MT4は世界でもっともメジャーなFX専門の自動売買(EA:Expert Adviser)や分析をするための無料ツールです。
今回は、MT4の機能や自動売買システムについて詳しく紹介していきます。高性能なFX取引ツールを使いこなすことで、今まで以上に効率よくトレードで利益を出せるようになるでしょう。
MT4(メタトレーダー4)とはFX専用の高性能ツール
MT4(メタトレーダー4)とは、ロシアのMetaQuotes Software(メタクオーツ・ソフトウェア)社が開発・提供する取引ツールです。
MT4はチャート分析や自動売買に役立つ機能が充実していることからFXトレーダーに人気のFXツールとなっています。また、多くの上級者トレーダーが、独自のインジケーター(テクニカル指標)やEA(自動売買プログラム)を作成してインターネット上に公開しており、世界中のトレーダーから取引手法を学び、自分のトレードスタイルに取り入れられるのは、MT4にしかない魅力といえます。
MT4は誰でも無料で手に入れることができますが、利用するには対応しているFX会社で口座開設する必要があります。FXの口座を開設する前にMT4に対応しているFX会社かをしっかり確認しておきましょう。
FXトレーダーに人気のMT4のメリット3選
MT4の最大のメリットは、あらゆるトレードスタイルに合わせてカスタマイズできる点です。
大手の国内FX会社も機能性が充実した優秀なオリジナルツールを提供していますが、MT4はそれを上回るカスタマイズ性の高さを誇っており、プロ同様の本格的なチャート分析を実践したい人は活用が必須です。
ここでは、MT4を使いこなせるようになることで何ができるようになるのか紹介していきます。
MT4なら豊富なインジケーターと自由なカスタマイズでチャート分析の幅が広がる
MT4には豊富なインジケーターが搭載されています。インジケーターとはチャートに表示させて値動きを分析するためのツールです。提供しているFX会社によっても異なりますが、たとえばOANDA証券のMT4は約70種類のインジケーターを利用可能です。FX会社として人気のGMOクリック証券が提供するツールであるPlatinumChartは38種類、DMM FXが提供するプレミアChartは29種類なので、MT4のインジケーターがいかに多いかわかります。
MT4(OANDA証券の場合) | PlatinumChart | プレミアChart | |
---|---|---|---|
インジケーターの数 | 約70種類 | 38種類 | 29種類 |
一つのチャートに多くのインジケーターを表示させれば良いというわけではありませんが、MT4は豊富な種類のインジケーターをいつでも使えるので、さまざまな手法を試したいときにすぐに実践することができます。
また、MT4のインジケーターはプログラミング言語によって自作も可能です。もちろん、自作できない方も利用できるように無料で使えるオリジナルインジケーターを用意しているFX会社もありますので、分析に使いたいインジケーターを探してみましょう。
各ツールの詳細な使い方の説明もついていますので、初心者でもすぐに利用可能です。今まで足りなかったトレードの根拠を裏付けるインジケーターが見つかるかもしれません。
また、MT4はインジケーターの表示設定に関する制限が少なく、表示設定の自由度が非常に高いことも特徴です。
たとえば多くのトレーダーがトレンド分析に利用している移動平均線ですが、表示設定の自由度の高さに定評のあるGMOクリック証券のPlatinumChartでも一つのチャートに5本までしか表示できず、期間設定は200までです。
一方、MT4には表示制限に関する情報はありませんが、下の画像では一つのチャートに少なくとも15本の移動平均線を表示可能で、期間は3,000まで設定できています。
期間設定の自由度が高いので、表示しているインジケーターを整理しやすく、複数時間足の分析や観察が楽になります。
たとえば、1時間足チャートの100期間移動平均線を、5分足チャートに1200期間移動平均線として表示させられる(1時間足は5分足の12倍の期間なので、100期間を12倍して5分足チャートに表示させる)ので、二つの時間足チャートを同時に観察する必要はありません。
またこの場合、1時間足チャートに1200期間の移動平均線が必要なければ、5分足だけに表示させるという設定も可能です。
MT4なら定型チャートでプロ設定のチャートを再現できる
MT4の難しいところは、インジケーターの選択と設定です。
FX上級者になると、自身のトレードスタイルに合わせて表示させるインジケーターを組み合わせ、期間設定などの各パラメーターも決まっています。しかし、種類が豊富で自由度が高いだけに、初心者だと迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
MT4には、定型チャートという機能があり、オリジナルなチャート設定の型をFX業者が用意してくれています。この型は保存可能なので、複雑なパラメーターの設定などを毎回行う必要がありません。
定型チャートの中には、有名なプロトレーダーが普段利用しているチャート設定を再現したものもあります。無料で公開されているこの定型チャートをダウンロードすることで、プロが普段利用している設定を自分のチャート上に簡単に反映することができます。
たとえばFXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)では13種類の無料定型チャートが公開されています。
一例として、下記画像はFXTFが公開している定型チャートの中でも最も基本的なシグナルの一つ「コバンザメ・シグナル」です。明確かつ継続するトレンドを鯨(長期EMA)で判断し、その動向にコバンザメのように便乗してトレードする手法で、チャートには短期と長期で6本ずつ、合計12本の移動平均線が使われています。
期間の設定や移動平均線の色の設定など難しいことは必要なく、インストールすればすぐにトレードで利用可能です。FXTFではインストール方法や定型チャートを使った取引方法の解説もありますので、FXを始めて間もない初心者でもすぐに使えて、トレードの勉強にもなるでしょう。
MT4は過去検証がしやすい
MT4は過去検証やトレードの練習がしやすいツールです。過去検証は、トレーダーが成長するための重要な訓練の一つです。
多くのトレーダーは過去に遡って取引手法を検証し、リアルタイムの相場で実践しながら、取引ルールや自分にあった手法を作っていきます。
MT4で表示できるローソク足の数は多く、FX会社にもよりますが、日足なら6~8年前まで遡れます。ローソク足の本数にすると1,500~2,000本です。
また、MT4には過去のローソク足をデータ化したヒストリカルデータがあり、インストールすると任意の時期のチャートを稼働させられます。
自動売買システムのバックテストや、裁量トレードの練習に最適です。
なお、ネット上にはMT4を使って裁量トレードの練習ができるツールもあります。安全性には十分に配慮した上で、信頼できる練習ツールを使ってみましょう。
MT4が使えるおすすめのFX会社の選び方
MT4が使える日本のFX会社は9社と限られます。その中から自分に合ったFX会社を選ぶためにも、まずは以下の4点に注目しましょう。
取引コストが安いか
取引コストにおいて、注目すべき一つ目の点はスプレッドが原則固定スプレッドか変動制スプレッドかです。
原則固定スプレッドは基本的に変動しません。取引コストが固定されているので、初心者でもコストを把握しやすいという特徴があります。
一方、変動制スプレッドの場合、常に変動しています。時間帯によっては固定スプレッドよりも狭くなることがありますが、取引のタイミングを選ばなければいけません。また経済指標の発表によってスプレッドが拡大する点は原則固定スプレッドと同様です。
スプレッドが狭まるタイミングで取引できる上級者は変動制で良いですが、時間帯による取引量や値動きの差を把握できていない初心者は原則固定スプレッドを選びましょう。
注目すべき二つ目の点は約定力です、約定力が低いほどスリッページ(注文レートと約定レートの差)が発生しやすくなります。
スリッページはトレーダーがあらかじめ把握出来ない不確定なコストです。スリッページによって不利なレートで約定してしまうと、余計なコストになってしまうだけでなく、負けやすくなるためトレーダーは大きなストレスを感じます。トレーダーの健全なメンタルを保つ意味でも約定力が高いFX会社を選びましょう。
しかし約定力を公開しているFX会社は多くありません。その中でも、OANDA証券やFOREX.comは約定に関するデータを公表し、透明性高く継続的に改善に努めているのでおすすめです。
オリジナルインジケーターが豊富か
MT4の大きな魅力の一つは、オリジナルインジケーターを利用できる点です。
ネット上に公開されている数多くのインジケーターを利用することが可能ですが、それらが安全なものかどうかの判断は難しいため、まずはFX会社のインジケーターの利用をおすすめします。
OANDA証券やFXTFにはあらゆるタイプのインジケーターがあり、デモ口座でも利用できるのでどんどん活用して分析や取引を上達させましょう。
デモ口座があるかどうか
FX初心者は、デモ口座や少額取引を利用して経験を積むことが非常に重要です。
FX初心者は、どうしてもお金を減らしたくないと考えて損切りできなかったり、負けるとお金が減るため取引をしたがらなかったり、大きな利益を狙って無謀なトレードを繰り返したりします。しかしFXの相場で生き残るには、勝っても負けても一喜一憂せず、淡々とトレードを繰り返す習慣を身に着け、稼げる取引戦略を作るためには、リスクを抑えた取引経験が必要です。
最初はデモ口座で取引をスタートして、発注に慣れたり習慣的にトレードできるようになったりしたら、リアル口座での取引に移行することをおすすめします。
MT4に対応しているおすすめ国内FX口座
MT4を利用できる国内のFX会社は9社を比較してみましょう。
国内でMT4を提供しているFX会社は外資系であることが多く、利用に際して安全面で少し不安に感じていたり、使いこなせるか自信がなかったりする方もいらっしゃると思います。
そこで今回はMT4を利用できる国内のFX会社の中から、金融庁の許可を得て営業活動を行う、安心して利用できる会社を厳選し、上位5社ご紹介します。
ここでご紹介するのは、安全面や使い勝手、取引条件、情報コンテンツなどあらゆる面でおすすめできるFX会社ですので、これからMT4を使いこなして本格的なチャート分析をしたい、稼ぐために的確な取引ができるようになりたいという方はぜひ参考にしてください。
FXTF 初心者も設定しやすいMT4「定型チャート」
FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)のメリット
- ◎ 世界で最も利用されている取引ツールMT4が使える
- ◎ 米ドル円のスプレッドが0.1銭と非常に狭い
- ◎ 24時間のサポート体制を取っており、FX初心者でも安心
FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)のデメリット
- △ スキャルピングが禁止されている
- △ 通貨ペアによってはMT4の自動売買で手数料がかかる
- △ スワップポイントが低め
FXTFはゴールデンウェイ・ジャパン株式会社が提供するFX会社で、2006年から日本を拠点に活動を開始しました。
- MT4の提供は2011年
- ドル円スプレッドは原則固定0.1pips
- 24時間カスタマーサポート
- 30種類以上のオリジナル分析ツール
FXTFは2011年からMT4を提供し始め、その後もあらゆる金融サービスを提供しながら成長しています。
30種類以上のオリジナル分析ツールを提供していて、中でも有名トレーダーが作り上げたMT4で使える「定型チャート」が特徴的です。
「定型チャート」にはすでにカスタマイズされた複数のインジケーターが搭載されていて、有名トレーダーが使っているものと同じチャートを再現できます。
MT4を使いこなす難しさの一つにインジケーターや分析ツールの設定がありますが、FXTFの「定型チャート」があれば難しい設定は必要ありません。
ただし、この「定型チャート」で安定して利益を得るためには、どのような相場でこのチャートがうまく機能するか判断する目を養う必要があることを忘れないでください。
また、FXTFはMT4を利用した自動売買システムEA(エキスパートアドバイザー)の利用も可能です。外部から取得したEAを使用する方法について丁寧な解説ページもありますし、24時間対応のカスタマーサポートもあるので、EAを初めて使う方でも安心して利用できるでしょう。
なお、EAやスクリプトを使用した取引には、スプレッドに加えて取引手数料がかかる通貨ペアがあります。
取引手数料がかかる通貨ペアは以下の5種類です。
- USDJPY
- EURJPY
- GBPJPY
- AUDJPY
- EURUSD
取引量と手数料は以下の表を参考にしてください。
取引数量 | EA/スクリプト取引手数料 |
---|---|
1,000通貨 | 4円 |
10,000通貨 | 40円 |
100,000通貨 | 400円 |
255,000通貨 | 1,020円 |
OANDA証券 確かな約定力と豊富なオリジナルインジケーター
OANDA証券のメリット
- ◎ 取り扱い通貨ペアが豊富
- ◎ MT4やtradingview等分析機能が豊富
OANDA証券のデメリット
- △ スプレッドがやや広い
- △ スワップポイントが低い
OANDA証券は、日本を始めイギリスやアメリカなど世界8都市で金融ライセンスを取得しグローバルに運営を続けるFX会社です。
- 日本、アメリカなど世界8都市で運営
- 0.5秒以内に全注文約定
- 情報公開に積極的
- 豊富なオリジナルインジケーター80種類以上
- トレードに活かせる情報コンテンツ
OANDA証券の特徴はなんといっても約定力が強みです。公式サイトによると、すべての注文がサーバーに到達してから0.5秒以内に約定しています。
FX会社の約定力はスプレッドや手数料といった表面上のコスト以上に重要です。どんなに表示スプレッドを狭くしていても、約定力がなければコストがかさみますし、狙った価格で約定できないストレスはトレーダーを苦しめるからです。
約定力はトレーダーにとって非常に重要であるにもかかわらず、多くの会社が約定率や約定スピードを公開していません。そんな中、OANDA証券は積極的な情報開示を継続していて、約定が遅かった注文があればその理由を調査、公開する稀有な存在です。
またOANDA証券にはMT4で使えるオリジナルインジケーターが80種類以上あり、使い方やインストールの方法について丁寧な解説もあります。
さらに為替市場に関する統計的な分析情報も豊富に公開されていて、相場の変化を定量的に把握できる点もOANDA証券の魅力です。
アヴァトレード 業界初MT4選択型自動売買システム「AMMA」
アヴァトレード・ジャパンのメリット
- ◎ 通貨ペアが豊富
- ◎ MT4 MT5で対応可能
アヴァトレード・ジャパンのデメリット
- △ スプレッドが広い
- △ 情報が少なくコンテンツが少ない
アヴァトレードは年間約5000億ドル以上の取引高、世界で18万以上の口座数、数々の受賞歴があるFX会社で、世界中のトレーダーから高い評価を受けています。
- 年間5,000億ドルの取引高
- オリジナル自動売買サービス「AMMA」
- VPS利用無料
アヴァトレードの最大の特徴は選択型の自動売買サービス「AMMA(アンマ)」です。
通常のMT4を利用した自動売買は、EA(エキスパートアドバイザー)というシステムをトレーダーが自分で取得しインストール、稼働させる必要があります。
一方、アヴァトレードの「AMMA」は、高パフォーマンスの自動売買システムを提供するSP(サービスプロバイダー)と提携し、一般のトレーダーにも利用できるようにしているサービスです。
つまり「AMMA」を利用するトレーダーは、自分でEAを探したり設定したりすることなく、高パフォーマンスの自動売買システムの中からお気に入りを無料で選び、利用できます。
また、MT4を使った自動売買を24時間稼働させるためには、VPSという仮想サーバーの利用が一般的ですが、通常は利用料がかかります。しかし、アヴァトレードの「AMMA」はVPSの利用料が無料です。コストを抑えてシステムトレードを利用したい方は利用を検討してみましょう。
なお、「AMMA」の中からシステムを選択するときは、必ず基本情報や取引成績を確認してください。
外為ファイネスト MT4でCFD銘柄の表示が可能
外為ファイネストのメリット
- ◎ MT4を利用することができる
- ◎ プロ向け口座のスプレッドは狭い
外為ファイネストのデメリット
- △ スワップポイントが低い
- △ スプレッドが広い
外為ファイネストは、ロンドン、シドニー、ドバイなどで金融事業を展開しているHantec Groupの日本法人です。
- CFD銘柄の表示可能
外為ファイネストのMT4では、CFD銘柄の表示ができます。
FXと同一口座内でCFD銘柄を表示できる機能は、国内FX会社の中では非常に珍しいです。ただし取引はできないため、たとえば日経225やNYダウ先物など参考になりそうな指標の強弱を見ながら通貨の取引を行うといった使い方で活用するのがおすすめです。外為ファイネストで表示できるCFD銘柄は以下の7種類です。
- 日経225先物
- 金スポット
- NYダウ先物
- 北海原油先物
- WTI原油先物
- NASDAQ100先物
- イギリスFTSE100先物
FOREX.com 初級者から上級者までレベルアップを図れるFX会社
FOREX.comのメリット
- ◎ FX以外の商品も取り扱いがある
- ◎ 自動売買が利用可能
- ◎ ノックアウトオプションが提供されている
FOREX.comのデメリット
- △ スワップポイントが低い
- △ スプレッドが広い
FOREX.comの親会社は、アメリカの証券取引所NASDAQに上場し、アメリカ、日本、イギリスなど6ヶ国の金融ライセンスを取得し運営しているStoneXグループです。
- 親会社はNASDAQ上場のStoneX
- 平均約定速度0.05秒
- 強力な無料分析ツールパッケージ
- 初級者から上級者まで学べるFOREXラボ
- MT4の利用には5万円以上の入金が必要
FOREX.comの平均約定速度は0.05秒と早く、配信レートの改善に取り組んでいるため、指値注文が設定レートよりも良い条件で約定することも珍しくありません。
スプレッドや取引手数料といった表面的な取引コストだけでなく、約定や配信レートを改善して実質的な取引コストを低減する取り組みは高く評価できます。
また、FOREX.comにはMT4で利用できるEA9種類とオリジナルインジケーター16種類が一つのパッケージになっており、ダウンロード後Zipファイルを展開するだけで自動的にインストールがされます。
なお、FOREX.comで無料配布されているEAは、勝手に売買してくれるシステムではなく、裁量トレードをサポートしてくれるタイプです。
たとえば、トレードにおいては相場のモメンタム(勢い)の読み取りが非常に重要ですが、経験が少ない初心者にとってモメンタムの分析はとても難易度が高いです。
しかし、FOREX.comのTick Chart Trader(ティック チャート トレーダー)を見れば、値動きの幅だけでなく速さを視覚的にわかりやすく提示してくれるので、相場が勢いづいていることにすぐに気づけるでしょう。
FOREX.comの無料分析ツールは、初心者が気づきづらいFXトレードのポイントを押さえたラインナップといえるでしょう。
リアル口座でMT4を利用するには5万円以上の入金が必要ですが、この無料EAとインジケーターのパッケージは、無料デモ口座でも使用できますので、ぜひ試してみてください。
また、FOREX.comの教育コンテンツ「FOREXラボ」は、これからチャート分析を学びたい方や新しい分析方法を探している方、改めてFXを学び直したい方におすすめです。
MT4の使い方
MT4の使い方は、「口座を開設する」「MT4をダウンロードする」「ログインする」「初期設定をする」「インジケーターの設定をおこなう」の5ステップです。MT4に対応している口座を開設する
まずMT4を取り扱っているFX会社で口座開設する必要があります。口座開設すれば無料でダウンロードでき、パソコンにインストールすればすぐに使うことができます。ダウンロードやインストールの手順などは、FX会社が違ってもほとんど同じです。
口座開設が完了するとMT4の口座番号とサーバー名とパスワードが決まります。この3つの情報がMT4にログインするために必要です。
MT4をダウンロードする
使用するパソコン(PC)のOSに合ったMT4をダウンロードする必要があります。パソコン用にはWindows用とiOS用の2種類、スマホ用にもAndroid用とiPhone用の2種類が用意されています。
スマートフォンにMT4アプリをダウンロードするなら、App StoreあるいはGoogle Playからダウンロードを開始します。
MT4にログインする
MT4で取引するためには口座にログインする必要があります。ログインに必要な情報(MT4の口座番号とサーバー名)は、口座開設の際にFX会社から送られてくるメールに記載されています。IDやパスワードが発行されるまでには時間がかかる場合もございますので、届いていない場合は少し時間を待つ必要があります。
最初のパスワードは各自で設定する場合とFX会社が指定する場合があるので、いずれかによって設定されたパスワードを入力してログインしてください。
MT4の初期設定をする
MT4はデフォルト画面よりも多少カスタマイズした方がチャートが見やすくなるため初期設定が必要です。初期設定で設定画面を保存しておくと、それ以降は起動をするたびに設定した画面が開くようになります。MT4を使いやすくするためにも初期設定を済ませておきましょう。
初心者はもっとも基本的な設定画面からスタートし、トレードしながら徐々に自分好みの画面に変えていくと良いでしょう。
インジケーターの設定をおこなう
MT4にはさまざまなインジケーター(罫線分析ツール)が標準装備されていて、チャートにテクニカル指標を表示させて分析することができます。インジケーターを設定することで、チャートだけでは分からないような情報も把握できるようになり、それに応じたトレード戦略が立てられるようになります。
トレーダーによっては、MT4標準搭載のインジケーターではなく、外部のインジケーターを使いたい方もいるでしょう。外部のインジケーターはカスタムインジケーターとも言い、標準搭載のインジケーターをより見やすくしたバージョンや、標準インジケーターにはない機能を持つインジケーターもあります。
それぞれのトレーダーのトレードスタイルやトレード手法に合った外部インジケーターを導入すると、チャート上で視覚的に売買判断がしやすくなるメリットがあります。
また、MT4はサーバー時間で表示されるため、日本時間とは時差があります。海外の時間で設定しているとサマータイムによっても時差の変化が生じるので、日本時間を表示するインジケーターを導入して、時差を計算する手間が省きましょう。
MT4における自動売買の使い方
MT4は、相場分析用のチャートとして有名ですが、裁量取引のほか自動売買も行うことができます。MT4で自動売買を行うには、エキスパート・アドバイザー(EA)という自動売買プログラムを組み込む必要があります。
EAは、配布されているものから選ぶ方法と、自分で独自のEAを作る方法の2種類があります。
ユーザーが自分で独自のEAを作る場合はプログラミングの知識が必要になります。EAで使用する言語はC言語に似ており、プログラミング経験者なら比較的すぐになじめますが、一人ですべてを開発するにはかなりの時間を要します。FX初心者の場合は配布されているEAの中から優良なものを選んで使うのがおすすめです。
ここでは、MT4で配布されているEAを利用する方法を解説していきます。
配布されているEAから選ぶ
FX初心者の場合は、EAを自作するのではなく、配布されているものから選ぶのがおすすめです。ネットでは様々なEAが配布されていますが、有償配布と無償配布の両方があります。
有償配布は、お金を出して販売サイトからEAを購入するものです。ただし、気をつけなければいけないのは、販売されているEAが取引に勝てる優良なEAということを確認するのが難しいという点です。高いお金を払って買ったけれど勝率の悪いEAだったということもあるので、注意が必要です。
そのためFX初心者のうちは無償配布のEAを利用するのが安全でしょう。無償配布のEAは、FX会社(海外もあり)に口座を開くともらえる、またはサイトのPR用に配布されているなどがあります。
選択したEAをMT4に組み込む
EAを選んだらMT4に組み込んでみましょう。まずはMT4を起動して、メニューから「ファイル」ー「データフォルダを開く」を選択します。
データフォルダの中で「MQL4」を開きます。
MQL4フォルダの中で「Experts」を開きます。
「Experts」フォルダが開いたら、その中にEAを貼り付けます。
MT4を再起動してEAを有効化します。再起動したらナビゲーターを表示して、エキスパートアドバイザーにEAが格納されていることを確認します。
EAの設定をおこなう
設定が必要なEAの場合は、ナビゲーターに表示されている組み込んだEAをMT4チャートの上にドラッグ&ドロップします。
そうするとEAの設定画面が開くので、「全般」タグで「自動売買を許可する」にチェックを入れます。
「パラメータの入力」タグでパラメータを設定します。パラメータは、EAの仕様書や説明書に従って設定を行います。当初の設定内容のままで、使用できる場合もあります。
EAをバックテストでシミュレーションしてみる
EAの設定が終わったら、実際に使う前にバックテストでシミュレーションをすることができます。バックテストは、実際の過去の相場で、EAがどのような成績をあげることができたかを検証するものです。
バックテストを行うには、MT4メニューの「表示」ー「ストラテジーテスター」をクリックします。
すると、バックテストの設定画面が表示されます。
設定画面には、テスト対象となるEAの名称をはじめ各項目を設定していきます。
設定項目 | 手順 |
---|---|
エキスパートアドバイザー | テストするEAを選択する |
エキスパート設定 |
初期証拠金を変更する EAのパラメータを設定する ※わからなければ初期設定のままでOK |
通貨ペア | テストする通貨ペアを選択する |
モデル | 3つのテスト方法から選択する |
時間足 | 時間足を指定する |
期間を指定 | テスト期間を設定する |
スプレッド | 現在値または既定値を選択する |
ビジュアルモード | チャートにエントリーポイントなどを表示する |
各項目を設定しスタートボタンをクリックしたら、テストが開始されます。テストが完了すると結果が表示されます。
テスト結果では、有効証拠金残高、総利益、総損失、最大ドローダウン、勝率などを確認することができます。EAのパラメータ(ロット数、利益確定幅、取引判断に使うテクニカル指標の数値など)を変更しながらバックテストを繰り返し、良い結果が出るようEAを調整し、最適化することができます。
EAを稼働させる
バックテストによりEAを検査・最適化したら、いよいよ稼働させます。
稼働するには、MT4メニューの「自動売買」ボタンをクリックします。EAが稼働すると、ボタンが緑色になります。
また、MT4チャート右上にEAの名称とニコニコマークが表示されます。
なお、EAを停止するには、もう1度「自動売買」ボタンをクリックします。EAが停止すると、ボタンが赤色になります。
EA停止中は、ニコニコマークが怒った顔になります。
EAを相場に応じて運用・停止させる
EAを稼働した後は、相場の状況に応じてEAを運用または停止させることが重要です。
為替相場は、国際的な影響がある政治・経済上の出来事や主要国の金利政策変更、重要な経済指標の発表などにより、大きく変動する場合があります。そのような場合にEAを稼働したまま放置していたら、予想外の相場変動に対応できず損失を被ってしまう可能性があります。このため、大きな事件が発生して為替相場の先行きが見通せないと判断した場合はEAを停止させることも必要です。
また、金利政策の決定や重要な経済指標の発表などはあらかじめ日時がわかっているため、事前にEAを停止しておく方法もあります。例えば、米国の金利政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)や全米雇用統計発表などの日は稼働を避ける、日本の金利政策を決定する日銀金融政策決定会合の日は様子を見るなどの対策を講じます。このように相場の急変時は様子を見て、相場が落ち着いたらEAを稼働させるなど安全第一に徹することが重要です。
MT4のデメリットとは
MT4のデメリットは、自分で一からダウンロードから初期設定までの手順を行わないといけないがゆえに、FX初心者にとっては使いにくさを感じてしまう可能性があることです。
例えば、ポンド円のチャートを表示したい場合は、MT4のメニューからチャートの新規作成を選択し、ポンド円の通貨ペアを選んでチャートを作る必要があります。FX会社が提供するツールのように、初めからすべてが用意されているわけではありません。
また、チャートの時間表示は海外時間がデフォルト設定になっているため、MT4上で時間表示を日本時間にするには専用のインジケーターを探して組み込む必要があります。(※国内のFX会社にはMT4に日本時間を表示してくれるところもあります)
このように、MT4は自由度が高い分、こだわりのない人にとっては使いこなすのが難しくなっており、若干ハードルが高いというデメリットがあります。
あえてMT4を使わなくても、各社が出している独自のオリジナルツールがあります。特に国内の各FX会社では特色ある独自の取引ツールを開発しており、DMM FXのスマホアプリや、GMOクリック証券のPlatinumチャートなど初心者が使いやすい取引ツールを提供していることを売りにしている会社もあります。
また、MT4に対応しているFX会社が少ないことや、それゆえに対応FX会社の条件面で不満を持ちやすいことなどもデメリットと言えます。MT4に対応しているFX会社は国内で9社と多くなく、その中にはスプレッドが安くないところもあります。
MT4は、初心者ではなく、専業トレーダーを目指している人や、副業であっても本格的にFXに取り組み、大きな利益をあげたいと考えている人に適したツールです。新たなテクニカル指標を組み込んでユーザー独自の方法で相場を分析する、ユーザーが見やすく操作しやすいようチャート画面の設定や表示を改変するなど、利用する上での自由度が非常に高い特徴があります。
MT4とMT5の違い
MT4とMT5の違いは動作環境です。MT4は既に開発が終了しているため、これ以上のアップデートはありません。一方で、MT5は今後も改良されていくと考えられます。それによって、今はMT5だけのおすすめ機能も充実してきています。
- MT5はMT4よりも動作が早い
- ミニチャートの表示機能で複数表示が便利に
- 独立チャート機能でモニターがしやすい
- 経済指標の予定を表示できる
- 細かい時間足分析ができる
- ストップリミット注文を利用できる
- 標準搭載のテクニカルインジケーターが豊富
- ストラテジーテスターがアップデートされている
MT4 | MT5 | |
---|---|---|
リリース | 2005年 | 2010年 |
開発状況 | 開発終了 | 開発継続中 |
動作速度 | 遅い | 速い※1 |
時間足 | 9種類 | 21種類※2 |
注文方法※3 | 成行、ストップ、リミット、IFD、OCO、IFO、ワンクリック | 成行、ストップ、リミット、IFD、OCO、IFO、ワンクリック |
ストップリミット注文 | なし | あり※4 |
部分約定 | 不可 | 可 |
描画ツール | 31種類 | 44種類 |
標準搭載のインジケーター | 30種類 | 38種類 |
カスタムインジケーター | 多い | 少ない |
EA(自動売買)の種類 | 多い | 少ない |
スマホアプリ表示 | 1画面表示 | 2画面表示可(Android) |
標準装備のテクニカル指標や描画ツールの種類もMT5の方が多いのですが、新たに組み込むことができるオリジナルなテクニカル指標や自動売買用EAの種類はMT4の方が多いです。
また、MT5の場合は取扱っている業者が少ないこともデメリットです。国内で対応しているFX業者は4社に限られてしまっています。
MT4に関するQ&A
Q. MT4(MetaTrader4)とはなんですか?
A. MT4は、ロシアのMetaQuotes Software(メタクオーツ・ソフトウェア)社が開発・提供する取引ツールで、FXトレーダーに特に人気がある世界でも最もメジャーなツールです。
Q. MT4を利用するにはどうすればよいですか?
A. MT4を利用するには、まず取り扱っているFX会社で口座開設をする必要があります。口座開設後は無料でダウンロードすることができ、パソコンにインストール、もしくはスマートフォンにアプリをダウンロードして利用することができます。
Q. MT4はFX会社が提供している取引ツールとは何が違う?
A. MT4がFX会社が提供している取引ツールと異なる点は、次のとおりです。
①拡張性の有無
FX会社が提供する取引ツールは、テクニカル指標の種類を増やすなどができませんが、MT4は、新たなテクニカル指標を組み込むことができるなどの拡張性があります。
②自動売買機能の有無
FX会社のツールは裁量取引用と自動売買用とが分かれていますが、MT4は1つのツールで両方の取引に対応できます。
③カスタマイズ性の違い
MT4は、FX会社のツールに比べ、ユーザーが自分の使いやすいように設定や表示を改変できる自由度が大きいです。
Q. MT4に対応している証券会社はある?
国内FX会社でMT4に対応しているのは以下の9社です。会社名がサイトにリンクしていますので、参考にしてください。
Q. MT4以外におすすめの分析ツールはある?
為替相場の分析ツールは、チャートが主体になります。国内の各FX会社は、それぞれユニークなチャートを提供していますが、高機能でおすすめの分析ツールとして次のものがあります。
①DMM FXのプレミアチャート
29種類のテクニカル指標を搭載し、チャート上部に経済指標情報をスクロール表示してくれます。また、為替と株価、金、原油など異なる銘柄のチャートを重ねて表示できる機能もあります。
②GMOクリック証券のプラチナチャート
38種類のテクニカル指標や25種類の描画ツールを備えた高機能チャートです。最大で16パネルのチャートを表示できます。
記事の監修者およびコメントいただいた専門家
■保有資格:CFP、住宅ローンアドバイザー、損保マスター
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HP:ファイナンシャルプランナー(FP)金子賢司
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外資系金融会社で5年間勤めた経験を持つ。2012年からデイトレードを開始し、FXで年間700万円の利益をあげるなど、現役トレーダーとしても活動している。
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