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(画像=PIXTA)

楽天証券のつみたてNISAは、取扱銘柄数の多さや手数料の安さで人気を集めている。そのため、口座開設の方法や商品の買い方を知りたい人も多いだろう。

本記事では、楽天証券でつみたてNISAを始める際の具体的な手順を詳しく解説する。最後まで読めば、つみたてNISAをすぐに始められるようになるだろう。

始めるときにやるべきこと

  • 口座開設手続き
  • 投資信託の購入
  • 積立日・引落方法・積立金額の設定
  • ポイントコースの変更
  • ポイントの利用設定
  • ハッピープログラムへのエントリー
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  1. 楽天証券のつみたてNISAの始め方
    1. STEP1.口座開設を申し込む
    2. STEP2.本人確認書類を提出する
    3. STEP3.お客様情報を入力
    4. STEP4.ログインIDを受け取る
    5. STEP5.初期設定(マイナンバーの提出)
    6. STEP6.投資信託を選ぶ
    7. STEP7.引落方法と積立指定日を選ぶ
    8. STEP8.積立金額を入力する
    9. STEP9.分配金コースを選択する
    10. STEP10.目論見書や設定内容を確認する
  2. 楽天証券のつみたてNISAの注意点
    1. つみたてNISAが始められるスマホアプリがない
    2. クレカ積立のポイント還元率はほかのネット証券に劣る
  3. 楽天証券のつみたてNISAでよくある質問
  4. 楽天証券でつみたてNISAを始めよう

楽天証券のつみたてNISAの始め方

楽天証券のつみたてNISAの始め方は、以下のとおり。

つみたてNISAの始め方・買い方

  • STEP1.口座開設を申し込む
  • STEP2.本人確認書類を提出する
  • STEP3.お客様情報を入力
  • STEP4.ログインIDをメールで受け取る
  • STEP5.初期設定(マイナンバーの提出)
  • STEP6.投資信託を選ぶ
  • STEP7.引落方法と積立指定日を選ぶ
  • STEP8.積立金額を入力する
  • STEP9.分配金コースと口座区分を選択する
  • STEP10.目論見書や設定内容を確認する

難しい手続きは不要だが、投資初心者の場合は戸惑ってしまうこともあるだろう。以下ではそれぞれの手続きについて詳しく説明する。

STEP1.口座開設を申し込む

楽天証券でつみたてNISAを始めるには「総合取引口座」と「NISA口座」の両方を開設しなければならない。公式サイトから「今すぐ、NISA口座を申込む」の申し込みボタンを押して、申し込み画面に進もう。

すでに楽天証券の総合取引口座を開設している場合、IDとパスワードを入力してログインすれば、改めて個人情報を入力する必要もなくつみたてNISA口座を作成できる。

はじめて楽天証券で口座開設する場合は、総合取引口座とNISA口座の同時開設が可能だ。「今すぐ口座開設(無料)」のボタンを押して、メールアドレスの登録画面に進もう。なお、楽天会員の場合はここでログインしておくとスムーズに手続きを進められる。

メールを受信したら、メール内のリンクから本人確認書類の提出手続きに移ろう。

STEP2.本人確認書類を提出する

本人確認書類はWeb上で提出でき、スマホで手続きが完結する。
手続き方法によって提出できる書類が以下のように異なるため、注意しよう。

スマホで本人確認 ・運転免許証
・個人番号カード
書類アップロードで本人確認 ・運転免許証
・個人番号カード
・住民票の写し・印鑑登録証明書
・通知カード
・各種健康保険証
・パスポート
・在留カード・特別永住者証明書
・住民基本台帳カード

パソコンから本人確認書類を提出する場合は「書類アップロードで本人確認」を選択する。一方、「スマホで本人確認」を選んだ場合は、本人確認書類の提出と同時に顔写真を撮影しよう。

なお、本人確認書類を提出する際は有効期限内のものであるか、「氏名」、「住所」、「生年月日」がはっきり確認できるかを確認して欲しい。もし不鮮明な画像を提出してしまうと不備扱いとなり、手続きに時間がかかってしまうので注意しよう。

STEP3.お客様情報を入力

氏名、住所、生年月日などの必要情報を入力する。楽天会員の場合は楽天会員として登録した情報がそのまま引き継がれるので入力がスムーズに進むだろう。審査をうまく行えない可能性があるため、本人確認書類に記載されている情報と一致しているかの確認は必須だ。

次に納税方法を選択しよう。納税方法には以下の3通りがあるが、初めて口座開設する場合は特定口座(源泉徴収あり)を選ぶのがおすすめだ。

特定口座(源泉徴収あり) 顧客自身での確定申告不要
特定口座(源泉徴収なし) 楽天証券が発行する年間取引報告書を基に収支を計算し、自身で確定申告が必要
特定口座を開設しない(一般口座の開設) 自身で収支を計算し、確定申告をする

「スマホで本人確認」を選んでいる場合は、ここでログインパスワードの登録が必要になる。忘れないように注意して欲しい。

なお、ここまでは最短5分で完了するので、まだ口座開設していない人はぜひ手続きを進めてみてはどうだろうか。

STEP4.ログインIDを受け取る

お客様情報の入力が完了した後は楽天証券での審査が実施され、通過すればログインIDが送付される。

ただし、手続き方法によって審査にかかる時間とログインIDの受け取り方法が異なるため、注意が必要だ。

「スマホで本人確認」の場合は1~3営業日で審査が完了し、ログインIDがメールで送付される。一方、「書類アップロードで本人確認」を選んだ場合は、5営業日程度で審査が完了し、ログインIDと初期パスワードが送付される。

IDを受け取ったら楽天証券ホームページから早速ログインをして、初期設定を進めていこう。

STEP5.初期設定(マイナンバーの提出)

ログイン後は初期設定を進めていくが、スマホアプリ「iSPEED」からの設定はできないため、必ずパソコンやスマホからアクセスしよう。

初期設定は以下の手順で、通常5分程度で完了する。

楽天証券初期設定の手順

  1. ログインする
  2. ログインパスワードの変更
  3. 取引暗証番号の登録
  4. アンケートの回答
  5. 勤務先登録(インサイダー登録)
  6. 国籍登録

初期設定が完了すると、マイナンバーの登録画面に遷移するが「スマホで本人確認」を選んでいる場合は対応不要だ。

ここまで手続きすれば口座開設は完了する。

STEP6.投資信託を選ぶ

口座開設を終えたら、運用する投資信託を選んでいこう。

楽天証券のマイページにログインし、「つみたてNISA・NISA」タブを選択する。そして、「ファンドを探す」画面から投資信託を選ぶことが可能だ。

楽天証券では次の4つの方法で購入するファンド(投資信託)を選べるため、自分に合った方法を選んで欲しい。

ファンドを個別に探す ファンド名を直接入力して探せる。すでに投資したいファンドが決まっている人におすすめ。
診断で自分にぴったりのファンドを探す 質問に答えるだけで自分に合ったファンドが選べる。はじめてファンドを購入する人におすすめ。
おすすめから選ぶ 楽天証券が選ぶおすすめファンドを確認できる。人気のファンドを選びたい人におすすめ。
自分で一から選ぶ 楽天証券で購入できるつみたてNISA対応のファンドが一覧で確認できる。細かい条件を見ながらじっくりファンドを選びたい人におすすめ。

ファンドが決まったら「つみたてNISA積立注文」をクリックして注文画面に進もう。なお、つみたてNISAに対応している銘柄のみ「つみたてNISA積立注文」が表示されるため、表示されないものはそもそも購入ができない。

STEP7.引落方法と積立指定日を選ぶ

注文画面から、まずは引き落とし方法と積立指定日を選択しよう。

楽天証券のつみたてNISAでは、次の4つの引落方法が選べる。

4つの引落方法

  • 証券口座
  • 楽天キャッシュ
  • 楽天カードクレジット決済
  • そのほか金融機関

引落方法によって、設定できる積立日や積立頻度が異なるため注意しよう。

証券口座

証券口座から引き落としをする場合は、まず楽天証券の口座への入金が必要になる。
入金方法は以下の3通りだ。

  手続き方法 手数料 入金の反映 設定
自動入出金(スイープ) 楽天銀行と楽天証券の口座を連携し、資金移動する 無料 即時 必要
リアルタイム入金 インターネットバンキングで楽天証券の口座に資金移動する 無料 即時 不要
通常振込入金 楽天証券の指定口座に振込入金する 有料 1時間程度 不要

最初に設定さえしておけば都度入金する手間が省けるため「自動入出金(らくらく入金)」を選ぶのがおすすめだ。

まだ楽天銀行の口座を持っていない人はこの機会に開設しておくのもひとつの手だ。

なお、証券口座から引き落としをする場合は、毎月1日~28日の中から希望の日を「積立指定日」として設定することが可能となる。また「毎日」の積立も選択できる。

楽天キャッシュ(電子マネー)

楽天証券では、電子マネーの「楽天キャッシュ」を活用して、毎月の積み立てを行うこともできる。毎月1日~28日の中から希望の日を「積立指定日」として設定することが可能となる。

楽天キャッシュを利用するなら、楽天カードを使って自動チャージするのがおすすめだ。いちいちチャージする手間が省けるだけでなく、楽天カードから楽天キャッシュへのチャージ時に、チャージ額の0.5%がポイント還元されるからだ。

楽天カードを持っていない人は、楽天証券の口座開設と合わせて手続きを進めておこう。

楽天カードクレジット決済

楽天証券では、クレジットカード(楽天カード)を使った決済も可能だ。楽天カードで積立すると最低0.5%のポイントが付与される。楽天ゴールドカードなら0.75%、楽天プレミアムカードなら1.0%が還元されるため、さらにお得だ。

毎月3万円を20年間積み立てた場合、通常の楽天カードでも36,000ポイント貯まる計算になる。積立投資をするだけで、ポイントが貯まっていくのはかなり魅力的といえるだろう。

楽天カードは年会費無料で作成可能なので、まだ持っていない場合は、この機会に申し込んでみるのがおすすめだ。

ただし、証券口座や楽天キャッシュを利用する場合と異なり、積立日の指定はできないため注意したい。原則として毎月1日または8日が積立日として設定される。

そのほか金融機関

指定した金融機関口座から、毎月積立代金を自動引き落としできる。手数料はかからないため、楽天カードや楽天キャッシュを利用できない場合や、どうしても普段使いの口座から支払っていきたいと考えている人は利用を検討してみよう。

毎月7日または24日のどちらかを積立日として選択可能だ。

STEP8.積立金額を入力する

引落方法を設定したら、積立金額を入力しよう。

楽天証券では、最低100円から1円単位で積立が可能だ。つみたてNISAの投資枠は年間40万円までと決まっているため、毎月積立できる上限額は3万3,333円となっている。

STEP9.分配金コースを選択する

楽天証券のつみたてNISAでは、投資信託の分配金の受取方法を選択できる。分配金とは、投資信託の運用結果に応じて投資家に還元されるお金のことである。

分配金コースは以下の2つから選択可能だ。

受取型 分配金を都度受け取る
再投資型 分配金を現金で受け取らず、そのぶん同じ投資信託を追加購入する

ただし、こだわりがなければ「再投資型」を選択することをおすすめする。というのも、再投資型にしておけば複利効果を得られるため、運用効率が高くなるからだ。

複利効果とは、利子が利子を生み、雪だるま式に資産が増えていく効果のことである。とくに運用期間が長期にわたるつみたてNISAでは、再投資を続けることで多くの複利効果を得られる可能性があるのだ。

STEP10.目論見書や設定内容を確認する

最後に、目論見書とこれまでに設定した内容を確認しよう。問題なければ「注文する」ボタンを押し、手続きは完了となる。

目論見書とは、投資信託を購入する際の判断材料となる重要事項がまとまっている書類のことだ。主に以下のような項目が記載されているので、本当に自分にあった商品であるか、入念に確認しよう。

目論見書の重要事項

  • ファンドの運用方針
  • ファンドの投資先
  • 運用上のリスク
  • 過去の運用実績
  • 手数料

なお、注文した内容は「積立設定一覧へ」のページから確認できる。

楽天証券のつみたてNISAの注意点

楽天証券のつみたてNISAは多くの魅力的な特徴がある一方で、いくつか注意点も存在する。デメリットを感じるようなら、ほかの証券会社での口座開設も視野に入れたほうが良いだろう。

つみたてNISAが始められるスマホアプリがない

楽天証券には取引から情報収集まで幅広い機能を備えた「iSPEED」と呼ばれる専用スマホアプリがある。便利なツールではあるものの、つみたてNISAをはじめとする投資信託の取引はできないので注意が必要だ。

スマホからつみたてNISAの取引をするためには、ブラウザで楽天証券の公式サイトにアクセスしなければならない。ただし、スマホ専用サイトも存在しているため、取引に大きな問題はないはずだ。楽天証券の公式サイトをホーム画面に追加して、IDパスワードも保存しておけばログインの手間も省けるだろう。

もし、どうしてもアプリで手軽に取引したい人は、ほかの証券会社での取引も検討したほうが良いかもしれない。以下に挙げる証券会社では、つみたてNISAに対応したスマホアプリをリリースしている。

スマホアプリをリリースしている会社

  • SBI証券
  • 松井証券
  • マネックス証券

中でもおすすめなのはSBI証券だ。投資信託の積立機能に特化しており、シンプルな画面と操作性になっているため、初心者でも使いやすくなっている。

クレカ積立のポイント還元率はほかのネット証券に劣る

楽天証券ではクレジットカードによる積立で0.5%のポイント還元を受けられる。しかし、ほかの証券会社と比較すると還元率はやや低い点には注意したい。

主要証券会社のクレカ積立におけるポイント還元率は以下のとおりだ。

  積立対応カードとポイント還元率
楽天証券 楽天カード:0.5%
※年会費無料
SBI証券 三井住友カードゴールド(NL):1.0%
※年会費5,500円(税込)※年間100万円利用すれば翌年以降年会費が無料
マネックス証券 マネックスカード:1.1%
※年会費無料
auカブコム証券 au PAYカード:1.0%
※年会費無料

ポイントを貯めながら、少しでもお得に資産運用したい人はマネックス証券を選ぶと良いだろう。年会費無料のカードにもかかわらず1.1%の高還元率が期待できる。

楽天証券のつみたてNISAでよくある質問

楽天証券のつみたてNISAを始める前に、疑問点を解消しておこう

楽天証券以外でおすすめの証券会社はありますか?
幅広い人におすすめできるのはSBI証券だ。取扱銘柄数は2023年5月10日時点で193種類と、主要ネット証券トップクラスである。つみたてNISA用のスマホアプリもあるため、初心者でも始めやすいだろう。

ポイントの還元率を重視するならマネックス証券がおすすめだ。年会費無料の「マネックスカード」を積立の引落方法に設定するだけで、1.1%のポイントが貯まる。

いずれにしても、つみたてNISAの口座は全ての証券会社を通じて一人一口座しか作れないため、慎重に選びたいところだ。
楽天証券は改悪が多いと聞いたことがありますが本当ですか?
2022年から、楽天証券ではクレジットカード積立のポイント還元率が低くなったり、投資信託の保有残高に応じてもらえるポイントが減少したりなど、多くの改悪が実施されたのは事実だ。

しかし、今まで改悪が多かったからといって、これからも必ず改悪が進んでいくとは限らない。事実、2023年に入ってからは、クレジットカードのポイント還元率は0.2%から0.5%まで引き揚げられている。

楽天証券で口座開設するかどうかは、ポイント制度以外のメリットにも目を向けて、総合的に判断しよう。

楽天証券でつみたてNISAを始めよう

楽天証券のつみたてNISAには、クレジットカードや楽天キャッシュを引落方法に設定することでポイントが貯まりやすくなる、ファンドの購入に楽天ポイントが使えるなど多くのメリットがある。

豊富な銘柄の中から自分に合った商品を簡単に選べる仕組みもあるので、楽天ポイントを普段利用している人だけではなく、投資初心者にもおすすめだ。

そんな楽天証券でつみたてNISAを始めるためには、まず口座開設の手続きが必要だ。総合口座とNISA口座の両方が必要になるが、同時に申し込みができる。

また、運転免許証やマイナンバーカードを用意してスマホから手続きをすれば、Web上で手続きが完結し、1~3営業日程度で取引を始められるようになる。

増額設定を活用すれば、年途中からつみたてNISAをはじめても非課税枠を使い切ることが可能だ。将来に向けた資産形成を始めたい人は、この機会に楽天証券でつみたてNISAをスタートしよう。