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2024年11月にドナルド・トランプ氏の大統領就任が決定した後、仮想通貨市場はますます活発になっています。ビットコインだけでなく、多くの投資家が将来性のあるアルトコインにも注目するようになりました。中でも、SUI(スイ)はわずか3ヵ月で3倍近くの価格上昇を記録し、多くの投資家から注目されています。
しかし、「この先、どこまで成長するのか?」「今から投資しても遅くないのか?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、SUIの特徴や過去の価格推移、今後の展望などを詳しく解説します。投資のチャンスを逃さないためにも、SUIの将来性をしっかりと見極めていきましょう。
仮想通貨スイ(SUI)とは
スイ(SUI)は、ブロックチェーンプラットフォーム「sui」の基軸通貨です。次世代の仮想通貨として注目を集めており、時価総額は約1.6兆円で12位にランクインしています(2025年2月15日時点)。
名称 | スイ(SUI) |
---|---|
発行年 | 2023年4月 |
開発者 | Mysten Labs |
発行上限 | 100億枚 |
時価総額 | 約1.6兆円 |
価格(1SUI) | 約538円 |
コンセンサスアルゴリズム | DPoS(Delegated Proof of Stake) |
SUIはメタ社(旧Facebook)内の仮想通貨プロジェクトの中心メンバーによって開発されました。特にCEOを務めるエヴァン・チェン氏は、メタ社以前はアップル社で勤務しており、優秀なエンジニアとして知られている人物です。
SUIは、メタ社が開発したプログラミング言語「Move」を改良した、独自言語「Sui Move」によって開発されています。安全性や処理能力に優れているため、幅広いアプリケーション開発に活用できるのが特徴です。
また、コンセンサスアルゴリズムには「DPoS(Delegated Proof of Stake)」が採用されています。
ブロックチェーンにおいて、取引内容を検証・承認するシステムのこと。
DPoSはイーサリアム(ETH)などで用いられている「PoS(Proof of Stake)」を発展させたものです。SUIの保有者による投票によって選出された少数の人(バリデーター)が取引の承認作業を行う仕組みになっているため、従来のPoSよりも処理速度が向上しています。
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実際に、SUIのTPS(ネットワークが1秒間にどれくらいの取引を処理できるかを表す指標)は最大で29万7,000件と、15~20件程度のイーサリアムを大きく上回っています。
スイ(SUI)の将来性はある?最新の価格動向を予想
スイ(SUI)は、その独自の技術や大手企業との提携などから、将来性が期待される仮想通貨の一つです。
以下では、これまでの価格推移を基に、2025年以降のスイ(SUI)の値動きについて予想していきます。
スイ(SUI)のこれまでの価格推移を解説
スイ(SUI)のこれまでの価格推移を振り返ると、外部要因や市場の動向に大きく影響を受けながらも、技術的な進展やパートナーシップの強化により、長期的には上昇傾向を示していることがわかります。
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SUIは2023年5月にKucoinやBybitなどの海外仮想通貨取引所に上場(IEO)し、取引が開始されました。
上場直後の5月には180円台で取引されていましたが、その後、6月に米証券取引委員会(SEC)が大手仮想通貨取引所のコインベースやバイナンスなどを提訴したことや、10月にUIの開発を支援するSui財団が韓国の規制当局から、SUIの供給量捜査の疑いで調査の申し立てを受けたことなどの影響を受けて、仮想通貨市場全体が低迷し、10月には50円台まで下落しました。
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しかし、2024年2月頃からは、米SECによるビットコインの現物ETF承認やDeFi市場での存在感の増加などを背景に、価格は徐々に上昇。3月には300円代を記録しました。
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その後、2024年の夏から秋にかけて一時的な下落を経て、再び上昇傾向を示し、9月後半には300円台をつけるようになりました。
2024年の8~9月にかけて以下のような動きがあったことが、価格上昇の要因として考えられています。
- 新しいコンセンサスメカニズム「Mysticeti」の導入
- Web3ゲーム対応ポータブルゲーム機「SuiPlay0x1」の先行予約販売開始
- ステーブルコインUSDCがSui上で発行されることが決定
- ビットコインETFの発行企業グレースケールが「Grayscale Sui Trust」と呼ばれる投資信託を販売開始
さらに、2024年11月にはドナルド・トランプ氏が大統領選で勝利したことにより、仮想通貨市場全体が活発化。
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スイ(SUI)の価格も11月は約2週間で200%以上上昇し、500円台に突入しました。
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2025年1月には800円台を突破しましたが、その後、トランプ大統領の関税強化による米経済悪化懸念から、仮想通貨市場全体が下落し、スイ(SUI)の価格もやや下落傾向に入りました。2025年2月15日時点の価格は約538円(約3.47ドル)です。
スイ(SUI)の今後の値動きはどうなる?
SUIの今後の値動きについて、さまざまな角度から予想してみましょう。
ビットコインの動きに連動するとした場合の予想
SUIのコンセンサスアルゴリズムや開発目的などは、ビットコインと大きく異なります。しかし、これまでの価格推移を見ると、ビットコインの価格と連動する傾向が見られます。
例えば、2024年1月のビットコインの現物ETFが承認されたタイミングや、ドナルド・トランプ氏が大統領に当選した2024年11月のタイミングでビットコインが上昇した際、SUI(スイ)も同様に価格が上昇しました。
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反対に、2023年前半のビットコイン停滞期や2025年2月以降のビットコイン下降相場では、SUIの価格も伸び悩んでいます。
このような過去のデータからSUIの価格はビットコインの動きと一定の相関があると考えられます。
2024年4月20日に迎えた半減期から1年が経過することや、米国によるビットコインの購入(戦略的備蓄)が期待されていることなどから、2025年にビットコイン価格が上昇すると予想している専門家は少なくありません。
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SUI(スイ)の今後の価格予測をする際には、ビットコインの動きも参考にしてみましょう。
専門家の予想
SUI(スイ)の価格を予想する際は、専門家の見解も確認しておくと良いでしょう。
3500以上のICOの記録を保持するデータベースをもつ「CoinCodex」によれば、SUI(スイ)の価格は2025年3月に最大で14.96ドルに達し、2030年には平均で10ドル前後になると予想されています。
ビットコインETFの発行企業「VanEck」の上級投資アナリストであるパトリック・ブッシュ氏は、SUIが同じMOVE言語を使用しているアプトス(APT)と比較しても優れた機能を持つと評価しており、2025年中に最大16ドルまで達する可能性があると述べています。
AIを用いた仮想通貨の価格予想サイト「CoinPriceForecast」では、SUI(スイ)の価格が2025年末までに10ドルに達し、2026年末までに12ドルに達すると予測しています。
ソラナ(Solana)との比較
SUIは、高速な取引処理能力とコストの低さ(ガス代の安さ)が特徴で「ソラナ(SOL)キラー」として注目されています。
実際、SUIはDeFi市場で急速に成長し、DeFi TVLランキングでトップ10入りを果たしています(ソラナは3位)。
2025年2月15日時点で、ソラナの時価総額は約14兆円です。SUIの市場規模がこれに近づけば、さらなる価格上昇が期待できるでしょう。
大手企業との提携
SUIは、大手IT企業やゲーム関連企業との提携を積極的に進めています。例えば、アリババグループのアントグループ傘下のZANとの提携により、APAC地域でのブロックチェーン開発を推進しています。日本企業ではグリーや電通などがSUIとのパートナーシップ締結を表明しました。
また、SUIの開発を支援するSui財団が2024年11月22日に米大手資産運用会社フランクリン・テンプルトンとの戦略的パートナーシップを締結したことも話題になっています。
今後もこのような提携が進めば、SUI(スイ)の開発サポート強化や、ゲーム開発などの分野での活用が期待できます。ひいては機関投資家からの信頼獲得につながり、価格が上昇する可能性は十分あるでしょう。
AI技術の導入
SUIは、AI技術の活用にも積極的に取り組んでいます。2024年4月には、オープンソースプロジェクトにおける、バグ検出に特化したAI監査ツールの開発を発表しました。
また、開発者向けのオープンソースツールとして「Sui GPT」を開発しており、スマートコントラクト開発の効率化にも取り組んでいます。
AI技術の導入が進めば、開発効率やセキュリティの向上により、SUIの価値向上につながる可能性があるでしょう。
供給枚数
SUIの発行上限は100億枚と設定されていますが、現在流通しているのは約30%です。今後の供給枚数の増加に対して資金の流入が追いつかなければ、価格が下落するリスクがあります。

SUIの公式サイトによると、2030年までに供給量は50億枚程度まで増加するとされています。短期間で残りの70億枚が一気に市場に出回ることは考えにくいものの、供給増加が価格の重しとなり、伸び悩む可能性は十分あるでしょう。
スイ(SUI)が買えるおすすめの仮想通貨取引所
スイ(SUI)を購入できるおすすめの仮想通貨取引所は以下の通りです。
3社は手数料が安いだけでなく、様々な暗号資産サービスに対応しています。手数料や対応サービスには以下のような違いがあるため、自分の取引スタイルにあった取引所を選びましょう。
BITPOINT | OKJ | BitTrade (販売所のみ) |
|
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|
販売所手数料 (SUI) |
無料 | 無料 | 無料 |
取引所手数料 (SUI) |
無料 | メイカー:0.02~0.07% テイカー:0.06~0.14% ※取引量に応じて変動 |
- |
最低取引単位 (SUI) |
0.01SUI | 0.0001SUI | 0.1SUI |
入金手数料 (日本円) |
無料(※1) | 無料 | 無料(※2) |
出金手数料 (日本円) |
月1回無料 (月2回目以降は330円/回) |
400円~ 1,320円 |
330円 |
送金手数料 (SUI) |
無料 | 0.5~3SUI | 0.03SUI |
レバレッジ取引 | × | × | ◯ |
積立投資 | ◯ | ◯ | ◯ |
貸暗号資産 | ◯ | × | ◯ |
公式サイト |
※2:クイック入金(ペイジー入金を除く)の場合
BITPOINT
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- 取扱通貨数が少ない
- スプレッドが広い
- 問い合わせの返信が遅いことがある
BITPOINT(ビットポイント)は、2016年3月に設立された仮想通貨取引所で、SBIグループの一員です。
- 現物取引の手数料が無料
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
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OKJ
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スイ(SUI)に関するよくある質問
- 仮想通貨スイ(SUI)は上場している?
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仮想通貨スイ(SUI)は国内の仮想通貨取引所に上場しています。2025年2月7日時点でスイ(SUI)を売買できる取引所は以下の通りです。
スイ(SUI)の取り扱いがある取引所- BITPOINT
- OKJ(旧 OKCoin Japan)
- BitTrade
- 仮想通貨スイ(SUI)の時価総額ランキングは?
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仮想通貨スイ(SUI)の時価総額は、2025年2月15日時点で第12位です。
現在の時価総額は約1.6兆円で、約300兆円のビットコイン(第1位)や約50兆円のイーサリアム(第2位)に比べると少ないものの、ステラルーメン(XLM)やライトコイン(LTC)といったリリースから10年以上が経過している仮想通貨と時価総額の面で肩を並べています。
また、スイ(SUI)と同じMOVE言語を使用しており、競合する通貨として取り上げられることの多い「アプトス(APT)」の時価総額は約5,200億円で、スイ(SUI)が上回っています。
- 仮想通貨スイ(SUI)はBybitで取り扱っている?
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スイ(SUI)は海外の大手仮想通貨取引所「Bybit(バイビット)」で取引できます。
ただし、Bybitは「無登録業者」として、金融庁から警告を受けています。無登録業者を利用してトラブルが発生した場合は、責任を追及するのが難しくなるリスクがあるほか、万が一取引所が破綻した場合に、預けた資金が返ってこないリスクもあります。
スイ(SUI)の取引をする場合は、金融庁の登録を受けた国内の仮想通貨取引所を利用しましょう。
詳細はこちら
早稲田大学教育学部卒業後、総合保険代理店に入社。個人を対象とした家計相談やライフプランニング、企業向けのリスクコンサルティングをトータルで10年以上経験。 現在は金融分野専門ライター・編集者として複数メディアで活動しており、大手証券会社・保険会社や大手金融メディアでの豊富な執筆実績をもつ。 暗号資産や投資信託、国内株式などによる資産運用も積極的に行っている。
<保有資格>
・2級ファイナンシャル・プランニング技能士
<ポートフォリオ>
・荒木和音(アラキカズネ)のポートフォリオ
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