住宅ローンは毎月の収入から返済していくのが基本ですが、年2回のボーナス月はボーナスを返済に充てることもできます。ボーナス月は通常の返済月よりも多く返済することとなるため、月々の返済額を抑えられる効果があります。
しかし、ボーナス払いは年に2回とはいえ負担の大きい月が発生する上、返済期間中はボーナスの使い道も制限されてしまいます。返済や家計がかえって苦しくなってしまわないよう、計画的に利用する必要があるでしょう。
今回は、ボーナス払いの平均額や目安、メリット、デメリットなどについて、シミュレーションも行いながら解説します。
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- ・ボーナス払いの目安は支給額の20%程度
- ・利息の負担が大きくなることも考慮する
- ・ボーナスの減額や不支給に備える必要がある
- ・ボーナス支給時や余裕のある月にのみ繰上返済を利用するのもひとつの手
住宅ローンボーナス払いの平均額
ボーナス払いの上限額は金融機関ごとに異なります。一般的な上限額は借入金額全体の40~50%以内です。利用する金融機関の設定した範囲内なら自由にボーナス払いの割合を決められますが、実際には20%程度が目安とされています。
また、実際のボーナス払いの金額については、ボーナスの30%程度に設定するケースが多いです。これは、ボーナスの30%程度であれば、もしボーナスの不支給や減額が生じても返済が苦しくならない範囲と想定できるためです。
住宅ローンのボーナス払いを利用するメリット
ボーナス払いのメリットは、ボーナス月以外の返済額を減らせる点にあります。ボーナス払いを設定しない場合と返済額にどの程度の違いが生じるのか、シミュレーションで比較してみましょう。
住宅ローンのボーナス払いシミュレーション
ここでは、次の条件のもと、3つのパターン別にシミュレーションを行います。
・シミュレーションの条件:返済期間35年、金利(年率)1.5%の固定金利、借入額は3,000万円のケースで計算
・ボーナス払いなし
・ローン元金3,000万円の内20%ボーナス払いをする場合(ボーナス払い部分の元金は3,000万円×0.2=600万)
・ローン元金3,000万円の内30%ボーナス払いをする場合(ボーナス払い部分の元金は3,000万円×0.3=300万)
ボーナス返済なし | 3,000万(内20%はボーナス払い) | 3,000万円(内30%はボーナス払い) | |
---|---|---|---|
毎月の返済額 | 9.2万円 | 7.3万円 | 6.4万円 |
ボーナス返済額 | 0円 | 11万円 | 16.6万円 |
年間返済額 | 110万2,285円 | 110万1,714円 | 110万1,428円 |
返済総額 | 3,858万円 | 3,856万円 | 3,855万円 |
いずれの場合も年会返済額と返済総額に大きな差はありませんが、ボーナス払いの有無とボーナス払いに充てる金額の割合によって、毎月の返済額が変わってきます。
借入額の20%をボーナス払いに設定すると、ボーナス払いなしと比べて毎月の返済額を約20,000円、30%なら約30,000円抑えられます。
ただし、その分ボーナス払い月の負担は大きくなるため、借入額の何割をボーナス払いに充てるのかは慎重に設定する必要があるでしょう。
住宅ローンのボーナス払いを利用するデメリット
住宅ローンのボーナス払いは月々の返済額を抑えられるメリットがありますが、注意すべきデメリットもあります。ここでは、ボーナス払いを検討する際に押さえておきたいデメリットを見ていきましょう。
利息負担が大きくなる傾向がある
ボーナス払いを設定すると、ボーナス返済する分の借入金額は、次回のボーナス月まで元金と利息の支払いが先延ばしされることとなります。つまり、ボーナス払いを設定すると元金の減りが遅くなるのです。その分、負担する利息も膨らんでしまいます。
ボーナスが支給されない、支給額が減るなどのリスクがある
ボーナスが実際に支給されるかどうかやその支給額は、会社の業績や社会情勢の影響を大きく受けます。そのため、必ず支給される保証があるわけではありません。もしボーナスが支給されない場合、ボーナス月の負担は大きくなってしまいます。
また、住宅ローン返済中に独立や退職をすると、ボーナスの支給はなくなってしまいます。ボーナス払いを設定したけれど、ボーナス月の負担の大きさに耐えられず返済計画が破綻してしまったというケースも少なくありません。
また、住宅ローン返済中は好きな用途にボーナスを使えない点もデメリットといえるでしょう。ボーナスの一定の割合は毎回住宅ローンに充てることを見越して、家計をやりくりしなければなりません。
住宅ローンのボーナス払い利用時の注意点
住宅ローンでボーナス払いを利用する場合は、無理のない返済計画を立てるためにも次の2点に注意しましょう。返済計画を立てる時点で不足の事態に備えておけば、最後まで安心してボーナス払いを利用できます。
ボーナスに頼り過ぎた返済計画にしない
ボーナス払いの返済の割合が大きいほど、ボーナスが不支給になったときや支給額が減ったときの負担も大きくなります。そのため、ボーナス払いに頼り過ぎた返済計画にせず、不支給や減額にも備えられる範囲で割合を決めることが大切です。
ボーナス払いを設定するときは、家計状況をチェックした上で、万が一の事態が生じても無理なく返済できる範囲でボーナス払いの割合を決めましょう。また、ボーナス払いに充てられる金額の上限も金融機関によって異なるため、希望するボーナス返済の割合を設定できるかどうかを確認しましょう。
なお、本当に自分にボーナス払いが適しているのか迷ったときは、ボーナス払いはせず、ボーナス支給時や余裕のある月にのみ繰上返済を利用する、というのもひとつの方法です。ほかの返済方法とも比較しながら、ボーナス返済が本当に自分に適しているのかを考えてみましょう。
不測の事態に備えて毎月積み立てを行う
ボーナス払いによって返済額が減少した分は、ボーナスの不支給や減額などが発生したときに備えて積み立てておくことをおすすめします。家計を見直して毎月一定額の積み立てをできるようにすれば、ボーナスが不支給や減額となった場合でも、返済が苦しくなるリスクを抑えられます。
定年退職後に返済を残さない
通常、会社員の方が退職すると収入は減少します。また、公的年金が支給開始する前に退職した場合、他の収入源がなければ年金の支給までは無収入となります。年金の支給がスタートしても、ボーナス月のようにまとまった金額を受け取れる月はありません。退職後も返済し続ける計画にすると、年2回のボーナス月の返済が苦しくなってしまう可能性があります。
そのため、定年退職後は返済が残らないように返済計画を立てることが大切です。定年退職後も住宅ローンの返済期間が残る場合は、会社員時代からボーナス月の返済に充てる資金を貯めておきましょう。または、退職金などで一括完済してしまうのもひとつの方法です。
住宅ローンの返済中にボーナス払いは止められる?
ボーナス払いを設定したけれど返済が苦しくなってしまった場合に、ボーナス払いを停止できるのか心配な方もいるのではないでしょうか。
通常、住宅ローンの返済期間中にボーナス払いの設定を変更することは可能です。
一般的には、毎月の返済額を増やしてボーナス払いの割合を低くします。ボーナス月の割合を低くすれば、急なボーナスの不支給や減額が生じたとしても、負担を抑えられるでしょう。
あるいは、ボーナス払いを完全に停止して、毎月一定額の返済のみに変更すること可能です。いずれの場合も、毎月の返済額が増えることとなるため、返済計画の見直しが必要です。
なお、ボーナス払いの割合変更や停止をするには、再度審査を受けなければならない可能性があります。万が一、審査に落ちると、ボーナス払いの設定を変更することはできません。
また、金融機関によってはボーナス払いの設定変更にともない、所定の手数料がかかることもあるため、手数料についても確認しておきましょう。
住宅ローンのボーナス払いの設定は慎重に行いましょう
ボーナス払いには毎月の返済額を安く抑えられるメリットがあるため、資金に余裕がありボーナスも安定して受け取れる方にとっては恩恵も大きいです。しかし、利息の負担が大きくなる点や、ボーナスの減額や不支給に備える必要があるなど、いくつか注意点もあります。ボーナス払いを設定すべきかどうかは、シミュレーションを通して慎重に判断することをおすすめします。
ボーナス払いを利用する場合は、収入や今後の家計状況に見合う割合で設定することが大切です。ボーナス払いに頼り過ぎた返済計画はせず、万が一ボーナスがなくなった場合でも支払えるようにプランを立てましょう。