FXで勝つためにはトレードスタイルと相場に合ったインジケーターを使うことが効果的です。そのために前半では「インジケーターとは何か」「インジケーターの種類」「インジケーターの使い方」を解説します。後半では「おすすめのインジケーター」「上級者が使っているインジケーターと使い方」ついても紹介します。
MT4(メタトレーダー4)で利用できるインジケーターとは
インジケーターとはMT4のチャート上やサブウィンドウに点や線などを表示して相場分析をサポートするためのツールのことです。「テクニカルインジケーター」や「テクニカル指標」とも呼ばれます。さまざまな種類のインジケーターがあり、単体でも複数を組み合わせて使うこともできます。
インジケーターの目的はひと目で相場の状態がわかる情報をチャート上に示すことです。線や点などで相場の方向性や過熱度、売買サインなどを示してくれるので、チャート分析や売買判断が早くできるメリットがあります。
また、MT4は世界中で使われているトレードツールなので非常に多くのユーザーがいます。多くのユーザーが同じインジケーターを見ていれば、相場はそのインジケーターが示すサインによって動く可能性が大きくなるので、そういう意味でも多くのユーザーが使っているMT4を用いるメリットがあると言えます。
インジケーターは万能ではなく、相場の動きに合致した時にその威力を発揮するように設計されています。そのためインジケーターは相場の動き別に「トレンド系」と「オシレーター系」の2つのカテゴリーに分類されます。
トレンド系とは、相場にトレンドが発生しているときに機能するインジケーターです。トレンドとは相場が明確に上昇か下降のどちらかの方向に動いている状態をいいます。
「移動平均線」や「ボリンジャーバンド」などが代表的なトレンド系インジケーターです。
オシレーター系とは、相場の過熱度を示すインジケーターです。相場は一方向に動くと必ず元に戻ろうとする力が働き、上がった相場は下がり、下がった相場は上がる性質があります。相場が過熱して買われすぎている、売られすぎているというサインを出すのがオシレーター系のインジケーターです。
「RSI」や「ストキャスティクス」などが代表的なオシレーター系インジケーターです。
インジケーターの中にはトレンド系にもオシレーター系にも属さない独特なインジケーターがあります。それぞれのインジケーターは独自のコンセプトによって発案され、表示方法も独特です。日本で開発された「一目均衡表」が代表的で、世界中の多くのトレーダーが活用しています。
MT4(メタトレーダー4)のインジケーターの使い方
次にMT4に標準装備されているメジャーなインジケーターの使い方を解説します。
移動平均線の基本的な使い方
移動平均線とは、過去の一定期間の値から平均値を計算してグラフのような線で表したものです。
どのくらいの期間の平均を表すのかが自由に設定できるため、例えば日足で20日移動平均線を設定すれば、20日の値の推移の平均が表示されます。
通常は複数の移動平均線を表示させ、それぞれの動きによってトレンドの強弱を判断したり、売買サインを読み取ります。
よく使われる移動平均線は5、15、20(21)、50、75、100、200などです。20と21はどちらを使っても大きな差はありません。5は1週間の取引日数、20は1ヶ月の取引日数など、設定数字には意味があります。
この中から20、50、100の平均値でそれぞれ移動平均線を表示させると下図のようになります。
移動平均線20を短期線、移動平均線50を中期線、移動平均線100を長期線と考えると、それぞれの線の動きから相場が短期的、中期的、長期的に見てどう動いているのかがわかります。
上図の場合は、短期的には上昇、中期的には弱い上昇、長期的には下降していることがわかります。
下図は短期線、中期線、長期線ともすべての移動平均線が上昇を示していて、強い上昇トレンドが発生していることがわかります。上昇トレンドの場合は上から短期線、中期線、長期線が並び、それぞれが上を向いているときのことをパーフェクトオーダーといいます。下降トレンドの場合はこの逆の並びになります。
下図はトレンドが出ていない相場での短期線、中期線、長期線の動きです。それぞれの移動平均線が複雑に絡み合い、ばらばらな方向性を示し、長期線は横向きに推移していることから、相場にはトレンドがなく、一定の幅で上がったり下がったりを繰り返す「レンジ相場」になっていることがわかります。
短期線、中期線、長期線がそれぞれ交わることを売買サインとして活用できます。
下図は移動平均線の売りサインです。レンジ相場から①で短期線が中期線を下抜けしました。②で中期線が長期線を下抜けし、売りトレンドのパーフェクトオーダーが完成しています。
短期線が中期線を下方向に抜けたり、中期線が長期線を下に抜けすることをデッドクロス、短期線が中期線を上方向に抜けたり、中期線が長期戦を上に抜けることをゴールデンクロスといい、それぞれ売りと買いの定番の売買サインです。
またローソク足と移動平均線の関係も売買サインとして使えます。下図はローソク足が移動平均線100を少し下抜けてから上昇するパターンを何度も繰り返していることから、この相場ではローソク足と移動平均線100のパターンを使って買いエントリーが可能です。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドとは、移動平均線と標準偏差を使って相場の値動きが一定の値幅の中に収まりながら推移することを示すインジケーターです。
標準偏差は1σ(シグマ)、2σ、3σがよく使われ、センターラインの移動平均は20が使われます。
ボリンジャーバンドの各バンド内に価格が収まる確率は以下の通りです。
- +1σ~-1σの間に価格が収まる確率:約68.3%
- +2σ~-2σの間に価格が収まる確率:約95.4%
- +3σ~-3σの間に価格が収まる確率:約99.7%
このことから、保有ポジションの利益を確定させる指標として活用できます。
*+3σに価格が到着したなら、そこから下がる確率が99.7%もあるのなら逆張りすれば良いのでは?とも考えられますが、ボリンジャーバンドはトレンド系のインジケーターなので、そのような使い方はボリンジャーバンド以外の強い補完材料がないと機能せず、+3σだから売りという安易な逆張りは大きな損失を出す可能性が高いので注意しましょう。(次項で詳しく解説)
また、相場には大きく動く時と動きがない時があります。ボリンジャーバンドは相場が大きく動く時はバンドが拡散し、相場の動きが小さくなるとバンドが収縮 して狭い範囲で横這いになります。このようなバンドの動きも売買サインとして活用できます。
ボリンジャーバンドの基本的な使い方
ボリンジャーバンドには主に2つの売買サインがあります。
収縮から拡散
ボリンジャーバンドが狭い範囲で収縮して横這いになっている状態から、相場が動き出すと価格がレンジを上か下に抜けてボリンジャーバンドが大きく拡散します。ボリンジャーバンドが収縮から拡散しはじめた場所でエントリ―すれば、トレンドの初動に乗れる可能性があります。
バンドウォーク
相場にトレンドが発生すると、ローソク足がバンドの間を上下しながらトレンド方向に推移することがあり、この動きをバンドウォークといいます。下図は-1σと-2σの間のバンドウォークで、-1σで価格が抑えられて再下落していることから、-1σバンドタッチが売りサインとなっています。
これ以外でもセンターラインと1σのバンドウォークなどバリエーションはさまざまで、それぞれ同じパターンを繰り返すことが多いのがトレンド相場の特徴です。相場が反応しているポイントを早く見つけることで、トレンド中の戻り売りや押し目買いの場所を予測することもできます。
トレンド中の逆張り注意
ボリンジャーバンドの±3σ以内で価格が推移する確率は約99.7%ありますが、それだけで逆張りエントリ―をすると注意しなければならない例が下図の通りです。
このチャートの場合、価格が-3σに2回タッチしたあと一旦は戻していますが、その後大きく下落をしています。特にトレンドが発生している場合は±3σにタッチしたことだけを根拠にトレンド方向と逆方向にエントリーすることは危険なので注意しましょう。
RSI
RSIはRelative Strength Indexの略で、相場の売られすぎや買われすぎなどの過熱度を示すインジケーターです。チャート画面の下にサブウィンドウとして表示され、0%~100%の間をラインが上下し、70%以上で買われすぎ、30%以下で売られすぎを示します。オシレーター系のインジケーターなのでレンジ相場で威力を発揮します。
RSIの基本的な使い方
RSIはレンジ相場が得意なので、まずレンジ相場を見つけます。レンジ相場はある一定の値幅で価格が上下している相場なので、チャートの形で簡単に特定できます。
レンジ相場が特定できたらRSIが70%以上を示したら売りサイン、30%以下を示したら売りサインと考えて売買します。
RSIの注意点
RSIはシンプルで使いやすいインジケーターですがオシレーター系なのでトレンド相場では下図のようなサインを出します。 トレンド相場で単純に30%を下回ったからという理由で買うと、トレンドに乗ってどんどん価格が下がっていってしまうことがあります。RSIは価格が上下しているレンジ相場でのみ威力を発揮することを忘れないようにしてください。
FX業者のオリジナルインジケーターの使い方
FX会社はオリジナルインジケーターを自社のMT4に標準搭載しています。ここでは便利に使えるFX会社オリジナルインジケーターを紹介します。
MACD2ライン
MACDはオシレーター系のインジケーターです。標準搭載のMACDはラインが1本ですが、FXTFの「FXTF MACD_2line」は2本のラインで表示されます。
MACDは2本のラインのゴールデンクロスやデッドクロスが売買サインになるため、1本ラインのMACDよりも視覚的にわかりやすくなっています。
FXTFのMACD 2 line
MT4に標準搭載されているMACD
2本線のMACDは標準搭載のMACDと基本的な使い方は同じです。2本線のMACDの場合は2本のラインのゴールデンクロスを買いサイン、デッドクロスを売りサインとしてトレードできます。
ただし、オシレーター系のインジケーターの弱点はトレンド相場のトレンド方向とは逆方向の売買サインは使えない点があります。したがってトレンド相場ではトレンド系のインジケーターを使用すると良いでしょう。そのためには相場がレンジ相場なのか、トレンド相場なのかを判断する必要があり、トレードする前に相場の環境を認識してから適切なインジケーターを使う技術が求められます。
下図はMACDはデッドクロスしているので売りサインですが、相場はどんどん上昇しているため、この売りサインだけを見てトレードすると損失が出ることがわかります。
FXTFジャパンタイム
「FXTF Japan Time」はMT4に日本時間を表示してくれるインジケーターです。MT4の表示時間は変えることができないため、チャート画面にサブウィンドウで日本時間を表示させます。
FXTFジャパンタイムを使う時は、チャートにグリッド線を表示させるとローソク足と時間の関係がわかりやすくなります。
OANDAの通貨強弱チャート
OANDA証券の通貨強弱チャートはMT4のインジケーターではありませんが、非常に便利なチャートサービスで、主要通貨の強弱がチャートを見ただけでわかります。つまり、もっとも強い通貨ともっとも弱い通貨を一目で認識できるため、通貨ペア選びが誰でも簡単にできます。
*もっとも強い通貨を買い、もっとも弱い通貨を売ることがもっとも効率がよい通貨ペア選びで、下図の場合は豪ドル円を買うことがこの時点ではもっとも効率の良いトレードができることを示しています。
*通貨強弱チャートはMT4の外部インジケーターでも表示可能で、OANDA証券以外のMT4にも導入できます。またFXTFに「FXTF Sinbol kyojaku」というオリジナルインジケーターがあり、同様に通貨の強弱をサブウィンドウで表示できます。
外部インジケーターの導入方法
MT4の外部インジケーターの導入方法は以下の手順で行います。
- 外部インジケーターをPCにダウンロードする。
- MT4のファイルからデータフォルダを開く。
- データフォルダ内のMQL4からIndicatorsに外部インジケーターを保存する。
- MT4を再起動、もしくはナビゲーターウインドウ内を右クリックして更新を選択。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
【超初心者向け】まず設定するべきインジケーターの一覧
超初心者がMT4で最初に設定すると良いおすすめのインジケーターは以下の通りです。トレンド系から1つ、オシレーター系から1つのインジケーターを選び、それらを組み合わせて使うと良いでしょう。
基本的に、たくさんのインジケーターをチャートに表示するとチャート分析に時間がかかったり、売買判断に迷うことになるので注意が必要です。
トレンド系
・移動平均線
移動平均線は使っていないトレーダーはいないと言っても良いくらい重要なインジケーターです。また、多くのインジケーターには移動平均線の要素が組み込まれて設計されており、移動平均線だけでも十分なチャート分析が可能です。
移動平均線を使う時は、20、50、100、200など、設定を変えた複数の移動平均線を使うとより視覚的に相場の動きがわかります。
・ボリンジャーバンド
移動平均線と並んでメジャーなトレンド系インジケーターです。収縮から拡散する際のエントリ―サインや、バンドウォークなどパッと見ただけでわかる売買サインが特徴で、多くのトレーダーが使っています。
オシレーター系
・RSI
RSIは代表的なオシレーター系のインジケーターです。シンプルな表示によって売買サインが簡単明瞭で初心者でも使いやすい点が魅力です。
ただし、トレンド相場では売買サインが機能しないため、RSIだけを使って売買するのではなく、トレンド系のインジケーターと組み合わせて使うと良いでしょう。
・MACD
MACDも人気のあるインジケーターです。特に2本のラインを表示できるMACDはオシレーター系のインジケーターでありながら、トレンド系のインジケーターのようなゴールデンクロスやデッドクロスなどによって売買サインを読み取ることができます。
これもトレンド相場では売買サインが機能しないため、トレンド系のインジケーターと併用すると良いでしょう。
その他便利なインジケーター
・日本時間表示
MT4はサーバー時間で表示され、その時間設定は変えられないため、MT4で日本時間を表示させたいときに使用します。
このインジケーターはサブウィンドウで日本時間が表示されるので、経済指標の発表などの時間管理がしやすくなります。FXTFには標準搭載されていますが、外部インジケーターとしてもネット上で公開されていて無料で利用できます。
・平均足
平均足はローソク足とは違う値で計算され、ローソク足のような形で値動きを表すインジケーターです。平均足はすべてのMT4に標準搭載されていて、無料で利用できます。
特にトレンド相場では連続して陽線や陰線が出ることからトレンドがわかりやすいメリットがあります。下の2枚のチャートは平均足とローソク足で同じチャートを表示したものです。平均足の方が表示が滑らかで、陽線、陰線が連続していることからトレンドが明確に認識できます。
平均足
ローソク足
・ジグザグ
ダウ理論に基づいてチャートにジグザグの上昇波や下降波を自動的に書いてくれるインジケーターです。初心者はどこの高値とどこの安値が重要なのかがわからない場合があるので、このインジケーターで自動的に重要な高値安値を確認することができます。
ジグザグはMT4に標準搭載されていて無料で利用できます。
MT4対応のおすすめ口座
MT4に対応している国内FX業者の中で、オススメの口座を4つ、以下の表にまとめました。初心者の方はインジケーターの使い方を以下の口座で身につけるのがおすすめです。
【初心者向け】相場で勝つための基本と活用するべきインジケーター
インジケーターは何をどう使うかによってトレード成績は大きく変わります。特に初心者の場合、「何を」は、もっとも基本的で多くの人が使っているインジケーターを使うことが大切です。
なぜなら、そのインジケーターを見ている多くのトレーダーが同じようなところで売買し、同じような心理状態になり、同じようなところでポジションを手仕舞うため、相場がそのインジケーターの影響を受けて動いたり、多数派のトレーダーの行動や心理が読みやすくなるからです。
「どう使うのか」については、インジケーターを使う前に以下の手順を行うことが大切です。
相場の環境認識
環境認識とは、文字通り相場がどのような環境にあるのかを認識することです。やり方は月足、週足、日足などの長い時間足から短い時間足に順番にチャートを分析し、どの時間足でどのような値動きになっているかを確認します。
例えば、月足は上昇トレンド、週足は上昇トレンド中の中段持ち合い相場、日足はレンジ相場の高値付近だった場合、月足レベルの上昇トレンドが週足レベルで一旦下落して持ち合い相場を作り、日足レベルではその持ち合い相場の上限を試している、という相場環境が認識できます。
月足
週足
日足
この環境認識によって、日足のレンジを上にブレイクすれば、月足レベルの上昇トレンドが再開した可能性を認識でき、日足レンジを下にブレイクすれば、週足レベルの下降トレンドが再開したことがわかります。
この認識を根拠にその日のトレード戦略を立て、そのトレード戦略に合ったインジケーターが選択可能です。
また、環境認識は日足、4時間足、1時間足などより短い時間足でも可能で、どの時間足を使って環境認識をするのかは、どの時間足を使ってトレードするのかによって変わります。
下図はドル円の4時間足、30分足、5分足です。この3枚のチャートから、4時間足では緩い上昇トレンド中、30分足では上昇から下降に転換している、5分足では下降トレンド中という相場環境が認識できます。
どの波を狙ってトレードするのかを決める
相場の環境認識ができたら、どの波を狙ってトレードするのかを決めます。相場は一直線に上がったり下がったりするのではなく、ジグザグの波を作りながら上下する性質があります。
また、初心者はレンジ相場よりもトレンド相場の方が利益を出しやすいので、トレンド相場を狙うと良いでしょう。そしてどの時間足でわかりやすいジグザグの波ができているのかを見つければトレードする時間足が決まります。
環境認識によって、トレンド相場が見つかったら、そのトレンドに合ったインジケーターを選びます。
トレンドに適合したインジケーターを選ぶ
トレンド相場を狙うので、インジケーターはトレンド系の移動平均線かボリンジャーバンドを使うと良いでしょう。移動平均線とボリンジャーバンドはどのMT4にも標準搭載されているので無料で利用できます。
また、ボリンジャーバンドの場合は、デフォルトのまま使いますが、移動平均線は設定が自由に変えられるため、相場に合わせた設定も可能です。
レンジ相場が認識された場合はオシレーター系のインジケーターを使う
環境認識でレンジ相場が認識された場合は、オシレーター系のインジケーターを使ってトレードすることも可能です。
MACDやRSIを使い、売買サインにしたがって高いところで売り、安いところで買うトレードを繰り返します。MACDやRSIもMT4標準搭載のインジケーターで無料で利用できます。
レンジ相場のトレードの注意点は、レンジ相場からトレンド相場に移行したことにいち早く気づくことです。これが遅れると大きな損失に繋がる可能性があります。
そのためにはインジケーターだけではなく、チャート上に水平線を引くなどしてレンジの範囲を特定し、そのレンジがブレイクされたらオシレーター系のインジケーターを使ったトレードはしないという判断が必要です。
【中級者向け】おすすめインジケーター
中級者におすすめなインジケーターは「一目均衡表」です。また他のインジケーターの有効な使い方も紹介します。
一目均衡表
一目均衡表は昭和初期に細田悟一氏によって開発されたインジケーターで、世界中に多くのユーザーがいます。また、MT4に標準搭載されているので無料で利用可能です。
相場は均衡している状態から崩れた時に大きく動く特性があることに着目し、その均衡の崩れが一目でわかることを目的として設計されています。
具体的には、転換線、基準線、2本の先行スパン、遅行スパン、抵抗体(雲)で表示されます。さらに時間論、波動論、値幅観測論の3つの理論によって設計が裏付けされている、非常に奥深いインジケーターです。
一目均衡表を使うためには多少の勉強が必要ですが、このインジケーターだけで多くのチャート分析が可能です。また、売買サインもいくつもの根拠に基づいて出るため信頼度が高く、慣れると使いやすい、おすすめのインジケーターです。
水平線やトレンドラインとインジケーターを組み合わせる
インジケーターを有効に活用するためには、インジケーター以外の補完材料が重要です。例えば、トレンド発生中の直近の高値や安値、サポートラインやレジスタンスラインなどの水平線やトレンドラインなどの情報にインジケーターを組み合わせることで、精度の高い分析ができます。
下図はサポートラインの水平線を下抜けた時のチャートで、レンジ相場から下降トレンドに相場が移行し、移動平均線がパーフェクトオーダーになっています。
下図はレンジ相場で、レンジの上限と下限に水平線を引き、その水平線(サポートラインとレジスタンスライン)とRSIを使ってトレードする例です。
レンジ相場では想定されるレンジの中に発生するトレンドを狙うこともできます。エントリ―はオシレーター系のインジケーターを使い、トレード中はトレンド系のインジケーターによってトレンドの強さを確認し、再度オシレーター系のインジケーターで手仕舞うという、場面場面によって使うインジケーターを振り分けると良いでしょう。
下図は移動平均線とRSIを使ったレンジ内のトレードの例です。
ダイバージェンスで相場の転換を察知し、チャートパターンで売買する
ダイバージェンスとは、相場は高値を切り上げているのに、インジケーターは高値を切り下げている、というように、ローソク足の動きと逆のサインを出すことです。ダイバージェンスは相場の勢いが無くなってきていることを示していて、相場転換のサインと読み取れます。
相場の転換やトレンドの再開などを示すチャートパターンとインジケーターのダイバージェンスを組み合わせると、精度の高い売買ができます。
相場転換の場合は、三尊天井やダブルトップ、トリプルトップなどにオシレーター系のダイバージェンスを組み合わせるとエントリーの根拠が強く補完されます。
下図ではまずRSIがダイバージェンスで買いの勢いが衰えてきたことを示し、その後チャートは三尊天井を作って上昇相場が下降相場に転換しています。ダイバージェンスによってチャートパターンが完成する前に相場が転換する可能性の推察ができます。
相場の継続パターンの場合も、フラッグやトライアングルなどのパターンにトレンド系のインジケーターを組み合わせるとエントリーのサインが明確になります。
下図は上昇トレンド中のフラッグブレイクで買いエントリーする例です。フラッグのブレイクに移動平均線のパーフェクトオーダーが補完されているので安心してエントリ―できます。
【上級者向け】おすすめインジケーター
上級者は特別なインジケーターを使っているわけではありませんが、利益を出しているトレーダーはインジケーター、ダウ理論、チャートパターンなどを上手く組み合わせてトレードしています。
インジケーターのサインはあくまで1つの材料として使い、チャート分析や売買判断は他の要素も加えて総合的に行っています。
トレード戦略や手法、チャートの設定などはシンプルな人が多い印象で、上級者トレーダーの共通項としてマルチタイムフレーム分析を行っている点があります。
マルチタイムフレーム分析とは
マルチタイムフレーム分析とは、複数の時間足のチャートの動きを分析し、売買タイミングを計る分析方法で、上位足の相場環境を意識しながら下位足でトレードします。
例えば、週足、日足、4時間足の相場の動きを分析し、上昇トレンドの押し目買いのタイミングを計るために1時間足を使ってトレードするなどです。
ここではマルチタイムフレーム分析をトレードに取り入れるときに便利なインジケーターを紹介します。
上位足のローソク表示
上位足のローソク足をトレードする下位足のチャートにオーバーラップさせて表示することで、マルチタイムフレーム分析を1枚のチャートで行うことができます。FXTFやOANDA証券のMT4を使っているユーザーは無料で利用できます。また、外部インジケーターでも同じ機能のものがあり、無料で使えます。
例えば、1時間足に日足のローソク足を表示させれば、日足の相場の流れを見ながら1時間足でトレードが可能です。
マルチフレーム対応移動平均線
普通の移動平均線は時間足を変えるとその時間足に合わせた移動平均線になります。したがって、1時間足チャートの20本線を15分足チャートで表示させようとすれば、移動平均線の設定を20から80に変える必要があります。
マルチタイムフレーム対応移動平均線は、1時間足の20本線を15分足チャートでも設定を変えないで表示することが可能で、時間足を変えるごとに移動平均線の設定を変える必要がありません。
上位足の環境を確認するためにチャートの時間足を変えたり、移動平均線の設定を変える手間をかけずに、1枚のチャートでマルチタイムフレームの上位足相場環境を意識しながらトレードできるメリットがあります。
このインジケーターはOANDA証券のMT4のユーザーは無料で、外部インジケーターとしてもネット上に出回っているので無料で利用できます。
FAQ
- MT4のインジケーターが動かない場合に考えられる要因とその解決策は?
- 原因ごとの解決策は以下の通りです。
原因1:外部インジケーターがPCのOSに適合していない
解決策:使用しているPCのOSに適合した外部インジケーターを使います。
原因2:チャートが動いていない
解決策:① インターネットに接続されていることを確認します。
② 相場が休日の時はチャートは更新されませんから、インジケーターも動きません。
原因3:パラメーターが時間足に適合していない
解決策:インジケーターによってはパラメーターの設定が必要な場合があり、そのパラメーター設定が表示したい時間足に適合していないとインジケーターは表示されなかったり、動かない場合があります。この場合は、パラメーターを正しく設定しなおします。
- MT4のインジケーターが追加できない場合に考えられる要因とその解決策は?
- 原因1:外部インジケーターが正しいフォルダに保存されていない
解決策:外部インジケーターを正しいフォルダに保存しなおします。外部インジケーターの導入手順はこちらを参照してください。
原因2:更新、もしくは再起動していない
解決策:外部インジケーターをフォルダに保存した後にそのインジケーターがナビゲーターウィンドウに追加されるためには、以下のことを実行してください。
1 MT4を再起動する。
2 ナビゲーターウィンドウを右クリックして、開いたメニューから「更新」をクリックする。
原因3:Mac用のインジケーターをWindows用のPCにインストールしている、もしくはこの逆 解決策:使用しているPCに適合したMT4用のインジケーターをダウンロードします。
- スマホ版のMT4へのインジケーターの入れ方は?
- スマホ用のMT4には外部インジケーターを追加できません。