コロナ禍に伴う経済不安や在宅勤務の増加など、株式投資を始める理由はさまざまで、ネット証券やスマホ証券の登場により投資への敷居も低くなっている。

そこで、投資初心者やこれから資産運用を検討している人へのアドバイスを、登録者数が4万人を超える株式投資専門のYouTubeチャンネル『三澤たかのり先生の「なるほど株大学!」』を運営する、株式会社jinrikisha代表取締役の三澤貴紀氏に聞いた。

三澤貴紀(みさわ・たかのり)氏
三澤貴紀(みさわ・たかのり)氏
2016年から開始した株式投資で、わずか1年で300万円を8000万円にした株式投資家。会社の決算情報や雇用統計などの難しい情報を一切見ない、チャートを見るだけのシンプルなトレードスタイルから「チャート波形専門家」と呼ばれている。現在では「Trader Education Club」という投資スクールを立ち上げており精力的に活動中。その傍らで、今話題の老後資金2000万円問題に関する「老後の対策」としてセミナーや勉強会で株式投資の必要性を説いています。

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資産運用を始めたキッカケ

株式トレード,極意
(画像=PIXTA)

僕は株式投資の世界に入る前、小学校の教員をやっていました。当時は月20万円程度の収入。一人暮らしで出費も多かったので、教員の収入では正直貯金をすることもできなかったので、学校が終わればアルバイト(ちなみに某牛丼チェーン店です)をしていたんですね。

そこで、このままの生活を続けていると、必ず経済的に苦しくなるという現実が見えていたのと同時に、いつか子供ができたときに仕事に追われる生活を続けていると

「授業参観にも行ってあげることができない」

と感じ、そんな自分に嫌気がさしたのです。お金を稼ぐこともできない、自由な時間を過ごすこともできない、好きなことに没頭する時間も、大切な人と過ごす時間も作れない……。

そんなことをキッカケに、2016年から株式投資を始めて、新たな道へ進むことに決めました。

もちろん、最初は失敗しました。自己流のトレードに取り組み、初めて大きなマイナスを被ったとき、どんどん膨らむ含み損に耐え切れず、気がつけば200万円の損失を抱えました。

「これじゃあダメだ」

株式投資でお金を生み出すために、勉強しないといけないな、と。大きな損失を経験したからこそ、株式投資に向き合うことにしました。そこから猛勉強を始め、日々チャートの検証と練習に費やました。

300万円を8000万円にした株式トレードの極意

僕が取り組んでいるトレードスタイルは、「スイングトレード」という3~4日間銘柄を保有して決済するスタイルです。なので、見るローソク足も分足は一切見ずに「日足」をベースに週足と月足しか見ません。

チャートを見る時間も、1日10分程度のシンプルなトレード手法です。後場が終わる14時45分から15時までの間にエントリーするなど、利確や損切りをするスタイルで一切時間をかけないんですね。

そして、最も重要なことなのですが、僕は経済指標も、会社のIR情報や企業分析も一切やりません。見ているのは「本当にチャートだけ」です。

チャートは人間の大衆心理が表れているので、これから上昇しそうなチャートや、下落しそうなチャートは「絵」として判断することができます。決算が悪かった場合や、コロナウイルスのような歴史的大暴落なども、チャートを見ていると「そろそろ下落が始まるな」と判断することが可能なのです。

なので、いろいろな情報があると「判断に迷い」が出てくるので、できる限り無駄な情報を自分に取り入れないためにもチャートしか見ないことを徹底しています。

1日10分で勝てる「チャート分析」のコツ

1日10分の取引で勝つコツは、「勝てるチャートを見抜ける目」を養うことが必要です。僕がチャートの何を見ているのかと言うと、「移動平均線」と「ローソク足」のみです。

5日移動平均線と20日移動平均線と、ローソク足の絡み方で「上がるか?下がるか?」を判断しています。

僕が得意としている手法の中で最もシンプルなロジックは「N型局面のチャート」を探すことです。これを初心者の方には推奨しています。N型というのは、5日移動平均線が一旦下落してから、20日移動平均線に支えられて、そのまま上昇していく軌道を描く「Nの形」を探すということです。簡単に言うと、押し目を狙うという意味合いですね。

ただ、気をつけないといけないのは、押し目買いであろうとも、「5日移動平均線が上を向いた状態」でなければエントリーしてはいけません。下落して支えられた押し目の場合は、まだ下落が続く可能性を含んでいるため、移動平均線が上を向かない限りは気をつけないといけません。要は、「上向きになるまで待て!」ということですね。

勝てるトレーダーになるための条件とは?

これらを踏まえ、僕が考える勝てるトレーダーになるための条件は、「毎日チャートを見続ける」ということです。どういう形になれば「勝てるのか?」「負けるのか?」ということへの理解を深めることが大切です。

僕はこれまで過去6000年分のチャート分析をしてきました。1銘柄30年分の練習を200銘柄行ったのですが、何度も繰り替えし分析をして練習するんです。「ここでエントリーしてみよう」「移動平均線が陰線にタッチしたら利確してみよう」など、仮説を立てながら仮想で練習を繰り返すんです。

そうすると、チャートを見るだけで「勝てる銘柄」を判断できるようになります。冗談に感じるかもしれませんが、僕は1銘柄にかける判断時間は「2秒」です。それくらい瞬時に判断できるようになるので、一気に400銘柄分くらいをチャート分析しても1時間もかかりません。全体の相場が悪かったとしても、数銘柄くらいは「良い形をしたチャート」を見つけることができます。

受験やスポーツも同じで上達するには、何度も勉強や練習を繰り返すことが大事ですよね。それはトレードも同じだと思っています。毎日コツコツ淡々と分析できる人であれば、株で負けることはないと思いますね。

2021年の投資実績

2021年どのようなトレードをしたのか一例をご紹介します。

5日線の一時反発狙い

5日線の一時反発狙い

逆N字横型エントリー

逆N字横型エントリー

逆N字型+前回安値更新型エントリー

逆N字型+前回安値更新型エントリー

これから株式投資を始める方へのアドバイス

過去に含み損を200万円抱えて大失敗したときに、僕はトレードを本気で学ぶことにして専属の先生をつけました。チャートの見方やら、移動平均線やら、銘柄の選び方から、すべてイチから徹底的に叩き込まれたのを覚えています。

「自分の大切なお金を無駄にするな!資産を守るために勉強しなさい。」と本気で怒られたことを今でも覚えています。

なので、自分の経験をもとに、僕は投資で失敗している人たちや、苦い経験をしている方たちに「勉強&練習を徹底!」を何度もお伝えしています。

株式投資はギャンブルではなく、「シンプルな学問」です。定められたルールと、正しい知識さえ身に付ければ、お金が増えていくシンプルなビジネスモデルです。

会社や仕事を辞めずに、安定したお給料をもらいながら、片手間でトレードでしっかり稼ぐ!この流れが1番良いのではないでしょうか。資産を増やしていけば、トレードだけでも安定して利益を出していけるようになり、老後の資産をコツコツと積み上げてセミリタイアすることだって夢じゃありません。

人生は一度きりです。やりたいこと、好きなことをどこまで追求できるか。

豊かで充実した人生を過ごしたいと思いませんか?

僕が取り組んでいるスイングトレードは、「自由を選択できる」ことをもっとも重要視しています。 限られた人生だからこそ、あなたの時間を大切にしてほしいと思います。