起こった「仮想通貨バブル」もあり、1ADA=112円まで上昇しましたが、2018年に入るとバブルが弾け、価格はみるみる急降下します。
しばらくは低調だったカルダノですが、2019年~2020年ごろに行われた「Shelley」というアップグレードにより、多くの人がカルダノのネットワークに参加できるようになりました。
2021年には、再び価格が急上昇します。5月17日には1ADA=250円、9月2日には310円を超える価格をつけました。
2017年の仮想通貨バブル以上の高騰を見せた理由は、イーサリアムとの競争です。2021年9月のアップデートにより第三者が間に入らなくても知らない人同士が安全に取引できる機能(スマートコントラクト機能)が実装され、カルダノのブロックチェーンを使ってDApps(分散型アプリケーション)の構築ができるようになりました。
イーサリアムにもスマートコントラクト機能はありますが、カルダノはよりセキュリティに力を入れている点や、使われているプログラミング言語などが異なります。
2023年は1ADA=50円前後で、そして2024年は市場全体が回復してきたこともあり、1ADA=100円前後まで上昇。トランプ大統領の勝利・再選が決まった11月には、1ADA=約180円まで急騰しました。
カルダノは、イーサリアムと同じくアップグレードを繰り返してさまざまな機能を実装してきました。価格上昇に直結することが多いため、今後予定されているアップグレードにも期待が寄せられます。
カルダノの将来価格はどうなる?
カルダノの価格は、今後上昇する可能性が高いと予想されます。イーサリアムとの比較や、分散型金融(DeFi)やNFT市場参入による成長、そのほかアップグレードの動向から、カルダノの将来性は高いといえるでしょう。
ここからは、カルダノのアップグレード予定や時事的な要素を考えながら、将来価格がどのように変化するのかを解説します。
イーサリアムとの競争優位性
カルダノの将来価格は、イーサリアムとの競争優位性が大きく関連します。カルダノは、時価総額2位のイーサリアムとさまざまな共通点を持つアルトコインです。
先述の通り、どちらもDApps(分散型アプリケーション)を構築する土台として開発されていて、スマートコントラクト機能が備わっています。ユーザー数や開発されたアプリ数ではイーサリアムが優位ですが、カルダノはイーサリアムより優位性がある機能が多数あります。
たとえば、取引の承認方法であるコンセンサスアルゴリズムが「ウロボロス」という独自のPoSであり、より安全に報酬を受け取れる仕組みになっています。今後この仕組みがさらに評価されれば、価格は上昇していくことが期待できます。
DeFiへの期待
カルダノのブロックチェーンには、DeFi(分散型金融)に関するアプリが多数作られています。DeFiとは、ブロックチェーン技術を使った金融サービスのことです。

DeFiといえばイーサリアムが有名ですが、カルダノもスマートコントラクトを実装し、徐々にその勢力を伸ばしています。実際に、カルダノのブロックチェーンを用いた分散型取引所(DEX)や、担保や本人確認を必要としない仮想通貨の貸出(ローン)などがあります。
利用者やDeFiの数はイーサリアムが多いものの、カルダノのDeFiも今後さらに増えていくと予想されます。参入者が増えて活発に取引が起きれば需要も高まり、さらにカルダノの価格上昇が期待できるでしょう。
NFT市場への参入拡大
拡大するNFT市場には、カルダノも参入しています。NFTとは「非代替性トークン」のことで、オリジナルであることをブロックチェーンに記録できるデータです。

デジタルイラストや音楽などの偽造・盗作を防ぎ、誰が作者なのか、誰から誰に所有権が渡ってきたのか、いくらで売買されてきたのかがすべてわかります。
NFTはイーサリアムやポリゴン、ソラナなどさまざまなブロックチェーン上で作られていますが、カルダノのNFTも急成長を見せています。
カルダノのNFTはイーサリアムに比べて、ガス代と呼ばれる手数料が大きく削減可能です。新規ユーザーでも気軽に参加しやすく、購入・出品どちらも参入するハードルが低いと言えるでしょう。
続くアップグレード
カルダノは2025年1月30日、「Plomin」というアップグレードを実施しました。
カルダノが目指している「真の分散化」に向けたもので、ADAを保有している人がさまざまな事柄について自分の意思を投票という形で表現できるようになります。今後、アップグレードや保有している資金の引き出しなどは、カルダノのコミュニティに参加している人の総意によって決定するということです。
取引の承認方法であるPoSと同じく、投票権についても他の人に委任できる仕組みになっています。
カルダノ/エイダコイン(ADA)のチャートテクニカル分析
カルダノの今後のチャート価格について、ファンダメンタル分析だけでなくテクニカル分析からも動向を予想したい方に向けて、ここでは日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリストの資格を持つ金子剛さんが今後の価格を分析します。

金子剛さん
投資家×Webライター
FXトレーダー。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリストの資格を持ち、分析技術だけでなく周辺知識にも精通している。FXは15年以上、仮想通貨も10年程度の取引経験を持つ。2013年に開催されたFXコンテスト(Forex.com社開催)では約90名の中で優勝も経験。
◼︎保有資格
・日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト
■SNSアカウント
・Twitter
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・プロフィール
カルダノは2025年3月現在、テクニカル的な視点から見ると、厳しい局面を迎えています。短期(3ヵ月)では、86円付近を下回ると、さらに大きく下落する可能性があり、購入には慎重な判断が求められます。
長期(3年)では地合い(市場環境)はやや悪いものの、過熱感は無くなってきました。6ヵ月移動平均線を明確に超えることができれば、節目である150.0円、そして直近最高値である198.6円付近までの上昇が視野に入ってきます。
短期(3ヵ月)- 86円を下抜けると厳しい展開に

週足チャートでカルダノは13週(青)、26週(緑)の2本の移動平均線を下抜けており、地合いは悪いです。さらに、MACDもデッドクロスしており、短期的な下落トレンドが続く可能性が示されています。ただし、一時は85を超えていたRSIが45付近まで下落し、相場の過熱感は感じられません。
2025年1月に付けた安値である86.2円付近(水色の丸)を試した後に反発し、3月2日時点で価格は96.6円付近で推移しています。しかし、この水準での反発が持続的かどうかは不透明です。
ローソク足がこの86.2円付近のサポートラインを明確に下回ると、カルダノはさらなる下落が続く可能性が高いです。86.2円付近の他にも、89.9円付近には重要な52週移動平均線(茶)が位置しており、これもサポートラインとして機能することが期待されます。
もし52週移動平均線と1月の安値を共に下抜けるようなことがあれば、2024年7月に付けた安値である39.6円付近(黒の丸)までの大幅な下落があってもおかしくありません。
一方、上昇のシナリオとしては、まずは13週移動平均線の位置する142.1円付近が目標となるでしょう。13週移動平均線を超えることができれば、3度上昇が阻まれた180円付近(黄色の丸)までの上昇が見込まれます。
買いポジションを保有する場合は、下落リスクを考慮し、86.2円付近の明確な下抜けがあれば素早く損切りをし、大きな損失を防ぐことが重要です。逆に、ローソク足が13週移動平均線を明確に上回る場合は、新たな上昇トレンドの発生と判断し、180円付近までの上昇を狙うのもよいでしょう。
長期(3年)- 6ヵ月移動平均線を上抜ければ150円が視野に

月足チャートでカルダノは6ヵ月(青)移動平均線を下抜けており、地合いはやや悪いです。ただし、一時は70を超えていたRSIが50付近まで下落し、相場の過熱感は和らいでいます。
2025年2月には大きな下落を見せましたが、12ヵ月移動平均線(緑)にタッチした後に反発し、3月2日時点で価格は97円付近で推移しています。12ヵ月移動平均線の他にも、74.3円付近には重要な24ヵ月移動平均線(茶)が位置しており、これもサポートラインとして機能することが期待できそうです。
ただし、もし12ヵ月移動平均線と24ヵ月移動平均線を共に下抜けるようなことがあれば、まずは2024年7月に付けた安値である39.6円付近(黒の丸)、そして2023年6月に付けた安値である32.2円付近(黄色の丸)までの大幅な下落があってもおかしくありません。
一方、上昇のシナリオとしては、まずは6ヵ月移動平均線の位置する114.7円付近までが目標となるでしょう。6ヵ月移動平均線を明確に超えることができれば、節目である150.0円、そして直近最高値である198.6円付近までの上昇が見えてきます。
上昇に転じる可能性は十分にありますが、買いポジションを保有する場合は、12ヵ月移動平均線と24ヵ月移動平均線の明確な下抜けがあれば素早く損切りをし、大きな損失を防ぐことが重要です。逆に、ローソク足が6ヵ月移動平均線を明確に上回る場合は、新たな上昇トレンドが発生し、最高値の更新にトライする可能性もあります。
カルダノ/エイダコイン(ADA)購入におすすめの仮想通貨取引所
カルダノ/エイダコイン(ADA)を購入できるおすすめの仮想通貨取引所は以下の通りです。
3社は手数料が安いだけでなく、様々な暗号資産サービスに対応しています。手数料や対応サービスには以下のような違いがあるため、自分の取引スタイルにあった取引所を選びましょう。
GMOコイン | bitbank | BITPOINT | |
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販売所手数料 (ADA) |
無料 | 無料 | 無料 |
取引所手数料 (ADA) |
メイカー:-0.03% テイカー:0.09% |
メイカー:-0.02% テイカー:0.12% |
無料 |
最低取引単位 (ADA) |
1ADA | 0.0001ADA | 0.01ADA |
入金手数料 (日本円) |
無料(※1) | 無料(※2) | 無料(※1) |
出金手数料 (日本円) |
無料(※3) | 3万円未満:550円 3万円以上:770円 |
月1回無料 (月2回目以降は330円/回) |
送金手数料 (ADA) |
無料 | 1ADA | 無料 |
レバレッジ取引 | ◯ | ◯ | × |
積立投資 | ◯ | × | ◯ |
貸暗号資産 | ◯ | ◯ | ◯ |
公式サイト |
※2:指定口座への振込手数料は別途発生
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カルダノ/エイダコインに関するよくある質問
カルダノは今後、「ミッドナイト」という再度チェーンのメインネットリリースをはじめ、さまざまな目標が掲げられています。そのため、「将来がやばい」といった評判は根拠がないといえるでしょう。
カルダノとビットコインとのつながりも注目に値します。カルダノは今後、ビットコインを使うユーザーがカルダノのブロックチェーン上でDeFiを利用し、カルダノの複線として機能するミッドナイトを経由して、取引をできるようにするとしています。
カルダノは2030年までに数十億人規模のユーザーをサポートするとしており、その後も含めた長期的な目線での発展を目指しています。
そのためには、より多くの人が参入するハードルを下げることが前提です。セキュリティや分散性を維持するのはもちろんですが、カルダノは「価格」にも言及しています。ビットコインのように1,000万円を超えるような金額になると、一般ユーザーの足は遠のくでしょう。手頃な価格を維持することも、参入ハードルを下げる大切なポイントと言えます。
10年後の価格がどうなるのかは、いかにカルダノを利用する人が増えるかどうかで決まるでしょう。