国内FX会社やネット上などで個人が提供している自動売買を使うことで、手軽に自動売買を始められるため、自動売買でのFX取引が気になっている方もいることでしょう。
「自動売買って本当に安心?」 「自動売買で安定して10万円稼げるのか?」
FXの自動売買と聞くと上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
結論、FXの自動売買で月10万円を安定して稼ぐのは非現実的です。
長期的にみてプラスとマイナスを繰り返しながら利益を積み重ねて、トータルで10万円を稼ぐことはあり得ますが、常に10万円勝ち続けることは現実的ではないのです。
この記事では、自動売買で月10万円安定して稼ぎ続けることが非現実的な理由から自動売買の注意点に至るまで、以下3つの項目で詳しく解説していきます。
- FXの自動売買で月10万円安定して稼ぎ続けるのは非現実的
- FXの自動売買で平均して月10万円ほど稼いだ事例
- FXの自動売買で10万円を稼ぐのを目指す際の3つの注意点
自動売買をこれから利用したいと考えている方や現在利用している方は、利用前にこの記事をぜひ参考にして自動売買の利用の方法を考え直してみてください。
FXの自動売買で月10万円安定して稼ぎ続けるのは非現実的
自動売買で月に10万円を稼ぐことは可能ですが、安定して月10万円の利益を継続することは現実的ではありません。
自動売買システムでは、あらかじめプログラムされた売買条件に基づいて取引が行われます。
したがってプログラムされた売買条件が、ある相場にマッチすることで一時的に利益を上げることは可能でしょう。
しかし相場は常に変動していくため、一度稼げた売買条件や手法が今後も機能して、稼ぎ続けられることはないと考えたほうがいいでしょう。
月10万円必ず勝てるという自動売買は怪しい
一部の自動売買システムでは、バックテストと呼ばれる過去のデータを利用した検証結果を表示して、自動売買の性能を示しています。
しかしバックテストの結果がいくら良くても、過去の相場に最適化した売買条件をプログラムしたことで、バックテストの結果がいい可能性があります。
つまり、その自動売買システムは過去の相場でのみ効果を発揮し、他の相場では機能しないこともあり得るのです。
長期的に運用した結果自動売買で月10万円稼げていたということはあり得る
自動売買で毎月必ず10万円勝つことは非現実的ですが、自動売買システムを長期的に運用し続けた結果、平均的に月10万円稼げていたということはあり得ます。
自動売買システムを運用していく過程では、時に利益を上げる月や損失を出す月や日が交互に訪れます。
コンスタントに利益を出し続ける自動売買システムは存在せず、プラスとマイナスを繰り返しながら利益を積み重ね、トータルでプラスを目指すのが自動売買の実態です。
したがって、月10万円稼げる自動売買システムとは、常に10万円稼げるのではなく、各月のプラスとマイナスをトータルし、平均的に月10万円稼げるというシステムなのです。
FXの自動売買で平均して月10万円ほど稼いだ事例
今では様々なFX会社が自動売買システムをサービスとして提供しており、その中には過去に月10万円以上の利益をあげていた自動売買システムが見受けられました。
みんなのシストレの公式ホームページで確認できる売買システム別収益ランキングを見てみると、月10万円の収益を超えているシステムが複数見受けられます。
引用元:みんなのシストレ公式サイト
またマイメイトの公式サイトでは、トレンド相場やレンジ相場など、各相場別に適した売買戦略を持つ自動売買システムの1年間における検証結果が公開されています。
例えば、上昇相場に特化した自動売買システムで取引した場合、カナダドル円相場で収益率531%を記録したようです。
引用元:マイメイト公式サイト
またレンジ相場に特化した自動売買システムで取引した場合、豪ドル円相場で収益率622%を記録したようです。
引用元:マイメイト公式サイト
ここでは、自動売買システムを以下の2種類に分けて、自動売買で過去に平均月10万円稼げていたシステムを紹介していきます。
- 選択型の自動売買システム
- リピート系の自動売買システム
選択型の自動売買システム
選択型の自動売買システムでは、自動売買システムを提供している会社であらかじめ用意されたシステムの中から、過去の運用成績や性能を参考にしてシステムを自由に選べます。
過去の運用過去から、どれだけ月に稼げていたか具体的な数値を確認してみると、過去の相場で月に10万円稼げていた自動売買システムとして以下の2つが挙げられます。
- マイメイト
- みんなのシストレ
その1:マイメイト
マイメイトは、インヴァスト証券が提供している選択型の自動売買システムであり、自動売買のシステムにAIを活用しているのが特徴です。
マイメイトでは、「通貨銘柄」と自動売買システムである「エージェント」を選びます。
特にマイメイトでは、分散の意味もこめて5種類位以上の通貨ペアの中からエージェントを選択することを推奨しています。
マイメイトでは、マイメイトのページから「収益率」、「最大DD(ドローダウン)」、「勝率」などの成績を確認できます。
その2:みんなのシストレ
みんなのシストレは、トレイーダーズ証券が提供している選択型の自動売買システムであり、使いたい自動売買のシステムを選ぶだけで簡単に自動売買を開始できます。
また1,000通貨からトレードを始められ、スマホアプリからも自動売買システムを利用できるため、初心者にも利用される自動売買システムでもあります。
みんなのシストレでは、ランキング形式で収益率が上位の売買戦略を持もつシステムを確認できます。
リピート系の自動売買システム
リピート系の自動売買システムでは、あらかじめユーザー自身が発注価格と売却価格を設定しておくと、相場価格が設定価格に到達した際自動で売買を行なってくれます。
しかしシステム稼働中にレンジ相場が終わってしまった場合は、決済ができなくなり、損失を被る可能性があるため注意が必要です。 国内FX業者が提供してるリピート系の自動売買システムの例として以下の3つが挙げられます。
- iサイクル2取引
- トライオート
- トラッキングトレード
それぞれのシステムについて詳しく解説していきます。
その1:iサイクル2取引
引用元:外為オンライン公式サイト
1つ目は、外為オンラインが提供している自動売買システム「iサイクル2取引」です。
外為オンラインには、「サイクル2取引」と「iサイクル2取引」の2つの自動売買システムがあります。
サイクル2取引は、あらかじめユーザー自身が相場の変動幅を設定し、その変動幅で自動売買を繰り返すリピート系の自動売買システムです。
一方でiサイクル2取引は、設定した変動幅内で自動売買を行う基本的なシステムは同じですが、相場の変動に合わせて、設定した変動幅が上下に自動で移動してくれます。
その2:トライオート
引用元:インヴァスト証券公式サイト
2つ目は、インヴァスト証券が提供している自動売買システム「トライオート」です。
トライオートでは、基本的な運用ルールを自分でまず作り、そのルール通りにトレードを繰り返していくリピート系の自動売買システムです。
そして相場の値動きに自身が作ったルールが合っていなかった場合は、ルールを見直して調整を行います。
ルールの作り方がわからないという方のために、あらかじめトライオートのユーザーやインヴァスト証券が作ったシステムから選べる「セレクト」機能も利用できます。
その3:トラッキングトレード
引用元:FXブロードネット公式サイト
3つ目は、FXブロードネットが提供している自動売買システム「トラッキングトレード」です。
トラッキングトレードでは、設定した変動幅以下または以上になった場合にポジションを持つ新規注文と利益確定や損切りの条件を出す、決済注文を発注します。
またトラッキングトレードは外為オンラインのiサイクル2取引と同じく、設定した変動幅が相場の変動に合わせて設定の変動幅が上下に移動するため、想定したレンジ幅が変わった際も対処ができます。
FXの自動売買で10万円を稼ぐのを目指す際の3つの注意点
FXで自動売買をする際は以下の3つの点に注意するようにしましょう。
- 開発者でないと自動売買システムの内容がわからない
- 詐欺ツールが蔓延している
- 長期的に取り組む覚悟が必要である
FXの自動売買で月10万円をコンスタントに稼ぎ続けることが不可能な理由は、ここで詳しく説明する注意点にあります。
FXにおいて安定して稼ぐことを目的として自動売買を始めようとしている方は、ぜひこの注意点を参考にしてください。
その1:開発者でないと自動売買システムの内容がわからない
1つ目は、開発者でないと自動売買システムの内容がわからない点です。
他人が組んだ自動売買システムに関しては、開発者がどれだけシステムの開発に力を入れたのか、どれだけ検証されたのかなどシステムの概要がわかりません。
たとえシステムの検証結果が示されていたとしても、その結果は過去の相場に合わせて過剰最適化されたものかもしれません。
実際の相場で利用できる信頼性やパフォーマンスがどれほどかは、ネット上の情報だけでは判断が難しいのです。
したがって内容がわからない自動売買システムにお金の運用を任せることが、自動売買システムを運用する最大のリスクと言えます。
また、大金を投入せずに無理のない範囲の資金で運用し、資金管理をしっかりと行うようにしましょう。
その2:詐欺ツールが蔓延している
2つ目は、たくさんの詐欺ツールが蔓延している点です。自動売買を開発できるツールが広まり、知識さえあれば個人でも自動売買ツールを作成できるようになりました。
その結果ネット上で様々な自動売買システムが販売されるようになり、表向きは信頼性が高そうに見えても、実は機能しないような詐欺ツールがたくさん出回っています。
また詐欺ツールだと当人は感じていなくとも、結果的に詐欺のようなお粗末なツールだったというケースも少なくありません。
相場で必ず勝てるような売買システムはないと心に留め、詐欺ツールが多く存在するという認識を持つことが大切です。
特に個人が販売している自動売買ツールは詐欺ツールである可能性が高いため、注意が必要です。
その3:長期的に取り組む覚悟が必要である
3つ目は、FXで自動売買システムを利用する際は、長期的に取り組む覚悟が必要である点です。
FXでは、勝てる売買戦略を利用したとしても損をしたり得をしたりを繰り返してトータルでプラスを目指します。
自動売買システムには、その戦略がシステムとして反映されているため、勝てる自動売買システムであっても短期間では、得をしたり損をしたりと結果がばらつくことがあります。
しかし自動売買システムを始めて、最初に損失ドローダウンが生じたからといって運用をやめてしまうというケースがあるのです。
このような場合、自動売買システムにプログラムされた売買戦略の期待値が発揮できず、短期間で勝てないまま終わってしまうという結果になってしまいます。
リスク管理をしっかりと行い、長期的な取り組みを覚悟して自動売買システムを運用することこそが成功への鍵となります。
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大学卒業後にFXトレードを開始し、その経験を活かした金融分野のライターとして活動。 トレード手法の開発のためだけに1年を費やし、リアルトレードでは4か月で10万円を400万円にまで増やす経験をした。 現在は、金融メディアのディレクションを行う一方で、トレード手法のさらなる開発のためにMQL4でのプログラミングを行っている。
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