【目次】
①️HCSホールディングスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント

会社名
株式会社HCSホールディングス
コード
4200
市場
JASDAQスタンダード
業種
情報・通信業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 加藤 俊彦 / 1951年生
会社住所
東京都江東区東陽二丁目4番38号
設立年
2016年
社員数
31人(2021年4月30日現在)
事業内容
情報サービス事業、ERP事業、デジタルマーケティング事業を営むグループ会社の経営管理及びそれに付帯する業務
URL
https://www.hcs-hd.co.jp/
資本金
90,000,000円 (2021年5月21日現在)
上場時発行済み株数
2,520,000株
公開株数
630,000株
連結会社
6社
スケジュール
仮条件決定:2021/06/07→1,660~1,800円に決定
ブックビルディング期間:2021/06/09 - 06/15
公開価格決定:2021/06/16
申込期間:2021/06/17 - 06/22
上場日:2021/06/24
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:みずほ証券
引受証券:丸三証券
引受証券:水戸証券
引受証券:岩井コスモ証券
引受証券:エイチ・エス証券
引受証券:東海東京証券
引受証券:東洋証券
引受証券:むさし証券
引受証券:藍澤證券
引受証券:極東証券
大株主
宮本公 19.19%
日本ユニシス(株) 14.23%
(株)東陽建物 7.76%
HCSホールディングス従業員持株会 5.62%
牟田口陽介 4.73%
AGキャピタル(株) 4.59%
沖電気工業(株) 4.59%
(株)きんでん 4.59%
田上泰利 2.29%
加藤俊彦 2.23%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2018/03 単体実績 
538,215 67,567 37,922 1,995,147
2019/03 連結実績 
4,436,420 173,984 103,510 2,102,604
2020/03 連結実績 
4,747,703 366,867 283,650 2,361,653
2020/12 第3四半期連結実績 
3,497,464 310,085 153,588 2,491,097
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2021年9月21日まで
または、上場後180日目の2021年12月20日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×仮条件上限)
11億3400万0000円(630,000株×1,800円)
潜在株数(ストックオプション)
454,400株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社HCSホールディングス<4200>はSIサービスなどを行う情報サービス事業、ERP事業、デジタルマーケティング事業の3事業をグループで手掛ける持株会社である。
 
HCSホールディングス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内証詳細

同社グループ(以下、同社)は下記3事業を手掛けている。

・情報サービス事業
・ERP事業
・デジタルマーケティング事業
 

●情報サービス事業

情報サービス事業では下記サービスを提供中である。

・システムインテグレーションサービス
・マスターファイルソリューションサービス

システムインテグレーションサービスは基本設計から総合テスト、保守・運用まで一気通貫で提供しており、電力・航空・鉄鋼の基幹システム開発を行っている。

またマスターファイルソリューションサービスは全国住所マスターである国土行政区画コードマスターと関連商品の提供を行っている。
 

●ERP事業

ERP事業ではERPソフト大手のSAPジャパンのパートナーとして大手SI会社等からのSAP導入、保守案件に参画している。またSAPシステム及び運用支援ツール等のヘルプデスク業務を、サポートセンターからリモートによる提供も行っている。
 

●デジタルマーケティング事業

デジタルマーケティング事業ではGoogle等のビッグデータを活用して、インターネット広告に関するプラン策定及び広告運用を行うマーケティングソリューションサービスと、点検業務等のフィールド業務支援サービスパッケージの提供を行うパッケージソリューションサービスを提供している。
 

■同社事業の特徴

同社は海外有力ベンダーと業務提携することで、その最先端技術を取り入れたサービスを提供している。主な提携先は下記である。
 
HCSホールディングス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■今後の事業展開

今後は既存ビジネスで収益を確保するとともに、DX関連ビジネスを推進し、従来からある顧客のIT部門や大手SIとのビジネスに加え、既存顧客の事業部門とのダイレクトビジネスを拡大予定である。

また米Microsoft社の「Azure」(クラウドベースシステム基盤プラットフォーム)、米Infor社の「Infor Nexus」(グローバルサプライチェーンプラットフォーム)、米OutSystems社の「OutSystems」(ローコード開発プラットドーム)の導入及び開発支援サービスなどの「プラットフォームソリューションサービス」を新たにサービスラインに加えて、事業拡大を図る考えである。
 
HCSホールディングス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■2020年3月期セグメント別損益

2020年3月期 売上高47億円(対前年同期比7.0%増)、営業利益3.1億円(同112%増)
・情報サービス事業 売上高30億円(同7.2%増)、セグメント利益5.8億円(同46%増)
・ERP事業 売上高14億円(同▲2.9%減)、セグメント利益3.4億円(同6.6%増)
・デジタルマーケティング事業 売上高3.8億円(同69%増)、セグメント利益0.3億円(前年同期▲0.1億円)

情報サービス事業が売上全体の約6割を占める主力事業である。2020年3月期は情報サービス事業の増収増益を背景に全体も増収増益となった。またERP事業は減収となったが増益。3事業ともに増益及び黒字転換となり、全体では対前年同期比で2倍以上の増益となった。
 

■業績推移

2018年3月期 営業収益5.4億円、経常利益0.7億円、当期純利益0.4億円
2019年3月期 売上高44億円、経常利益1.7億円、当期純利益1.0億円
2020年3月期 売上高47億円、経常利益3.7億円、当期純利益2.8億円
2021年3月期 売上高48億円、経常利益4.0億円、当期純利益2.1億円
2022年3月期 売上高51億円、経常利益4.1億円、当期純利益2.3億円
※2019年3月期より連結決算

着実に増収増益を続けている。2021年3月期も経常利益ベースでは増収増益となったが、当期純利益ベースでは若干の減益となった。

2022年3月期は売上高50億円の大台到達となり、若干の増益予想である。

尚、2020年3月期決算が公開申請決算期であり、期越え決算でのIPOとなっている。
 

■財務状況

2020年3月期末時点で資産合計40億円に対し純資産合計24億円、自己資本比率60%である。借入金8.2億円に対し現預金9.0億円を有している。

流動資産17億円と建物7.5億円、土地9.4億円などの有形固定資産17億円で資産の殆どが占められている。尚、のれんなど無形固定資産3.3億円が計上されている。

2021年3月期末時点では資産合計41億円、純資産合計25億円、自己資本比率62%となっている。
 

■資金使途

IPOにより7.2億円の資金調達が行われ、下記使途が予定されている。

・情報サービス事業におけるサービス拡大費用 4.0億円
・借入金の返済 3.2億円

調達資金は事業拡大に向けて人材採用などの投資と借入金返済に投じられる。
 

■株主構成

筆頭株主は宮本会長であり株式シェアの19%を有している(うち5.4%は潜在株式)。第2位株主は日本ユニシス株式会社<8056>であり株式シェア14%。加藤社長は日本ユニシス出身であり、株主シェア2.2%(うち1.0%は潜在株式)を有する。

また第7位株主の沖電気工業株式会社(株式シェア4.6%)などの取引先も株主参入している。

金融機関としては、みずほ銀行(同1.9%)及びみずほ成長支援第3号投資事業有限責任組合(同1.5%)、三菱UFJ銀行(同1.9%)が株主参入している。
 

■まとめ

SIサービスなどを行う情報サービス事業、ERP事業、デジタルマーケティング事業の3事業をグループで手掛ける持株会社のIPO案件である。大株主であり加藤社長の出身元でもある日本ユニシスと関係が深い。

同社の前身は1970年に設立されており、老舗中堅SI会社の位置付けである。SI事業に加えERP事業とデジタルマーケティング事業も手掛けており、2022年3月期に売上高50億円到達予想であり、着実に増収増益を続けている。

IPOによる調達資金を活用するなどして、成長を加速させることができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、情報サービス事業、ERP(統合基幹業務システム)事業、デジタルマーケティング事業を営むグループ会社の経営管理およびそれに付帯する業務を行う持株会社。上場市場は東証JASDAQ。株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が45億円、2022年3月期の業績予想ベースのPERは19.63倍となっている。また、2022年3月期の配当として1株当り20円を予想しており、公開価格の配当利回りは1.1%となっている。

上場当日の株価動向は、資金吸収額が13億円と比較的小型であり需給はタイトになると考えられる。同日に4社のIPOが予定されており、その中で純粋なIT技術企業は1社となるので、上場市場はJASDAQであるが、人気化して初値は後場まで持ち越されると推測する。但し、株数は多くないが、VC保有株が公開価格の1.5倍でロックアップが解除されるため、初値が付いた後に売りが出る可能性があるので引けにかけて値崩れの可能性もありえる。

上場後のラリーのあとのセカンダリーマーケットにおいては、業績が大きく変化することがないビジネスモデルだと考えられるので、M&Aなどのイベントドリブンの開示がないかぎり株価はあまり動かないと考えられる。