ここでは、FX会社が提供する自動売買ツールが高い勝率を上げられる理由と、そのカラクリを説明するとともに、自動売買ツールの選び方を詳しく解説します。また、8つのおすすめ自動売買ツールの特徴を比較しているので、選ぶ際の参考にしてください。
FX自動売買で高い勝率を上げたいならFX会社提供のツールがおすすめ
FX自動売買で高い勝率を上げたいのであれば、FX会社が提供している自動売買ツールを利用するのがおすすめです。
しかし、FX会社が提供しているツールであれば、少なくとも詐欺行為はないと考えてよいでしょう。もちろん、勝率に関しては自分なりに精査する必要がありますが、個人が提供する自動売買ツールと比べて安全性や信頼性が高いと言えます。
自動売買ツールの選び方!高い勝率のカラクリとは
この項目では、FX会社が提供する自動売買ツールはどれを選べばよいのかを説明します。また、高い勝率を公表できることに、どんなカラクリがあるのかも解説します。
自動売買ツールを選ぶ際は利益実績を見ること
利益実績とは、実際に自動売買を運用してどの程度のパフォーマンスを生み出したかを示す数値です。具体的には、FX会社で自動売買を利用しているユーザーのうち、どの程度の割合が利益を出したかを示す数値となります。
ただし、ユーザーごとにどのくらいの利益を出しているのか、あるいは損失を出しているのかまではわかりません。とはいえ、少なくとも口座単位の勝率を意味するため、ツールを比較する際にはもっとも参考になります。
利益確率は期待値のようなもので、計算上の期待できる勝率と考えて良いでしょう。つまり実績ではなく、今後の運用で期待できる勝率です。
利益実績のほかに自動売買ツール選びでチェックすべきこと
この項目では、FX会社が公表している利益実績以外の、自動売買ツールを選ぶ際のチェックポイントを説明します。
FX取引の初心者には、FX会社が用意している設定から選べるタイプの自動売買ツールがおすすめです。
またリスクを分散するために、複数の設定を選んで組み合わせることもおすすめです。選択できる設定が少ないと、似たような設定を複数選ぶことになりかねないため、選択できる設定が多いかどうかを事前にチェックしておくとよいでしょう。
自動売買ツールの設定を選ぶ際には、それぞれの利益率と勝率を見てパフォーマンスの高いものを選びましょう。
FX会社が用意している自動売買プログラムの設定はそれぞれ、実際のパフォーマンスが表示されています。勝率と利益率が高いものを選ぶのが基本になりますが、ドローダウンも表示されていれば注意しましょう。
FX会社を選ぶ際には、自動売買をデモ口座で運用できるところを選ぶのもおすすめです。なぜなら、実際に自分の資金をリスクにさらす前に、パフォーマンスを確認できるからです。
【要注意】自動売買ツールにおける高い勝率のカラクリ
FX会社が提供する自動売買ツールには、90%を超える高い勝率をアピールするものがあります。しかし、そこには次のようなカラクリが潜んでいる可能性があります。
以下で順に解説します。
決済した損益のみを集計対象として勝率を計算している場合、抱えている含み損を集計の対象外にしている場合があります。
高い勝率を得るために大きなリスクをとっており、過去に大きなドローダウンを経験しているケースがあります。この場合、運用開始からの利益率は高く計算できますが、ドローダウンが生じる直前に運用をスタートした人は、多額の資金を失っている可能性もあります。
そのため、その自動売買を運用中に最大でどの程度のドローダウンが発生しているのかを確認することが大切です。
勝率を集計した運用期間を変更し、高い勝率をアピールすることもあります。
たとえば、2014年から2018年までの運用成績をもとに勝率を発表していたとします。しかし、2019年は成績が振るわずに、大きなドローダウンが発生したとしましょう。
そこで、集計期間を2020年から2022年までとして、2019年を除くことで高い勝率をアピールするというケースが考えられます。FX会社によっては過去に掲載していた集計期間と、現在の勝率を計算している集計期間が異なっている場合があります。しかし、過去の成績のデータを残していなければ、ユーザーは新しい勝率しか参考にすることができません。
勝率や収益率が高いおすすめの自動売買ツール8つを紹介
FX会社が提供する、勝率や収益率が高いおすすめの自動売買ツールを紹介します。特に、勝率や収益率とその根拠に注目してみて比較してみてください。
外為オンライン「iサイクル2取引™」
勝率 | 99.62% |
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勝率の根拠 | 2017年1月1日から2021年4月30日で利益を出している設定の割合(運用資産100万円以上) |
自動売買の タイプ |
リピート型 |
デモ口座 | あり |
メリット | トレンドを自動的に判断できる |
デメリット | 取引手数料が高め |
おすすめの人 | トレンドの判断をお任せしたい人 |
通貨ペア | スプレッド |
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USD/JPY | 0.9銭 |
EUR/JPY | 1.9銭 |
GBP/JPY | 3.4銭 |
AUD/JPY | 3.2銭 |
EUR/USD | 1.4pips |
勝率は評価損益を含む実績です。ただし運用資金100万円以上が対象なので、100万円未満の運用資金による設定は集計の対象外となっています。
提供する自動売買ツール「iサイクル2取引™」はリピート型自動売買なので、下げ相場では買い下がり、上げ相場で決済します。さらに、相場に自動追従することでトレンドが発生した時でも注文を止めることなく、ポジションを建て続ける仕組みです。
インヴァスト証券「トライオートFX」
勝率 | 75.0% |
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勝率の根拠 | 2021年1月から12月までの12ヵ月間における月ごとの勝敗 |
自動売買の タイプ |
ストラテジー選択型 (セレクトタイプとビルダータイプ) |
デモ口座 での運用 |
なし |
メリット | 設定済みのプログラムを選ぶだけなので簡単に使える |
デメリット | デモ口座がないのでパフォーマンスを確認できない |
おすすめの人 | 独自のプログラムを作りたい人 |
取引 手数料 |
<マニュアル注文> 0円 <※自動売買注文>
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通貨ペア | スプレッド |
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USD/JPY | 0.3銭 |
EUR/JPY | 0.5銭 |
GBP/JPY | 1.0銭 |
AUD/JPY | 0.6銭 |
EUR/USD | 0.3pips |
インヴァスト証券は、「トライオートFX」という自動売買ツールを提供しています。その勝率は75%と高いです。しかし、単純に利益が出た月は勝利、損失が出た月は負けとしてカウントしているので、1年間トータルの収益がプラスなのかマイナスなのかはわかりません。
上級者はオリジナルの自動売買を作成でき、レンジ幅や利確と損切りの値幅などをこまかく設定できます。一方、初心者は数多く用意されている設定から選ぶ「自動売買セレクト」を利用すれば、すぐに運用を開始可能です。たとえば、レンジ幅では両建てをして、範囲外では売り建てもしくは買い建てをする「コアレンジャー」のような個性的なプログラムも用意されています。
インヴァスト証券「マイメイト」
勝率 | 71.0% |
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勝率の根拠 | エージェント「東方不敗」が2022年2月1日から2023年1月31日まで運用した成績 |
自動売買の タイプ |
強化学習型AI |
デモ口座 | なし |
メリット | AIを使った自動売買ができる |
デメリット | カスタマイズ性が低い |
おすすめの人 | AIを使って取引してみたい人 |
通貨ペア | スプレッド |
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USD/JPY | 変動制 |
EUR/JPY | 変動制 |
GBP/JPY | 変動制 |
AUD/JPY | 変動制 |
EUR/USD | 変動制 |
前述したトライオートFXと同じく、「マイメイト」もインヴァスト証券が提供する自動売買ツールです。勝率は71%と高いものの、あくまでもエージェント(AI)のひとつである「東方不敗」の成績なので、ユーザー全体の勝率はわかりません。
自動売買プログラムは「エージェント」と呼ばれ、ユーザーはエージェントから好きなものを選びます。そして自分が決めた投資方針に従い、AIが取引を重ねるにつれて精度を高めることができます。
複数のエージェントで運用することでリスク分散をすることができますが、カスタマイズしにくいことがデメリットです。そのため、自動売買に慣れてきたら他の自動売買ツールと併用するのもよいでしょう。
マネースクエア「トラリピ」
勝率 (収益率) |
期間収益率約150% |
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勝率 (収益率) の根拠 |
「ダイヤモンド戦略」で 2020年11月から2023年5月まで運用した成績 |
自動売買の タイプ |
リピート型 |
デモ口座 | なし |
メリット | レンジ相場に強い |
デメリット | カスタマイズ性が低い |
おすすめの人 | ある程度は相場の流れが読める初心者 |
通貨ペア | スプレッド |
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USD/JPY | 変動制 |
EUR/JPY | 変動制 |
GBP/JPY | 変動制 |
AUD/JPY | 変動制 |
EUR/USD | 変動制 |
「トラリピ」は正式名称を「トラップリピートイフダン(R)」と言い、マネースクエアが提供する自動売買ツールです。公式サイト内に勝率の記載はありません。
トレンドが発生すると含み損を抱えることや、こまかな設定ができない点がトラリピの主なデメリットとなります。そのため、初心者用の自動売買ではありますが、トレンドの発生を確認し、ユーザー自身で運用停止の判断をすることも必要です。
トレイダーズ証券 「みんなのシストレ」
勝率 (収益率) |
期間収益率約815% |
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勝率 (収益率) の根拠 |
「分母ゼロ」で2022年6月から2023年5月まで運用した成績 |
自動売買の タイプ |
ストラテジー選択型 |
デモ口座 | なし |
メリット | リアルなトレーダーのストラテジーを選択できる |
デメリット | ストラテジー数がやや少ない |
おすすめの人 | ベテラントレーダーの取引をコピーしたい人 |
通貨ペア | スプレッド |
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USD/JPY | 変動制 |
EUR/JPY | 変動制 |
GBP/JPY | 変動制 |
AUD/JPY | 変動制 |
EUR/USD | 変動制 |
トレイダーズ証券が提供する「みんなのシストレ」は、勝率を公表していません。
みんなのシストレでは実際に取引しているリアルなトレーダーや、トレイダーズ証券が開発したストラテジーを選択して運用します。各ストラテジーはランキング形式でリスト表示されるので、気に入ったものを選び自動売買に使えます。
難点としては、提供するストラテジー数がおよそ350種類と、1,000種類を超えるFX会社がある中では、比較的少なめであることが挙げられます。
アイネット証券「ループイフダン」
勝率 | 76.15% |
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勝率の根拠 | 2018年1月15日から2023年3月31日までに設定された設定のうち利益が生じた設定の割合 |
自動売買の タイプ |
リピート型 |
デモ口座 | あり |
メリット | トレンドが発生しても利益を狙える |
デメリット | 対応している通貨ペアが少ない |
おすすめの人 | 中長期的な取引ができる人 |
通貨ペア | スプレッド |
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USD/JPY | 2銭 |
EUR/JPY | 3銭 |
GBP/JPY | 5銭 |
AUD/JPY | 4銭 |
EUR/USD | 2pips |
「ループイフダン」は、ひまわり証券が提供するF自動売買ツールです。為替レートの変動に応じて、自動的に売買を繰り返します。勝率はあくまでもユーザーではなく、利益を出している設定の割合です。
レンジ相場で買いまたは売りと決済を繰り返す仕組みではありますが、上昇あるいは下降トレンドが発生しても、トレンドに乗って売買を繰り返せるのがループイフダンの特徴であり魅力です。
FXプライム byGMO「ちょいトレFX」
勝率 | 92.3% |
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勝率の根拠 | 「203-1 移動平均乖離率(基本)[ポンド/円]」を2023/03/16から2023/05/25まで運用した場合のバックテスト結果 |
自動売買の タイプ |
ストラテジー選択型 |
デモ口座 | なし |
メリット | バックテストでの最適化が可能 |
デメリット | デモ口座での検証ができない |
おすすめの人 | ある程度はFX自動売買の知識がある人 |
通貨ペア | スプレッド |
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USD/JPY | 0.1銭 |
EUR/JPY | 0.8銭 |
GBP/JPY | 1.1銭 |
AUD/JPY | 0.9銭 |
EUR/USD | 0.6pips |
FXプライムが提供する「ちょいトレFX」は、あらかじめ組まれたロジックによる自動売買システムから好きなものを選択するタイプです。さらに、ユーザー自身が独自のロジックによるシステムを作ることもできます。
ちょいトレFXは初心者であれば用意されたシステムから選び、上級者は自分でシステムを組むというように、幅広いユーザーに対応した自動売買ツールです。デモ口座での取引きはできませんが、用意されているシステムはバックテスト期間中の勝率や最大ドローダウンがわかります。累積損益の成績が良い順にリスト表示されているので、ユーザーはそこから好きなものを選べます。
デモ口座でのテスト運用ができないので、ある程度は自動売買の知識がある人におすすめです。
FXブロードネット「トラッキングトレード」
勝率 | 87.0% |
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勝率の根拠 | 2014年10月15日から2023年3月31日までの設定のうち利益が生じた設定の割合 |
自動売買の タイプ |
リピート注文型 |
デモ口座 | あり |
メリット | ランキング表示された注文設定から選べるので簡単 |
デメリット | 逆張り設定のため逆行すると大きな額の損切りになりやすい |
おすすめの人 | 状況を見て運用停止ができる人 |
通貨ペア | スプレッド |
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USD/JPY | 0.2銭 |
EUR/JPY | 0.5銭 |
GBP/JPY | 1.0銭 |
AUD/JPY | 0.6銭 |
EUR/USD | 0.3pips |
トラッキングトレードはFXブロードネットが提供する自動売買ツールです。レンジ相場での上下動において強みを発揮するタイプとなっています。
トラッキングトレードでは多くの設定があり、収益ランキングが発表されます。その設定の中から自分で好きなものを組み合わせ、運用するスタイルとなっています。
基本的には逆張りでポジションを建て続けるので、保有したポジションと逆行する大きなトレンドが発生すると、損失が膨らみやすい点には注意が必要です。
そのため、自動売買に任せきりにせず、相場の動きに応じて手動で運用を停止する判断ができる人にトラッキングトレードをおすすめします。
まとめ:自動売買ツールは実績を重視して選ぼう
FX会社が提供する自動売買ツールは、実績をもとにした勝率を重視して選びましょう。なぜなら、これまでの運用成績がもっとも参考になる指標だからです。ただし、高い勝率にはカラクリがあることも考えられるため、注意事項はよく読んでおきましょう。
あとは、どのような設定またはストラテジーを用意しているのか、そのロジックをチェックすることをおすすめします。さらに、リスク分散のため複数の設定またはストラテジーを組み合わせるとよいでしょう。
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日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。15年以上のFXトレード歴があり、2013年に開催されたFXコンテスト(Forex.com社開催)で優勝も経験。FXを始め、株、仮想通貨、コモディティなども手広く取引している。
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