仮想通貨,イーサリアム
(画像=NETMONEY編集部)

「仮想通貨」というと、ビットコインを真っ先にイメージする人も多いだろう。しかし仮想通貨はすでに1,000種類以上が市場に出回っている。その中でもビットコインに次ぐ存在といわれているのが、イーサリアム(ETHEREUM)だ。イーサリアム(ETHEREUM)は2021年5月現在、時価総額でビットコインについで第2位の座を堅持している。

この記事では、イーサリアム(ETHEREUM)の特徴や今後の見通しについて解説する。

仮想通貨イーサリアム(ETHEREUM)とは

イーサリアム(ETHEREUM)は2014年にプロトタイプが配信された仮想通貨(暗号資産)である。開発者はヴィタリック・ブテリンという人物で、当時19歳の若者だった。ちなみにイーサリアム(ETHEREUM)を仮想通貨だと思っている人も多いが、厳密には異なる。イーサリアム(ETHEREUM)はプラットフォームの名称で、その中で使用される通貨を「イーサ」といい、単位は「ETH」で表現されている。

イーサリアム(ETHEREUM)の特徴はいくつかあるが、その中でも大きなものとしてスマートコントラクトを採用している点が挙げられる。スマートコントラクトとは、送金をはじめとした各種取引を自動化できる技術を指す。

従来、金融取引はお金のやり取りを実際に行うことで、成立してきた。スマートコントラクトの技術を利用すれば、「自分の口座に入っている○○ETHを、Aさんに明日送金する」とブロックチェーン上に記録するだけで、実際に金銭を動かさなくても、決められた金額が相手に支払われるのだ。

実際の金銭のやり取りがなくても取引が可能なので、途中で第三者にインターセプトされる心配がなくなる。しかも取引情報はブロックチェーンに記録されるので、より確実に金銭の取引ができるわけというわけだ。

イーサリアム(ETH)おすすめ取引所ランキング

イーサリアム投資において、どの取引所で口座開設するべきか迷っている方には以下の取引所をおすすめする。

イーサリアム(ETHEREUM)の価格やチャート

2021年4~5月にかけて、仮想通貨は全般的に下落傾向にあった。これは複数の要因が重なって起きていると考えられる。

主要なものとして、まずビットコインの価格調整が始まった点が挙げられるだろう。2021年4月中旬ごろより価格調整のトレンドが続き、価格が大きく下落している。また中国で仮想通貨の取り扱いの規制が強化されたことも大きく影響している。中国は仮想通貨大国の一つであるため、仮想通貨マーケット全体が下落傾向にある。

そうした中にあって、イーサリアム(ETHEREUM)も価格下降トレンドに入っている。2021年5月3日には過去最高値を更新しているが、2022年1月24日時点で、25万円まで価格が下降した。5月中旬時点で若干値上がりトレンドは落ちつき始めているが、2月4日現在、30万円前後の値を維持している。

イーサリアム(ETHEREUM)の将来性は?

過去の値動きを見てみると、上昇と下落を繰り返しているため、イーサを購入したら、チャートを定期的に注視したほうがよいだろう。

しかし長期的な流れを見ると、今後も安定して上昇していく可能性が高いと考えられる。というのも投資家の間で、今後有望な将来性のある通貨であると認識されているからだ。

イーサリアム(ETHEREUM)には世界的に知名度の高い、大企業が続々参入している。イーサリアム(ETHEREUM)企業連合という関連団体には、実に200以上の企業が加盟している。会員もそうそうたるメンツでマイクロソフトやJPモルガン、日本からもトヨタやKDDIが参加している。この企業の顔ぶれをみれば、いかにイーサリアム(ETHEREUM)が信頼に足るプラットフォームかがうかがえるだろう。

またETFとして上場するという説が広がっていることも、将来有望といわれる根拠の一つだ。ETFとは上場投資信託のことで、証券取引所で取り扱われる可能性があることを意味する。仮想通貨取引所だけでなく、証券取引所でも売買されることになれば、参加する投資家が格段に増える可能性が高い。それに伴い、これまで以上に価格が高騰する可能性もある。

イーサリアム(ETHEREUM)の過去の高騰と今後

イーサリアム(ETHEREUM)は2015年の登場当初は80円程度の値で推移していた。その後2017年9月ごろから高騰し、11月には4万円台を記録した。背景には、ビザンチウム(Byzantium)が計画どおりに稼働したことがある。ビザンチウムとはイーサリアム(ETHEREUM)のハードフォークを指す。ハードフォークは仮想通貨業界ではしばしば使われる言葉で、根本的なルール変更のことだ。

ちなみにこの時期、仮想通貨が世界的に注目されており、全般的にマーケットが上昇トレンドに入っていた。これも追い風になって、急上昇したと考えられる。

2018年1月には、16万円程度にまで急騰したが、同年3月に開催されたG20で仮想通貨の規制に関する話し合いが行われた。その影響もあり、仮想通貨の値段が全般的に下落し、4月には4万円台まで落ち、一時期の1/4程度の価値しかなくなってしまった。

しかし、その後また高騰局面に入っていく。2018年4月20日には、開発者会議が開催され、G20の声明への対処が討議された。その中でコンセンサスアルゴリズム変更や、新しいコードの導入が発表された。その対策がマーケットでは好感され、回復に成功したのだ。2019年にはブロックチェーンの1日当たりの決済額が、ビットコインを上回るようになった。

その後再び下落局面に入っていくが、また回復トレンドに入り、前述のように2021年5月には史上最高値を更新した。最近は中国の規制強化や、イーロン・マスク氏の「マスク大相場」によるビットコインの暴落など、決して好ましくない環境の中でも価格を上昇させている。

背景には、VISAがUSDCの採用を決定したことがある。USDCとはイーサリアム(ETHEREUM)のブロックチェーン上で発行されている、仮想通貨のことだ。国際的なブランドがイーサリアム(ETHEREUM)のブロックチェーンを信頼したことが大きく影響している。

イーサリアム(ETHEREUM)を保有するメリットとデメリット

イーサリアム(ETHEREUM)が、もし今後実際の通貨として利用されることになれば、その利便性の高さはメリットと言える。

というのも送金処理が非常にスピーディだからだ。イーサリアム(ETHEREUM)の場合、15秒程度で送金手続きが完了するといわれている。仮想通貨の中で最も知名度の高いビットコインの場合、送金処理には10分程度かかる。この時間を見れば、イーサはいかに早く取引完了できるかがわかるだろう。

また、イーサリアム(ETHEREUM)のメリットとして2021年5月現在、発行上限が設けられていない点も挙げられる。ビットコインは発行上限が設けられているので、近い将来新規発行が難しくなる可能性が指摘されている。

イーサリアム(ETHEREUM)の場合、発行上限がないので今後もコインは安定してマーケットに供給されると見込まれる。慌ててイーサを購入する必要はなく、値動きやタイミングなどを慎重に見極めて取引できるのは、投資家にとっては安心できるポイントだろう。

ただし今後、イーサを取り巻く環境の変化や、ユーザーからのリクエストによって、発行上限が設けられる可能性は否定できない。最新情報をこまめにチェックしておこう。

イーサリアム(ETHEREUM)にはメリットがある半面、デメリットもある。スケーラビリティ問題だ。

送金処理スピードの速さをメリットとして紹介したが、本来の能力を発揮できればという前提条件が加わる。このプラットフォームは通貨のやり取りのほかに、ICOなどほかの機能も利用できるようになっており、ほかの機能が使われているときに送金処理のスピードが追いつかず、ボトルネック現象を起こすおそれがある。

ただしこのデメリットは近々改善される可能性がある。ライデンネットワークの改善に取りかかるといわれているからだ。ライデンネットワークとは、時間のかかる処理をブロックチェーン以外で進める手法のことで、結果的に送金の負担軽減が期待されている。

またスマートコントラクトを採用している点も、デメリットになりかねない。実用性の高いシステムだが、脆弱性がしばしば指摘されている。有名なのは2016年に起きた「The DAO事件」である。実に70億円分ものイーサが盗み出された事件で、スマートコントラクトのバグをついて盗まれたと考えられている。

このような事件が今後起きる可能性もゼロではないので、もしものときの対策は検討しておいたほうがよいだろう。

イーサリアム(ETHEREUM)の取引におすすめの取引所とは?

イーサリアム(ETHEREUM)はメジャーな仮想通貨なので、国内の取引所でも取引は可能だ。その中でもおすすめの取引所の一つがbitFlyerだ。登録口座数が多く、国内ではメジャーな取引所だ。

また、GMOコインも、おすすめの取引所だ。アプリも配信しているので、スマートフォンでちょっとしたスキマ時間を使って、チャートのチェックやオーダーも出せる。取引手数料が無料なので、トレードの際にコストの心配もしなくてもよい。

イーサリアム(ETH)取引におすすめの取引所5選

これからも注目が集まる仮想通貨のイーサリアム(ETHEREUM)

イーサリアム(ETHEREUM)はビットコインに次ぐ仮想通貨の地位を確立しているが、今後さらなる成長が期待されている。大企業がプラットフォームを続々と採用しているので、実用性も高まるかもしれない。

スケーラビリティの問題やプラットフォームの脆弱性など課題も多くあるが、開発者側も迅速に対処しているので安定成長する可能性も高い。国内の取引所で購入できるので、ビットコイン以外の暗号資産で運用を検討している人には有効な選択肢の一つと言えるだろう。