【目次】
①️セイファートIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
- 会社名
- 株式会社セイファート
- コード
- 9213
- 市場
- JASDAQスタンダード
- 業種
- サービス業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 長谷川 高志 / 1961年生
- 会社住所
- 東京都渋谷区渋谷三丁目27番11号
- 設立年
- 1991年
- 社員数
- 131人(2021年11月30日現在)
- 事業内容
- 美容業に関する広告求人サービス、紹介及び派遣サービス、教育サービス
- URL
- https://www.seyfert.co.jp/
- 資本金
- 50,000,000円 (2021年12月24日現在)
- 上場時発行済み株数
- 1,320,800株
- 公開株数
- 745,600株
- 連結会社
- 1社
- スケジュール
- 仮条件決定:2022/01/17→1,060~1,120円に決定
- ブックビルディング期間:2022/01/19 - 01/25
- 公開価格決定:2022/01/26→1,120円に決定
- 申込期間:2022/02/27 - 02/01
- 上場日:2022/02/04→初値1,030円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:みずほ証券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- (株)ビューティープロスペリティー 32.28%
- 長谷川高志 23.24%
- 長谷川美栄 9.59%
- 山田実 6.91%
- 藤本宏志 3.87%
- みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合 無限責任組合員みずほキャピタル株式会社 3.14%
- (株)フルキャストホールディングス 3.14%
- (株)デイバイデイ 2.20%
- 平野岳史 2.09%
- 金井武弘 沼田安弘 1.04%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2018/12 単体実績
2,595,067 158,144 98,987 318,434 - 2019/12 連結実績
2,615,616 127,945 71,039 356,558 - 2020/12 連結実績
2,204,720 136,875 34,866 370,684 - 2021/09 第3四半期連結実績
1,700,101 189,187 116,252 471,434 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2022年5月4日まで
または、上場後180日目の2022年8月2日までは普通株式の売却ができず(例外あり) - 調達額(公開株数×公開価格)
- 8億3507万2000円(745,600株×1,120円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 54,000株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社セイファート<9213>は美容師求人サイト「re-quest/QJ navi」・「re-quest/QJ navi新卒」他の広告求人サービスなどを提供する企業である。
1991年に創業され美容業界専門の就職情報誌の発行から事業を開始し、2007年に美容師求人サイト「re-quest/QJ navi」をリリースして現在に至っている。
■サービス内容
同社は下記の3サービスを提供している。
・広告求人サービス
・紹介・派遣サービス
・教育(その他)サービス
●広告求人サービスについて
広告求人サービスでは紙媒体、Web媒体、イベントによる中途・新卒の美容師の採用支援サービスを提供している。「re-quest/QJ navi」は美容師に特化した求人サイトであり、求人情報には同社社員が広告の制作段階から関与することで、より美容室の魅力を伝えられる情報を掲載している。また「re-quest/QJ navi新卒」は美容学生向けに特化した美容師新卒求人サイトである。サイト内に美容学生が美容室へと足を運ぶきっかけを作り、双方の接触機会を増やすことができる仕掛けが施されている。
●紹介・派遣サービス
紹介・派遣サービスでは、美容師に特化した紹介・派遣サービスを提供している。同社が提供する「re-quest/QJ casting」は、美容師が希望する柔軟な働き方に応えることができ、また美容室の経営企業が必要な時だけ必要な人材を確保できる、美容師人材派遣サービスである。その他にも成功報酬型の紹介サービス「re-quest/QJ agent」、単発日程で美容師と美容院をマッチングする「re-quest/QJ agent mini」等のサービスも提供している。
●教育(その他)サービス
教育(その他)サービスでは、美容師の国内での地位向上、国際化推進を目指し美容師に特化した教育サービスを提供中。尚、子会社が米国カリフォルニア州で美容室2店舗の運営を行っている。
■同社特徴
同社ではクライアントの抱える課題を深くヒアリングするコンサルティング型営業を行い、課題に対して制作と営業が一体(「製販一体」)となって解決するサポート体制を整えている。
また同社は全国278校ある美容学校のうち259校と取引関係があり、美容学生向けの就職活動レクチャーや模擬面接、並びに教員向け勉強会の講師活動を行うことで、創業時より美容学校との関係を強化している。
■2020年12月期部門別売上高
2020年12月期 売上高22億円(対前年同期比▲4.1億円減)
・広告求人サービス 16億円(同▲2.3億円減)
・紹介・派遣サービス 5.3億円(同▲0.8億円減)
・教育(その他)サービス 1.2億円(同▲1.0億円減)
2020年12月期は新型コロナウイルス感染症の影響を受け就職フェアの中止や延期、紙媒体の年間発行回数の減少、派遣サービスの需要減により減収となった。
■業績推移
2017年12月期 売上高26億円、経常利益1.5億円、当期純利益0.9億円
2018年12月期 売上高26億円、経常利益1.6億円、当期純利益1.0億円
2019年12月期 売上高26億円、経常利益1.3億円、当期純利益0.7億円
2020年12月期 売上高22億円、経常利益1.4億円、当期純利益0.3億円
※2019年12月期より連結決算
2019年12月期まで売上高25億円を前後する状態が継続している。経常利益は2016年12月期の2.1億円がピークとなり、以降は1.5億円を前後する状態が継続中。
2020年12月期はコロナ禍の影響から大幅な減収となったが、経常利益は対前年同期比で若干の増益となっている。
2021年12月期はQ3(累計)で売上高17億円、経常利益1.9億円であり、通期決算での増収増益に向けて進捗している。
■財務内容
2020年12月期末時点で資産合計23億円に対し純資産合計3.7億円、自己資金比率16%である。借入金13億円に対し現預金17億円を有している。
資産合計23億円のうち、現預金17億円、受取手形及び売掛金1.1億円など流動資産合計20億円であり、資産の殆どが流動資産により構成されている。
■資金使途
IPOにより5.2億円の資金調達を行い下記使途が予定されている。
・現行「re-quest/QJ navi」全面リニューアル 0.8億円
・新規アプリ開発 1.0億円
・ERP導入・構築 1.8億円
・オフィス設備購入 0.1億円
・人材投資 0.4億円
・金融機関への融資返済 1.2億円
調達資金は新たなプラットフォーム型事業の創出のため進めている「Z世代向け 美容師情報アプリ」開発資金など、幅広い分野に充当される。
■株主構成
筆頭株主(株式シェア32%)の株式会社ビューティープロスペリティーは長谷川社長が議決権の過半数を保有する企業である。長谷川社長は個人でも第2位株主(同23%)となっている。また第3位株主(同9.6%、うち0.2%は潜在株式)の長谷川美栄氏は長谷川社長の二親等内の親族であり、長谷川社長の関係先で株式の65%が所有されている。
事業会社として株式会社フルキャストHDが株式の3.1%を所有する。またVCとしてみずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合が株式の3.1%を所有している。
■まとめ
美容師求人サイト「re-quest/QJ navi」・「re-quest/QJ navi新卒」他の広告求人サービスなどを提供する企業のIPO案件である。1991年創業で美容業界に特化する形で求人サービス事業を中心に事業展開している。
売上高25億円前後、経常利益1.5億円前後での推移が続いたが、コロナ禍の影響から2020年12月期は売上高22億円、経常利益1.4億円となり減収となった。2021年12月期はQ3(累計)で売上高17億円、経常利益1.9億円であり、コロナ禍の影響を脱しつつある。
コロナ禍の影響を脱した後、以前の売上高25億円前後、経常利益1.5億円前後の水準に留まらず成長軌道に入ることができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
- IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
- 当社は、美容業に関する広告求人サービス、紹介及び派遣サービス、教育サービス事業を展開している。上場市場はJASDAQ。 株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が14.8億円、2021年12月期の業績予想ベースのPER10.4 倍となっている。
上場当日の株価動向は、資金吸収額が10億円弱と少ないことから、需給はタイトとなるとみる。その上、同日上場の他の銘柄の規模が大きいために需給が崩れやすいことから、株価が動きやすい分だけ、個人投資家の資金流入は大きいかもしれないので、初値は意外と高くなる可能性がありそうだ。但し、JASDAQ上場ということで、成長性の観点から初値は高いが、利益確定の売りがで始めると、ナイアガラフォール的にストップ安になることも念頭においてトレーディングに参戦すべきだろう。
セカンダリー市場においては、2月に決算発表があるので、来期の業績予想次第で株価は動きそうだが、注目すべきは配当の金額なっていると見ている。前期は1株20円の配当になっているが、現預金残高から銀行借入を差し引いてネットキャッシュとなっており、内部留保の必要性が低い為、配当性向が高くなるようだと、ポジティブサプライズとなり株価への好影響となる。