「FINSCHIA(フィンシア)」は、Finschia Foundationが開発・運営している。

私たちは日常生活でLINEアプリを用いることが多いですが、そのなかで仮想通貨の話やFINSCHIAの話に触れることはほとんどありません。そのため、LINEユーザーであってもFINSCHIAのことは知らないという人がほとんどではないでしょうか。

しかし、FINSCHIAはFinschia Foundationが本腰を入れて開発し、普及を目指している仮想通貨であり、その構想は壮大です。

FINSCHIAはFinschia Foundationが構想を描いている「LINEトークンエコノミー」で基軸通貨とすることを目指しています。このLINEトークンエコノミーとは、LINEが開発しているブロックチェーン「LINE Blockchain」を基盤としたエコシステム上にさまざまなサービスを展開する構想です。

Finschia Foundationはこうした経済圏の構築には基軸通貨が欠かせないとして、独自通貨のFINSCHIAを開発しました。

すでに述べているように、仮想通貨FINSCHIAは、Finschia Foundationによって開発されました。その目的はLINEトークンエコノミーという経済圏構想の中で基軸通貨として流通させることで、その計画に向けて着々と準備が進められている段階です。

取引におけるティッカーシンボルは、FNSAです。なお、まだ誕生してからあまり時間が経ってない仮想通貨ということもあって、時価総額などのデータは不詳です。そして、総発行数は10億と設定されています。

FINSCHIAが持つ最大の特徴はLINEグループのLINE TECH PLUS PTE. LTD.が鋳造する暗号資産です。そこから始まるFinschia Foundationの構想も含めて、FINSCHIAの主な特徴を紹介します。

2.1.LINEトークンエコノミーの基軸通貨

FINSCHIAは、LINEトークンエコノミーで基軸通貨となるべく開発されました。

その技術的基盤としてLINE Blockchainを据え、そこから展開されるさまざまなサービスでFINSCHIAはポイントシステムのように機能します。

ユーザーはLINEトークンエコノミー上のサービスを利用したり、物品を購入したりする際にFINSCHIAを用いることができますし、それらの利用に応じてポイントのようにFINSCHIAが還元されます。

このFINSCHIAはサービスの利用だけでなくサービスへの貢献などでも支払われるため、LINEトークンエコノミーにおいてサービスやコンテンツなどを提供した人もFINSCHIAを受け取ることができます。

こうしたLINEトークンエコノミーが1つの経済圏となり、そこでFINSCHIAが基軸通貨として流通するようになります。

2.2.NFTマーケットをリリース

Finschia Foundationは、LINE Blockchainにおいて、NFTマーケットをリリースしています。このNFTとは識別子をもった仮想通貨のことで、アート作品や音楽といったコンテンツ、チケットなど唯一性が求められるデジタル資産と紐づけることで安全に流通させることができる仕組みです。

Finschia FoundationがリリースするNFTマーケットではもちろん、このFINSCHIAが基軸通貨として流通します。他社のNFTマーケットプレイスでは取引時に手数料が発生しますが、FINSCHIAのNFTマーケットは手数料が無料であるとのことで、利用拡大が期待されます。

まだまだ誕生して間もない印象が強いFINSCHIAですが、今後はどのような展開が考えられるのでしょうか。Finschia Foundationが描く未来も含めて考察します。

3.1.LINE以外の取引所への上場

FINSCHIAは、系列の仮想通貨取引所であるLINE BITMAX(ラインビットマックス)に上場しています。これは同系列なので当然といえますが、それ以外の取引所にはほとんど上場していない状況です。

海外のBITFRONTという取引所に上場していますが、このBITFRONTもLINE系列の取引所なので、まだまだ世界中の取引所に上場して本格的に普及していく、という流れにはなっていないのが実情です。

3.2.既存のLINEユーザーがLINEトークンエコノミーのユーザーとなる展開が期待される

LINT BITMAXやBITFRONTなど、「自前」の取引所にしかまだ上場を果たしておらず、他にたくさんあるような「草コイン」の域を出ていないFINSCHIAですが、すでに価格が高騰しているのは、今後に向けての期待感があるからでしょう。

特にFINSCHIAが他の草コインと異なるのは、開発・運営元であるFinschia Foundationの系列であるLINE Xenesis株式会社が、国内に7,000万人を超えるユーザーを擁する国民的な情報通信インフラにまで成長したLINEのグループ会社だからです。

これだけの既存ユーザーが全部とはいかなくても大移動するようなことになれば、LINEトークンエコノミーの「人口」が大きく増加する可能性があります。

さらにLINEは日本国内最大のポータルサイトYahoo!JAPAN(ヤフージャパン)とも経営統合しているので、相乗効果に期待が持てます。

3.3.DappsやNFTの市場拡大

LINEは莫大なユーザー数や知名度を武器に、LINEトークンエコノミーの構築においてもその強さを発揮しています。

2020年8月には開発者向けのプラットフォームの提供を開始しましたが、それに対してすでに多くの企業から利用申請が届いているとのことです。それだけ企業側のLINEトークンエコノミーに対する期待値が高いことをうかがわせます。

それに加えて、成長著しい分野であるNFTマーケットをリリースすることで利用者が増加すれば、FINSCHIAの利用価値もどんどん高まっていくでしょう。

FINSCHIAは、2021年になって急騰した仮想通貨の一つです。まだ自社系列の取引所にしか上場していないにもかかわらず、以下のチャートのような力強い上昇をしたのですから、注目度や期待がとても高いことが見て取れます。

半年に満たない期間に5倍以上の高騰を演じたわけですが、これには以下のような要因があると考えられます。

・コロナ後を見据えて仮想通貨全体の大相場があった時期と重なる
・動画ストリーミングサービス「THETA.tv」がLINE Blockchain上で構築され、知名度の高い企業との業務提携が注目を集めた

2番目の「THETA.tv」については、ニュースが発表されたのが2021年3月9日なので、一度調整反落していたFINSCHIAが再び力強く上昇したことに寄与しているのは間違いないでしょう。

仮想通貨の未来の価格を予測することは極めて難しいのですが、LINEそのものが持つ強みやFINSCHIAが持つ可能性を考慮して、今後のFINSCHIAの価格予想をしてみたいと思います。

5.1.1年後の価格予想

今後に向けてLINEトークンエコノミーで具体的なサービスが開始され、そのサービスが広く利用するようになっていくと、それに比例するようにFINSCHIAの価格も上昇していくでしょう。そこにはFINSCHIAを基軸通貨として利用するユーザーからの実需と、その需要増を見越した投資家からの思惑買いが入るからです。

7ドル台が安値圏で、高値は2021年5月につけた53ドルです。初期の低迷期と比べると7倍以上の高騰が示現しているので、LINEトークンエコノミーの動向によっては2021年7月につけた直近の安値圏である13ドル台からの7倍ジャンプアップが起きても不思議ではありません。

13ドルからの7倍だと、91ドルです。1年後にはLINEトークンエコノミーのサービス全容が明らかになってきますし、その頃にはFINSCHIAの需要を見越した他の取引所がFINSCHIAを上場している可能性もあるため、この7倍ジャンプアップは決して非論理的な価格ではないと思います。

安値圏は13ドル台で、高値圏は90ドル以上100ドル前後、というのは現在のFINSCHIAチャートから見える価格予想です。

5.2.2022年以降の価格予想

2022年以降のFINSCHIAについては、もし前項のように100ドル近くまでの上昇が実現していればさらなるジャンプアップが現実味を帯びてきます。ただし、そのためにはLINEトークンエコノミーでさまざまなサービスが提供されている状態で、その基軸通貨であるFINSCHIAの需要が高まることで世界の主要な仮想通貨取引所に上場されていることが前提になります。

この条件を満たしている場合のFINSCHIAは、2022年以降も堅調に上昇を続けていくでしょう。つまり、2022年以降は特にFINSCHIAの動向がどうなるかがLINEトークンエコノミーの展開次第となりそうです。

メッセージアプリのLINEが今後大きく需要を失っていくとは考えにくいので、その強固な基盤のうえに構築されるLINEトークンエコノミーが重要な社会インフラとなっていくことで、FINSCHIAも堅調さを維持するのではないでしょうか。

今後の値上がり期待でFINSCHIAを購入するのであれば、うまく押し目を拾いたいところです。2021年9月現在では53ドル付近が最高値で、そこから13ドル付近まで下落したのちに反発した状態で推移しています。

一度つけた高値から急落して安値をつけたあとで反発している相場では、再度下押しがあったときに押し目を拾う戦略が有効でしょう。

そこで、先ほどのFINSCHIAの日足チャートにテクニカル分析の有名な指標であるフィボナッチ・リトレースメントを描画してみました。

これを見ると、50%戻しである33ドル、そして23.6%戻しである22ドル付近で相場が反転しているのが見て取れます。28ドル付近からの下押しで22ドル台までの下落があれば、そこが1つめの押し目で買いポイントになります。ここから下は安値圏と判断できるので、22ドルより下では随時買っていける価格であると考えられます。

すでに述べているように、FINSCHIAを購入できるのはFINSCHIAの開発・運営元であるFinschia Foundationの系列であるLINE BITMAXとBITFRONTとSBI VCトレードの3社です(2021年11月時点)。

この3社のうち国内向けにサービスを行っているのはLINE BITMAXとSBI VCトレードなので、ここに口座を開設することで簡単に購入することができます。

LINE BITMAX

LINE BITMAX
LINE BITMAXの概要
入金手数料 無料
出金手数料 LINEPayの場合:110円(税込)
銀行口座の場合:400円(税込)
送金手数料 0.001 BTC, 0.005 ETH, 0.15 XRP, 0.001 BCH, 0.001 LTC
取引手数料(販売所) 無料
取引手数料(取引所) フィンシア(FNSA)のみ
メイカー手数料:-0.01%
テイカー手数料:0.05%
取り扱い通貨 7通貨(FNSA,BTC,ETH,XRP,BCH,LTC,XLM))
最低取引額 1円相当額(販売所)
1円相当額 フィンシア(FNSA)のみ (取引所)
レバレッジ取引 2倍(売りのみ)

LINEグループが運営する暗号資産サービスであり、ビットコインとイーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、フィンシア、ステラルーメンの7種類の仮想通貨をトレード可能です。

日本大半の人が利用しているサービスを運営している企業が取引所の母体なので、破綻リスクも低く、長期にわたって、安心して仮想通貨の取引をしたい人にとっては有力な選択肢になるでしょう。

LINE BITMAXが向いている人

LINE BITMAXが向いている人

LINE BITMAXが向いている人はLINEを普段から利用している人だ。LINE Payと連携すると本人確認にかかる時間を短縮できたり、入金がスムーズに行える。

LINE BITMAXが向いていない人

LINE BITMAXが向いていない人

LINE BITMAXが向いていない人は複数の通貨を売買したい人だ。独自のトークンFNSA(フィンシア)を含め、7種類の銘柄しか取り扱っていない。

LINE BITMAX(ラインビットマックス)の評価ポイント

①独自トークン「フィンシア」を扱っている

国内で唯一独自トークン「フィンシア(FNSA)」の取り扱いがある。フィンシアは2020年に公開されてから、1,300円前後の高推移をキープするほど期待されているトークンである。(※フィンシア:23年5月に通貨名称変更)

②LINE Payとの連携でより便利になる

LINE Payと連携することで、LINE Payからの入金手数料が無料になる。出金手数料も安く、110円でスムーズに行えるなどのメリットがある。

③レンディングの利率が高い

LINE BITMAX の貸出期間は最小1日から可能と柔軟性が高く、FINSCHIAの場合はプランによっては最大で年率8%程度の貸借料を受け取ることができる。

SBI VCトレード

SBI VCトレードの概要
入金手数料 無料
出金手数料 住信SBIネット銀行:無料
住信SBIネット銀行以外の金融機関:145円
送金手数料 無料
取引手数料(販売所) 無料
取引手数料(取引所) 無料
取り扱い通貨 20通貨(BTC,ETH,XRP,LTC,BCH,DOT,FINSCHIA,AD,DOGE,XLM,XTZ,SOL,AVAX,MATIC,FLR,OAS,XDC,SHIB,DAI,ATOM)
最低取引額 10 XRP, 0.0001 BTC, 0.0001 ETH, 0.0001 BCH, 0.0001 LTC, 0.001 FINSCHIA, 0.001 DOT(販売所)
1 XRP, 0.0001 BTC, 0.0001 ETH, 0.0001 BCH, 0.0001 LTC, 0.001 FINSCHIA, 0.001 DOT(取引所)
レバレッジ取引 -

SBI VCトレードが向いている人

SBI VCトレードが向いている人

SBI VCトレードが向いている人は販売所での取引をメインにしたい人だ。取引所で発生するスプレッドが狭く、業界最狭水準となっている。

SBI VCトレードが向いていない人

SBI VCトレードが向いていない人

SBI VCトレードが向いていない人は24時間取引可能な取引所が良い人だ。毎朝定期メンテナンスがあるため、その時間は取引をすることができない。

SBI VCトレードの評価ポイント

①各種手数料が安い

入金手数料が0円で、出金手数料も住信SBIネット銀行を利用すると0円に、他銀行からでも145円と安い。

②少額投資が可能

現物取引は販売所形式、取引所形式どちらも約100円から投資が可能。レバレッジ取引も約100円から開始できる。

③スプレッドが狭い

販売所形式で取引する際、実質的な取引手数料であるスプレッドが業界最狭水準になっている。

8.まとめ

私たちが日常的に利用しているメッセージアプリのLINEが手掛ける壮大な経済圏構想のLINEトークンエコノミー、そしてそこでの利用を想定している仮想通貨FINSCHIAについて解説しました。他の草コインと違ってLINEはすでに莫大なユーザーを有しており、そのLINEが仕掛ける構想だけに成功する可能性は高いといえます。

そんなLINEトークンエコノミーでの基軸通貨となるFINSCHIAが今後、他の取引所に上場されるなど利便性や時価総額が高まって来ることは十分考えられます。それを見越して購入しておくのであれば、まだまだ開発途上の段階である今がチャンスかもしれません。