仮想通貨の1つであるネム(XEM/NEM)は、ここ最近「伸び悩んでいる」といわれている。「今が買い時なのか」「見切りをつけたほうがいいのか」などと、悩んでいる人も多いだろう。

この記事では、ネムの特徴や価格、過去のチャートの値動きをわかりやすく解説し、将来性や今後の展望を考察する。ネムの取引におすすめの取引所も紹介するので、参考にしてほしい。

注目の仮想通貨ネムとは

(画像=PIXTA)

ネム(XEM/NEM)の名前の由来は、「New Economy Movement(新しい経済活動)」の略称だ。

法定通貨は、国が発行し、中央銀行が管理者の役割を担う。一方、多くの仮想通貨は、法定通貨とは異なり、発行体や管理者が存在しない。このような特性から、国家の枠にとどまらない経済活動の在り方を模索するという意味合いもある。

仮想通貨とは、インターネット上で取引される通貨のことだ。最初の仮想通貨であるビットコインしかり、多くの仮想通貨ではブロックチェーン技術が活用されている。ブロックチェーン技術は、実質的に改ざんが不可能といわれており、さまざまな分野での応用が期待されている。ネムもブロックチェーン技術を採用している。

ネムは、2015年に公開された。2009年に公開されたビットコインと比較すると、比較的新しい仮想通貨と言えるだろう。

2017年には、シンガポールでNEM財団が設立され、日本でも、2018年に一般社団法人NEM JAPANが設立された。同財団は、NEMブロックチェーン技術の普及を目的に、非営利で勉強会やコンサルティングなどの活動をしている。

ネムは、実はプラットフォームの名前であり、そこで使われる通貨の単位はゼム(XEM)だ。しかし、投資家の間でも「ネム」と呼ばれて親しまれている。

ネムの価格やチャート

ネムの価格は2021年5月末現在、約20円だ。

ネムの価格に大きく影響した過去の出来事に、2018年の仮想通貨流出事件がある。悪意あるハッカーが仮想通貨取引所のコインチェックを攻撃し、約580億円相当の大量のネムが流出したのだ。

直前まで、ネムは200円の壁に近づいていたにもかかわらず、2018年3月末には約23円に下落。一時的に回復の兆しを見せたが、下落が止まらず2018年11月には10円を切った。長らくネムの価格は低迷し、10円未満で推移する状況が続いた。再び変化の兆しが見えたのは、2020年の秋だ。

2020年春には、新型コロナウイルスの影響で世界経済は大打撃を受けた。アメリカは経済を回復させるため、米ドルを大量に発行するという大規模な金融緩和策を実施したが、法定通貨が市場に出回ることで、インフレを懸念する声が出始めた。

法定通貨に発行上限はないが、仮想通貨の多くは、発行上限が決まっている。金融緩和策が実施され、インフレリスクが投資家の間でささやかれるようになると、発行上限が決まっている仮想通貨に注目が集まった。こうして2020年秋ごろから、仮想通貨は大躍進を遂げたのだ。

ネムも2020年の秋ごろから価格が上がり始め、12月末には約20円にまで回復した。2021年に入ってからは、一時87円に達した後再び下落し、2021年5月末現在は約20円となっている。

ネムの過去の高騰とこれからの高騰

2021年に入ってネムの価格が高騰し、再び下落したことには理由がある。

まず、2021年1月に、警視庁が仮想通貨流出事件の関係者のうち6人を逮捕、25人を書類送検したと発表した。事件の首謀者は見つかっていないものの、事件解決の兆しが見えたことで、ネムの価格が再び上昇した。

また、ネムの価格の急上昇には、大型アップデートも関係している。2021年3月、ネムのアップデートで、Symbol(シンボル/XYM)がリリースされた。もともと延期されてのリリースであり、期待感が高まったことから、価格が高騰したのだ。

ネムの将来性は?

ネムの将来性を考える際に外せない視点が2つある。

1つ目は、流出事件の首謀者の逮捕だ。今後、流出事件の首謀者が逮捕され事件が解決することで、ネムの価格が上昇する可能性がある。

ただし、もともとハッカーが狙ったのは取引所の体制で、ネム自体に問題があったというわけではない。そもそもブロックチェーン技術は、いまだかつて破られたことがない。そのため、安心感から価格が上昇する可能性はあるが、必ずしも事件解決が価格に影響すると断言はできない。

2つ目は、シンボルの今後だ。シンボルは、中央銀行のデジタル通貨(CBDC)の領域でも機能するよう設定されているなど、将来性のある仮想通貨だ。また、シンボルは2022年に開催される「FIFAワールドカップ」の現地ホテル建設プロジェクトのプラットフォームに採用される予定となっている。

このように、シンボルの知名度が上がり活用の幅が広がることで、ネムの価格も上昇するという見方がある。一方では、シンボルの価格が上昇するほどネムの存在感は薄れ、シンボルの価格とネムの価格は反比例するだろうとの予測もある。

ネムとシンボルが互いにどう影響し合うかを正確に予測することはできないが、両者の今後の値動きに注目することで、何らかの予測のヒントが得られるかもしれない。

2021年に入り、ビットコイン以外の仮想通貨であるアルトコインへの投資熱が高まっている。それにともない、ネムの価格も上昇する可能性はある。流出事件直前は200円に近づいていたことを思えば、今後10倍になることもあるかもしれない。

ネムを保有するメリットとデメリット

ネムを保有するメリットは、現在が低価格で推移しており、今後上昇する可能性を秘めていることにある。上昇要因がうまく働き、過去の水準まで価格が回復すれば、大きく元手を増やせるだろう。

ネムを現在保有しているなら、シンボルの値動きとの関連をもう少し見守ってから手放す判断をしてもいいかもしれない。シンボルの値動きと連動するようであれば、今後のシンボルの躍進とともに、ネムの価格も上昇する可能性がある。

一方、ネムを保有するデメリットは、将来的にはシンボルの価値が上がり、ネムの価値が下がっていく可能性があることだ。また、上昇要因への期待感はあるものの、このまま低迷した状態が続かないとも限らない。過去の流出事件の影響もある。

メリット・デメリットを考慮して、ネムに投資するかどうか、現在保有しているネムを売却するかどうかを慎重に判断したい。

ネムの取引におすすめの取引所とは?

ネムはアルトコインの中でも、イーサリアムやリップルほどの知名度がなく、仮想通貨取引所によってはネムを取り扱っていないケースも多々ある。取り扱っている仮想通貨の種類や手数料は仮想通貨取引所によって大きく異なるため、口座開設前にしっかり確認しておきたい。

続いて、ネムを取り扱っている仮想通貨取引所を3つ紹介する。

コインチェック

仮想通貨の取扱数:16種類
取引方法:販売所・取引所
最低注文数量:取引所・販売所とも500円
サービス:Coincheckつみたて、貸仮想通貨サービス、Coincheckでんき・ガス、Coincheckアンケート、ステーキングなど

流出事件の衝撃以降、コインチェックは2018年4月からマネックスグループの傘下に入った。そして、ガバナンス体制やコンプライアンス体制を強化し続けている。代表的なセキュリティ対策として、コールドウォレット・2段階認証・SSL暗号化通信・マルチシグなどがある。

コインチェックは2021年5月現在、国内最多の16種類の仮想通貨を取り扱っている。ネムはもちろん、他のアルトコインに投資してみたい人にとってもメリットの多い仮想通貨取引所だ。ネムの今後の値動きを見て、場合によっては臨機応変に他のアルトコインへの投資に切り替えることもできる。

また、積立投資や貸仮想通貨といった各種サービスが充実しているのも面白い。

DMMビットコイン

仮想通貨の取扱数:12種類
取引方法:販売所
最低注文数量:ネム10XEM

DMMグループが運営するDMMビットコインは、金融サービスのノウハウを生かし、セキュリティ対策に力を入れている。代表的なセキュリティ対策として、コールドウォレット・不正ログイン防止・外部セキュリティ専門家の脆弱性診断などがある。

DMMビットコインでは、12種類の仮想通貨を取り扱っているが、現物取引ができるのは「ビットコイン/円」「イーサリアム/円」「リップル/円」「ビットコイン/イーサリアム」の4種類のみで、ネムを現物で取引することはできないため、注意が必要だ。

なお、レバレッジ取引なら、ネムに投資することができる。レバレッジとは、元手の数倍の取引をして、効率よく資産を増やす仕組みのことだ。例えばレバレッジ2倍なら、10万円の元手で20万円分の取引ができる。大きなリターンを狙える一方で、大きく損をしてしまうリスクがあることには注意したい。GMOコインのレバレッジは、最大2倍と決められている。

GMOコイン

仮想通貨の取扱数:13種類
取引方法:販売所・取引所
最低注文数量:ネム10XEM
サービス:つみたて暗号資産、貸暗号資産、ステーキングなど

GMOインターネットグループが運営するGMOコインは、金融サービスのノウハウを生かし、セキュリティ対策に注力している。代表的なセキュリティ対策として、コールドウォレット・マルチシグ対応・アカウント乗っ取り対策などを実施している。

取り扱っている通貨の種類は、国内の仮想通貨取引所の中では多い部類だ。GMOコインもDMMビットコイン同様、レバレッジ取引に対応している。GMOコインでは、ネムの現物取引とレバレッジ取引の両方が可能だ。GMOコインでも、レバレッジは最大2倍と決められている。

これからも注目が集まる仮想通貨ネム

ネムの値動きを予測するのは難しいが、流出事件の首謀者の逮捕やシンボルの価格上昇といった要因で今後価格が上昇する可能性は大いにある。配分を意識しながら、資産の一部をネムに投資するのも面白いだろう。過去の最高値に回復することがあれば、資産を増やせる可能性も秘めている。