結局のところ、どこに申し込むべきなのでしょうか。この記事では、審査に悩む人が申し込むべき金融機関や、信用情報を活用した対策を解説します。

住宅ローン審査に甘い金融機関はある?

(画像=PIXTA)

住宅ローンをできるだけスムーズに借り入れるためには、審査が甘い金融機関に申し込むに越したことはありません。審査に甘い金融機関、厳しい金融機関を大まかに区別すると以下のようになります。

フラット35は審査が厳しくないといわれている

審査が甘い住宅ローンとしてよく知られているのが、住宅金融支援機構が提供するフラット35です。住宅金融支援機構は政府系金融機関であり、営利目的ではなく国民の住宅購入を支援することを目的としています。このため、民間金融機関とは審査基準が大きく異なり、申込者の人的要素よりも物的要素を重視しているのです。

雇用形態や勤務年数による制限はなく、パートやアルバイトの人でも物件の担保価値や返済負担率に問題がなければ住宅ローンを組むことができます。

地方の信用金庫など

地方の金融機関も審査が比較的厳しくないといわれます。地方銀行や信用金庫、労働金庫などがこれにあたります。これらの地域金融機関は地域の金融の担い手であると同時に、地域の人々に対する金融サービスによって利益を得ているため、営業エリアの個人を大切にしているのです。

また、小口取引が多い中、数千万円単位で融資できる住宅ローンは地域金融機関にとってもぜひ融資したい案件であるため、審査がさほど厳しくなくなる傾向にあります。

ネット銀行もおすすめ

ネット銀行は審査が厳しいといわれることがあります。実際に住宅ローンを組むための最低年収を300~400万円に設定している場合が多く、これは一般的な金融機関よりも厳しい条件であるといえます。

しかし部分的に条件が緩いこともあります。例えば、ソニー銀行では勤続年数による申し込み条件を設けておらず、勤続年数1ヶ月の人でも申し込むことができるのです。ネット銀行は、申し込む人の属性によっては一般の金融機関より審査に通りやすくなるといえます。

大手銀行などは厳しいといわれる

住宅ローンの審査が最も厳しいのは、メガバンクなどの大手金融機関です。そもそも、大手金融機関は住宅ローンをそれほど重視していません。大手金融機関の融資は案件ごとの規模が非常に大きいため、個人に営業をかけて数千万円規模の融資を積み重ねていくよりも、業容の大きい企業などに億単位の融資を行ったほうが効率的です。

住宅ローンはあまり魅力のない融資案件ですから、それをカバーできるだけの魅力(属性が非常によく、貸し倒れリスクがほとんどないなど)がなければ融資することはありません。上記の金融機関に比べて、大手銀行の審査はかなり厳しいといえます。

そもそも住宅ローン審査とはどのような仕組み?

住宅ローンの審査に通るには、審査の仕組みを知る必要があります。

住宅ローンの事前審査と本審査

下図のとおり、住宅ローンの審査には事前審査と本審査があります。

事前審査と本審査では、それぞれ審査の目的が異なるのがポイントです。

事前審査(仮審査)
事前審査でチェックするのは、申込者の返済能力です。勤務先や勤続年数、年収などのほかに、信用情報機関に照会して債務状況を調べることで申込者の返済能力を測ります。

本審査
本審査でチェックするのは信用リスク(債務不履行に陥るリスク)です。現時点での返済能力だけではなく、健康状態や購入物件の担保価値を調べ、将来的に返済能力が低下するリスクや、債務不履行に陥った場合のリスクも含めて審査していきます。

明確な基準はない

事前審査も本審査も審査基準は公表されておらず、金融機関によっても審査基準が異なります。明確な基準はなく、大体の金融機関で共通する大まかな基準が分かっているだけです。 明確な審査基準を知って綿密な対策を立てたいと思う人もいるかもしれませんが、大まかな基準を把握して対処するのが現実的です。

信用情報を基準に審査をする

ほとんどの金融機関で共通する大まかな基準のうち、最も分かりやすいのが信用情報です。 信用情報機関に照会することで、申込者の現在の債務状況やこれまでの返済履歴などが分かります。過去に金融事故を起こしているなどの大きな問題があれば、金融機関は絶対に融資しません。

信用情報に問題があるかどうかを基準に審査すれば、融資の見込みがない申込者をすぐに断ることができるため、信用情報は審査の重要な基準となっています。

何度も審査を出すと信用情報に記録される

信用情報では債務状況や返済履歴だけではなく、あらゆるローンの申し込み履歴も記録されます。ローンの申し込みを受けて金融機関が信用情報を照会すると、照会の事実と目的が記録されるのです。

そのため、金融機関Aの審査に落ちた後に金融機関Bに申し込んだ場合、金融機関Bが信用情報を照会すると「金融機関Aがローン審査のために照会した」事実を知ることになります。同時に金融機関Bに申し込んできている事実によって、金融機関Aの審査に落ちたことも分かります。

このような情報がわかることによって、金融機関Bが融資を渋る可能性が高くなるわけです。同業者の金融機関Aが融資すべきではないと判断した案件を、金融機関Bが警戒するのは当然のことでしょう。これは、あまり知られていない落とし穴であるとはいえ、住宅ローン審査の知識として知っておくべきです。

住宅ローン審査に落ちないためには

住宅ローン審査に落ちないためには、信用情報を意識することが大切です。ここに問題があれば金融機関はお金を貸してくれません。信用情報を調べて、審査に落ちる要素を取り除きましょう。

信用情報を取り寄せて自分でチェック

信用情報は個人も照会できるもので、インターネットでの開示も可能です。 確認できる情報は、現在契約しているクレジットやローンの契約内容や残高、過去の支払い履歴などです。これらの情報に問題がないかどうかをチェックしていきます。

ここでもしも「異動」という記載があると必ず審査に落ちます。「異動」とは、延滞や債務整理などを意味する記録であり、いわゆる「ブラックリスト」とはこのことです。

まずは「異動」の有無をチェックしましょう。

消費者金融でお金を借りない

このほか、消費者金融からの借り入れが記録されている場合には要注意です。消費者金融は金利が高く返済負担が重いため、住宅ローンの審査に大きなマイナスとなります。消費者金融から借りている人は、住宅ローンの申し込みをひとまず先送りにして、完済してから申し込んだほうが審査に落ちにくいでしょう。

きれいに完済しても、完済後5年間は消費者金融から借り入れていた記録が残り続けます。とはいうものの、金融機関にとって重要なのは借り入れによる返済負担であり、完済して返済負担にならない状態であれば問題ありません。きちんと完済した履歴が残ることによって、かえって信用が高まる場合もあります。

住宅ローン審査に落ちたら?

住宅ローンの審査に落ちた場合には、以下の取り組みによって次回の申し込みに備えましょう。

原因を考えてみる

まずは、審査に落ちた原因を考えましょう。信用情報に問題がなかったのであれば、返済能力や信用リスクに問題があったと考えられます。自分自身の信用リスクを見積もることは難しいですが、返済能力はそれなりに把握できるはずです。

返済能力は年収や勤続年数、雇用形態、現在の債務状況などを総合したものです。このうち、マイナスの影響が大きい要素を排除することが次回の対策につながります。例えば、勤続年数が短い人は勤続年数を重視しないネット銀行に申し込む、年収が低い人は夫婦の収入を合算できる金融機関に申し込むといった対策が挙げられるでしょう。

信用情報が書き換えられるのを待つ

ただし、原因を知って対策を練ったとしても、すぐに申し込むのは控えましょう。前述したとおり、信用情報には住宅ローンを申し込んだ事実が記録されます。記録が書き換えられないうちに申し込むと落ちる可能性が高く、せっかくの対策が台無しになってしまいます。 住宅ローンを申し込んだ記録が残るのは6ヶ月間です。これを待ってから申し込むようにしてください。

なお、この期間中は住宅ローンだけではなく、クレジットカードやそのほかのローンにも申し込んではいけません。これらの情報も信用情報に記録されるため、住宅ローンの審査でマイナスになります。

新たな借金はもちろんNG

信用情報の書き換えを待っている6ヶ月間に注意すべきことは、新たな借金をしないことです。債務が増えれば返済負担が大きくなり、相対的に返済能力が低下します。返済能力に問題ありとみなされて審査に落ちたのですから、新たな借金をすれば次回の審査にも落ちる可能性が高くなるわけです。むしろこの期間は新たに借金するのではなく、債務を少しでも減らすことを心がけるべきです。

審査について理解した上で、自分に合った住宅ローンを

一口に金融機関といっても、メガバンクや地方銀行、ネット銀行など様々な種類があります。それぞれ方針や規模が違うため、住宅ローンの審査基準も同じではありません。審査が甘い金融機関もあれば厳しい金融機関もあり、金融機関との相性によって審査の難易度が変わることもあります。

そのため住宅ローンの審査が不安な人は、審査が甘いとされる金融機関を選んで申し込むことが重要です。その際にはできるだけ審査に落ちにくくなるよう、信用情報なども活用しながら対策を練ることが欠かせません。申し込み先と申し込み方法を工夫して住宅ローン審査を攻略していきましょう。