国が推進する「働き方改革促進」の動きを受けて、副業解禁に前向きな企業が増えてきました。なかには「残業が減り自由な時間を他の仕事に使いたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
一方で、「副業は興味があるけど何からどうやって始めればいいのか分からない」という声も聞かれます。本記事では、副業を始めたいと考える人のために、おすすめの副業の選び方や注意点、副業に関するQ&Aを紹介します。
自分に合ったおすすめの副業の選び方
自分に合う副業を選ぶための主なポイントを3つ確認していきましょう。
安全性を確認する
副業を始める際には、第一に安全性を確認することが必要です。近年は、裏サイト的な犯罪がらみの仕事も増えているので注意しなければなりません。最初は信頼できる知人からの紹介や大手の仕事紹介サイトなどの活用をおすすめします。
収益性を確認する
「空いている時間を使う」といってもしっかりと稼げるにこしたことはありません。手間や時間に対して収益性のバランスが適当かを確認していきます。時給に換算して最低賃金を大きく下回るような副業は、再検討が必要です。
継続できそうかどうかセルフチェックする
さまざまな副業を「お試し」することは、悪いことではありません。しかし腰を据えて副業に取り組むつもりであれば、継続できる見込みもチェックしましょう。継続することでスキルが向上していけば、やがて安定した収入につなげることができるでしょう。
おすすめの副業を選ぶ際の注意点
副業を選ぶ際の主な注意点は以下の5つです。
本業を圧迫・悪影響を与えるものは避ける
副業を許容している企業でも「副業はあくまでプライベートの範囲で」という条件が多い傾向です。そのため時間的、身体的、精神的に本業を圧迫したりパフォーマンスの低下などの悪影響が出たりする仕事は避けなければなりません。
スキルが身につかないものは要検討
自分のスキルアップを意識して副業を選ぶことも重要です。本業に役立つスキルやキャリアアップにつながるスキルを獲得できれば、仕事との幅を広げることができるかもしれません。
単価が安すぎるものは危険
副業初心者の場合、報酬単価が安くても仕事が欲しいあまり引き受けてしまうケースも見られます。しかし、あまりにも単価が安すぎる仕事に貴重な時間を費やすのは得策ではありません。クラウドソーシングサービスの中には、意図的に低い単価で仕事を募集している悪意のあるクライアントもいます。報酬を時間換算して単価が適正であるかを見極めましょう。
初期投資が必要なものは赤字のリスクも
詐欺の手口として多いのは、仕事をする前の段階で会費や登録料・教材費といった名目で金銭を請求するタイプです。「初期投資」というもっともらしい説明で金銭を請求してきますが、実際に仕事がもらえても投資した分を回収できるとは限りません。また初期投資は不要と言って おきながら契約後に多額の設備投資をさせられるケースもあります。
「自分はまとまったお金がないから大丈夫」という人でも注意しましょう。なぜなら借金をさせてまで代金を支払うよう言ってくる悪質業者もいるからです。さらに安全性の高い仕事だからといって張り切りすぎて、初期投資に多額の資金を投下することも考えもの。継続できなければ赤字のリスクを生むことになります。
「簡単に稼げる」といったうたい文句には要注意
「簡単に稼げる」「誰でも稼げる」「高額収入」といったうたい文句の仕事には、まず裏があると認識しておきましょう。楽して稼ぎたい気持ちは分かりますが、簡単に稼げるほど世の中は甘くありません。そもそも簡単に誰でも高額収入が稼げるなら他人に紹介することはないでしょう。魅力的に聞こえる言葉にひかれてもすぐに飛びつかず冷静に判断することが大切です。
初心者向けのおすすめ副業3選
初心者向けにおすすめの副業を3つ紹介します。
データ入力
データ入力は、パソコンがあれば誰でもすぐに始めることができるため、初心者におすすめの副業です。データ入力と一口にいっても、例えば「伝票や各種書類の内容のデータ化」「音声を文字に起こす」「通販の出品代行」など、さまざまな仕事があります。企業やデータセンターでの仕事、在宅ワーク可能な仕事と勤務場所も多様です。
ポイントサイト
いつでもどこでもスキマ時間に数分でコツコツと収入を増やすことができます。
まとまった時間が取れないけれどお小遣い稼ぎがしたい人にぴったりなのが「ポイントサイト」です。提供されている会社の広告視聴やサービス利用、契約などの条件を満たすと、後日ポイントが還元される仕組みなので、初期投資もスキルも必要ありません。いつでもどこでもスキマ時間に数分でコツコツと収入を増やすことができます。
パソコンやスマートフォンをこまめに操作することが苦ではない人におすすめです。
フリマアプリ
不用品を出品してお金に換えられるフリマアプリを活用すれば、初心者でも簡単に始められます。自分には必要ないものを効率よく資金化できることがフリマアプリの醍醐味。あらゆるジャンルを扱っているため、家中の整理にも役立ちます。ごみとして捨ててしまわずにリユースを意識すれば、お財布にも社会環境にも優しい副業になるでしょう。
中級者向けのおすすめ副業3選
多少のスキルがあればできる、中級者におすすめの3つの副業を紹介します。
WEBライティング
企業や個人から依頼された記事やレビューなどを作成する仕事です。案件によって単価や難易度は異なりますが、文章を書くのが好きな人であれば継続しやすいでしょう。例えば自分の得意分野の記事を執筆してさらに知識を深めたり実績を積み上げたりすることで、より一層好条件の仕事を任せられる可能性が広がります。
アフィリエイト
自分が運営するサイトやブログなどに企業広告を掲載し広告への貢献によって報酬がもらえる仕組みです。アフィリエイトの契約によっても異なりますが一般的に「クリックした時点」「商品購入の時点」などで報酬が発生します。閲覧者を増やす工夫をする技術が必要になるため、インターネット広告やマーケティングに関する知識があると重宝するでしょう。
フードデリバリー
身体を動かすことが苦ではなく空いている時間を有効に使いたい人には、フードデリバリーがおすすめです。アプリで仕事を受ける方式であればシフトやエリアなどで固定されずに短時間・単発で働くこともできます。働けば働くほど収入を引き上げられることも魅力の一つです。
上級者向けのおすすめ副業3選
高スキルを生かせる、上級者におすすめの3つの副業を紹介します。
プログラミング
2020年8月にパーソルキャリアが運営するコミュニティサイト「TECH Street」が行った「ITエンジニアの副業実態調査」によると、プログラミングを含むエンジニアの副業経験率は約40%でした。在宅のほか週末だけ別の企業で働いているケースも多い傾向です。プログラミングの勉強を兼ねてスキルアップしながら稼ぐという選択肢も考えられます。
コンサルティング
コンサルティングとは、企業の悩みを解決するアドバイスを行うことです。コンサルティングというと金融や経済などの難しい分野に特化したスキルと考えている人もいるかもしれません。しかし実は意外にも仕事で培ったノウハウを十分に活かせる分野です。30分~1時間程度の短時間でできる「スポットコンサル」から始める方法もあります。
コンサルティングのマッチングサービスを提供しているサイトなどを活用すれば、副業としてのコンサルティングをすぐにスタートすることも可能です。
動画編集
イベント用のムービーの作成や商品・サービスPR動画、動画配信サービスのためのコンテンツ作成など、動画編集へのニーズが高くなっています。依頼内容も企業や個人クライアントによって要求されるレベルはさまざま。スキルによっては本業をもしのぐ高額収入も期待できます。
副業探しにおすすめのプラットフォーム
副業を始めたいときに頼りになるおすすめのクラウドソーシング・プラットフォームを5つ紹介します。
クラウドワークス
2011年に法人設立したクラウドワークスは、日本最大級のクラウドソーシングサービスです。初心者向けからプロ向けの仕事まで幅広く扱い、仕事内容もオンライン上で完結するものだけではなく、リアルな仕事も多数あります。契約から報酬までクラウドワークスが管理するため、しっかりと順番を踏んで作業すれば、未払いが発生する心配はありません。スキルに自信のない人でもきっと副業にできる仕事が見つかります。
ランサーズ
2008年法人設立のランサーズは、クラウドワークスと並ぶ日本トップクラスのクラウドソーシングサイト。なかでもエンジニアとデザイナー、ライターの登録者数は業界屈指です。クラウドソーシングサービスの中でも比較的単価の高い案件が多く見つかり、独立フリーランスも多数活用している実績があります。近年は、地方在住者とのビジネスマッチングにも取り組んでいます。
ココナラ
「ココナラ」は、2012年に法人設立した企業です。「得意を売り買いできるスキルマーケット」というキャッチフレーズが表すように、個人のスキルを収入に換えることができます。スキルを売りたい人は、自分のスキル・経験を生 かしながら希望の金額でサービスを出品。また公募されている依頼に対して自分から提案することも可能です。
Kasooku(カソーク)
2017年に法人設立したドゥーファが提供しているサービスが「Kasooku(カソーク)」。副業・複業を応援するパラレル・キャリアマッチングサービスです。営業系人材に特化しており、副業したい人材と営業人材が欲しい企業とのマッチングを行います。「特定のスキルはないけど営業でお金を稼ぎたい」「スポットで働きたい」という人におすすめです。
イベントの協賛企業の獲得や通信回線の営業、SEO対策・Web制作の営業代行など、多種多様な営業の仕事が提供されています。
Skill Shift
地域貢献副業プロジェクトとして2017年11月にスタートした「Skill Shift」。都市圏の高スキル人材と地方の企業を結ぶ副業マッチングサイトです。業務スキルの保有者が集中する大都市圏の人材を、移住や転職の必要なく活用するための取り組みとして注目されています。副業希望者は、月1回程度の現地ミーティング+平日のスキマ時間を活用しながら、地方の中小企業が抱える課題改善のサポート役となります。
地方創生への貢献と副業が同時にかなえられるサービスです。
副業を始める際に見ておきたいおすすめQ&A
副業について気になる疑問にお答えします。
Q:副業は会社にバレる?
会社員として雇用されている場合には、すぐにはバレないかもしれませんが、いずれはバレる可能性が高いです。納税の観点からいえば、副収入で所得が増えることで住民税の金額も増加するため、これまでとズレがあることが判明してしまうからです。
Q:会社に副業がバレない方法はある?
原則としてバレない方法はありません。特別徴収を普通徴収に変更して自治体に直接住民税を納付する方法もありますが、支払い方法を変更する時点で会社から不審に思われる可能性が高いでしょう。
Q:確定申告は絶対にしなきゃいけない?
給与所得を得ているところが本業の会社一か所のみで副業の所得が20万円以下の場合は、所得税の確定申告は不要です。なお住民税の確定申告は20万円以下でも必要になります。
Q:確定申告を簡単にする方法は?
副業の確定申告を簡単に行うには、以下のような方法があります。
・国税庁の「確定申告書作成コーナー」にアクセス
「申告書・決算書 収支内訳書など作成コーナー」で説明に従って情報を入力。自動的に書類作成されるのでPDFデータを印刷して税務署へ郵送することで確定申告が行えます。
・事前に確定申告用のID・パスワードを取得
スマートフォンで「確定申告書作成コーナー」のQRコードを読み取り(もしくはアクセスし)申告内容に関するいくつかの質問に答えましょう。税金納付の必要がある場合には、納付用のQRコードを作成してコンビニで納付もできます。
まとめ
副業が社会的に容認される中、誰でも副業を始めやすい環境が生まれています。「スキルに自信のない」「何を始めてよいのか分からない」といった人でも、さまざまなサービスを活用すれば今すぐに活動をスタートすることも可能です。ただし副業をする際は、会社の規約を確認しルールに従った上で安全性の高い方法で仕事を探すようにしてください。