「ロボアドバイザー」は、年齢や性別、収入や保有資産、投資に対しての考えといった質問に答えることで自分にピッタリの金融商品や資産配分を助言および運用してくれるサービス。「投資に詳しくなくても運用を始めやすい」「忙しい人でも投資がしやすい」といった理由もあり注目を集めています。

その中の一つ、楽天証券のロボアドバイザー「楽ラップ」には、どのような特徴があるのでしょうか。本稿では、楽ラップの利用方法やメリットとデメリットを解説します。

楽ラップとは

楽天証券の「楽ラップ」は、投資を一任、つまり投資する銘柄の選択から買付まですべてお任せできる ロボアドバイザーです。

楽ラップの主な特徴

楽ラップの特徴を確認してみましょう。

ロボアドバイザーを活用

楽ラップは、ロボアドバイザーを活用したシステムです。投資を始める前に以下のような16個の質問に回答します。

始める前の質問項目

  • 性別
  • 年代
  • <自分の行動についての質問(スマホの新作が出たらすぐに買うか?福袋を購入するか?など)/li>
  • 投資についての質問(投資歴など)
  • 資産についての質問(資産の何%を投資に回すか?など)

すべて回答すると投資に対しての積極度、「日本株〇%、債券〇%」といったおすすめのポートフォリオが画面上ですぐに提案されるため、気に入れば申し込みおよび運用がスタートできる仕組みです。提案内容が気に入らない場合は、運用コースの変更もできます。楽ラップ申込後は、自動で投資を行ってくれるため、自分で注文入力などを行ったり具体的な銘柄を選択したりする必要もありません。

そのため「金融商品や投資に興味がない」「知識がない」という人でも始めやすくなっています。

楽天証券

毎月自動で増額できる積立が可能

楽ラップは、積立(自動増額)方式で投資を行うこともできます。買付手続きは不要です。毎月決まった日に決まった金額ずつ同じ銘柄を買い付けていくため、投資対象の商品が安いときは多く高いときは少なく買い付けていくことになります。

買い付けるタイミングをずらすことにより買付価格の平均化ができるため、値下がりしたときのリスクを抑える効果が期待できるでしょう。

下落ショック軽減機能

投資では、利益を狙うことが重要になりますが同時に大きな価格下落リスクを避けることも大切です。楽ラップには、価格下落リスク回避のために下落ショック軽減機能(DRC機能)があります。DRC機能とは、株式市場の値動きが大きくなりその状態が続くと予想される場合、運用資産の中の株式への投資比率を一時的に下げて債券への投資比率を上げていくものです。

株価が安定してきたと判断された場合、再び株式の比率を上げる投資へと戻ります。市場が安定しない場合でも自分で投資配分を考えて動く必要がありません。

楽ラップの概要

楽ラップの概要をさらに詳しく見ていきましょう。

楽ラップの運用コース

楽ラップでは、16個の質問に答えると自分に最適な運用コースを提案してくれます。運用コースは、以下の5つです。

運用コース 特徴 DRC機能
保守型 慎重派のためのコース DRC機能なし
やや保守型 基本慎重だが攻めの姿勢も持つコース DRC機能なし・あり
やや積極型 資産保全を図りながら攻める DRC機能なし・あり
積極的 リスクをある程度見込み、収益性も追求 DRC機能なし・あり
かなり積極型 収益性を追求 DRC機能なし・あり

なお運用コースは、途中で変更も可能です。新規申し込みに伴う運用開始日の翌々月から変更はできます。

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楽ラップの投資対象ファンド

他社ロボアドバイザーでは、コストを下げるため海外のETFで運用することが多い傾向です。しかし楽ラップでは、為替変動リスクを避けるため、投資対象を「日本国内の投資信託」18銘柄としています。この中には、一部海外の株式などを組み入れている投資信託もありますが、すべて為替ヘッジされているものです。そのため為替変動リスクを考慮する必要はありません。

楽ラップの運用コスト

楽ラップを始める際の手数料は不要ですが、利用する際に手数料がかかります。手数料コースは、「固定報酬型」「成功報酬併用型」の2つです。

手数料コース 内容 年率(税込み)
固定報酬型 毎月、運用資産残高に一定の比率を掛ける 最大0.715%
成功報酬併用型 固定報酬+一定期間の運用成果に応じた成功報酬がかかる 最大0.605%+運用益の5.5%

楽ラップのメリット

楽ラップの主なメリットは、以下の4つです。

投資知識が少なくても運用をスムーズに始められる

楽ラップは、ポートフォリオの提案や商品の選択、買付もロボアドバイザーが行うため、投資の知識が少なくても運用を始めることができます。投資の勉強をする時間がない人も始めやすいのがメリットです。

手数料を選べる

「固定報酬型」「成功報酬併用型」の2つから手数料コースを選択できることも楽ラップの魅力。なお楽天証券によると2021年1月末現在、約85%の契約者が固定報酬型を選択しています。

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為替変動リスクが少ない

楽ラップで投資するのは、国内の投資信託です。海外の金融商品はないため、為替変動リスクを気にする必要はありません。

集中投資とつみたて投資が選択できる

楽ラップは、1万円からスタートできます。まとまった金額を入金しそれだけ運用してもらうこともできますが、併用して積み立ても行うことができます。積み立ては1万円から可能です。なお最初の入金なしで積み立てのみを利用することはできませんので、注意してください。

楽ラップのデメリット

楽ラップのデメリットも確認しておきましょう。

運用コストがかかる

楽ラップは、投資が一任できるタイプのロボアドバイザーです。助言のみではなく運用やリバランスなども任せるタイプのため、利用する際に手数料がかかります。運用資産残高に一定の比率で手数料がかかるため、資産が多くなればなるほど手数料も高くなる傾向です。また成功報酬併用型の手数料コースを選択した場合は、運用益にも手数料がかかります。利益が大きくなりそうな場合は要注意です。

非課税制度は利用できない(NISA等)

楽ラップでは、NISA・つみたてNISA・iDeCoなどの非課税制度は利用できません。売却益が出た際は必ず税金がかかりますので注意しておきましょう。

短期投資には不向き

楽ラップは、積み立てが行えるなど、じっくりと資産を増やしていくタイプの投資です。そのため「買ったらすぐに売却して利益を確定する」といった短期投資には不向きといえます。

スマホアプリはまだない

楽ラップ専用のスマホアプリはまだありません(2021年9月時点)。ただ、ispeedアプリの総合サマリーで楽ラップの残高、前日比は閲覧可能です。

スマホアプリの開発を期待したいところですが、それまでは高性能なブラウザで運用をすることができます。

楽ラップユーザーの口コミ・評判

楽ラップを利用しているユーザーは、どのように感じているのでしょうか。楽ラップの口コミや評判を集めてみました。これから利用を検討する場合は、ぜひ参考にしてください。
 

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良い口コミ

楽ラップの良い口コミは、以下のようなものが挙げられました。

・投資の知識は特別に必要ない
・初心者でも始めやすい
・ロボアドバイザーが自動的に何でもやってくれるので楽
・自動的に売り買いしてくれるので楽
・最低投資金額が1万円と低いのが魅力

「投資の知識が必要ない」「初心者でも始めやすい」という点に魅力を感じる人が多い傾向です。また最低投資金額の低さをメリットに挙げる人もいました。

悪い口コミ

反対に悪い口コミも見ておきましょう。ユーザーの不満点はどのようなところなのでしょうか。

・手数料が高い
・専用アプリがないのが不満
・管理画面が使いづらい

ロボアドバイザー全体に言えることですが、手数料がかかる点を不満に思う人が多い傾向です。特に投資にある程度慣れた人の場合、自分で売買するほうがコストはかからないことを実感しているからかもしれません。また楽ラップの専用アプリがない点も悪い評判につながっています。スマホで簡単に運用状況を確認できない点の改善を求める声もあるようです。

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楽ラップを始める手順

ここで、楽ラップを始める際の手順も確認しておきましょう。

・16の質問に回答する
冒頭で解説したとおり性別、年代、投資についての考え方、自分の行動に関してなど16の質問に回答します。簡単な質問ばかりですので2分程度で回答は終了です。回答後、すぐにおすすめの運用コースが画面に表示されます。

・運用コースの確認
表示された運用コースを確認します。おすすめ運用コースのマンスリーレポート(月間のパフォーマンスや銘柄の基本構成比)も見ることができるため、どのような運用方針なのかについては必ず確認してください。表示された運用コースに納得がいかない場合は、変更も可能です。

・申し込みを行う
楽天証券の証券総合口座の申し込みを行います。口座開設後、楽ラップの申し込みです。口座をすでに持っている人は、ログインして楽ラップの申し込みを行います。はじめに入金する運用金額、積み立てをする場合は、積立金額の入力も必要です。

楽ラップは投資初心者向きの運用方法。手数料には要注意!

楽天証券の楽ラップは、運用商品の決定だけでなく買付まで行ってくれるロボアドバイザーです。投資に不慣れで「どのような商品を選んだらいいのか分からない」「買付のタイミングが分からない」という方に向いています。1万円からの積み立てもできるため、コツコツと投資を続けたい人にも向いているでしょう。

ただし楽ラップの利用には、手数料がかかります。特にどの手数料コースを選択しても運用資産残高に一定の割合の手数料がかかる点は押さえておきましょう。積み立てをしていない場合でも預かり資産があれば手数料がかかる点は覚えておかねばなりません。