ジュニアNISAは2023年に廃止予定の非課税投資制度です。廃止に伴い、使い勝手が向上し利用者が増加していますが、制度概要やメリット、デメリットを確認し、利用を検討しましょう。廃止に伴う変更点おすすめの証券会社も紹介しています。
- ジュニアNISAとは?制度はいつまで?
- ジュニアNISAを今始めるべき5つのメリット
- ジュニアNISA口座開設のおすすめの証券会社
- ジュニアNISAの始め方
- ジュニアNISAで子供の大事な資金を運用する方法
- ジュニアNISAが2023年で廃止された後はどうなる?
- ジュニアNISAの商品を課税口座に払い出し
- ジュニアNISAとNISA(一般NISA)の違い
- ジュニアNISAの6つのデメリット
- ジュニアNISAはどんな人におすすめ?
- SBI証券でのジュニアnisaの始め方
- ジュニアNISAは最低100円から手数料無料で取引できる
- ジュニアNISAに関するQ&A
- ジュニアNISAは投資できる期間が限られている
ジュニアNISAがおすすめの人
ジュニアNISAとは?制度はいつまで?
ジュニアNISAとはどんな制度?
0歳~19歳の未成年者用の少額投資非課税制度です。最長で5年間(ロールオーバーすればさらに5年間)、運用した利益にかかる20.315%の税金が非課税になります。
0歳~19歳の未成年者用の少額投資非課税制度です。未成年者本人が運用できますが、両親や祖父母による代理運用も可能です。
ジュニアNISAの概要 | |
---|---|
利用できる人 | 0~19歳の未成年者(口座開設する年の1月1日時点)※1 |
非課税対象 | 株式投資信託等の譲渡益、配当金、分配金 |
口座開設可能数 | 1人1口座 |
非課税期間 | 最長5年間(ロールオーバーにより非課税で継続運用可能) |
非課税投資枠 | 毎年80万円が上限 |
投資可能期間 | 2023年末まで |
運用管理者 | 口座開設者本人(未成年者)の親権者等 |
払い出し | 18歳まで払い出し制限あり(災害等の場合は非課税で払い出し可能) |
通常、資産運用で発生した利益に対してかかる20.315%の税金が非課税になる制度です。災害等のやむを得ない場合を除き、原則18歳まで払い出し制限があります。18歳より前に払い出す場合は、それまでの運用益に課税される点は注意が必要です。そのため長期的に考えて、途中で引き出さなくても問題のない資金運用に利用しましょう。
非課税期間は最長5年間ですが、5年間終了時は、ロールオーバーによってさらに5年間非課税運用を継続できます。
このような特徴があるので、以下のような点がメリットとして挙げられます。
ジュニアNISAのメリット
- 相続税や贈与税の節税対策になる
→年間110万円までは贈与税がかからない暦年課税という制度を利用して子供に資金を渡せる - 家族の非課税投資枠を増やせる
→子供一人につき非課税投資枠を年間160万円増やすことができる
口座開設にはオンライン上でも開設手続きができ、手数料も安いネット証券がおすすめです。
対象商品 | 国内株式 投資信託 外国株式 |
国内株式 投資信託 |
国内株式 投資信託 |
|
投資信託 | 2,573 | 2,590 | 1,225 | |
米国株 | 5,002 | 4,585 | 4,641 | |
IPO実績 | 122 | 74 | 66 | |
手数料 | 国内株 | 買・売 無料 | 買・売 無料 | 買・売 無料 |
投信 | 買・売 無料 | 買 無料 | 買 無料 | |
米国ETF | 買 無料 | - | - | |
おすすめポイント | 外国株投資やIPO申し込みもできる | 投資信託本数No.1 | IPO抽選が完全平等 |
※国内株式手数料に関して |
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一方で、口座開設者である子どもが18歳になるまでは、災害などのやむを得ない場合を除き原則払い出すことができないという制限があります。例えば、想定よりも学費のかかる高校に進学することになったとしても、資産を進学費用に活用できないということです。
どうしても払い出したい場合は途中解約する必要があり、その場合は利益に課税されてしまうため、NISAの非課税メリットを享受できないという課題がありました。事実、このデメリットから一般NISAやつみたてNISAに比べて口座開設数が伸び悩んでおり、2023年末をもって制度廃止されることが決定しました。
NISA口座開設数比較(過去3年間)
2020年末 | 2021年末 | 2022年3月末 | |
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ジュニアNISA※1 | 約30万口座 | 約55万口座 | 約63万口座 |
一般NISA※2 | 約742万口座 | 約769万口座 | 約725万口座 |
つみたてNISA※2 | 約172万口座 | 約339万口座 | 約396万口座 |
しかし、制度廃止にともない、2024年以降は年齢に関わらずいつでも非課税で払いだすことができるようになりました。2024年の制度終了後、5年間の非課税期間を満了しても18歳になるまでは非課税で資産を保有することができ、払い出し制限もなくなったことから、ジュニアNISAは再度注目を集めています。
\NISAで幅広い投資ができる/
ジュニアNISAを今始めるべき5つのメリット
今始めるべきメリットは何ですか?
いくつかメリットはありますが、一番のメリットは家族の非課税投資枠を増やせるという点です。2024年から始まる新制度では20歳未満の方の口座開設ができなくなるため、子供の非課税投資枠を使って投資をしたい方は、早めに口座開設をしたほうがよいでしょう。
ジュニアNISAで家族の非課税投資枠を増やせる
最大のメリットは非課税で投資できることですが、子供の口座であることがポイントです。口座は一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAがありますが、1人につきいずれか1口座までしか開設できません。例えば夫が一般NISA、妻がつみたてNISAを開設する場合、合計の非課税投資枠は年間160万円です(2024年以降は162万円)。
ここで仮に子供が2人いる場合、それぞれのジュニアNISAを開設すると、非課税投資枠は年間320万円になります(2023年末まで)。
子供の口座も含めれば非課税投資枠が2倍になるため、それだけ有利に資産形成ができます。 子供の口座とはいえ親権者等が代理運用できるため、実質的に非課税投資枠を増やせる手段になります。
非課税投資枠は子供の人数分だけ増やせるため、そのメリットは子供の多い家庭ほど大きいです。あまり利用しないとしても、子供の非課税投資制度はジュニアNISAしかありませんから、口座開設して非課税投資枠を確保しておいても損はないでしょう。
また、対象商品が幅広いです。つみたてNISAは対象商品が金融庁が厳選した信用のおける商品であるというメリットもありますが、投資したい商品を購入できないという可能性もあるので、広い選択肢から銘柄を選びたいという方は、積立NISAはやめたほうがいいでしょう。しかし商品の選択肢が多いジュニアNISAを使えば、運用の選択肢も広がります。
NISAは、家族みんなで利用できます。
例えば、両親がNISAで得られる非課税投資枠は、父親120万円、母親120万円で、合計すると240万円になります。さらに口座を開設すれば、子ども1人あたり80万円の枠を得ることができます。例えば、子どもが2人いれば、4人家族で年間400万円の非課税投資枠を利用することができるのです。
(引用元:ジュニアNISAのメリット)
\NISAで幅広い投資ができる/
貯蓄しながら資産を運用でき、教育資金ができる
払い出し制限は、利便性を低下させるデメリットと考えられますが、強制的に貯蓄するための機能であるとポジティブにも捉えられます。特に教育資金のような特定の時期に必要になるお金は、ある程度強制的に貯蓄できるほうが好都合です。さらに非課税で投資ができることから、中長期的に運用すれば単に貯蓄するよりも効率よく教育資金を準備できます。
とはいえいつまでも新規資金を投入できるわけではなく、期間は2023年までで、2022年からだと160万円が最大です。これだけでは教育資金としては心もとないですが、非課税運用できる点はぜひ活用したいです。
例えば年利回り3%で2年間運用(年間80万円ずつ)し、その後8年間保有したまま非課税運用するケースを考えてみましょう。
※野村證券の「みらい電卓」でシミュレート
元本は160万円のため、およそ52万円を増やせたことになります。実際にはシミュレーション通りにはなりませんが、運用期間が長いほど元本割れの可能性も下がるため、2024年以降18歳まで非課税運用できることも見据えて活用しましょう。
\NISAで幅広い投資ができる/
ジュニアNISAが廃止された後は、いつまで非課税で資産運用ができるの?
新規投資できるのは2023年末までですが、すでに保有する商品に関しては2024年以降も非課税運用が可能です。
これは2024年以降に5年間の非課税期間の終了を迎え、その時点で18歳になっていない人は保有商品を継続管理勘定に移管(ロールオーバー)できるためです。
継続管理勘定とは
2024年以降、金融商品を移管し非課税で保有するための特別な口座です。継続管理勘定では新規投資はできませんが、ロールオーバーした商品を1月1日時点で18歳である前年12月末まで非課税で保有できます。
Q:「継続管理勘定」とは何ですか?
引用元:日本証券業協会|『みんなにいいさ!NISAがいいさ!!』ジュニアNISAに関するよくある質問
A:2024年から2028年までの各年に設定される非課税管理勘定からの移管専用の非課税枠として、「継続管理勘定」が設けられることとなり、ジュニアNISA口座で2019年から2023年の間に買付けた上場株式等について、それぞれの年に買付けた上場株式等の非課税期間の5年間が終了するタイミングで「継続管理勘定」に移管して保有を続けることにより、1月1日において20歳(注1)である年の前年12月31日まで非課税の恩典を受けることが可能となっています。
(注1)2023年1月1日より「20歳」と記載の箇所は「18歳」となります。
継続管理勘定は制度廃止以降に非課税期間の終了を迎える場合に、保有していた商品を非課税のまま運用できる専用口座です。継続管理勘定にロールオーバーした商品は、制度終了後も18歳まで非課税の恩恵を受けられます。
ただし継続管理勘定では新規投資はできず、売却のみ可能な点は注意が必要です。継続管理勘定で一度売却した資金は非課税での運用はできなくなりますので、売買がしたい場合は課税口座を利用しましょう。
例えば廃止になる時点で子供が10歳だとすれば、売買はできないものの、残り8年間は非課税運用をじっくり続けられます。しかし継続管理勘定にロールオーバーできるのは2023年末までに投資した商品に限られるため、今のうちに口座開設し投資しておきたいところです。いつまで運用できるかとうのも考えておきましょう。
\充実の運用商品ラインナップ!/
子供の投資教育機会になる
目的は子供の将来のための資産形成ですが、それだけに利用しなければいけないわけではありません。親などが子供と一緒に運用し、教育として投資の経験をさせるためにも利用できます。
メリットの非課税で運用できることに目が行きがちですが、本来は子供の口座であるため、親が子供をサポートし、投資でお金を増やすことを身をもって体験させるのもいいでしょう。
ネット証券を使えば100円から投資ができます。数百円であれば子供自身のお小遣いからでも出せるでしょう。例えば貯金代わりに毎月500円でも積み立てていけば、1年後には元本で6,000円となり、子供にとってはそれなりの金額にもなります。
もちろん投資にはリスクがあることを理解させなければいけませんが、価格変動があることや時にはマイナスになることも投資教育のよい機会にできます。少額でも子供の頃から投資に触れさせておけば、大人になりもっと大きな金額を運用するときにもその経験が役立つはずです。
2016年に実施された金融庁の「国民のNISAの利用状況等に関するアンケート調査」によると、ジュニアNISAの利用目的は「未成年者の教育資金の準備」が最も多く67.1%でした。続いて「未成年者の就職や成人時の手持ち資金の準備」が43.1%、「未成年者の将来の急な出費への備え」が32.1%となっており、「未成年者の経済・金融教育」も17.6%と一定の支持を得ていることが分かります。
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相続税や贈与税の節税対策になる
ジュニアNISAは口座開設者本人(未成年者)の口座であり、口座の資金は未成年者本人に帰属します。しかし未成年者本人が自分で資金を出して運用することはあまり考えられず、実際には両親や祖父母が運用資金を出すケースが多いでしょう。その場合、運用資金は両親などから口座開設者本人に贈与済みの資金ということになります。
贈与する場合、贈与税が本来かかりますが、年間110万円までは贈与税がかからない暦年課税という制度があります。そのため非課税投資枠が年間80万円のジュニアNISAは、他に贈与がなければ通常は贈与税の対象になりません。
しかも暦年課税は贈与する相手1人につき110万円ですので、子供が複数いれば贈与する金額を増やせ、相続税や贈与税の節税対策にもなります。さらに基礎控除の110万円は贈与を受ける側の上限であるため、複数の子供に贈与すれば、贈与する側は相続税の対象になる資産を圧縮しつつ、次世代にお金を残せます。
非課税投資枠は5年間で最大400万円ですが、これから口座開設する場合は、2022年に開設しても160万円が最大です。2023年になると投資枠が80万円になるため、早く口座開設し贈与に利用してもよいでしょう。
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ジュニアNISA口座開設のおすすめの証券会社
ジュニアの口座開設でおすすめの証券会社はどこですか?
幅広い商品を取り扱っていて、外国株式や海外ETFにも投資ができるSBI証券で口座を開設するのがおすすめです。
対象商品 | 国内株式 投資信託 外国株式 |
国内株式 投資信託 |
国内株式 投資信託 |
|
投資信託 | 2,573 | 2,590 | 1,225 | |
米国株 | 5,002 | 4,585 | 4,641 | |
IPO実績 | 122 | 74 | 66 | |
手数料 | 国内株 | 買・売 無料 | 買・売 無料 | 買・売 無料 |
投信 | 買・売 無料 | 買 無料 | 買 無料 | |
米国ETF | 買 無料 | - | - | |
おすすめポイント | 外国株投資やIPO申し込みもできる | 投資信託本数No.1 | IPO抽選が完全平等 |
※IPO実績は2021年
※楽天証券はジュニアNISA口座でIPOの申し込みはできません。
※SBI証券、楽天証券、マネックス証券のホームページより作成、2022年1月5日時点
SBI証券……外国株投資やIPO申し込みもできる
対象商品 | 投資信託 | 米国株 | IPO実績 | 手数料 | おすすめポイント | |
SBI証券 | 国内株式 投資信託 外国株式 |
2,573 | 5,002 | 122 | 国内株:買・売 無料 投信:買・売 無料 米国ETF:買 無料 |
外国株投資やIPO申し込みもできる |
※IPO実績は2021年
※SBI証券のホームページより作成、2022年1月5日時点
SBI証券では、対象商品が幅広くさまざまな目的の人におすすめです。外国株式や海外ETFにも投資でき、ジュニアNISA口座でIPOの申し込みもできます。特に外国株式や海外ETFに投資したい場合は、他社で投資できないためSBI証券一択になるでしょう。
海外ETFは米国、中国、韓国のETFが買い付け手数料無料です。ETFは一般的に投資信託より信託報酬が安いため、海外ETFで中長期の資産形成も狙えます。
株式会社SBI証券(本社:東京都港区、代表取締役社長:髙村正人、以下「当社」)は、三井住友カードが発行するクレジットカードで投資信託が買える投信積立サービス「三井住友カード つみたて投資」の積立設定金額が100億円を突破しましたので、お知らせします。
(引用元:「三井住友カード つみたて投資」の積立設定金額100億円突破のお知らせ)
\充実の運用商品ラインナップ!/
SBI証券の良い評判・口コミ
アプリも使いやすい
性別:女性、年齢:40代、
職業:アルバイト・パート
ネットで簡単に口座開設出来ること、取引手数料が安めなこと、知名度もあることからこちらで開設しました。スマホで見る事が多いのですが、パソコン用の画面も問題なく見られるので確定申告の計算などで印刷する時もスマホのみで操作可能です。アプリも使いやすく、投資信託の銘柄選びもおすすめやランキング、リスク度などで簡単に選べます。ポートフォリオも初心者にもわかりやすく見やすいです。
出典:クラウドワークス
デメリットはない
性別:男性、年齢:20代、
職業:正社員
ここの証券会社はとにかくバランスのとれた会社です。つまり、IPO投資をやりたい人にもいい。それから株式売買手数料も無料枠も含めて割安に設定されているのでデイトレードやスイングトレードをやりたい人にもいいです。つまり、とりあえず、一つ目の証券会社として口座を開かないのはメリットはあってもデメリットのない証券会社なのです。
出典:クラウドワークス
色々と使い易いです
性別:男性、年齢:40代、
職業:個人事業主
ネット証券の最大手なので安心して取引できると思い口座開設しました。 チャートが非常に見易いです。私は複数の証券会社の口座を持ってますが、SBI証券が一番見易いです。 銘柄も一目でPER、PBR、配当利回りと言った基本的な数値を確認する事ができ売買の判断を簡単にできます。 スクリーンニング機能も充実しており、割安銘柄、成長銘柄を見つけ易いです。
出典:クラウドワークス
SBI証券の悪い評判・口コミ
米国株の取引手数料が高い
性別:男性、年齢:20代、
職業:正社員
国内株の取引手数料が安く、株を1株から購入もできるから。SBI証券のアプリでの株式銘柄の検索が使いやすく、チャートも見やすい点がとても良い。基本、ネット画面での取引を主にしているが、アプリも使いやすいのはとてもよい。ただ、米国株が購入できる点は良いが、米国株の取引手数料が高く感じることがネックです。
出典:クラウドワークス
サイトの使い勝手が悪い
性別:女性、年齢:20代、
職業:正社員
SBI証券で積立NISAをやっています。なぜSBI証券なのかというと、つみたてNISAの銘柄が豊富で、初心者でも利用しやすいと聞いたからです。100円から積立ができるので、投資ってなんだか怖いという人も、お手軽に始められます。三井住友カードで積立投資をすると、Vポイントも貯まります。ただ、サイトの使い勝手は悪いです。感覚的には使えないので、どこを見ればいいのかイチイチ調べながら使っています。
出典:クラウドワークス
アプリが使いにくい
性別:男性、年齢:40代、
職業:アルバイト
SBI証券でつみたてNISAをやっています。なぜSBI証券なのかというと、銘柄が豊富で、初心者でも利用しやすいと聞いたからです。100円から積立ができるので、投資ってなんだか怖いという人も、お手軽に始められます。三井住友カードで積立投資をすると、Vポイントも貯まります。ただ、サイトの使い勝手は悪いです。感覚的には使えないので、どこを見ればいいのかイチイチ調べながら使っています。
出典:クラウドワークス
楽天証券……投資信託本数No.1
対象商品 | 投資信託 | 米国株 | IPO実績 | 手数料 | おすすめポイント | |
楽天証券 | 国内株式 投資信託 |
2,590 | 4,585 | 74 | 国内株:買・売 無料 投信:買 無料 |
投資信託本数No.1 |
※IPO実績は2021年
※楽天証券はジュニアNISA口座でIPOの申し込みはできません。
※楽天証券のホームページより作成、2022年1月5日時点
楽天証券は、投資信託の取扱数が最多です。投資信託は最も手軽でリスク分散もしやすい商品であり、子供の将来を見据えた運用に最適と言えます。取扱数が豊富なことは利用者にとってメリットであるため、主に投資信託で運用する場合は楽天証券も検討しましょう。
楽天証券株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:楠 雄治、以下「楽天証券」)は、2022年2月25日(金)に金融庁が発表した「NISA口座の利用状況調査(2021年12月末時点(速報値))」より、NISA(少額投資非課税制度、以下「NISA」)(※1)の2021年新規口座開設数が業界最多(※2)であったことをお知らせします。
※1:一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの合算
※2:NISAは、主要ネット証券(口座数上位5社:auカブコム証券、SBI証券、松井証券、マネックス証券、楽天証券(五十音順))で、iDeCoは、主要運営管理機関でそれぞれ比較(2022年3月30日、楽天証券調べ) (引用元:楽天証券、NISA・iDeCo 2021年新規口座開設数が業界最多に!)
楽天証券のメリット
積立投資でポイントが貯まる
投資信託の積立投資に楽天カードを使用することで、楽天ポイントが貯まります。一部の銘柄で2022年9月買付分よりポイント還元率が1.0%から0.2%に下がりますが、楽天キャッシュからの買付であれば、2022年12月までは実質1.0%の還元を得ることができます。普段から楽天カードを使って楽天市場などの楽天グループのサービスを利用している人は新たなカードを作る必要がなく手間が省けます。
貯まるポイントが使いやすい
楽天証券で貯まる楽天ポイントは、使い道がかなり豊富です。楽天証券の取引に1ポイント1円として使用できるだけでなく、楽天市場や楽天モバイルなど日々の生活にも活用できます。楽天経済圏で生活をされている方なら特に使い道に困ることなく貯めたポイントを効率よく使えます。
また楽天証券ポイントはいつまでも使えるわけでなはなく、最長2年間の有効期限がありますので注意が必要です。
- 楽天証券サイトにログイン後、「マイメニュー」→お客様情報の設定・変更「ポイント設定・SPU」→「ポイント交換」
楽天証券のデメリット
単元未満株投資ができない
楽天証券は、単元未満株への投資ができません。そのため、日本株は100株単位での投資になるため、株価が1万円を超える企業は最低でも100万円以上必要となります。1株からの投資ができる証券会社と比較すると、日本株へ少額投資したい方にとってはあまり魅力的ではありません。
IPOの取り扱い銘柄がSBI証券より少ない
楽天証券とSBI証券は口座数でもトップを争う大手のネット証券であるため、取り扱い商品の幅はどちらも非常に豊富です。ただし、IPOの取り扱い銘柄数では、SBI証券の122銘柄(2021年)に対して楽天証券は74銘柄(2021年)と差をつけられています。IPOの中には上場後に急上昇する銘柄もあり、当たる可能性は低いですが、申し込める数が多い方がいいです。
\NISA口座開設数3年連続No.1/
楽天証券の良い評判・口コミ
手数料が安い!
性別:女性、年齢:30代、
職業:専業主婦・主夫
色々な証券会社を調べている中で、手数料の安さに惹かれて楽天証券で口座を開設しました。また、楽天証券で取引をしていると、楽天市場などの買い物時のポイント付与率がアップするところも気に入っています。あと、取引アプリ「iSPEED」も使いやすく、これまで取引をあまりしたことがなかった自分でも、安心して取引を始めることができました。
出典:クラウドワークス
楽天クレジットカード
性別:男性、年齢:30代、
職業:正社員
楽天ユーザであり、楽天のクレジットカードをメインカードとして利用しているので楽天証券を選びました。株式購入時にクレジットカード決済ができることが最大のメリットだと思います。楽天ポイントに還元できるので、投資すればするほどポイントが貯まります。ユーザインターフェースも初心者には分かりやすい作りになっているので操作に迷うことがありませんでした。
出典:クラウドワークス
ポイントがお得です
性別:女性、年齢:40代、
職業:アルバイト・パート
取り扱い商品が多いことがまずメリットですが、積立額に対しても1%のポイントがつくのが決め手で利用しています。年間40万円投資しているので、4000ポイントが入ってくることになり、気が付くとたくさんポイントがたまっているのでとてもお得感があります。積み立てなのでそんなに頻繁にはログインしませんが、取引の確認画面もシンプルで見やすいのでおすすめです。
出典:クラウドワークス
楽天証券の悪い評判・口コミ
作りが少し古臭い
性別:その他、年齢:50代、
職業:正社員
楽天市場をよく利用しているので、貯まったポイントで投資信託を購入しています。楽天証券はよく利用していますがアプリの作りが古めかしい感じが否めません。もう少し最新的なつくりでワクワクするような画面にしていただきたいと常に感じております。使いやすさなどは問題はなく利用できています。もう少し「見た目」を改善していただくと利用者も増えるかも!?
出典:クラウドワークス
優待クロスでは
性別:その他、年齢:20代、
職業:正社員
私は楽天証券を一般信用の空売りを用いた所謂株主優待ただ取りをやろうと思って作りました。しかし、楽天証券の一般信用の空売りは口座を作った当時がある程度の数があったのですが、それが年々少なくなっているので、当初の目的である株主優待ただ取りでは主力の証券会社として使い勝って悪くなってしまいましたので株主優待ただ取りを考えている人は少し考えたほうがいいと思います。
出典:クラウドワークス
ポイント還元率改悪
性別:女性、年齢:30代、
職業:アルバイト・パート
楽天ポイントを使って投資信託や株の買付ができたり、投信積立のクレジットカード決済でもポイントの付与があり、ポイントを利用した投資信託の購入の設定で楽天市場でのお買い物ポイントが+1倍になるので、子どもの証券口座と合わせて開設しました。 サイトが見やすく、注文方法などの説明も詳しく載っており、初心者でも分かりやすいです。 ただ、ポイント制度の変更があり、従来よりもポイント還元率が低くなってしまいました。
出典:クラウドワークス
マネックス証券……IPO抽選が完全平等
マネックス証券 | ||
対象商品 | 国内株式 | 投資信託 |
投資信託 | 1225 | |
米国株 | 4641 | |
IPO実績 | 72 | |
手数料 | 国内株:買・売 無料 | 投信:買 無料 |
おすすめポイント | IPO抽選が完全平等 |
※IPO実績は2021年
※マネックス証券のホームページより作成、2022年1月5日時点
マネックス証券は、SBI証券と同じくIPOにも申し込めます。SBI証券と異なるのは、IPOの抽選方法が完全に平等である点です。
マネックス証券のIPO抽選は、申し込み株数が100株でも1,000株でも1人1票としてコンピューターで無作為に抽選されます。課税口座と同時に申し込んでも名寄せされるため、当選確率が倍になることはありません。そのため取引状況などで優遇のあるSBI証券よりも、当選を期待して申し込みできるでしょう。
マネックス証券株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:清明祐子)は、2022年1月13日(木)12:00(予定)より、米国上場企業の7割を超す(※1)決算速報をグラフにし、市場予想と比較して配信するサービス『米国株決算フラッシュ』(以下「本サービス」)の提供を株式会社アイフィスジャパン(本社:東京都千代田区 代表取締役:大澤弘毅)とともに開始しますので、お知らせいたします。 なお、7割を超す米国上場企業の決算結果をグラフにし、市場予想と比較して公表後数分以内で提供するのは、主要ネット証券(※2)で初めてです。
(引用元:主要ネット証券初!決算速報サービス『米国株決算フラッシュ』を提供開始)
\100円から始められる投信つみたて!/
マネックス証券の良い評判・口コミ
銘柄スカウターが便利
性別:男性、年齢:40代、
職業:アルバイト・パート
手数料なども魅力でしたが、一番は銘柄スカウターがとても便利でした。ほかの証券会社でも銘柄の売り上げや決算などを見るとこができますが、銘柄スカウターはファンダを調べるうえで、とても便利です。特に決算の売り上げや利益、資産や今後の予想、アナリスト予想などがとても見やすくデザインされているので、初心者でも調べやすく、今ではほかのツールは使えません。これだけでも口座開設するメリットがあります
出典:クラウドワークス
気軽に株式投資!
性別:女性、年齢:50代、
職業:経営者
値上がり益は勿論ですが、株主になることで配当金や株主優待を受取ることもできる事が嬉しいですね。 現物取引手数料は50円(税込:55円)からなので安心して資金不足でも気軽に投資できました。 少額からリーズナブルに投資でき主婦でも気軽にトライ出来る事はホント助かりました。株式チャートも見やすく使いやすかったです。 買付手数料が無料とはホント魅力的でした。
出典:クラウドワークス
マネックス証券の悪い評判・口コミ
損益が見づらい
性別:女性、年齢:30代、
職業:正社員
当時は取引手数料が安いネット証券で探していました。 また、投資スタイルは米国株中心で考えていたため、ETF含めた幅広いラインナップを取り揃えているマネックス証券に決めました。 直近の成績がグラフで見れる点は良いですが、損益が分かりにくいため今後の改善に期待しています。
出典:クラウドワークス
国内株の手数料は高い
性別:その他、年齢:40代、
職業:個人事業主
先物取引の注文方法が多彩な事、アメリカ株の取引に優れているので口座開設しました。 先物取引では、利益確定と損切りを同時に設定する指値があります。先物は短期取引が多いので、これは助かります。他にも一定の金額になったら発動する追跡指値もあります。 国内株式の手数料は他の証券会社に比べて高いのでお勧めしません。
出典:クラウドワークス
ジュニアNISAの始め方
始めるにはどうすればいいですか?
まず口座開設が必要です。その際にマイナンバーの提出や代理運用する親権者等と未成年者との親子関係を証明する書類が必要です。
どのような手続きや書類が必要なのか見ていきましょう。
ジュニアNISA口座の開設手続きの流れ
開設する流れは、以下の通りです。
ジュニアNISA口座開設の流れ
- 金融機関から口座開設書類を入手
- 金融機関に口座開設に必要な書類を提出
- 金融機関から税務署に口座の重複がないか確認
- 金融機関から申し込み結果の連絡
- 開設完了
ジュニアNISAは1人1口座しか開設できません。そのため金融機関は税務署に重複がないか確認しなければいけませんが、税務署での確認は1週間から2週間程度かかるのが通常です。いつまでに口座がほしいかを逆算して金融機関への書類提出などの時間も考えれば、口座開設まで1ヵ月前後は見ておきましょう。
金融機関に提出が必要な書類
口座を開設するためには、金融機関に以下の書類を提出します。
- 口座開設届出書
- 口座開設者(未成年者)の本人確認書類
- 口座開設者(未成年者)のマイナンバーが分かる書類
- 親権者等の本人確認書類
- 親権者等と口座開設者(未成年者)の親子関係の分かる書類
口座開設の届出書は金融機関から送付される書類のため、必要事項を記入しましょう。それ以外の書類は申込者側で準備が必要です。
開設には未成年者本人のマイナンバーの申告が必要なため、通知カードやマイナンバーカードのコピーを準備しましょう。登録する親権者等は、続柄が記載された住民票の写しなど、親子関係の分かる書類も必要になります。
\充実の運用商品ラインナップ!/
ジュニアNISAで子供の大事な資金を運用する方法
子供の将来のために運用するのに適した商品はありますか?
バランスファンドは簡単に分散投資ができて、初心者でも選びやすいものが多いです。バランスファンドの中にはターゲットイヤーファンドという自動的にリスクを調整してくれる商品もあります。
比較的自由に投資しやすい制度ですが、子供の将来のために運用する場合、ある程度リスクを抑えた運用を検討したいです。特に教育資金のように必要な時期が決まっているお金は、過度なリスクは取らないほうが無難でしょう。
子どもが18歳になるまでジュニアNISAで運用する
2023年末をもって制度が廃止されますが、2024年以降も子どもが18歳になるまで金融商品を非課税で保有することができます。2024年以降は新規の購入ができなくなりますが、2023年末までは年間の非課税投資枠80万円を活用することができます。
例えば10歳の子どもの口座を開設し、2023年に80万円投資して年率3%で運用した場合、子どもが18歳になるまでの8年間で資産を101.3万円に増やすことができます。(野村證券の「みらい電卓」でシミュレート)もちろん、さらに高い年率で運用することができれば、資産をより増やすこともできるでしょう。制度が廃止されるジュニアNISAだけで教育資金などをまかなうのは難しいかもしれませんが、非課税で資産を増やせる制度を使って損はないはずです。
また、一般NISAの非課税投資枠120万円や、つみたてNISAの非課税投資枠40万円とジュニアNISAを組み合わせることで、年間の非課税投資枠を増やすことも可能になります。制度廃止後、非課税期間5年間を満了しても子どもが18歳になるまで非課税で保有し続けられるため、18歳になるまで運用を続けることをおすすめします。
子供のための大事な資金は分散投資でリスクを抑える
リスクを抑えて運用するには、複数資産に分散投資するのが鉄則です。値動きの大きい資産はそれだけリターンも期待できますが、必要な時期に大きく値下がることもあります。そうなると運用資金を使いたい時期に使えない可能性もあるため、リスクを抑えて運用することも検討が必要です。
リスクを抑えるにはいくつかの方法がありますが、1つは値動きの性質が異なる資産を組み合わせて運用することです。
例えば、株式と債券はその性質が異なります。一般的に株式は高いリスクとリターンのある資産で、債券は低いリスクとリターンを得られる資産です。このような資産を一緒に保有することで、仮に株式が大きく下がったときでも、債券の値動きの緩さが全体のダメージを抑えてくれます。
代表的な資産についてのリスクとリターンは、以下が参考になります。
リスク | 期待リターン | |
国内株式 | 23.14% | 5.6% |
国内債券 | 2.56% | 0.7% |
外国株式 | 24.85% | 7.2% |
外国債券 | 11.87% | 2.6% |
※GPIF『基本ポートフォリオの変更について(詳細)』より作成、2021年1月11日時点
このような異なる資産を組み合わせて投資することでリスクを抑えられますが、最も簡単に分散投資するには投資信託、特にバランスファンドで運用することです。
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バランスファンドでリスクを抑えて運用する
バランスファンドは複数の資産で運用される投資信託です。国内外の株式と債券に25%ずつ資金を振り分けて運用するなど、投資信託ごとに運用方針が決まっています。
バランスファンドであれば自分で資産配分する必要がなく、運用の手間がかかりません。バランスファンドは運用中に各資産の割合が崩れてくると自動的にリバランスしてくれるため、管理が楽なこともメリットです。低リスクから高リスクまでさまざまなバランスファンドがあり、運用目的に合わせて選択できます。
バランスファンドによっては銘柄名に「安定型」、「標準型」、「積極型」など分かりやすいネーミングがされており、初心者でも選びやすいものが多くあります。基本的に債券の割合の高いものが「安定型」、株式の高いものが「積極型」となっています。
どれを選ぶべきかはいつまで運用できるかによっても変わりますが、10年程度以上など運用期間を長く取れるのであれば、株式の比率が高いバランスファンドを選んでもよいでしょう。長期分散投資を実践することで、元本割れの可能性を抑えられることが分かっているためです。(参考:GPIFホームページ)。
ただし資産割合や市場環境などにより運用結果は変わります。運用目標を達成するためにどのくらいの資金を準備できるかといった個別の状況も関係するため、長期投資でも安定型や標準型で無難に運用することも検討してみてください。
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ターゲットイヤー(ターゲットデート)ファンドで運用する
バランスファンドの中には、資産配分比率を運用期間に合わせて自動的に変更してくれるターゲットイヤー(ターゲットデート)ファンドがあります。
ターゲットイヤー(ターゲットデート)ファンドとは
分散投資で運用するバランスファンドですが、商品ごとに設定された目標年に向けて徐々に安定運用に切り替えてくれる投資信託です。目標年から遠い時期ほど株式などの高リスク資産の比率が高く、積極運用されます。
「ターゲット・イヤー・ファンド(ターゲット・デート・ファンド)」
引用元:企業年金連合会|用語集「ターゲット・イヤー・ファンド(ターゲット・デート・ファンド)」
内外の株式や債券を組み合わせて運用するバランス型投資信託の一種。
最初は積極的運用から始めてターゲット・イヤー(運用の最終目標時)に向けてリスク資産比率を引き下げ、ターゲット・イヤーに達したら安定運用となるような資産配分変更を自動的に行う投資信託。
資産運用の1つの考え方として、資金が必要な時期に向けて少しずつリスクを下げていく方法があります。これはリターンの振れ幅を少なくし、必要な時期に必要な資金を確保するための運用方法です。ターゲットイヤーファンドではそのリスクを下げていく調整を自動で行ってくれるため、手間がかからず便利な商品だと言えます。いつまでにいくらの資金が必要かを考える必要があります。
教育資金も一般的には大学入学の特定の時期に向けて準備するものであり、ターゲットイヤーファンドの商品特性に合っていると言えます。必要な時期に安定運用に切り替わっていれば、たとえそのときに資産が下落したとしても最小限のダメージで抑えられ、必要な資金を確保しやすくなるでしょう。
ただしターゲットイヤーファンドには注意すべき2つのデメリットがあります。
・信託報酬が高い
ターゲットイヤーファンドは、一般的なバランスファンドよりも信託報酬の高い商品が多いです。
信託報酬とは?
投資信託の運用・管理にかかる費用のことで、一定率が純資産総額から日々差し引かれます。シンプルに運用される投資信託は安く、運用に労力が必要な投資信託は高い傾向にあります。
「信託報酬」
引用元:金融広報中央委員会|『知るぽると』Let'sチョイ読み!「その取引、いくら手数料がかかるか、知っていますか?」
保有期間中の運用のための費用や資産の保管管理のための費用です。保有資産の額に応じて一定率を徴収されるものが一般的です。高いものでは数%といった商品もありますし、日経平均株価やTOPIXといった株価指数などに連動する「インデックスファンド」と呼ばれる商品は、0.3~0.5%などと手数料は低めの傾向があります。
資産配分比率が一定のバランスファンドは運用にあまり手間がかかりませんが、ターゲットイヤーファンドは目標年に向けて資産配分比率を変更していかなくてはなりません。その分運用に労力を要するため、信託報酬が相対的に高くなりがちです。
信託報酬は運用資産の中から少しずつ引かれていくため、長期投資になるほどリターンを押し下げる要因になります。信託報酬が低ければ良いというわけではありませんが、同じものに投資するなら一般的なバランスファンドのほうが運用効率は高いでしょう。
・純資産総額が少なく繰り上げ償還の可能性がある
ターゲットイヤーファンドは純資産総額の少ない商品が多いです。純資産総額は投資家から集めた運用残高のことで、多いほど規模の大きい投資信託になります。これがあまりに少ないと運用を中止する繰り上げ償還になる可能性があり、純資産総額の少ない商品が多いターゲットイヤーファンドでは注意が必要です。
繰り上げ償還とは
投資信託の信託期間(運用期間)満了前に運用が終了し償還されることです。繰り上げ償還の条件は、残存口数が一定の規模以下になった場合や基準価額が一定条件を満たした場合など、あらかじめ定められています。
「繰上償還」
引用元:投資信託協会|「用語集」繰上償還
信託約款に定められた信託期間(運用期間)の満了日前に投資信託が償還されること。繰上げ償還の条件は、あらかじめ信託約款に定められている。例えば、「当該投資信託の残存口数が一定の規模以下になった場合」、「基準価額が一定条件を満たした場合」等であるが、各ファンドによって条件が異なるので信託約款で確認する必要がある。また、約款上で「繰り上げ償還することができます」と記載されている場合には、事前に公告し、受益者への書面の交付を行い、受益者に賛否を問うことによって繰り上げ償還が決まる。
繰り上げ償還されるとその時点の時価で換金されるため、運用資産がなくなるわけではありませんが、含み損を抱えている場合は損失が確定してしまいます。ジュニアNISAであれば損失はなかったものと見なされるため、翌年以降に繰り越して利益との相殺もできません。
これではせっかく目標年に向けて投資しているのに、ターゲットイヤーファンドを購入した意味が薄れてしまいます。
繰り上げ償還を避けるには、なるべく純資産総額が大きく増加傾向にあるものを選ぶのがよいでしょう。具体的には純資産総額が少なくとも30億円以上ある商品を選びたいです。一般的には10億円を下回ると繰り上げ償還の可能性が高くなると言われますので、30億円以上あっても減少傾向にある商品は注意してください。
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ジュニアNISAが2023年で廃止された後はどうなる?
廃止された後の制度はどうなりますか?
廃止後は新規投資ができません。しかし18歳まで非課税運用を続けられる方法はあります。
2023年で廃止されますが、廃止後も非課税運用は継続できます。どのように制度が変わるのか詳しく確認しておきましょう。
ジュニアNISAで新規に投資できるのは2023年末まで
上述したように2023年で廃止され、2024年以降は口座開設や新規投資ができなくなります。
廃止される理由は利用実績が乏しいためですが、非課税で投資できる制度は確定拠出年金くらいしかありません。廃止されるとはいえ、せっかく非課税投資のできる数少ない制度なのですから、最大限活用したいものです。
2024年以降はジュニアNISAの払い出し制限が解除される
2023年で廃止されますが、それに伴い払い出し制限が解除され、2024年以降は非課税でいつでも払い出しできるようになります。
本来、子供や孫の将来に向けた中長期の資産形成を目的にしており、原則18歳未満での払い出しはできません。仮に18歳未満で払い出す場合は、災害等のやむを得ない状況を除き、過去の譲渡益や配当金等を含め全て課税対象になってしまいます。
この払い出し制限があったせいか利用者は少なかったのですが、払い出し制限が解除されることが決まってから利用者が増加しました。2024年以降は新規で投資はできないものの、払い出し制限がなくなり使い勝手が向上するため、資産形成に活用するとよいでしょう。
ジュニアNISA口座の投資可能期間は、2023年で終了します。ただし、2023年の制度終了時点で18歳になっていない方については、2024年以降の各年において非課税期間(5年間)の終了した金融商品を継続管理勘定に移管(ロールオーバー)することができます。
(引用元:非課税期間は5年間/制度終了後も18歳になるまでは非課税で保有可能)
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ジュニアNISA廃止後も18歳まで非課税で運用できるが、ロールオーバーが必須
廃止されても、運用資金を引き出さなければいけないわけではありません。制度廃止後も口座開設者本人が18歳になるまで非課税で運用可能です。
ただし新規の買い付けはできず、2023年末までに購入した商品のみ継続して保有できます。もちろん2024年以降はいつでも非課税で払い出しできますので、将来のためのお金であれば、そのまま運用を続けてもよいでしょう。
しかし廃止後に非課税運用を続けるには、継続管理勘定にロールオーバーしなければいけません。
ロールオーバーとは?
非課税期間終了時に、その翌年の非課税投資枠等に保有する金融商品を移管することを指します。ロールオーバーする金額に制限はなく、時価が非課税投資枠を超えていても移管できます。
「ロールオーバー(非課税期間終了時)」
引用元:金融庁|NISA特設ウェブサイト「用語集」(ロールオーバー(非課税期間終了時))
非課税期間が終了した際には、NISA口座・ジュニアNISAで保有している金融商品を翌年の非課税投資枠に移行(移管)することができます。この移管のことを「ロールオーバー」と呼んでいます。なお、ロールオーバー可能な金額に上限はなく、時価が非課税投資枠を超過している場合も、そのすべてを翌年の非課税投資枠に移すことができます。
・継続管理勘定にロールオーバーする手続きについて
2024年以降も非課税で保有し続けるためには、5年間の非課税期間終了後に継続管理勘定にロールオーバーしますが、そのための手続きが必要になる可能性があります。
継続管理勘定が設けられるのは2024年からのため、手続きする必要がある場合は早い人で2023年中からとなりそうです。2024年以降に非課税期間が終了する人は、そのタイミングで継続管理勘定にロールオーバーできます。
具体的な手続き方法は示されていませんが、以下を翌年の新たな非課税投資枠にロールオーバーする手続きと変わらないと考えられます。
ロールオーバーする場合の手続き
- 10月頃までに金融機関からロールオーバーのお知らせが届く
- 期限までに「未成年者口座内上場株式等移管依頼書(ロールオーバー依頼書)」を書面かインターネットで提出
※継続管理勘定にロールオーバーする手続き方法ではありません。
・ジュニアNISAの継続管理勘定で18歳を迎えたらどうなる?
継続管理勘定のまま18歳を迎える場合は、2つの選択肢があります。
①課税口座へ払い出し
②新しいNISAへ移管
①の課税口座は譲渡益や配当金等に20.315%の税金がかかる通常の口座です。課税口座に払い出す場合は、そのときの時価が新たな取得価格になります。取得価格が変わることで課税関係に影響があるのですが、これについては後述します。
②は制度が見直され2024年から新しくなるNISAへのロールオーバーです。NISA口座はジュニアNISAを開設している人が18歳(2022年以前は20歳)で1月1日を迎えた場合、自動的に開設されます。新しく移管した後は、引き続き非課税運用が可能です。
もちろん課税口座などに移管せず売却しても構いません。継続管理勘定の商品はいつでも好きなときに売却して引き出せます。
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ジュニアNISAの商品を課税口座に払い出し
商品を課税口座に払い出したときの注意点はありますか?
課税口座に払い出すときに取得価格が変更になります。そのため払い出し後に余計に税金が発生する場合があります。
商品を課税口座に払い出した場合、注意しなければいけない点として取得価格の変更があります。課税口座に払い出したときの取得価格は、その時点の時価が適用されるのですが、これにより税金が余計にかかるケースが発生します。
購入価格より値上がりしているケースは問題ない
まず問題のないケースですが、これは購入した価格より払い出し時点の時価が値上がりしている場合です。例えば対象商品を80万円で購入し、その後の値上がりで払い出し時に取得価格が140万円になったケースを見てみましょう。
購入時の取得価格 | 払い出し時の取得価格 | 売却価格 | 課税関係 |
80万円 | 140万円 | 160万円 | 20万円に課税 |
120万円 | 課税なし |
80万円で購入したものを、払い出し後の課税口座において当初購入時の取得価格より高く売却したケースです。
この場合、払い出し後の取得価格である140万円が税金を計算するうえでの基準になるため、160万円で売却した場合は差額の20万円が課税対象になります。一方、120万円で売却した場合は取得価格140万円より値下がりしたと見なされ、当初の取得価格80万円より値上がりしているものの、税金の対象にはなりません。
この場合はどちらのケースでも課税口座に払い出す前の値上がりには課税されないため、特に問題はないでしょう。
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購入価格より値下がりしているケースは課税に注意
課税口座への払い出しにおいて注意が必要なのは、新しい取得価格が購入したときよりも下がる場合です。例として対象商品を80万円で購入し、その後の値下がりで払い出し時の取得価格が50万円になったケースで考えてみましょう。
購入時の取得価格 | 払い出し時の取得価格 | 売却価格 | 課税関係 |
80万円 | 50万円 | 70万円 | 20万円に課税 |
40万円 | 課税なし |
80万円で購入したものを、最終的に70万円で売却したケースと40万円で売却したケースがあります。
払い出しによる変更後の取得価格は50万円のため、70万円で売却した場合は差額の20万円に課税されます。40万円で売却した場合は、新しい取得価格50万円を下回っているため課税はありません。
ここで問題になるのが70万円で売却した場合です。払い出し後の取得価格が50万円に変更されたため、購入したときの取得価格80万円より値下がりしているにもかかわらず、20万円に対して税金が発生しています。
それでも払い出しせずに50万円で売却するよりはましですが、一般NISAに払い出しできるならそのほうがよいでしょう。
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ジュニアNISAとNISA(一般NISA)の違い
ジュニアNISAとNISAの違いは何ですか?
対象者が未成年者か成人か、非課税投資枠が80万円か120万円か、代理運用が可能か、払い出し制限があるかが異なります。2023年で廃止され、2024年以降は新制度が導入されます。
ジュニアNISAからNISAへのロールオーバーは可能ですが、制度の違いについて確認しておきましょう。2024年から新制度に変わることもポイントです。
ジュニアNISA | 現行NISA | 新しいNISA | |
利用できる人 | 19歳(2023年は17歳)までの未成年者 | 20歳以上 | 18歳以上 |
非課税対象 | 株式・投資信託等の譲渡益、配当金、分配金 | 株式・投資信託等の譲渡益、配当金、分配金 | <2階部分> 株式・投資信託等の譲渡益、配当金、分配金 <1階部分> つみたてNISAと同様 |
口座開設可能数 | 1人1口座 | 1人1口座 | 1人1口座 |
非課税期間 | 最長5年間 | 最長5年間 | 最長5年間 |
非課税投資枠 | 年間80万円 | 年間120万円 | <2階部分>年間102万円 <1階部分>年間20万円 |
投資可能期間 | 2023年末まで | 2023年末まで | 2024年?2028年 |
運用管理者 | 口座開設者本人(未成年者)の親権者等 | 原則口座開設者本人 | 原則口座開設者本人 |
払い出し制限 | 18歳まであり (2024年以降はなし) |
なし | なし |
※金融庁ホームページより作成、2021年12月24日時点
双方の基本的な制度概要は同じです。年齢によってどちらが利用できるかが異なると考えてください。ただし2024年以降は両方が廃止され、新制度が導入される点は押さえておきましょう。
特徴は、両親や祖父母などの親権者による代理運用が可能であることと、払い出し制限があることで、この2点が異なります。
代理運用が可能なのは、ジュニアNISAが進学や就職といった子供の将来のための資産形成を目的としているためです。払い出し制限があるのも同じ理由で、中長期的な資産形成を促す狙いがあります。しかし2024年以降は廃止に伴い払い出し制限が解除され、いつでも非課税で払い出せるようになります。
対象年齢になるとジュニアNISAからNISAへロールオーバーもできますが、2024年以降は積立専用の1階部分と2階部分がある、新しいNISAに移管することになります。1階部分はつみたてNISAと同様であるため、ロールオーバーには2階部分が対応しています。
どちらにしても非課税で運用できるメリットは大きいため、ぜひとも利用したい制度です。
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ジュニアNISAの6つのデメリット
メリットについてはよくわかりましたが、デメリットはありますか?
損益通算できないことや元本割れの可能性があること、途中払い出しは課税対象になることなどがあります。
デメリットについても確認しておきましょう。
ジュニアNISAのデメリット
- 損益通算ができない
- 元本割れの可能性がある
- 途中払い出しは過去の利益にさかのぼり課税対象になる
- 金融機関の変更ができない
- 保有商品のリバランスが難しい
- 決められた商品でないと非課税にならない
損益通算ができない
運用益が非課税になる代わりに、損失が出ても利益との損益通算はできません。
損益通算とは
一定期間内の利益と損失を相殺することです。利益には税金がかかりますが、損失を利益から差し引くことで税金を減らせます。損益通算しても損失が残る場合は、確定申告で損失を最長3年間繰り越し、その間の利益と相殺することも可能です。
上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除
引用元:国税庁|タックスアンサー(よくある税の質問)
上場株式等を金融商品取引業者等を通じて譲渡したこと等により生じた譲渡損失(以下「上場株式等に係る譲渡損失」といいます。)の金額がある場合は、確定申告により、その年分の上場株式等の配当等に係る利子所得の金額および配当所得の金額(上場株式等に係る配当所得については、申告分離課税を選択したものに限ります。以下「上場株式等に係る配当所得等の金額」といいます。)と損益通算ができます。
例えば100万円の運用益が出た場合、通常は約20万円の税金がかかります。一方で30万円の損失もあった場合、100万円−30万円=70万円が課税対象になり、税金を約14万円に抑えられます。
発生した利益や損失は損益通算の対象外のため、他の口座で損益があっても相殺はできません。
ただし課税ジュニアNISAでの損失は、口座内や通常の課税口座との損益通算が可能です。
課税ジュニアNISAとは
ジュニアNISA口座の開設時に自動的に開設される口座で、主にジュニアNISA口座での売却代金や配当金、分配金、預かり金などを管理するための口座です。課税扱いで取引は可能ですが、払い出し制限があります。
利用を申し込むと、「ジュニアNISA口座」と「課税ジュニアNISA口座」の両方が同時に開設されます。売却代金及び配当金等は「課税ジュニアNISA口座」で管理されます。
引用元:日本証券業協会|『みんなにいいさ!NISAがいいさ!!』知っておきたいジュニアNISAのポイント
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元本割れの可能性がある
投資を非課税で行える制度であり、投資自体に元本割れの可能性があることは変わりません。そのため投資する目的によっては、リスクを取りすぎないようにすることも考える必要があります。
リスクとリターンとは
リターンとは「投資で得られる成果」のことを指し、収益だけでなく損失も含みます。リスクとは「リターンの振れ幅」のことで、一般的にリターンの高い資産はリスクも高いです。
リターンとは、「資産運用を行うことで得られる成果」のことであり、収益が得られることもあれば、損失が出ることもあります。
引用元:日本証券業協会|『投資の時間』投資を学ぶ(基礎編)「リスクとリターン」
一方、一般的にリスクとは「危険なこと」「避けるべきこと」という意味で使われていますが、資産運用の世界では、リスクとは、「リターンの振れ幅のこと」を表しています。
つまり、「リスクが大きい」とは、「大きく収益が得られるかもしれないし、大きく損失が出るかもしれない」という意味です。
例えば子供の教育資金のために運用するお金であれば、株式のみで運用することを避けて、債券などリスクの低い資産も組み入れて運用する。あるいは最初は株式の比率が高くても、時間の経過とともに徐々に安定資産に切り替えていくという対応方法もあります。
株式のような高リスク資産でも長期投資によってリスクは抑えられますが、教育資金など特定の時期に必ず必要になるお金の運用では、そもそもリスクを抑えて投資することも検討したほうがよいでしょう。
ジュニアNISAの途中払い出しは過去の利益にさかのぼり課税対象になる
払い出し制限があり、18歳(3月末時点で18歳である年の前年12月末)までは原則引き出せません。高校3年生の1月以降に引き出せると考えてもよいでしょう。しかし絶対に引き出せないわけではありません。
仮に18歳までに引き出す場合は全部解約となり、過去の譲渡益や配当金等の利益にさかのぼって課税されます。それでも問題ないなら口座を解約してもよいですが、2024年から払い出し制限がなくなるため、少なくともそれまでは引き出さないほうが賢明です。
実際に口座を解約する際には、以下の書類を金融機関に提出しなければなりません。
<提出書類>「未成年者口座廃止届出書」
払い出しは口座開設者本人または口座開設者本人の法定代理人のみが行えます。本人が未成年で法定代理人が払い出しを行う場合は、原則本人の同意が必要となります。本人が年少などで同意を確認できないときは、払い出される資金が本人のために使われる資金であるかどうかを金融機関から確認されます。
なお災害等やむを得ない場合は、払い出し制限のある期間でも非課税で引き出せます。
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ジュニアNISAの金融機関の変更ができない
一度開設したジュニアNISA口座は、他の金融機関に変更できません。変更したい場合は既存のものをいったん廃止し、他の金融機関で再開設することになります。
そのため金融機関変更が不可能なわけではありませんが、手間と時間がかかるため、あまりおすすめはできません。そのため開設するときは、金融機関をよく吟味しましょう。
どうしても金融機関を変更したい場合は、以下の手続きが必要です。
<ジュニアNISA口座を他の金融機関で再開設する手続き>
①ジュニアNISA口座のある金融機関に「未成年者口座廃止届出書」を提出する
②その金融機関から「未成年者口座廃止通知書」を受け取る
③口座開設したい金融機関に「未成年者口座開設届出書」と「未成年者口座廃止通知書」を提出する
手続き期間は前年の10月1日から再開設したい年の9月30日までですが、再開設したい年に買い付けをしていないことが条件です。買い付けをしている場合は、開設できるのが翌年になります。
また、払い出し制限が解除される前に廃止すると、過去の利益にさかのぼり課税される点は注意しましょう。
保有商品のリバランスが難しい
年間の投資枠が決まっているため、リバランスには不向きな制度です。
リバランスとは
複数の資産を一定の割り当てで運用するポートフォリオにおいて、当初から崩れた各資産の割合を元の割合に戻すことです。
リバランス(りばらんす)
引用元:日本証券業協会|『投資の時間』「金融・証券用語集」リバランス(りばらんす)
金融商品の組み合わせを定期的に見直すこと。
リバランスは一般的には値上がりしたものを売り、値下がりしたものを買い増しますが、買い付けできる金額は年間80万円までです。保有商品を売却しても非課税投資枠は復活しませんし、その年の非課税投資枠が余っても翌年に繰り越しもできません。
リバランスすることを想定して少額で投資するのも1つの方法ですが、リバランスの必要がない投資信託を購入する方法が簡単で効率的でしょう。
例えば複数の資産で運用するバランスファンドは、資産割合が崩れてもリバランスを自動で行ってくれます。それによって非課税投資枠を使用することもありませんし、資産割合を維持することで一定のリスクを保ちながら投資できます。
もちろん1種類の資産のみで運用する場合や各資産の運用割合を気にしない場合など、必ずしもリバランスが必要なわけではありません。
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決められた商品でないと非課税にならない
投資できる商品は、具体的に以下の金融商品です。
ジュニアNISAで投資できる商品
- 株式投資信託
- 国内株
- 外国株
- 国内ETF
- 海外ETF
- ETN(上場投資証券)
- 国内リート(J-REIT)
- 海外リート
- 新株予約権付社債(ワラント債)
これらの商品から得られる譲渡益、配当金、分配金が非課税の対象です。それ以外の公社債投資信託や非上場株式、FXなどは投資できません。
非課税の恩恵を受けるには決められた商品に投資する必要はありますが、対象は比較的幅広いです。そのため自由に投資できるものの、子供のための資産形成という制度目的を考えると、実際に投資する商品はよく選んだほうがよいでしょう。
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ジュニアNISAはどんな人におすすめ?
ジュニアNISAはどんな人におすすめですか?
未成年者口座のため、子供や孫のいる家庭におすすめです。NISAやつみたてNISAでは非課税投資枠が足りない家庭にもおすすめできます。
未成年しか開設できないため、子供や孫のいる家庭は開設をぜひ検討してください。非課税投資制度は他にも一般NISAやつみたてNISAがありますが、さらに非課税投資枠を増やしたい家庭にもおすすめです。
ジュニアNISAがおすすめの人
- 幼少期の子供や孫のいる家庭
- 非課税投資枠を増やしたい人
- 長期投資をしたい人
- 十分な投資資金がある人
幼少期の子供や孫のいる家庭
幼少期の子どもがいる家庭においてはジュニアNISAがおすすめです。もちろん、それ以上の年齢の子どもがいる家庭にもおすすめですが、幼少期の子どもが口座開設者になれば、それだけ長く運用できるというメリットがあります。一般的に、投資は長期で続ければ続けるほど元本割れのリスクが少なくなると言われています。例えば0歳で始めれば18年、3歳なら15年運用できることになるため、元本割れするリスクを低減することに期待できるでしょう。
非課税投資枠を増やしたい人
非課税投資枠は2022年から始めれば最大160万円ですが、未成年者が複数いる家庭なら人数分の非課税投資枠を増やせます。一般NISAやつみたてNISAの非課税投資枠では足りないという家庭は、こちらを活用することで有利に資産形成ができるでしょう。
長期投資をしたい人
ジュニアNISAは長期投資にも向いています。2023年で制度が廃止されることにともない、2024年以降は新規の購入ができなくなるため、保有する金融商品も入れ替えられなくなります。逆に言うと、一度購入した金融商品を子どもが18歳になるまで着実に保有することになるため、運用管理の手間もなく長期投資が可能になります。
十分な投資資金がある人
十分な投資資金がある人は、一般NISAやつみたてNISAに加えてジュニアNISAを始めることで、非課税投資枠を増やすことができます。年間非課税投資枠は80万円ですので、例えば子どもが2人いれば年間160万円の非課税投資枠を増やせるのです。家計を圧迫しない範囲で資金を投資に回し、非課税で運用することができれば、それだけお得に資産を増やせる可能性が高まります。
また、一般的な商品なら大抵のものに投資できるため、リスク度合いの調整も行いやすいです。子供の教育資金を目的にするならリスクを抑えた商品を選べますし、余裕資金を積極的に投資したいなら海外の株式やETFなどにも投資可能です。
制度が廃止になることやそれまで払い出し制限があることを除けば、使い勝手は決して悪くありません。
ジュニアNISAがおすすめでない人
おすすめな人について見てきましたが、一方でおすすめできない人もいます。例えば投資資金に余裕がなく、一般NISAやつみたてNISAの上限金額まで至らないという場合も、無理して使う必要はないでしょう。非課税というメリットの部分は一般NISAやつみたてNISAと同じながら、基本的には18歳になるまで払い出さないことが前提であり、管理しなければならない口座が増えてしまうなど、デメリットと感じる部分の方が増えてしまう可能性があります。あくまでも、一般NISAやつみたてNISAに追加して活用するNISAであるという認識で利用を検討するのがおすすめです。
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SBI証券でのジュニアNISAの始め方
SBI証券で始めるためには、未成年口座を開設する必要があります。また、未成年口座は親権者のSBI証券口座も必要になるので、未開設の場合はあわせて手続きしましょう。それでは、SBI証券の未成年口座の開設手順や株の買付手順などを開設します。
口座開設の手順
①SBI証券のジュニアNISA申し込みページにアクセスし、親権者と子どもの口座保有状況の質問に回答します。
②質問の回答内容に応じたページに遷移し、必要情報を入力して口座開設資料を請求します。
③請求後、約5営業日で資料請求時に入力した情報が印字された「口座開設申込書」が郵送されます。申込書に必要事項を記入します。資料の記入には親権者の印鑑が必要です。
④必要事項を記入した資料とあわせて、必要書類を添えて同封の返信用封筒で返送します。未成年者と親権者2人が同一世帯の場合、必要書類は以下の通りです。
親権者の本人確認書類を以下のうち2種類
- マイナンバーカードのコピー
- 運転免許証のコピー
- 在留カードのコピー
- 特別永住者証明書のコピー
- 各種健康保険証のコピー
- 印鑑登録証明書
- 住民票の写し
未成年者の本人確認書類を以下の組み合わせのうち1種類
- マイナンバー記載の住民票の写し+健康保険証のコピー
- マイナンバーの記載なしの住民票の写し+マイナンバーカードのコピー(両面)
- マイナンバーの記載なしの住民票の写し+マイナンバー通知カードのコピー+本人確認書類を上記の表から1点
⑤SBI証券から「口座開設手続き完了のご案内」が送付されます。口座番号、パスワード、取引パスワードなどが記載されているため、SBI証券のサイトやアプリにログインして利用を開始します。
なお、SBI証券のジュニアNISAは、SBI証券のサイトやスマホアプリの「SBI証券 株アプリ」、パソコン用トレーディングツール「HYPER SBI」で取引できます。「SBI証券 株アプリ」には、最新情報や取引状況をプッシュ通知でお知らせしてくれる機能や、ランキングや分析機能、株主優待情報検索機能などが搭載されています。スマホで手軽に投資の情報をチェックし、取引できるのでおすすめです。
株を買うまでの手順
①銘柄一覧の中からジュニアNISA対象銘柄を検索し、投資先を選びます。対象銘柄は[NISA]と表示されます。
②買付注文では、取引口座が「ジュニアNISA口座」となっていることを確認した上で、預り区分を「ジュニアNISA口座ーNISA預り」に設定します。
③注文確認画面で預り区分が「ジュニアNISA口座ーNISA預り」となっていることを確認し、「注文発注」をクリックすれば、購入完了です。なお、注文確認画面には注文後のジュニアNISA口座の買付余力と、投資可能枠が表示されます。
積立設定の手順
①投資信託の積立買付が可能な銘柄から投資先を選択し、「積立買付」ボタンをクリックします。
②積立金額、積立の発注タイミングなど、積立買付の注文情報を入力します。その際、預り区分は「(ジュニアNISA口座)NISA」を選択します。
③投資銘柄の目論見書が表示されるので、内容を確認します。確認後、「確認画面へ」ボタンをクリックします。
④積立買付の確認画面が表示されるので、預り区分が「NISA(ジュニアNISA口座)」になっていることを確認します。注文内容にも問題がなければ、取引パスワードを入力して「設定する」ボタンをクリックすると、積立設定が完了します。
SBI証券では、住信SBIネット銀行のハイブリッド預金が利用できます。SBI証券と住信SBIネット銀行の口座を連携するサービスで、株式の購入や積立に必要な資金を自動で送金する機能が便利です。また、通常の普通預金金利が年0.001%のところ、ハイブリッド預金では10倍の年0.010%になるのでお得です。
なお、ジュニアNISAはクレジットカード積立に対応していないのでご注意ください。
ジュニアNISAは最低100円から手数料無料で取引できる
最低100円から手数料無料で取引できる証券会社はありますか?
ネット証券は最低100円から低コストで取引できるところが多いです。
非課税投資枠は年間80万円が上限ですが、最低投資金額は100円からです。金融機関によって最低投資金額は異なるものの、ネット証券では100円から投資できるのが一般的です。少額から投資できることは投資初心者にとって大きなリスクを取らなくていいため安心でしょう。
さらにネット証券は、取引手数料を無料としているところもあります。全てが無料になるわけではありませんが、ネット証券を利用して取引をすれば、対面型の金融機関より手数料を抑えて投資できます。
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【SBI証券株アプリ】ジュニアNISA口座注文方法
①注文入力
「ジュニア口座」を選択し預かり区分は「NISA」を選択する
②現物買(注文確認)
口座が「ジュニアNISA」での買付であることと、預り区分が「ジュニアNISA口座NISA預り」であるかを確認
注文後のジュニア買付余力・投資可能額枠が表示される
③現物買(注文受付)
注文受付完了
ジュニアNISAに関するQ&A
疑問点をQ&Aでまとめましたので、参考にしてみてください。
- ジュニアNISAとはどのような制度?
- 19歳(2023年は17歳)までの未成年者が1人1口座まで開設できる少額投資非課税制度です。ジュニアNISA口座を使った投資で得た利益には、通常かかる20.315%の税金がかかりません。 年間の非課税投資枠は80万円まで、非課税期間は最長5年間です。投資対象の金融商品は、上場株式、ETF、リート、株式投資信託等で、2023年末まで新規投資が可能です。両親や祖父母など親権者等による代理運用もできます。 2023年までは原則払い出しできませんが、2024年以降は制限がなくなり非課税で払い出しできます。
- ジュニアNISAの制度はいつまで?
- 投資可能期間は2023年をもって終了します。しかし、制度終了後資金がすべて払い戻されるわけではなく、新規の買付ができなくなるということです。これまでの資金は継続管理勘定という口座に移管(ロールオーバー)され、18歳までは同じく非課税で保有が可能です。
- ジュニアNISA口座を開設できる人とは?
- 日本国内に居住する1月1日時点で19歳(2023年は17歳)までの未成年者が開設できます。
- 未成年者に代わって運用管理を行う「親権者等」の範囲に制限はある?
- 代理運用できる「親権者等」とは、口座開設者本人(未成年者)の法定代理人、法定代理人から書面による委任を受けた口座開設者本人の二親等以内の親族のことです。 そのため口座開設者本人以外が運用管理者になる場合は、金融機関に対して戸籍謄本等の関係を証明する書類を提示しなければならないことがあります。
- ジュニアNISAで5年間の非課税期間が終了するとどうなる?
- 5年間の非課税期間が終了する場合、3つの選択肢があります。
①翌年の新たな非課税投資枠に移管する
②課税口座に移管する
③継続管理勘定に移管する
①は2022年までに非課税期間の終了するものが対象です。移管時の時価が80万円を超えている場合は、移管後に新規投資はできません。
②も2022年までに非課税期間の終了するものが対象です。課税口座に時価で移管し、移管後の譲渡益等は課税対象になります。非課税期間終了時に払い出し制限が解除されている場合は、通常の特定口座や一般口座への移管も可能です。
③は2024年以降に継続管理勘定に移管でき、18歳(1月1日時点で18歳である前年12月31日)まで非課税で保有を継続できます。継続管理勘定では新規投資はできず、保有のみ可能です。
なお2024年以降は払い出し制限が撤廃されるため、いつでも非課税で引き出しできるようになります。
- ジュニアNISA口座はNISA口座のように金融機関変更はできますか?
- ジュニアNISA口座の金融機関変更はできません。 他の金融機関で口座を開設したい場合は、現在の口座を廃止し、取り扱いのある別の金融機関で再度開設する必要があります。 ただし既存の口座で買い付けを行っていた場合、同じ年に新たな金融機関で口座の開設はできません。買い付けを行っていない場合は、9月30日までに新たな金融機関で手続きを完了させれば、同じ年にジュニアNISA口座を開設できます。 注意点として、払い出し制限が解除される前にジュニアNISA口座を廃止した場合は、過去の譲渡益や配当金等は全て課税対象になります。災害等やむを得ない場合は、ジュニアNISA口座を廃止しても課税対象にはなりません。
- ジュニアNISA廃止前に20歳を迎えたらどうなりますか?
- 自動的に一般NISA口座が開設され、一般NISAへのロールオーバーも可能です。 ジュニアNISAは2023年で廃止されますが、2023年1月1日までに20歳に達した場合、その年に口座の開設されている金融機関に自動的に一般NISA口座が開設されます。その場合、保有する商品は一般NISAにロールオーバーできます。 一般NISAではなくつみたてNISAを始めることも可能ですが、ジュニアNISAからつみたてNISAへのロールオーバーはできません。
- ジュニアNISAを開設するのはもう遅い?
- 遅くはありません。 しかしジュニアNISAの非課税投資枠は、未成年者1人につき2021年開設なら240万円、2022年開設なら160万円、2023年開設なら80万円と利用できる投資枠が減少していきます。 非課税投資枠の活用を考えれば、早めに口座開設するほうがよいでしょう。未成年者が複数であれば、その分だけ非課税投資枠も増え、有利に資産形成を進められます。
ジュニアNISAは投資できる期間が限られている
ジュニアNISAを利用すれば非課税で投資できますが、新規資金を投入できるのは2023年までと期間が限られています。2024年以降も非課税運用はできるものの、新しく買い付けはできません。せっかくの非課税制度なのですから、非課税で投資できるうちはなるべく活用したいものです。
もしそれほど利用しない場合でも、口座開設だけはしておいてもよいでしょう。口座開設には1ヵ月前後時間がかかりますし、口座を開設しておけばいざというときにすぐ利用できます。
ジュニアNISAは未成年者のみが開設でき、どこの家庭でも利用できる制度ではないため、有効活用することを検討しましょう。
\充実の運用商品ラインナップ!/
ジュニアNISAを始めたいけれど投資はまだ初心者という方は、以下の3点に注目すると良いでしょう。
・取扱商品の数
・投資情報コンテンツが充実している
・取引ツールは使いやすいか?
国内外の株式や投資信託、不動産投資信託(REIT)、ETFなど対象商品が豊富です。多くの商品の特徴を知るきっかけにもなるので取扱商品の多い証券会社の方が良いでしょう。
また、各証券会社によっては投資家に役立つコラムや動画を提供しています。中には投資初心者向けのものがありますので、こうした投資家向けコンテンツが充実している証券会社もおすすめです。各社が用意している取引ツールも人それぞれ好みがあるので、自分にあった取引ツールから証券会社を選ぶ方法もあります。
金子 賢司氏プロフィールはこちら