室町ケミカル IPOのスケジュール
室町ケミカルのIPOスケジュールは以下の通りだ。
仮条件決定 | 2021/02/04→770~820円に決定 |
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ブックビルディング期間 | 2021/02/08 - 02/15 |
公開価格決定 | 2021/02/16 |
申込期間 | 2021/02/17 - 02/22 |
上場日 | 2021/02/26 |
室町ケミカルのブックビルディング概要と初値予想
室町ケミカルのブックビルディングの概要が次の通りだ。
仮条件 | 770~820円に決定 |
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公募価格 | 820円に決定 |
当選口数 | - |
初値予想金額(※) | - |
ブックビルディング期間 | 2021/02/08 - 02/15 |
狙い目証券会社 | SBI証券 |
室町ケミカル IPOの幹事証券会社
室町ケミカルのIPOの幹事証券が以下の通りだ。
今回のIPOには、SBI証券、楽天証券、岡三証券などのネット証券で抽選に参加することができる。
証券会社 | 割当率 | 前受金 | |
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主幹事 | 野村證券 | 91.30% | 不要 |
引受 | FFG証券 | 2.61% | 必要 |
みずほ証券 | 1.74% | 必要 | |
SBI証券 | 1.74% | 必要 | |
大和証券 | 0.87% | 必要 | |
楽天証券 | 0.87% | 必要 | |
岡三証券 | 0.87% | 不要 |
室町ケミカル 業績情報(単位:1千円)
売上高 | 経常利益 | 当期利益 | |
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2018年5月期 単体実績 | 4,536,959 | ▲20,164 | ▲87,833 |
2019年5月期 連結実績 | 5,420,018 | 90,996 | 28,913 |
2020年5月期 連結実績 | 5,280,306 | 271,851 | 31,570 |
2021年5月期(予想) | 4,800,000 | 300,000 | 200,000 |
直近の売上高は45~55億円の間で推移している。
2018年5月期はわずかながら赤字決算となったが、殆どの期で黒字が維持されている。2020年5月期は2億円を超える経常利益を計上した。
2021年5月期は対前年同期比で減収となるものの、経常利益及び当期純利益は増益を予想している。2021年5月期Q2(累計)は売上高25億円、経常利益2.2億円であり、通期予想達成に向け進捗は順調である。
室町ケミカル ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
室町ケミカル株式会社<4885>は医薬品の製造販売に加え、健康食品及び化学品の製造販売を手掛ける福岡県大牟田市に本社を置く企業である。
事業内容
同社は1917年1月に売薬の製造販売を目的として設立された大洋製薬合資株式会社が前身である。その後、戦中戦後の企業再編などを経て、現在は下記3事業を手掛けている。
・医薬品事業
・健康食品事業
・化学薬品事業
医薬品事業について
医薬品事業では医薬原料(医薬品の有効成分)の販売・製造を主に行っている。中国、インド、オランダなどの原薬メーカー等から国内の製薬会社や医薬品商社の求める原薬を調達する他、自社での原薬合成、原薬の異物除去や精製などの加工を行い販売している。自社内で試験・分析ができる体制を有しており、原薬の輸入・製造・加工・分析・試験などの原薬のトータルサービスを提供している。
同社は原薬商社と原薬メーカーとしての機能を持っており、原薬製造のための原料などを海外メーカーから直接調達できる。また自社試験による時間短縮・コスト削減、開拓した調達先の品質向上指導などにより、付加価値を高めることができる。
健康食品事業
健康食品事業では主にスティックゼリータイプの健康食品の企画・製造を行っている。健康食品の通信販売を行う会社や健康食品メーカーなどから受託製造を主に行っている。商品設計から関わるODMや発注元企業のブランド名で販売されるOEMが大多数を占めている。
化学品事業
化学品事業では液体処理関連製品の販売・加工を主に行っており、主力製品はイオン交換樹脂及び分離膜である。両者は純水(不純物を含まない水)の製造、液体の精製、濃縮、脱色、金属改修など様々な用途に活用されている。同社は国内外のメーカーから様々な性能のイオン交換樹脂や分離膜の仕入販売を行うほか、用途に合わせて洗浄や加工などを行い、主に国内の化学メーカーや機械メーカー、商社などへ販売している。
2020年5月期の部門別損益
2020年5月期 売上高53億円(対前年同期比▲2.6%減)、営業利益3.0億円(同155%増)
・医薬品事業 売上高26億円(同6.4%増)、営業利益4.5億円(同50%増)
・健康食品事業 売上高11億円(同▲28%減)、営業利益▲1.0億円(前年同期▲1.8億円)
・化学品事業 売上高16億円(同8.4%増)、営業利益▲0.4億円(前年同期▲0億円))
医薬品事業が3事業の中で最大の事業規模である。ただし医薬品事業は黒字の一方で、他の2事業は若干ながら赤字となっている。また赤字の2事業は2020年5月期のみならず2019年5月期も赤字であり、赤字が継続中。
財務状況
2020年5月期末時点で資産合計48億円に対し、純資産合計2.5億円、自己資本比率5.3%である。借入金32億円に対し、現預金8.8億円を保有し、建物や構築物など有形固定資産を11億円計上している。
キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー(営業C/F)は、2019年5月期3.4億円、2020年5月期0.9億円とプラスで推移している。尚、2020年5月期は売上債権の増加(▲4.6億円)により営業C/F のプラス幅が減少している。
尚、連結子会社を2019年11月末に精算しているため、連結の貸借対照表の作成はなされていない。
資金使途
IPOにより8.7億円の資金調達を行い、下記使途を予定している。
・製造設備導入 5.4億円
・借入金の返済 3.0億円
調達資金は主に原液の製造設備導入に充当される。
株主構成
青木社長は第3位株主であり株式シェアの11%(うち2.6%は潜在株式)を保有。
創業家出身の村山会長が筆頭株主であり株式シェアの38%を保有している。また村山会長の配偶者が第2位株主(株式シェア17%)であり、村山会長の関係先で約55%の株式が保有されている。
個人中心の株主構成であり、ファンドや金融機関の株主参入はない。
まとめ
福岡県大牟田市に本社を置く、医薬品の製造販売に加え健康食品及び化学品の製造販売を手掛ける老舗企業のIPO案件である。
医薬品事業、健康食品事業、化学薬品事業の3事業を手掛けるが医薬品事業が主力事業であり、他の2事業はわずかながら赤字である。
直近の売上高が45~55億円の間で推移する中で、2021年5月期は減収ながらも増益予想である。IPOを期に調達資金などを活用して、売上高45~55億円の状態を突破して次の企業ステージに上がることができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、医薬品の製造・販売、健康食品の企画・製造・販売、イオン交換樹脂の販売・加工事業を展開する中堅企業。上場市場はJASDAQスタンダード。
株価のバリュエーションは公開価格時価総額が約32億円、業績予想ベースのPERは15.7倍 、今期末の配当予想が1株15円となっている。上場当日の株価動向は、資金吸収額が約14億円と小型のIPOだが、上場市場がJASDAQであることや業態は地味であることから人気化することはないと考えられるので、初値は上場日の後場には付くと考えられる。
セカンダリー市場においては、公開価格が類似会社比較でさほど割高感がないので、初値が高くつけば、上場日が天井になるかもしれない。上場後の調整で公開価格水準まで下がれば、5月末の配当に向けて買いが入るかもしれない。
株主に売り急ぐVCなどは入っていないので、需給で株価が壊れる可能性は低いと考えられる。7月の決算発表で来期の業績が今期比で上振れして増配となれば株価が動く可能性もあることから決算発表待ちで動いても遅くはない。
室町ケミカル 情報
会社名 |
---|
室町ケミカル株式会社 |
コード |
4885 |
市場 |
JASDAQスタンダード |
業種 |
医薬品 |
売買単位 |
100株 |
代表者名 |
代表取締役社長 青木 淳一 /1965年生 |
会社住所 |
福岡県大牟田市新勝立町一丁目38番5 |
設立年 |
1947年 |
社員数 |
191人(2020年12月31日現在) |
事業内容 |
医薬品の製造・販売、健康食品の企画・製造・販売、イオン交換樹脂の販売・加工 |
URL |
https://www.muro-chem.co.jp/ |
資本金 |
60,000,000円 (2021年1月21日現在) |
上場時発行済み株数 |
3,875,000株 |
公開株数 |
1,470,000株 |
連結会社 |
1社 |
大株主
村山哲朗 | 37.85% |
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村山ひとみ | 17.21% |
青木淳一 | 11.18% |
室町ケミカルグループ従業員持株会 | 7.74% |
服部英法 | 5.16% |
髙宮一仁 | 3.70% |
大辻正高 | 2.58% |
穗苅久美 | 2.58% |
井内聡 | 1.55% |
井ノ口浩俊 中村弘 | 1.20% |
ロックアップ情報
村山哲朗、青木淳一、服部英法、大辻正高、穗苅久美は上場後90日目の2021年5月26日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×仮条件上限) |
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12億0540万0000円(1,470,000株×820円) |
潜在株数(ストックオプション) |
430,950株 |